こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
ユニフレームの2021年新作「焚き火鍋18cm」
焚き火に吊るせる鍋フェチを自称しているぼくのフェチドストライクで、カタログで見た瞬間に心を奪われ、発売日に購入してしまいました。
焚き火に吊るすために生まれてきたそのビジュアルは多くのキャンパーの物欲を刺激すること間違いなし。
ダッチオーブンとは似て非なる軽量性を持ったステンレス鍋は軽量化に目覚めたソロキャンパーもターゲットにしています。
今回はユニフレームの焚き火鍋を吊るしながらレビューしていきます。
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先に結論から
まず、この鍋の総評をば。
「焚き火に掛けた見た目が好きなら買って後悔無し、そこに魅力を感じられないなら微妙な鍋」です。
個人的に見た目と軽さに惹かれて買いましたが、実際に使ってみて、微妙な点がいくつもありました。
ただそれを補って余りある見た目のカッコよさと、バックパック装備でも持ち運べる軽さがこの鍋の魅力です。では、レビューしていきます。
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焚火鍋18cm
金属加工の町、新潟燕市を拠点とするユニフレームの2021年新商品「焚き火鍋」。
シンプル過ぎる名前っ!!
と思いましたが、名品「焚き火テーブル」も同じネーミングセンスでした。
鍋の直径で18cmと26cmの2種類展開で、購入したのは18cmの小さい焚き火鍋です。
サイズ的にはソロ~デュオ程度を想定するといいでしょう。
サイズ
僕を含め、この鍋の購入を考えた人が悩むのはサイズと容量だと思います。
“Φ18×8cm”のカタログ表記がざっくりすぎてサイズをイメージしにくいからです。
というわけで実測で測ってみました。
段差のあるすり鉢状の鍋で、大きなステンレスのツルが付いています。
18cm鍋ですが、フチの外側で測ると約19cmでした。
木の蓋のサイズ。
鍋の中間部分にのせる蓋なので約17.5cmと外径よりも小さめ。
天然木を使っているため同じ模様はありません。
UNIFLAMEの刻印もカッコイイ。
ツル
たまらなくカッコイイ、そして不必要にごっついツルがサイコーです。
この鍋の重量でこのグレードのツルは必要ないと思うんですが、カッコいいから仕方ない。
中央にくぼみがあるため雑に吊るしても中心で吊ることができます。
鍋とツルは金具で固定されていて取り外し不可。
出来れば外せる仕様だと使い勝手良かったのになぁと思ってしまいます。
外せない恩恵か、かなり硬めの取り付けでどの位置でも固定でき、勝手に倒れることはありません。
ツルは鍋を一周させることができます。
収納するなら斜め下がいいでしょう。
水量
サイズと合わせて不明瞭な容量。
満水1.7Lと書いてありますが、蓋の下では何L入るのか、実用はどの程度なのか、それが知りたいのが買うか悩む人の意見です。
細かく測ってみました。
写真の木蓋を乗せて水が付かないギリギリが800ml。
蓋をして調理するならそれ以下で、約400~600ml程度。一人分のインスタントラーメン+少量具材程度がいいとこです。
これを見ると想像以上に小さいし、「あれ、蓋使わなくない?」というのが本音でした。
鍋のフチまで擦切りで入れると満水1.7Lで、鍋やおでんを作るなら約1100~1300mlというラインでしょう。
ここまで入れる用途だと、木蓋は落とし蓋的に乗せて使うことしかできなくなります。
実物を見ないでネットで買う場合は思ったより小さい、とイメージしておくといいでしょう。手持ちで1.7L鍋や800ml鍋があれば水を入れて試してみるとの良いと思います。
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スタッフバッグ
この鍋にはスタッフバッグが付いてません。鍋と蓋だけです。
ユニフレームさんはダッチトート8インチが合うよ、と言ってるわけですが、帆布素材で192gもあってせっかくの軽いステン鍋の良さを殺してます。
ぼくがオススメするのはイスカのメッシュクッカーバッグL(Φ22×11cm 23g)。
底がナイロン生地、上部がメッシュになっているクッカーに最適なポーチです。23gと軽いのも良いとこ。
少し大きく、上部にはゆとりをもって入れることができるサイズ感です。
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スタッキング
底の形状が丸くて、側面は垂直じゃない、蓋の位置も微妙。
完全にスタッキング殺しな形状で、シンデレラフィットのスタッキングを考えるべき鍋ではないことは一目瞭然です。
つまりこれが最適解!
鍋の具材を突っ込むだけ、です。
このままポーチに突っ込めばいいわけで、蓋が浮くくらいがベスト。
鍋用のクッカーってこういうものでしょう?
満水用の蓋
木蓋の雰囲気が良いのは認めますが、実用性で言えば別売りでも良いから満水で使える金属蓋を用意すべきだったなユニフレーム、と言わざるを得ません。
そのせいで焚き火に鍋を吊るせるフェチの満足度は上がりますが、実用性が低くなり、趣味性が高い鍋に仕上がってます。
家にある金属鍋を載せてみます。
100均で買った18cm蓋のツマミをパラコードに変えた蓋です。
18cm蓋だと乗りはしますが、ずれやすかったです。
用意するなら18~20cm位の蓋がベストかなと。
見た目と雰囲気が大事な鍋なので、適当に合わせても雰囲気は微妙なのが残念。だからこそ純正で満水用の蓋を出すべきだったと思ってしまいます。
無印のステン蓋がぴったり合うようです。
木蓋の裏技
裏返してΦ17.5cmのテーブルとして使えます。
でも突起があるので地面の上でしか安定しません。
超ロースタイルの地べたキャンパー向きですね。
軽いステンレス鍋のダッチオーブンとの違い
“ステンレスの吊るせる焚き火鍋”と聞くとついついダッチオーブンを想像してしまうのではないでしょうか?
ぼくが初めて持ったときの感想は「軽っ!?これでステンレス?」でした。
この焚き火鍋は用途的にはアルミ鍋に近い鍋だと思います。
というのも軽い=薄いステンレスなわけで、分厚いステンレスの蓄熱性で熱を閉じ込めるダッチオーブンとは目的が違うだろうからです。
薄いステンレスは熱の周りが早く、相対的に冷えも早くなります。木の蓋を採用していることからも上火を意識していないことは明らか。
雑に比べるとこんな感じ。
薄いステンレスの鍋で考えると性質的にはアルミとステンダッチの中間と言えるでしょう。
薄いと言ってもアルミに比べると耐久力が高く焚き火でも変形しにくいのがステンレス。
ススを金タワシでガシガシ擦ってもいいですし、焚き火での用途がメインならアルミよりもステンレスに軍配が上がるのは焚き火ケトルと同じです。
調理方法もアルミに近くなり、鍋やおでんといった温まれば完成、あとは保温で焚き火に吊るしておきたいような汁系料理に向いてると思います。
ダッチオーブンのような気密性と蓄熱性を活かした、煮込み料理やカレーや丸ごとチキンという料理をするものではありません。
ダッチオーブンを買う人が「ぐつぐつ焚き火で煮込んでホロホロの肉料理がしたいねー!」と思うように
ユニフレーム 焚き火鍋を買う人は「吊るしてぇ、冬キャンプで焚き火に吊るして鍋作りてぇ、吊るしてぇ!」と思う鍋というわけです。
ダメなとこ
レビューを書いてて欠点が見えてきたかなと思います。
そのダメなとこをピックアップ。
・実容量が少ない
・そのくせパッキングサイズが大きい
・スタッキングしにくい
・純正ポーチが無い
・木蓋の実用性が微妙→満水用の金属蓋が欲しい
・丸い底で安定感はやや低め
・ツル以外に掴む部分が無い
見た目に極ぶりしてるために犠牲になった部分が大きいです。
ここまでで書いてないポイントとして、18cm鍋なのに底径が約12.5cmしかないのも吊るし以外では不安定ということ。
スタイリッシュな見た目ですが、ツル以外に掴む部分がなく、耐熱グローブを履いて鷲掴みか、鍋つかみを用意する必要があるのも使い勝手は悪いです。
吊るしたまま取り皿に掬うならお玉が優秀です。
と総評でも書いた通り、使い勝手は微妙さが目立ちます。
過度な期待をするほど悲しい気持ちになるかもしれません。
欠点を帳消しにする圧倒的ビジュアルが魅力
とは言ったものの、そんな欠点が目につかなくなるほどのカッコよさがこの鍋の魅力です。
アルミトライポッドを使うのもいいけど、武骨に木で吊るすのがカッコイイ。
この鍋を焚き火に吊るせるだけで、そのキャンプが優勝すること間違いなし。
こんなキャンプがしたかったんだ!!
直火との相性は抜群。
わっちのフェチが満たされるのをかんじるうう。
下から見るのもよい、すげえ良い。たまんねえよ。
置いても良い。
欠点は多く、鍋の性能としては並以下。不満はいくらでも出てくる。
それでも焚き火にマッチするカッコよさで、これだけ軽い鍋は他に思いつきません。
冒頭でも書きましたが、
「焚き火に掛けた見た目が好きなら買って後悔無し、そこに魅力を感じられないなら微妙な鍋」
というわけなのです。
焚き火をするなら、焚き火に鍋を吊るすなら、寒い時期に鍋やおでんを作るなら、もうこの焚き火鍋以外は考えられない程度に心酔しています。
焚き火をしたくてキャンプに行く人がいるように、ぼくは焚き火に焚き火鍋を吊るしたいからキャンプに行きたいと思えます。
つまりは見た目買いできるかどうかが、あなたにオススメかどうかの分岐点です。
見た目買いならば後悔はまずないでしょう。
まとめ
現代人がガス火があるのに、焚き火なんて非効率的なことをしてるのだから、そこで使う鍋も非効率であって良いと思うんですよ。
ファッションと同じで非効率とはすなわちオシャレやカッコいいこと。
つまりカッコいいに振った焚き火鍋は非効率でオシャレな鍋ってわけだ。
オシャレな場でオシャレな服を着るように、焚き火をするキャンプでカッコいい焚き火鍋を使いたい、たとえそれが積載量に限界のあるバックパックキャンパーであっても。
それを叶えてくれたユニフレームさんが大好きです。
ウェブ上で閲覧できるユニフレームの2021カタログが出ています。オススメ。
ジュラパワーペグ(約39g/本)、「蒸す」「湯煎」「沸かす」が同時にできるKOLMEが見どころです。
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コメント
コレ私も買いました。筆者の方と考えは大分違うのですがね。この鍋の良い所は、鍋物の調理をどの様に理解してるかですね。鍋物料理って、野菜タップリ入れませんか?野菜を最初からいっぺんに入れる為には出来上りの時よりかなり鍋の容量要りますよね?だからこそ蓋があの位置で丁度良いですよ。貴方の写真のようにタップリの野菜を入れ、蓋を落し蓋みたいに載せてグツグツ煮たら蓋の位置が丁度良い所に来る。コレですよコレ。あくまで出来上がりの量は蓋の処を目指して、材料を入れる。材料山盛りでも横に溢れないための形状です。
コメントありがとうございます。ぜつえんです。
おっしゃる通り野菜のあふれるような鍋料理で野菜を抑えるフタですね。
個人的には野菜に火が通ってきたあとに、ちょうど良い位置ではなく、汁につく量になってしまうので合わない蓋と感じました。
食事量も料理で人によって相性があるんでしょうね。