こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
テント選びで自立非自立、シングルダブルウォール、重量などは重視されますが、軽視されがちなのがテントの出入口の向き、短辺出入口と長辺出入口。
出入口の向きはテント選びにおいて重要なポイントであり、使い勝手に大きく影響してきます。
今回はテントの短辺出入口と長辺出入口のメリットデメリット、用途ごとの向き不向きを紹介していきます。
スポンサーリンク
短辺出入口と長辺出入口のテントとは
ぼくは短辺にあるものを短辺出入口or縦出入口、長辺にあるものを長辺出入口or横出入口と呼んでます。
これが短辺出入口のテントと長辺出入口のテントです。
スポンサーリンク
短辺長辺出入口のメリット・デメリット・用途
短辺出入口 | 長辺出入口 | |
メリット | ・耐風性が高い ・狭いスペースに設営が可能 ・並べて設営がしやすい ・冬の整地が楽 |
・前室が広い ・出入りがしやすい ・居住性が高め |
デメリット | ・前室が狭い ・入口が狭い ・居住性はやや低め ・荷物の出し入れが しにくい |
・耐風性が低い ・設営にスペース必要 ・並べて設営が大変 ・冬の整地が大変 |
向いた用途 | ・登山 ・ツーリング ・雪山登山 |
・キャンプ ・耐風性、設営スペースを あまり気にしない用途 ・整地の少ない冬山 |
メリットデメリットは一般的なモノで、1人用と2人用でもサイズは大きく変わりますし、デメリットを解消した形状のテントも多くあるため一概には言えません。
そのため大体こんな感じという目で見てもらえるのがいいですし、元も子も有りませんが好きなテントを使うのが何より一番です。
それを踏まえた上で、それぞれのメリットデメリット用途を細かく説明していきます。
スポンサーリンク
前室の広さ
長辺・短辺出入口を比べたときに一番の違いは前室の広さです。
例えば、1人用の100x200cmのテントで前室が50cmせり出した場合に長辺・短辺出入口の違いで前室の床面積が計算で2倍変わります。
さらに短辺出入口はドーム形状のテントの角度から前室の高さも低く、角度も急になるので容積で比べると長辺出入口の前室との広さは2倍以上になります。
荷物を置いたり、調理などをするときや特に雨天時にはその差が大きくなっていきます。
そのため一般的に前室を効率的に使うには長辺出入口のテントが優れていると言えるでしょう。
また前室の面積の広さ、前室の高さ、それによる入口へのアクセスの良さから長辺出入口のテントは出入りもしやすい傾向にあります。
逆に短辺出入口の山岳用テントは、前室の狭さをさらに減らすことで軽量化と省スペース性能を上げてるモデルもあります。アライテントのエアライズが顕著です。
スポンサーリンク
耐風性
テントを張るときは風下に前室(入口)がくるように設営するのが基本です。
前室側に風を浴びると前室での調理や出入りの際に風をもろに浴びてしまうのでそれ対策です。さらに入口をあけた状態で強風に吹かれるとテント内に強風が舞い込み必要以上に風にあおられることになります。
人間でいうと背中で風を受けて顔は前という感じです。
逆に長辺出入口のテントは風を受ける面積が広くなり風でテントが煽られやすく、強烈な突風ではポールや生地へのダメージも受けやすいので耐風性が低いと言えます。
実際にはまっすぐ直線的な風が来るわけでもありませんし、夜の間に風向きも変わってきます。それでも二つを比べると前室の面積が狭いこともあり風に強いのは短辺出入口のテントと言えます。
強風になりやすい登山で使われるテントに短辺出入口のテントが多い理由の1つが耐風性からの考えです。
狭いスペースへの設営
混雑したキャンプ場、平坦なスペースの少ないテン場、整地しなければいけない雪上への設営時のとき。
混雑時
キャンプでは気になることは稀ですが、登山では重要なのが狭いスペースに張るときです。
数人で人数分のテントを張る場合にできれば入口からお互いを確認できるように張りたいわけです。
その時に短辺出入口なら同じ向きで詰めて張るのが容易ですが、長辺出入口のテントでは横に広くなるか、向い合せるとさらにスペースが必要になります。
土日や3連休、大型連休のキャンプ場や山のテン場はめちゃくちゃ混みます。
混んでると詰めて張らなければいけないのですが、そんなときに短辺出入口のテントだと空いてるスペースに人数分のテントを張れる場合が多いのです。
狭い斜面
登山では斜面を切り出したり盛り上がったスペースをテント場にしているところがあります。
そのような斜面に挟まれた狭いスペースにテントを設営する場合に長辺出入口のテントは斜面側に出入口を設置することになり出入口の際に気を付けなければいけません。
短辺出入口のテントの場合は斜面に沿ってテントを設営することができるため、斜面をそこまで気にしなくていいメリットがあります。
北アルプスの唐松山荘、燕山荘、穂高岳山荘、針ノ木小屋などのテン場はスペースが狭く、段々になったスペースでの設営です。
長辺出入口のテントでももちろん設営は可能ですが、短辺出入口のテントのほうが設営はしやすいです。
雪上
雪上にテントを設営する場合はまず整地が必要です。
長辺出入口のテントは前室が広い分、設営に必要な地面のスペースが多く必要になります。そのため雪上に設営する場合はより前室が狭く面積の小さい短辺出入口のテントが有利です。
これは雪が深くなるほどに痛いほどわかってくるもので平地のキャンプでなら整地も楽しくあまり気になりませんが、雪山で一日歩いた後の整地では1人分のスペースでも数十分~1時間ほどかかるためより小さい面積で張れるテントが好ましいです。
短辺出入口の、さらに言うならシングルウォールが一番楽です。
特に雪山で斜面を切り出してテント設営する場合は短辺出入口のテントなら斜面に沿って通路の延長で整地することでテントを設営できます。
長辺出入口のテントの場合はかなりの量の斜面を切り出さなければいけないため非常に手間がかかります。
ぼくが長辺出入口のテントを持ってこの場面に出くわしたら爆風でも稜線に張るか、雪洞掘ろうかなというレベルです。
2人で使った時の出入りのしやすさ
二人で一つのテントを使った際に、短辺出入口のテントだとどちらも出やすいです。
長辺出入口のテントの場合は奥の人が手前の人を跨がないと出ることができず、トイレで夜に出る時は踏んでしまうリスクや気を使うわずらわしさ増えてしまいます。
例外として長辺出入口で前後に出入口のあるテント(MSRはほぼこれ)ではそれぞれの側に出入口と前室があるため狭いテントでもより快適に過ごすことが可能です。ただ設営スペースが広く必要で斜面や雪山では設営が大変になります。
ここまで書いてからですが、現代は個食個泊(グループ登山やキャンプでも食事と宿泊は別々に用意)の文化が強くなり登山でもキャンプでも一人一張りのテントを持つのが主流です。
この考えがあるのは少し昔は数人で一つのテントを使うのが当たり前で軽量化や設営の手間を省いたり、バーナークッカーを兼用や狭いテン場を有効に使う文化がありました。
最近でも夫婦やカップル、ルートの厳しい雪山を複数人で行く人たちで軽量化や道具を兼用する目的では二人で一つのテントを使われます。しかしどちらかというと少数派。
そのためこの理論は現代ではほぼ無視していい考えだと思います。
もしかすると二人で一つのテントを使うことがあるかもしれないので、知識としては覚えておきましょう。
用途で考えるオススメの出入口の向き
向き不向きに過ぎず、可能不可能ではありませんので。
短辺出入口テントの用途
短辺出入口のテントは狭いへの設営と耐風性の高さが魅力。
それが必要なシーンというのは山、特に冬山や岩場の山です。
シングルウォールテントは短辺出入口のテントが多いのもその用途と理由からでしょう。
そのため登山用で使うテントを探している人で迷っている人は短辺出入口のテントで探してみることをオススメします。
長辺出入口テントの用途
長辺出入口のテントは前室の広さによる居住性の高さと出入りのしやすさが魅力。
短辺出入口が登山で有利と書いていますが、ぼくは山でも長辺出入口のテントを使っています。もちろん不便なシーンも多いのですが短辺出入口のテントが必要なシーンよりも前室や居住性を重視したい用途が多いという理由からです。
キャンプで使うテントでよほどのこだわりがなければ長辺出入口のテントをオススメします。理由は明確で前室が広く快適性が高いからです。
荷物の出し入れ、人の出入りもしやすいです。
さらにタープの下にテントを立てるときに長辺出入口のほうがテントを全部タープの下に入れやすいのもキャンプ向きなポイントです。
ぼくはキャンプで使うなら確実に長辺出入口のテントをオススメしますし、いつも長辺出入口のテントをオススメしています。
まとめ
最後に選ぶときは値段、見た目、好みになることが多いですが購入して終わりではなく、テントは長く使うモノです。
使っていくうちに出入口の向きや前室の広さ、入口の形といった細かいポイントが不満やお気に入りポイントになってくるものです。
好きなテント、カッコイイテントなのは大前提として大事です。それでも細かいかもしれませんが、出入口の向きも自分の用途と照らし合わせて購入前に一度考えてみてください。
スポンサーリンク
コメント