こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
誰も興味も湧かなければ気にもしないし調べようなんて思わない、そんな話が大好きです。
この記事を読む前も読んでからも何もわかってないし、何も変わらない無意義な内容であることは先に断っておきましょう。そこへの期待は裏切りません。
ガスバーナーを使うためのアウトドア用ガスカートリッジ「OD缶」はブランド間で一概に同じではありません。
おそらく充填元(製造工場)に由来する部分が大きい差があると思っています。
しかし非公開情報も多いせいで謎も多いOD缶を追求したい-スノーピーク編-というわけです。
今回はスノーピークのOD缶充填元の韓国会社がMSRやジェットボイルと同じかもしれない話を実物を見ながら調べていく話です。
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事の発端
なぜこんな記事を書くに到ったか。
OD缶のこと
→【OD缶の全て】9社16缶の充填ガスの比率と比較、OD缶の小話あれこれ
以前、OD缶の充填ガス比率を記事にしたときに他にも色々と調べました。
そのときに覚えた「ガス充填元」という概念。
ガスを充填している会社であり、(おそらく)OD缶製造をしている会社のことです。
その充填元の会社によってガス缶やバルブ(弁?)のクオリティに違いがあることにも気付きました。
→ジェットボイルとMSRのOD缶は本当ガス漏れするのか?漏れを検証していく!
MSRとジェットボイルのガス缶が漏れるのは元から知ってましたが、充填元の会社が同じ韓国のTAEYANGであることに気付きました。
と思って検証したところ、TAEYANGのOD缶だから漏れるという結論になっていたわけです。
そこから僕の中では「TAEYANG=OD缶の(バルブの)精度が低い」と決定付けてました。
TAEYANG=太陽
この発想はなかった。スノーピークOD缶も漏れるんだろうか。 https://t.co/JYcr2UWerd
— ぜつえん (@zetuenonly) December 16, 2021
そしてフォロワーさんに教えてもらった、TAEYANGを韓国語翻訳すると“太陽”であるという話。
太陽と言えば、スノーピークのガス充填元ですね。
スノーピークはグローバル展開で韓国にも支社があるため韓国との繋がりも大きそう。
缶を見てみるとスノーピークの充填元は「株式会社 太陽 MADE IN KOREA」でした。(昔のOD缶は 太陽産業株式会社 MADE IN KOREAと表記)
ちなみにMSRとジェットボイルは「TAEYANG CORPORATION 韓国製」です。
翻訳すると
株式会社 太陽=TAEYANG CORPORATION
MADE IN KOREA=韓国製
スノーピークは日本の株式会社太陽が韓国工場で製造しているパターンも考えられますが、どう考えても同じじゃろ!!と思ってしまいました。
これは検証していくしかねえなってわけです。
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独自の検証
では色々な観点から「太陽=TAEYANG説」を検証していきます。
スノーピークのOD缶
その見た目から金缶、銀缶と呼ばれるスノーピークのガス缶。
寒さに強い金缶はイソブタン+プロパンの配合。
ロゴが逆さまな銀缶はブタン+イソブタンで暖かい時期向きですが、液出し(缶を逆さまに接続)に対応したガス缶です。
液出し用ツーバーナーなど使い分けを公式が対応表にしています。
表だけ見れば液出しできる銀缶のほうが活用シーンが多いですが、寒冷地で使うなら金缶に軍配が上がります。
ガス充填量
スノーピークに
「イソブタンやプロパンなどの充填比率・太陽=TAEYANGか・バルブの生産工場も太陽か」
を問い合わせましたが、公開している情報以上は教えられないと言われました^x^
TAEYANGなら金缶はイソ80%プロパン20%っぽいですが、謎です。
前回の結果
→ジェットボイルとMSRのOD缶は本当ガス漏れするのか?漏れを検証していく!
以前書いたジェットボイル(以下JB)とMSRのOD缶が漏れやすいという検証データ。
3つのバーナーとOD缶の総当たりで漏れやすさを大中小×で表にしました。
×は全く漏れない、大はめちゃくちゃ漏れるです。
この検証でTAEYANG(JB・MSR)=漏れるがぼくの中では確認されました。
漏れ度
漏れ度 | 充填元 | |
Snowpeak 金 | 小 | 太陽 |
Snowpeak 銀 | 小 | 太陽 |
JETBOIL | 大 | TAEYANG |
MSR | 大 | TAEYANG |
PRIMUS P | 小 | エヌケイケイ |
SOTO | 小 | 東邦金属 |
今回はジェットボイルフラッシュをバーナーとして、スノーピーク金銀缶を含めて再検証。
×という概念を忘れてたのでこちらは大小。
試してみるとまさかのTAEYANGは漏れまくりですが、スノーピーク缶はエヌケイケイや東邦金属同等に漏れない結果になりました。
ほんとにまさかの嬉しい誤算です。
スノーピークは110缶250缶どちらも検証しましたが結果は変わらず、他ブランドは110缶のみです。
キャップ
実はOD缶に付いてるキャップの形状が充填元会社で変わります。
ぼく調べでは、韓国TAEYANG製造なJBとMSRはOPENERと書いたツマミが長いキャップ、他はツマミの短いキャップです。
で、スノーピークもツマミが長いキャップでした。
キャップ検証ではTAEYANG=太陽っぽいというわけです。
缶裏製造日
OD缶の底には製造日が記載されています。
JBは「202102026 17:29」と時間までの記載。
スノーピークは「21.02.23 15:18」と同様に時間まで記載。西暦表記と字間がちょっと違いました。
ソトとプリムスは「20210918」「20210830」でシンプルな8桁の日付表示。
他の東邦金属充填ガスも8桁日付表示が多いです。
この段階ではJBとスノーピークが近く、太陽=TAEYANGっぽいな感があります。
が異端児MSRイソプロ。
「022120」が製造日でしょうか。20年2月21日ですかね。
一気に他と違いすぎる独自マークで怪しくなってきました。まあJBとスノーピークは似てるよねって感じです。
ラベル
続いてラベルの違い。
注意書き部分が特にわかりやすく、スノーピークとソトがそっくりです。
逆にJBは全然違うオリジナルラベル。
MSRも独自なラベルで、他とは全く違います。
JBには50%12回といったガス残量:沸騰回数の絵が描いてあります。
MSRにも水に浮かして残量を測る絵が描いてあり、東邦金属っぽいスノーピークのラベルとは似て非なるモノです。
ラベル的には太陽≠TAEYANGです。
ただラベルは各社デザインしたものを製造工場(充填元会社)で作ってもらってるパターンだと思ってるので、その場合は参考にならないラベルです。
JIA認証マーク
丸の中に炎っぽいマークで書いてあるJIA認証マーク。
第三者検査機関であるJIA(日本ガス機器検査協会/ガス検)で認証された証のマークです。
「日本のガス検は厳しい」という噂はたまに聞きます。MSRがウィンドバーナーを日本で出したときも大変だったみたいな話がありました。
適合性検査というモノがあり、バーナーを出すブランドは合わせて使うガス缶を用意して、そのセットで検査を受けて合格する必要があります。
それが純正ガスを使うべき理由です。
検査の様子はアウトドアギアジンさんの検査場インタビュー記事がわかりやすいです→ガスストーブの発売前検査が想像以上にガチだった。~日本ガス機器検査協会 東京検査所見学~/Outdoor Gearzine
で、このJIAマークがJBとMSRには付いて無くて、スノーピークとSOTOにはありました。
あれおかしいなと思って他も見てみたらプリムスやEPIgasにもありませんでした。
JIAマークをOD缶に付ける規則は無いようですね。
ということでJIAマークはあっても無くても気にしなくて良いでしょう。余談でした。
底径と充填量
底径と重量は実測、缶記載充填量は缶値、重量-充填ガスは計算結果です。
丁度手元にデジタルノギスがあったので110缶の底径を測ってみました。
上手く合わせられず0.05mm程度ズレもありそうですが、数回測っても確実に違いがありました。
韓国製のOD缶は0.1~0.2mm程度大きいこと。
重量は新品キャップ無しでMSRは測り忘れました。
充填ガス量には違いがありますが、「実測新品重量-缶記載充填ガス量=空缶重量」となります。これも実測できればよかったんですが、すぐに缶消費もできませんでした。
それでも同じ110缶の缶重量は、太陽とTAEYANGは約100g、エヌケイケイと東邦金属は約86gと集束してます。
やや強引ですが、充填元の会社によって微妙に金型が違い、適正充填量も変わってくるということはあるのではないでしょうか?
そこから考えると太陽=TAEYANGっぽいです。
あとTAEYANGは缶重量が重いので同じガス量でも14gほど重くなるだろうこともわかりました。実測とスペックでの理論上は。
バルブ内部
知ってましたか?OD缶のバルブの中を覗くと色が付いてるんです。
JBとMSRは青。他ブランドは全てオレンジです。
TAEYANG=青=漏れやすい缶、だと思ってて。
だからスノーピークも韓国製だから青だしTAEYANGで漏れやすいと思ってました。
ところがどっこい、スノーピークもオレンジでした。
漏れ度検証からスノーピーク=漏れないことはわかってるので妙に腑に落ちた結果です。
色々検証したので、最後に一つだけ疑問を話して結論に進みます。
【謎】充填元=製造元
TAEYANG、太陽、東邦金属、エヌケイケイ、これらのOD缶充填元会社。
この充填元会社がOD缶自体も作っているのかどうかという謎があります。
充填元=製造元なのか?です。
各社問い合わせても教えてもらうことはできない答えの分からない謎です。
個人的には充填元会社か近い会社で缶製造までしていると思ってます。
ただラベルや底の表記などの細部は依頼ブランドに決定権があるのかなというのがぼくの想像です。
詳しい事を知っている方がいたら教えてください。
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結論
では結論。
ぼくは「太陽=TAEYANG」であると思いました。
それは缶の底径であり、実測重量による空缶重量であり、キャップの形であり、株式会社太陽という名前であり、MADE IN KOREAの表記からです。
残る疑問は同じTAEYANGなのに漏れないこと、バルブの色が違うことです。
このバルブに関しては、OD缶の中でも珍しくバルブに言及してるんですね、スノーピークは。
「高い精度のバルブと弁」を謳ってるわけで、それがあのオレンジのバルブのことではないかと。そう思ってるわけです。
東邦金属やエヌケイケイは当たり前に採用してて、その漏れないバルブを使ってTAEYANGにOD缶作ってもらってるんじゃないのかな、とぼくは思いました。
文章的にはオレンジなのはバルブじゃなくて弁かもしれませんね。
もしそうなら同じTAEYANGでもJBやMSRよりもスノーピークのOD缶は漏れにくい説明がつきます。
だから、太陽=TAEYANGなのは間違いなさそうだけどJBやMSRよりもスノーピークのOD缶は漏れにくく高品質で使用感は国産と比べても高いOD缶と言えます。
というのが今回の検証の結論です。
オチ
最後にオチです。
漏れる漏れないに関わらず、日本でガスバーナーとOD缶を使うなら同じブランドの製品を使うのは絶対条件です。
スノーピークのOD缶を使うならスノーピークのバーナーを使いましょう。
例えばそこに漏れがあってもガス検査済みで、万が一の特に保証を受けられる唯一の組み合わせです。
そしてTAEYANG漏れる記事でも書いてますが、モンベルカスタマーにも「多少漏れても素早く取付をすれば問題の起こる漏れ量では無い。」と言われましたし、ぼくもそう思います。
バーナーと缶はブランドを揃えて使いましょうね。
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おまけ
韓国の会社”太陽”について調べると色々出てきました。
かなり大手の会社で、国内CB缶でも太陽で充填しているガスは多くあるようです。
東邦金属の一部ガスも充填元太陽というのもあるみたいです。
ここまで書いてあれですが正直良く分からないが本音です。
110缶
110缶について調べていたら缶のサイズが2種類あることに気付きました。110缶と100缶です。
その中で110缶サイズだったのはなんとTAEYANGであり太陽の製品のみでした。
謎はさらに謎を呼ぶ記事もどうぞ。
まとめ
本当に誰も得をしないであろう記事ですが読者のことを気にせず、メーカーに忖度もせずに書きたいことを自由に書けるブロガーで有りたいです。
好きであり続けるためにより深く疑い、理解し、知る努力をするというのは恋愛と同じなのかもしれませんね。あでゅ。
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コメント
プロパンガス最強じゃないか!
面白かった。
今年から山を始めましたが、各メーカーのガス混合比率はこんなに違うんですね。
今後の参考になりました。
はる6様
用途次第ですがだいぶ充填比率違うの驚きますよね。
ガス比率だけでなく値段や入手性で好みも出てきますので、色々使って試してみるのも楽しいですよ!