こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
キャンプや登山のときに、スマホのような出し入れの多い小物を入れるのに便利なサコッシュ。
大手からガレージブランドまでたくさんの商品が出ています。それでも好みもモノに出会えなかったり、値段が高くて気軽に手が出ないというのも事実です。
なら自分で作っちゃえばいいんだ!そういうことです。
今回は手持ちのポーチをサコッシュ化するためのロープワークと金具を使った方法をいくつも紹介していきます。
その中から自分に合った接続方法を見つけてサコッシュを作ってもらえたらいいなと思います。
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使う道具
必須な道具とあると幅の広がる接続用金具です。
ロープを切るために必要なハサミやナイフと末端処理するライターは省いてます。
必須な道具
まずサコッシュにしたいポーチが必要です。
左右にロープやカラビナを通すことのできるループがあるモノがサコッシュに向いています。ただ、ループ無しでも作れる方法も紹介しますので絶対必要、ではありません。
この赤いポーチはもともとサコッシュでバンドもついていたのですが、使いずらいバンドだったため外して自作しているというモノです。手持ちのサコッシュのバンドを変えるのもオススメ。
サコッシュに向かない形状もありますが、簡単なので作って試して確認するのが早いです。まずは好きなポーチで作っちゃいましょう。
そして、パラコードや好みのロープ。
長さは120cm程度が結びを作って使いやすい長さです。2つ目以降は好みで。
太さは2~4mm程度が使いやすいです。パラコードが安く色や太さも豊富で選びやすいでしょう。
より軽量性重視やポーチが小さい場合はマイクロコードやダイニーマコードを使うのもアリです。ただ細いと体に食い込みやすく、操作性も低いのでポーチに合わせて。
あると便利な金具
手持ちでサコッシュで使えるのはこの辺り。
無くても作れますが、あると着脱が便利になったり、調整がしやすくなります。
個別の説明は実際に作る時にします。
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サコッシュの方向性
簡単に自作できるサコッシュのロープ。
ここで紹介する作り方では目指す方向性により、いくつか注意点があります。
方向性としては
・片側で長さの調節が可能
・簡単でシンプル
両側で長さを調整可能にしてもいいのですが、あまり使わないのと複雑になるのが好きではなく、左右どちらかにしています。ぼくは右腕を通すようにたすき掛けするので左側で調整しますが、違う方は操作しやすいように左右好みで、両側調整可能にも好みで。
注意点は
という点です。
では、さっそく作っていきましょう。
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金具無しでロープワークのみ
まずは金具を一切使わずに作るサコッシュ。
ちなみに今回の記事のメインがここです。
3種類のロープワークを紹介しますが、それをクリアすれば、あとは金具をつけたりするだけです。まだ覚えてない人は画像を見ながらロープワークをやってみてください。
金具無し+ロープワークのみ
この状態を目指していきます。
金具無しでロープワークのみで作ります。写真左側は接続のみ、右側は長さ調整可能にします。
実際につけるときは写真裏面が体側にきて、体の左側で長さを調整することになる向きです。
右腕を入れてたすき掛けの人は、この向きで大丈夫。左腕を入れる人は反対の位置に長さ調整の結びを作りましょう。
ひと結び(ハーフヒッチ)
まずは接続のみで長さ調整をしない側のロープワーク。
ここはほどけなければどんな結びでもOK。ただ見栄え的に接続方法にこだわってこの結びにしてます。
結びを作るのはサコッシュをたすき掛けするときに腕を通す側(ぼくなら右)です。
①写真ではポーチが上下逆転していてわかりにくいですが、実際に使うときの上から下へとロープをループに通していきます。
②手前のロープにひと結び(ハーフヒッチ)をします。靴紐でも使う一番簡単な結びです。先端を通すとき写真の向きでやると、最後に結び目が上向きになり、見栄えが良くなります。写真では下を向く方向です。
③結ぶときに先端を1cmほど残しておくことでほどけにくくなります。でも長すぎるとカッコ悪いので、調整しながら。
④手前のロープを押さえて、結び目を掴み、ロープ上をスライドさせるように移動させることができます。輪になるとひっかかりやすいので、輪にならない+結び目が上に出るロープワークを選択しています。
もやい結び
前出のひと結びは締め付けるモノでしたが、締め付けたくないときもあります。
そんなときに使うのがもやい結び(ボーラインノット)です。
もやい結びはできた輪が縮まらない、簡単にほどけるというメリットがあります。
個人的に、サコッシュではループができると引っかかるデメリットがあるのであまり使いませんが、ポーチの形状や素材によってはこちらの結びを選択したいです。
また輪を小さくもやい結びをすれば引っかかりにくいのでそれはアリです。
続いて反対側のループに長さ調整するためのロープワークをしていきます。
エバンスノット
ちょっとだけ難しいロープワーク“エバンスノット”です。
少し複雑!でもがんばって!できる!キミならできる!諦めないで!
これも結んだ後に結び目を移動できる結び方です。しかし、1つ目のハーフヒッチより摩擦が強く、固定力が高くなり、自在結びのように長さ調整に使える結びです。
手順としては、ポーチのループに通してから一度上まで戻して、その戻したロープもまとめて巻いていきます。ここで2~4周で巻きつけ、巻く数が多いほど摩擦が強くなり、長さが勝手に伸びることがなくなります。その代わり自分で動かすときもきつめになります。
大体写真の3周がどのロープでも調整しやすく、適度に固定してくれる無難なラインです。
エバンスノットのコツは、結びをするためにロープを長めにとって余裕を持たせ、できれば床やテーブルに置いて、ゆっくり丁寧にやることがコツです。ねじれも少ないほうがキレイになります。
また締め付ける段階で何周か巻いた部分が重ならず、同じ向きで揃うようにします。そして、先端の長さは短いほうがよく理想は1cmです。それ以上になるとカットして末端を調整します
結びつけるとこのような結び目になります。
結び目をつかみ、手前のロープを引っ張ると締め付ける動きで輪が小さくなり、サコッシュの紐が長くなります。
ループにくっつくほど締め付けてしまうと、緩めるのが大変になるので注意。
反対に短くするときは、結び目をつかんで、手前を引っ張るとループにかかる輪が広がり、紐が短くなります。
この結び目の動きはエバンスノットをするときに巻いた数に依存するため、きつすぎるなぁと思えば2周にしたり、ゆるすぎるなぁと思えば4周にしたりと好みに調整ができます。
完成
両側を結んだので、これで完成です。
長い状態で体にかけて、長さを短くしてフィットさせます。
結びの末端がどちらも上を向くため比較的邪魔になりにくくなってるのが地味なこだわりです。
金具を使わないメリットは軽量化がしやすい、安い、破損のリスクが低い、シンプルなどがあります。好みも強めですが、シンプルに使うほどサコッシュにおいて金具は邪魔です。それを簡単に省ける方法がこのサコッシュでのロープワークです。
欠点はサコッシュとのつけ外しが面倒なこと。
つける時に頭からかぶらず、金具の付け外しで着脱する人には向きません。
そして、長さ調整側に短くするほど輪っかができてしまうことです。サコッシュは大体そうなんですが、地味に引っかかることもあるので好みがでるとこです。これも他の接続方法で解消できるパターンもいくつかあります。
最もシンプルなサコッシュを作るロープワークがこれだと思います。
動画
金具無し、エバンスノットで長さ調整できるサコッシュ pic.twitter.com/blxmwjEO9L
— ぜつえん (@zetuenonly) June 29, 2020
実際に付けて使った動画です。
最長まで伸ばしてしまうと若干伸ばすのが少し手間取ります。逆に短くしたのを伸ばすのは一瞬。
サコッシュを下に引き、結び目をスライドさせて緩めることができます。
120cmで作るとこの程度長さ、という参考にもしやすいと思います。
長くなるほど邪魔なので、伸長や使い勝手で調整するのがベストでしょう。
カラビナ+ロープワーク
先ほど結びで接続したサコッシュです、次は最初に結んだ長さ調整できないひと結び(ハーフヒッチ)側をカラビナに変えることで付け外し可能にします。
といってもカラビナに変えるだけです。
カラビナとロープの結びは先ほどと同じ、ひと結び(ハーフヒッチ)です。
カラビナにすることで片側を付け外しが可能になります。サコッシュをつける時にも便利ですし、何かをぶら下げるにも使えます。
欠点は人によっては金属のカラビナは邪魔で重くなることです。
あれば便利ですが、無くてもいいなら無いほうがいいという価値観で、ぼくはサコッシュのカラビナが苦手で、接続や長さ調整でプラパーツは使いますが、金属のカラビナは余り使わないです。まあ好みです。
分離式エバンスノット
エバンスノットで作っているときに思いついた方法。
この結びに名前があるのかわかりませんが、そのまんま「分離式エバンスノット」と呼称してます。
やり方としては面白いですが、作るのにやや手間がかかり、完成度に個人差も出そうなのでさっくりと紹介。
わかりやすいように2色の黒は2mm、赤は4mmで作ってます。実用シーンでは同じ太さがいいです。個人的には巻きつける側は3~4mmが理想かと。
肩掛けするロープはループを通してから、末端を輪か玉の結び目に。その手前に結び付けるようにもう1本でエバンスノットを作ります。
最後に締める輪っかに先端を通して締めこむことで、ほどけなくなります。
そして、左右末端を抜けないように処理。ひと結びでもいいのですがより小さく、炙ってから平らに押しつぶします。
ライターでやる場合は少し長めの時間溶かした後にライターの金属部分に押し付けてやるとフチの広がった末端になります。そこでひっかかりぬけなくなります。これを両端。
サコッシュ本体のループ部に分離したエバンスノットの結びが引っかかり、長さを調整できるようになります。
余った部分が下に垂れるのは好みは分かれそう。ぼくは輪ができるのより好き。
調整部分の赤い結び目が手元の同じ位置でずれないのも優秀使いやすい。
黒いロープ側の末端はただの結びよりも輪にしたほうがつかみやすく使い勝手がいいですが、先端が輪になるのはどうかなぁとも思うとこ。間隔開けて結び2つとかも有。
ややこしくしてますが、あとから出てくるコードストッパーをロープで作ったモノと同じで、金具かロープか程度の違いしかないモノです。
金具との違いは、押して動かす手間がいらない、金具のように当たって音がすることがない、が利点。
全部自作で金具無し+ロープワークのみで考えると作っていて面白いモノではあります。それは実用性よりも大事な部分かもしれません。
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金具を使ったサコッシュ
次は金具を使って接続、長さ調整をする方法を紹介します。
接続側
まず接続側。
長さ調整が必要ない場合の接続方法はこの中から選ぶのがいいでしょう。
カラビナはパーツを使う場合は取り外しを想定する方法、ミニカラビナはポーチのサイズに合わせて使えば小型化ができるのが利点です。
タープクリップは挟んで固定するモノで、ポーチにループがない場合にも使えます。
ひと結びは金具無しで接続したときの結びです。
接続側はそのまんまなので説明無しです。
長さ調整側
長さを調整する側。
金具を使うことで接続にバリエーションが出ます。また特徴も異なり、一概にどれが良いとも言えなくなります。そして好みもあるのが楽しいところ。
左のエバンスノットは金具無しで作ったサコッシュのロープワークで、結び目が動くタイプですね。
残りの調整方法は特徴を個別に紹介していきます。
コードストッパー1穴
コードストッパーやコードロックと呼ばれる紐を固定、押すことで動かせる金具です。
丸形、横長など形状は様々ですが、押しやすさから丸で平形を選びました。
服やカバン、スタッフバッグで使われてることも多いでしょう。紐を通せる数で1穴と2穴タイプがあります。
これが使えるのはループの穴がコードストッパーよりも小さい場合です。
ロープを通してから、コードストッパーをつけ、外れないように結び目(ここではひと結び)を作って完成です。
短くしたときも金具が引っかかることで長さが固定されるわけです。
固定方法は分離式エバンスノットと同じで、コードストッパーかロープかの違いです。
長いときはシンプルでいいですが、短くしたときに余った部分が下に垂れるのがこの固定方法の特徴です。
これの良し悪しは人により、輪ができないので引っかからず調整が同じ位置にあり続けるのがメリット、見た目が悪くサコッシュより下にロープが垂れる状態になるのがデメリットです。
ぼくは輪ができないのが好きで結構使う方法です。
調整する金具の位置が変わらず、手を伸ばせばいつもそこで調整できるのが地味に便利、それと同時に接続部が上がってこないのでザックや背中と金具が干渉しないのもメリットです。
あとは固定力は低めで使うコードストッパー、サコッシュ、入れるモノによりますが、重いと勝手に伸びてくることがあるのが注意点。
形状やカラフルなパーツもあり、デザインで楽しみやすいのがコードストッパー沼の入り口です。
コードストッパー2穴
サコッシュで使われることの多い2穴タイプのコードストッパーです。
2本のロープを通すことができ、固定方法に自由度がでます。
またロック力が高いのもメリット。
ループに通す前に1つ目の穴に通し、ループを通してから2つ目の穴にも通して、抜けないように結びます。
ロープが垂れることがなく、おさまりも良く、操作性も癖がなく使いやすいです。
短くするほど、結び目が上に上がってきて、背中やザックと干渉しやすく、短くし過ぎると当たって気になることもあります。
背中に当たるデメリットは末端を垂らすことで解消できますが、1穴の使い方とほぼ同じで2穴にするメリットが薄れます。
ロープの長さを自分に合わせて調節幅を狭くすることで背中側まで回らなくすることができます。というのが一番いい使い方でしょうか。
自在金具
アルミの自在金具。
タープやテントを固定するのに使うアレです。
2穴コードストッパーと使い方は同じで、先に金具の1穴に通してから、ループを通して、2穴目に通して結びます。
2穴コードストッパー同様に短くしたときは輪ができますが、金具の幅が広い分、輪が大きくなりやすいです。
また、金具が傾くことで穴とロープに摩擦が起きて固定しているため、ふとした拍子にゆるんでしまうのが一番の難点です。
見た目がキャンパーライクで、自在金具+サコッシュを使うのはキャンパー以外がいないだろうことが魅力です。
見た目で選ぶならアリですが、実用性は低め。三角の固定力が高い自在を使うならもう少し実用性はあがりますが、輪が大きくなるので個人的には無しです。
見た目は好きですけどね。
タープクリップ
(完全にワニにしか見えない)タープのハトメがない場所に接続するのに使うクリップ。
ループの無いポーチでも生地を挟んで引っ張ることができます。
噛みつき強度は高く、サコッシュで使う分にも十分。
ただ生地との相性は大きく、滑りやすいシルナイロンやビニール素材には向きません。コットン系には向いてます。
タープクリップを使って調整する場合には、ロープはエバンスノットで調整します。
実際こんな使い方はしませんが、挟めればどこでも固定が可能で、どんなものでもサコッシュ化できるのがメリットです。
ループのついてないモノで使う場合は両側をクリップにする必要があり、ひと結びとエバンスノットでクリップを固定することになります。
ラインロック風金具
UL系のテントやタープで使われるLineloc(ラインロック)というプラパーツ、に似た金具です。
本家だともっと細いロープを使えますが、これは太目で3~4mm程度まで固定することができます。
使い勝手がよく、色んなとこで愛用しています。詳細は別記事で書いてます。
Amazonの格安なラインロック風金具が理想の自在金具という話!
金具とループを接続するために1mmコードを。メインは4mmパラコードです。
1mmコードは短くして玉結び、4mmは2つある場所にいれて、出して、ひと結び。これで完成。
金具とループの間にカラビナを入れるのもありますが、あまりにごちゃつくので個人的には微妙。つけ外しできるようにするなら、反対の接続側をカラビナにするほうが良いです。
ラインロック風金具で短くしたときに、余った部分が横に飛び出して垂れるのが欠点です。
メリットは、調整位置が手元からずれないこと、操作性はいいこと、固定力も高いことです。
この金具の可能性を模索してるので好んで使ってはいますが、正直サコッシュ向きではない感じがあります。
4mmという太さが向いてない要因でもあり、本家ラインロックで細いロープとセットで使うなら便利。
ぼくが使ってるWANDERLUST EQUIPMENTさんのカンパラパックでは1.8mmダイニーマコードとLineloc WSR3というバックル付きラインロックを使用していて便利です。
組み合わせ
ここまで紹介した接続側(調整できない)と長さ調整側を組み合わせることでポーチをサコッシュにすることができます。
どれがオススメではなく、それぞれ一長一短があり、個人差、使うポーチ、用途、入れるモノの重さで変わってくるので種類は多いほど自由度があがるのです。
是非お気に入りのサコッシュを作ってみてください。
どんなポーチでもサコッシュにすることができます。
アウトドア用途で考えるなら防水ポーチとの相性が良いです。
まとめ
ロープワークは自分で考え、選び、作り、使う、が詰まった遊びです。
できることが増えれば必要な道具も減り、結果的に軽量化へも繋がります。
“できる自分”がわかれば、”いるかも”という道具を削りやすくもなります。
柔軟な思考にもつながるのがロープワークであり、キャンプの醍醐味ではないかなとも思っています。
サコッシュを作るのと一緒にロープワークも覚えてみてくださいね。
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