こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
Rasical様からの提供品でのレビューです。
我々を魅了してやまないエアロゲルを使用した中綿素材。
すでに性能の高さを語る必要もないでしょう。
ハイエンドなエアロゲル中綿を使った寝袋。寝袋好きとして気にならないわけがありません。
今回はRasicalのエアロゲル中綿を使ったシュラフをレビューします。
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Rasical
エアロゲル中綿の布団やジャケットなど使わせてもらってるラシカル。
複数製品を触った感想は、アウトドアよりもタウンユースや比較的ライトなアウトドアを想定した製品が多めです。
エアロゲルやグラフェンなどハイグレードな素材を普段使いにすることで快適に、のような印象を全製品から受けてます。
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スペック
寝袋重量 | 約1060g |
圧縮袋重量 | 約82g |
収納袋重量 | 約39g |
快適温度 | 0度 |
限界温度 | -10度 |
サイズ | 80×210cm |
収納サイズ | 30×65cm |
圧縮サイズ | 33×22cm |
表地 |
20Dリップストップナイロン
(DWR・防汚・防油) |
裏地 |
20Dポリエステル(DWR)
|
詰め物 |
ポリエステル100%
(エアロゲル化繊中綿) |
ポリエステル100%のいわゆる、化繊中綿の寝袋です。
EN13537ではない、自社規格で0~-10度に対応で3シーズン用程度。
生地は20D生地と標準的な薄さで、表地は強度の高いリップストップナイロン、裏は肌触りの良いポリエステルです。
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ヒートエーテル(エアロゲル中綿)
ラシカルの独自断熱中綿素材ヒートエーテル。
化繊中綿にエアロゲルを配合しています。
エアロゲルは95%空気な多孔性(穴がたくさん開いた)物質であり非常に高い断熱力があるため、NASAが宇宙服に採用している素材です。それがRasicalの展開するフェアリーノヴァシリーズの売りでもあります。
ジャケットでは薄いシート状にしていましたが、寝袋は掛け布団同様に厚みのある綿状。
従来の化繊比でどの程度の性能アップしているのかもわかりませんが、実用で断熱性能の高さは感じています。
エアロゲルの詳細はフェアリーノヴァ掛け布団記事中を参考に
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フード付き封筒型
マミー型の頭部と、封筒型のリラックス形状を合わせた良いとこ取り形状で「テーパードシェイプ型」と公式で書かれてました。
ぼくは封筒型にフードを付けた「フード付き封筒型」と呼んでます。
Amazonの検索結果、格安中華系寝袋に多い形状です。
だから悪いではなく、封筒型の欠点である頭部や首元を守れるハイブリッド封筒型と言えます。
マミー型に比べ、特に足元が広く窮屈感が少ないため初めて寝袋に入る人でもストレスが少ないのが最大のメリットです。
一方でゆとり部分に冷気が溜まる(体から遠い場所は暖めにくい)ため、保温力が低くなりがち。重量対保温力で見た時にマミー型に劣ってしまうのが欠点。
2023年にはモンベルから似た形状の寝袋が登場しました。
マミー型に慣れた人でも快適に寝られるため、軽量性や収納性を重視しないキャンプや車中泊では活躍します。
NANGAからも出ていて肩口からフードに掛けてがよりマミー型よりになっています。
ゆったりサイズは体格の大きな人にも向いてます。
ゴリゴリ登山やカリカリ軽量化ではなく、ライトなキャンプや車中泊ユーザーも多い昨今のアウトドア界隈。各社が力を入れてきてるのを感じる種類です。
ぼくもリラックスサイズ寝袋には以前から注目しています。
ニーモの寝袋は膝と肘が広くなっていて、マミー型とフード封筒型の中間に位置する寝袋です。
自宅や車中泊、車を横付けできるキャンプで使っていて、冬季のメイン寝袋として活躍しています。
3シーズンほど使った結果から、寝袋はゆったりな方が寝心地が良く睡眠の質が上がります。
寝袋はゆったりなほうが快適です。
寝袋形状の比較
マミー型 | フード付き封筒型 | 封筒型 | |
軽量性 | ★★★ | ★★ | ★ |
収納性 | ★★★ | ★ | ★★ |
保温性 | ★★★ | ★★ | ★ |
快適性 | ★ | ★★★ | ★★★ |
ざっくり3種類の寝袋で比較。★が多いほど優れています。
アウトドアで主流なマミー型は軽量性と保温性に優れている一方、肩から足元に掛けて細くなっていて窮屈なため快適性が低くなります。
長方形な封筒型は布団のようにリラックスサイズでストレス無く寝ることができます。しかし頭部がなく、足元の余白にも冷気が溜まりやすいための保温性は低め。重くかさばりやすいのも用途が限定されます。
フード付き封筒型はその中間の性能で快適に寝られ、頭部が暖かい。足元は封筒型同様に冷えやすく、フード分プラスで封筒型以上に寒い時期を想定しているモデルが多いのもあって収納サイズは封筒型以上に大きくなりやすい。
表にしていない部分で言えば、封筒型やフード付き封筒型は足元まで開けるL字ジッパーが付いてることが多く、汎用性が高いのも特徴です。
内側に毛布や別の寝袋を入れることで保温力をブーストして冬用として使いやすいのも大きめサイズだからこそ。
掛け布団のように使ったり、敷き布団にしたり、2枚を連結させて2-3人用で使うこともできます。
あくまで適材適所です。
複数寝袋持ちなら形状で使い分けるのも考えて良いでしょう。
見た目と使用感
改めて寝袋を見ていきましょう。
外側は薄い茶色で、内側はキレイな水色。
日本人に人気な右側ジッパーがL字についてます。
全開で掛け布団や敷き布団にも使えるので、マミー型よりも温度調整範囲が広く、暖かい時期にも対応しやすい汎用性があります。
2枚あれば連結も出来るため、2人で使ったり、親子3人で使うこともできます。
足側にもジッパーがついてて足元だけ開くこともできます。
足元が開くと温度調整だけでなく、靴を履いたまま寝袋に入ることができます。
穴が空いても綿が飛び出ず、パッチで簡単に修理しやすい化繊寝袋は焚き火周りでも使いやすいので防寒着として使えるのは便利。
歩くこともできるわけですが、中世の貴婦人みたいに長い寝袋を手や脇で押さえながらです。
テントからタープ程度なら移動できますが、トイレや水汲みまで行くのは危ないですね。
良いなと思ったのがドラフトチューブが立派なこと。
側面から足元にもL字に付いていて、冷気を感じさせませんでした。
ドラフトチューブとは・・・
ジッパー部からの冷気の侵入を防ぎ、冷えやすいジッパーと体が当たらないようにする中綿入りの部分のこと。
首元には波打つ形状のネックウォーマー。
寝た時に首元に自重で上からフィットしてくれます。
意識せずに首にフィットしてくれますが、多くのマミー型同様上下にネックチューブ形状にして絞れる構造のほうが保温力的には良さそうです。
ただニーモフォルテ20W’sも似た形状で首の後ろにチューブがありません、膨らみ率の低い化繊的にはこの形状がいいんでしょうかね。
寝袋に入った時に右胸の前に来る位置にはスマホポケット。
寒い時期は外に出しておくとバッテリーが減りやすい電子機器を寝袋内で保温するためのポケットです。
これは他ブランドも同じで、実際に使うと個人的に体に乗る上に来る位置に重いスマホを入れることはなく「もっと良い位置があるんじゃないの?」と思ってます。
例えば腰横とか、独立した化繊中綿スマホケースをセットにしてそれを付けておく場所を付けるとか。
ジッパー
メインファスナーはやや珍しいYKKのロールヘッドファスナー。
ジッパータブが一つしかなく、裏表に移動させることで操作するタイプです。
AEGISMAXはこのタイプでぼくは慣れてますが、初めて使う人は少し戸惑うかもしれません。
寝袋で一番重要なのは保温力ですが、二番目に重要なのはジッパーの嚙みにくさだと思ってます。
噛みにくさ、というか噛みやすさですね。
毎回噛む寝袋を1、全く噛まない寝袋を10とすると、フェアリーノヴァシュラフは4くらいです。
かなり噛むなーという感じ。
AEGISMAXよりも少し嚙みやすい程度ですね。
もう寝袋はみんなNANGA×YKKの噛み込み防止パーツ付きを採用すべきですよ。それかイスカのタイプ。
顔の横にくるジッパーの頂点にチンガードが付いてます。当たるのはチン(あご)ではないんですけどね。
ここが一番噛みます。
結果写真の状態よりも手前までしか上げないことが多く顔元の絞りが甘くなることが多かったです。
収納サイズ
付属収納袋は4ヶ所止め、2ヶ所バックルのコンプレッションタイプ。
非コンプレッション状態では、-20度クラスの冬用ダウン寝袋程度と大きめ。さすが化繊。
袋込み約1.1kgで、サイズに反して持った印象にはかなり軽いと感じます。
コンプレッションするとこのサイズ感。
元の径が30cmと太目なので球体に近い形状です。
コンプレッションが大きめで化繊ながらダウンの寝袋同様に畳まずに収納できる余裕があります。
化繊寝袋を使う時は収納サイズよりも雑に楽に使いたいので非常にありがたいサイズ感です。
それでもコンプレッションしきってもかなり余裕があり、ダウンウェア上下を一緒にできるくらい余裕があります。
さすがに袋大きすぎだなと思ってます。収納しやすさ重視でももっと小さい袋にして良さそう。
フィット感
顔元を絞った状態。
紐で絞る内側に一周中綿入り生地があって、顔元を保温してくれます。
他ブランドにも多い絞ったときの余った紐の作り込みの甘さ。
まず長すぎる。コードロックが寝袋に固定されてないので閉め緩めに両手で作業が必要。
上下が均等に閉まりにくいのも不便。
そしてフェアリーノヴァシュラフでは寝袋内に入り込むか、顔の上に乗りやすく睡眠時に邪魔なこと。
リラックスサイズな化繊寝袋でしっかり締めこむことも少ないですが、締めこんだときに邪魔にならない工夫はしてほしかったです。
暖かさ
実際人が入るとこんな感じ。
20Dポリエステルの肌触りは滑らかで、大手寝袋専門ブランドに比べても気持ちの良い肌触りです。
快適温度0度、限界温度-10度となってますが、EN13537に対応しておらず自社規格。
15~-10度くらいの環境で使ってみました。
ぼくの体感でEN13537にすると快適(コンフォート)5~3度、限界(リミット)0~-2度位かなという印象でした。あくまで個人差の大きい体感です。
快適に寝るなら5~10度位の温度帯で使うのが良いと思います。3シーズン用ですね。
顔、首元の構造がやや甘くフィット感と冷気の遮断が物足りない印象は拭えませんでした。
封筒型の長所である足元の広さは致命的な欠点でもあり、足が触れてる部分は暖かくなっても寝返りで姿勢が変わった時に足の位置がズレると冷たい部分に触れて暖まるまでは冷たいです。
逆に、縫い目を上下でずらしたダブルキルト構造と、エアロゲルを使った中綿素材による断熱性能は非常に高いと感じました。
ニーモフォルテ20W’sと比べても中綿は薄いにも関わらず、近しい断熱性を感じられます。
フェアリーノヴァジャケット2やフェアリーノヴァ掛け布団でも感じましたが、ラシカルは断熱材ヒートエーテルの性能が抜群に良いです。
薄いのに外の冷気を完全にシャットアウトしてくれます。
良いところ・気になるところ
ここまでのおさらいで長所短所を再確認。
良いとこ
・ヒートエーテルとダブルキルト構造とドラフトチューブの断熱性能の高さ
・足元が広くゆったりに寝られる
・L字ファスナーで温度調整がしやすい
・収納しやすさ
・(同グレード化繊寝袋に比べ)まあ軽い
・洗濯機丸洗いできるメンテナンス性
フード付き封筒型の魅力に自社ヒートエーテルとダブルキルト構造とドラフトチューブによる断熱性を合わせることで、軽く暖かく快適に寝られる寝袋に仕上げています。
化繊のため洗濯がしやすく、清潔に保ちやすいのもメリットです。
車で乗り入れできるキャンプや車中泊、ファミリーキャンプでは活躍してくれるでしょう。
複数個購入で割引率も上がるため、家族やカップルでそろえやすいのも良いとこです。
癖が無くどんな用途で使え、それでいて高い断熱性で暖かく誰でも使える万人向け寝袋と言えます。
気になるところ
・ジッパーの噛みやすさ
・顔元構造の甘さ
・独自性
第一にジッパーの噛みやすさはBAD。
顔元構造が甘く、使い勝手が悪いと感じました。
ヒートエーテルやダブルキルト構造が独自性ではありますが、言ってしまえばそれだけ。
その独自性で軽く小さく作ることが出来ていますが、元々重く嵩張りやすいフード付き封筒型を軽く小さくしても刺さる層は少なそう。
形状的な独自性があればと思いました。
ラシカル製品全般に言えることで素材(主に中綿)の性能は高いですが、形状や構造的な独自性と魅力が少ないです。
だからライトユーザー向けとも、だから万人向けとも言えますが、多くの道具を使ってきた人には物足りなさも多く見えてしまいがちです。
比較
表記温度は違うけどほぼ同じ温度帯でしょう、というフード付き封筒型化繊寝袋を3種類で比較。
+ぼくが使ってるニーモ フォルテ20W’sはオマケ。
モンベルとニーモはEN13537対応。
フェアリーノヴァシュラフは高めながら、モンベル#3より軽く同程度以上の暖かさです。
他に比べ見た目的に膨らみが少なく暖かそうに見えないのももったいない。
ニーモフォルテは保温力は一番上ですが、金額重量共に重め。
LEEPWEIはAmazon売れ筋ランキング1位でした。1kg、1.4kg、1.8kgの3種類がありましたが1.8kgで同程度の暖かさかと思います。
特筆すべき点も皆無なよくある格安寝袋。重く工夫ゼロながら中綿マシマシで暖かくしてるタイプです。
クーポン
5万円以上の購入時に使える3000円オフのクーポンです。
まとめ
何より薄くて暖かいのに驚く化繊中綿ヒートエーテル、エアロゲルでした。
普段ダウンシュラフを使うことが多いのもあるせいか、暖かさ=分厚さと勘違いしがちだから余計にです。
軽さ小ささよりも寝心地を優先する方にはフード付き封筒型の寝袋、そしてラシカル フェアリーノヴァシュラフはオススメです!
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