こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
読者からのレスポンス(コメントとや問い合わせ)は数少なく、一人淡々と書き続けているこのブログ。
道具の選び方や遊び方を提唱しているわけですが、万人受けする記事は浅く広くざっくりになりがちで、個人ブログのメリットが生きてきません。
理想はアウトドアショップのように読者とぼくの一対一で、それぞれの思考やスタイルに合わせて個別で対応できるのがベストなのでしょう。
しかし、一人で数千数万という人に対応することはできません。それでも数人の悩める人たちへは答えれる限り悩みを共有解決へと協力したいとは思っています。
今回はソロキャンプとテント泊登山で使うテントにTHE FREE SPIRITSのPANGOLIN2.0で悩んでる方からの相談内容を取り上げて紹介していきます。
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読者質問
今回、【読者質問】という新ジャンルで記事を作りました。
ぼくへの相談事例の中、他読者にも共有したいような内容のときに書きたいと考えていて、同じような悩みの方の参考になればいいなと思っております。
言葉のニュアンスでも意味合いが変わってくるので、実際のやり取りを基本的には原文のまま、吹き出しを使って書いていき、そこに補足をしていくスタイルで記事にしていきます。
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Q.ソロキャンプとテント泊登山にTFS PANGOLIN2.0は役不足ですか?
日本上陸したばかりな中国のTHE FREE SPIRITS(ザフリースピリッツ)のテント購入をお悩みの方からの相談です。
東北住みの読者です。
いつもためになる情報をありがとうございます。
パンゴリンに興味がありソロキャンプで使いたいと思っているのですが、登山も視野に入れるとやはり2.0の方では役不足でしょうか?
因みに登山に関しては全くの初心者で、季節による温度感がイマイチピンと来ていません。居住地から東北地方の山が中心になり、冬山登山はやらない(出来ない)と思っています。
アドバイス頂けたら幸いです。
THE FREE SPIRITS/PANGOLIN 2.0
2.0とは、ザフリースピリッツのPANGOLIN 2.0のことですね。
生地、ポールのグレードを抑えることで値段も抑えたエントリーグレードであるブラックラベルのテントです。メッシュインナーのダブルウォール、自立式、短辺出入口で重量は1350g(1460g)。
無積雪期のテント泊登山、ツーリング、ソロキャンプで使うのに適したテントでしょう。
「2.0では役不足でしょうか」は上位モデルのパンゴリンPROと比較してのことだと思います。
役不足とは・・・
誤用されやすい言葉で、本来は「与えられた役割では不満のあること」の意味。
力不足(その役割には十分でないこと)と間違って使われやすい。
ただ、間違えられやすく間違った意味で伝わる言葉。
悩みポイント
悩んでるのは主に2つ。
・雪山以外のテント泊登山でPANGOLIN 2.0は使えるのか?PROでなくてもいいか。
・季節による温度感→メッシュインナーで寒くないか。
この2つに答えていこうと思います。
原文ままのコメント欄は下です。
ぜつえんの回答①保温力
K様、コメント頂きありがとうございます。ぜつえんです。
パンゴリン2.0をソロキャンプをメインに、テント泊登山でもと検討なのですね。
まず温度は、冬山をしないのであれば過度に心配する必要はないでしょう。
そして、登山を視野に入れてもパンゴリン2.0でまず問題はありません。
順に理由ですが、
山では標高100m毎に-1℃ →-0.6℃気温が下がると言われていること、標高が高いと遮るモノが減り、風が強くなりやすく、インナーテントがメッシュだと通気性があり、保温力が低いことで夏でも寒いこともあると言われます。
特に春や秋の2000m程度の高山だと夜は冷え込み、氷点下になることもあるため、山では非メッシュインナーテントが推奨されがちです。ただ結局は寝袋とウェアでの防寒が基本です。
逆に夏や平地など暖かい時期での使用がメインなら、涼しいメッシュの恩恵が大きいと感じるはず。
個人的にはK様の用途なら、寒さを心配するよりも暑い時期を快適に過ごせるメッシュが良いと思います。
長くなったので、冒頭に結論から書きました。
あと標高100mで-1℃って書いてしまいましたが、-0.6℃の間違い。
気圧が下がることで気温が下がるため、標高2000mの山なら-0.6℃x20=-12℃低地よりも気温が低い計算になります。
キャンプ経験はあるようでしたが、登山経験は少ないようなので“なぜ”山が寒いのかを回答しました。
特に北海道、東北は夏でも夜間は冷え込みやすく、標高2000m程度でも、真夏(7~9月)以外の山では寒いを経験することは少なくありません。
テントの保温力はたかが知れてますが、ダブルウォールのインナーテントの素材で多少保温力が変わってきます。
インナーテントには大きく2種類、メッシュと非メッシュ(ソリッドやファブリック)があります。
またザフリースピリッツのパンゴリンプロ等でも採用されているモノフィラインナーもあります。
撥水性があり、通気性があり、軽量で、多少の保温力があるメッシュと非メッシュの中間の性質を持つハイブリットともどっちつかずとも言える素材です。
春山や秋山で泊まるなら冷え込む想定からメッシュよりも非メッシュ(orモノフィラ)インナーテントがオススメ。
夏でも冬山でも使える4シーズン山岳テントも日本特有で、国産山岳テントはインナーテントにメッシュを使っていないモデルが多くなっています。
モンベル ステラリッジ、プロモンテ VLシリーズ、アライテント エアライズがその代表例です。
ただ暑い時期では非メッシュは熱がこもりやすく、テント内は蒸し風呂。少しでも通気性が高いメッシュが有難くなります。
この読者様の場合は、ソロキャンプがメイン+たまの夏テント泊登山で暖かい時期が多そう。ならば寒い時期よりも暖かい時期に向いたメッシュが良いだろうというわけです。
それに極端な話、厳冬期冬山でメッシュでも行けますし、インナーテントで悩むよりも防寒着を増したほうが有意義です。
とはいえパンゴリン2.0は下半分は非メッシュで上部のみがメッシュ構造ではあります。
ぜつえんの回答②PANGOLIN PROでなく、2.0を山岳用として使えるか
登山も視野に入れるとやはり2.0の方では役不足でしょうか?
と言う質問部分。
THE FREE SPIRITS | ||
PANGOLIN 2.0 | PANGOLIN PRO | |
総重量 (最小重量) |
1350g (1460g) |
1110g (1280g) |
内寸(L×W×H) | 210×(130+110)×108cm | 210×(130+110)×108cm |
前室面積 | 0.63㎡ | 0.82㎡ |
ポール | A7001 Φ8.5mm | DAC NFL Φ8.7mm |
フライシート | 20Dナイロンリップストップ Sil/PU(耐水圧2000mm) |
15Dナイロンリップストップ Sil/Sil(耐水圧2000mm) |
インナー | 15Dナイロンメッシュ | 20Dモノフィラ(通気撥水) |
ボトム | 20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧5000mm) |
20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧2000mm) |
ペグ | 7A04 Yペグ×9本 | DAC J-Stake 11本 |
金額(税込) | ¥32,780 | ¥48,070 |
購入を検討しているのはパンゴリン2.0だが、上位モデルのパンゴリンPROでなくても役不足でないか?、という意味だと思います。
パンゴリン2.0でも十分なのか、何が違うのか、どこで選ぶべきなのかを伝えていきます。
そして山用としてパンゴリン2.0かPROでお悩みでしたらポイントは重量でしょう。
約200gほどPROが軽く、モノフィラ(撥水性が有、保温性も少しある)生地のインナーテントで山に向いているのは確かです。
分かりにくいですが、使われている生地、細部の接続プラパーツ、ポールもPROは質が高いモノを使っているため設営使用撤収のストレスも減ります。山に向くのはPROなのは確かで、値段を許容できるなら断然PROがオススメです。
ただポール構造も同じで風、雨への耐久力も近く、200gしか変わらないため、実用で値段ほどの違いは感じにくいでしょう。
個人的に登山用で考えれば200gの差をどう考えるか。ですが、重量よりもデザインを重視したほうが後悔は少ないでしょう。
赤が良ければ2.0を、アースカラーが良ければPROを勧めたいです。
見た目こそ似てても、多くの違いがある2種類です。
山岳用テントと考えれば重量が最重要ポイント。
総重量240g(最小重量180g)パンゴリンPROが軽量です。
全ての荷物を背負って登らなければいけないテント泊登山では少しでも軽くすることは重要なこと。ではありますが、240g軽くて16000円高いと考えると重さ的にはPROの優先度はどうかなと思っちゃいます。
もちろん生地やポール、構造の違いで高いメリットのあるPROですが、耐風性に大きな差は無くパンゴリン2.0で耐えられないシチュエーションではPROでも耐えられないでしょう。
重量を意識しなければ山岳テントとしてどちらも必要十分であるわけです。
本格的な山岳用テントを探してるわけでもなさそうで、微妙な性能の違いよりも個人的には見た目を重視したほうが満足度は高いと感じます。
真っ赤なPANGOLIN2.0とアースカラーのPROのデザインは大きく違うから。
早速のご回答ありがとうございます。
予算はPro分まで確保しているのですが、何より2.0の赤色に魅了されておりまして、経験豊富なぜつえんさんに「2.0でもいけますよ!」と、背中を押して欲しかったというのが本音です。
迷わず2.0を選択させていただきます。
性能よりもすでにパンゴリン2.0の赤に魅了されていたとのことでした。
ならば間違いなくPROよりも2.0がオススメですね。背中を押せてよかったです。
ぜつえんの回答③その他
さらに続きますが、キャンプメインなら長辺側に出入口が付いたテントもオススメです
人や荷物の出し入れがしやすくキャンプが快適になります。
どっちが良いの?テントの短辺・長辺出入口の特徴と向いた用途を紹介!
別記事で出入口での特徴も書いています。
TFS的にはSTARS2(1940g)やGEMINI(1590g)がそのテントです。やや重くなる欠点はありますが、使い勝手は良く、室内も広い。もちろん登山での使用も問題無いです。
さらにアドバイス部分として、ぼくが思ったことを回答しました。
パンゴリン2.0とPROはテントの短辺側に出入口が付いています。
短辺出入口型は耐風性が高く、省スペースで設営できる、といった山岳用に向いた特徴を持つテントです。
逆に出入りがしにくい、前室が狭い、それによる居住性の低さがデメリット。
THE FREE SPIRITS | ||
STARS 2 | GEMINI | |
総重量 (最小重量) |
1828g (1940g) |
1400g (1590g) |
内寸(L×W×H) | 235×145×100cm | 255×235×112cm |
前室面積 | 1.41㎡ | 1.38㎡ |
ポール | A7001 Φ8.5mm | DAC NFL Φ8.7mm |
フライシート | 20Dナイロンリップストップ Sil/PU(耐水圧2000mm) |
15Dナイロンリップストップ Sil/Sil(耐水圧2000mm) |
インナー | 15Dナイロンメッシュ | 20Dモノフィラ(通気撥水) |
ボトム | 20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧5000mm) |
20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧2000mm) |
ペグ | 7A04 Yペグ×8本 | DAC J-Stake 12本 |
金額(税込) | ¥35,860 | ¥59,070 |
短辺出入口の特徴を逆転した、「長辺出入口のテントはどうでしょうか?」というのがぼくの提案。
耐風性が下がり、設営スペースを使いやすい欠点はありますが、出入りがしやすく、前室が高く広くなる居住性の高いキャンプに向いた出入口です。
ザフリースピリッツの中では、パンゴリン2.0と同じブラックラベルのスターズ2とパンゴリンPROと同じブルーラベルのジェミニが長辺出入口のテントです。
出入口に関しての解説もありがとうございました。自分は長らく長辺出入口のテントばかり使っていましたが、一度短辺出入口のテントを試したら実に落ち着くというか、しっくり来まして。それがパンゴリンに惹かれた理由のひとつでもあります。キャノピーのギミックもカッコいいですよね。
すでにどちらの出入口のテントも使ったことがあり、短辺出入口のテント希望でした。
結果的に必要のない提案とはなりましたが、個人的には重要なポイントで、伝えないよりは伝えて必要が無かったほうが良いです。
ぜつえんの回答④結論
長くなってしまいましたが、キャンプでも山でもパンゴリン2.0はオススメのテントです。
不満が出てくるとすれば1460gを重いと感じるか、ポール構造的に耐風性がやや低く山の稜線で強風に当たると心配なこと位でしょう。(例えば飯豊山のテン場とか)
自論むき出しでしたが、さらに質問があればコメントを頂ければと思います。
ここまでのやり取りと説明での結論として、パンゴリン2.0はキャンプメインで山岳テントとしても必要十分、赤が好きならオススメのテントです。となります。
最後にパンゴリン2.0のデメリットというか、不満が出てくるかもしれない点も伝えておきます。
軽量性
まず、ダブルウォール+二人用サイズ+3シーズン用(メッシュインナー)なパンゴリン2.0の総重量1460gは決して超軽量ではないということ。
モンベル ステラリッジ2型が1430gでほぼ同じですが、あちらはインナー非メッシュ+耐風性も上。
ニーモ タニ2Pは長辺出入口なうえに最小1180gで非メッシュインナー。
ビッグアグネス フライクリークHV UL2EXは半自立ながら1080gと軽量
ニーモ ホーネットストーム2Pも半自立で940gと1kgを切るダブルウォール
というようにパンゴリン2.0(1460g)はおろか、パンゴリンPRO(1280g)よりも軽いテントも探せば多くあり、真っ先に不満が出るとすれば重量かなと思います。
それでも軽くなるほど高価になりますし、1500g以下なら十分に軽くのも事実。軽量化に際限はなくダブルウォールで探すなら1000~1500g位がバランスがいいと言えます。
もっと軽量化したいのなら1人用やシングルウォールや非自立式で1000g以下を検討することを勧めたいです。
耐風性
そして耐風性の低さ。
これはポール構造による部分が大きい性能です。
パンゴリン2.0、PRO共通で双Y型やダブルYポールと呼ばれる軽量性に優れるポール構造をしています。
テントでイメージしやすいX型(クロスポール)に比べ、軽くしやすい代わりに耐風性が下がるのが双Y型です。
短辺側ならそこまで弱くもありませんが、長辺側は特に耐風性が低くなります。
風の強くなりやすい稜線のテント場、東北ならば飯豊山のテン場などは日によってはリスキーです。
長辺側のフライに張り縄を付けれるためしっかりと設営すれば、よほどの爆風や突風でもなければトラブルは無いでしょう。
自分の行きやすい山のテン場に合わせてポール構造からテントを選ぶという考え方は覚えておくと有利です。
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各テントの比較
もう一つだけ質問です。
比較対象としてモビガーデンのLIGHT KNIGHT が挙げられます。あちらの全室の方が高さがある様に見える画像があったのですご、単に写真写りの問題でしょうか?
仮にモビガーデン側に価格以外のアドバンテージがあったとしても、色やロゴデザインだけでパンゴリン2.0を選ぶと思いますが、参考までにもしご存知でしたらご教示頂ければ幸いです。
同形状の双Y型で中華ブランドのモビガーデン LIGHT KNIGHTとの違いも気になるとのことでした。
似たグレードで細かい違いになってきますが、正直実物で比べないと答えられません。
というわけで、ちょうど3つのテントが手元にあったため張り比べてきました。
左から
スペック
MOBI GARDEN | THE FREE SPIRITS | ||
LIGHT KNIGHT UL2 | PANGOLIN 2.0 | PANGOLIN PRO | |
総重量 (最小重量) |
1480g (1650g) |
1350g (1460g) |
1110g (1280g) |
内寸(L×W×H) | 210×130×105cm | 210×130×108cm | 210×130×108cm |
前室面積 | × | 0.63㎡ | 0.82㎡ |
ポール | A7001アルミ合金 | A7001 Φ8.5mm | DAC NFL Φ8.7mm |
フライシート | 20Dリップストップナイロン シリコンコーティング(4000mm防水) |
20Dナイロンリップストップ Sil/PU(耐水圧2000mm) |
15Dナイロンリップストップ Sil/Sil(耐水圧2000mm) |
インナー | ファインメッシュ | 15Dナイロンメッシュ | 20Dモノフィラ(通気撥水) |
インナー | 20Dリップストップナイロン | 20Dナイロンリップストップ 透湿素材 |
× |
ボトム | 20Dリップストップナイロン シリコンコーティング(4000mm防水) |
20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧5000mm) |
20Dナイロンリップストップ PUコーティング(耐水圧2000mm) |
ペグ | 11本 | 7A04 Yペグ×11本 | DAC J-Stake 11本 |
金額(税込) | ¥17,900 | ¥32,780 | ¥48,070 |
以下実測 | |||
フライ | 491g | 504g | 387g |
インナー | 529g | 448g | 456g |
ポール | 467g | 465g | 269g |
合計 (フライ+ インナー+ ポール) 袋無し |
1487g | 1417g | 1112g |
ペグ | 10.7g ×11本=117.7g | 9.1g ×11本=100.1g | 11.2g ×11本=123.2g |
スペック的には
PANGOLIN PRO>>PANGOLIN 2.0>>LIGHT KNIGHT UL2という感じ。金額も比例。
パンゴリンPROは特にグレードが高く、DACポールと両面シリコンナイロン、モノフィラと山岳テントでも上位グレードです。
パンゴリン2.0とライトナイトUL2は近い存在ですが、メーカーが違うと細部が大きく異なります。
表一番下に実測でのフライ、インナー、ポール重量を記載しました。ほぼ同サイズなため重量の違うは素材の違いと言えます。とりわけパンゴリンPROは軽い。
前室
まず質問で聞かれた前室。
カタログ値的には同じ60cmせり出して2ヶ所ペグ固定の台形前室。
が、実際にはモビガーデンのライトナイトUL2は少し狭い前室でした。
定規を持ってなくて測れませんでしたが、パンゴリン2種はより長い(広い)前室です。
ただ比べなきゃわからない程度の差であり、短辺出入口のテントなので最低限の前室の広さではあります。
そして広さだけでなく固定方法も微妙に違いました。
左のモビライトナイトはループ+コードが付いているだけと簡素。
中央パンゴリン2.0はスライドロック的な自在金具とコード。
右のパンゴリンPROは2.0同様の自在金具とコード、でコードのループが強く補強されていました。ダイニーマ練り込みコードらしいです。
ライトナイトの方式で前室を調整するにはペグを打ちなおす必要がありますが、自在金具付きだと調整がしやすく快適。
値段とグレードに比例した作りになっていて、それが値段に繋がってるんだなと思わされます。
ポール
そしてポール。
パンゴリンPROはDAC NFLΦ8.7mmで、他2種はよくあるΦ8.5mmアルミポールです。
形状の似たテントなだけあってポールの長さと接続されてる節(ポールの接続に使われているパーツ)も似ています。
実際比べてみるとパンゴリン2.0とPROは17節。ライトナイトは21節ありました。
1節の長さは約34cmです。
ライトナイトはポール節が多い=ポール総長が長く、入口部分がやや高く、足元の広さは目で見てわかるほどでした。
でそれぞれのポールの重量で比べてみました。
パンゴリン2.0とPROのポール総長は全く同じながら465g→269gという重量の差。
これが世界のDACポールである。すごい。
素材のアルミと、ショックコード、接続ハブでも軽量化が図られているのでしょう。
そして、ライトナイトとパンゴリン2.0の重量差が無さ過ぎるのが不思議。ポール径は同じ、総長はライトナイトが上なのに差は2g。
接続部
インナーテントとポールの接続、インナーテントとフライシートの接続部分の金具もそれぞれ違います。
左のライトナイトは金属プレートを採用。操作性は一番低かったです。特にフライシートのパーツは片手で取り付けが出来ず、着脱もしにくく、好きになれない部分。ただ金属で破損しにくいのはメリット。
中央パンゴリン2.0は一番良く見るバンドに付いたグロメット+プラバックル。
特にデメリットも無ければ格安テントとも変わらず無難で、安っぽい気がしてきます。
ストレス無く使えるバックル式で、壊れさえしなければ片手での付け外しもできて優秀なのは間違いありません。
右のパンゴリンPROはDACのプラパーツ。
ポール末端がボール状になっていて、それをはめ込むことでプラパーツ側にフィットします。簡単に外れなくなるため、設営時に一番使いやすかったです。
フライとの接続もプラフックで、壊れやすそうなのが怖いですが使い勝手は抜群。ただバックルよりも固定力は低い気がしました。
吊り下げポイント
ライトナイトは吊り下げポイント6か所(画像の12か所は間違え)。
パンゴリン2.0とPROは6か所(画像の9か所は間違え)。
この違いには驚き。吊り下げポイントは増えるほど強度を上げ、居住性を向上させます。
逆に減らすほど軽量化は可能、設営撤収も早くなります。
6か所で問題が無いなら6か所のほうが楽ですが、どうなんでしょうか。
張り縄
3種類のテント、すべてのフライシートの長辺側中央に張り縄を付けれるようになっています。
耐風性を向上させることができる山で使うならあって損無しの嬉しい仕様。
PANGOLIN 2種は張り縄を付ける裏側のインナーテントにフックが付いていて、張り縄でフライと一緒にインナーも引っ張ることでテント内を広くできます。
写真右側のように点で引っ張られるように広くなります。
リッジポールが無く、側面が圧迫される形状なため有難い張り縄です。
ライトナイトは、フライに張り縄は付けれますが、インナーテント側には引っ張るポイントがありません。
そのため耐風性向上のための張り縄ポイントであり、居住性アップにはつながりません。
パンゴリンの仕様を知ると、ライトナイトは少し残念に思えてしまうとこでした。
明るさ
フライを付けた状態でのテント内の明るさの違い。
ライトナイトは、濃いオレンジでやや暗め。白メッシュは薄く明るめで色被りはオレンジのみ。
パンゴリン2.0は、フライ赤+インナー上部は黒メッシュ+下部が黄色でかなり暗め。色被りも強い。
パンゴリンPROは、体感でも明確なほど明るく、癖もない色味で万人受けしそう。
暗い=悪いではなく、外からの影響を受けにくいとも言えるため一長一短。
違いまとめ
ざっくりまとめるとこんな感じ。
細かい部分が多いですが、生地と作り込みで値段=クオリティと使い勝手に直結してる部分は多くあります。
そのため高価な上位グレードほど確実に使い勝手は良くなっていると言えます。
ただ高価と耐久性(耐風性等)は比例せず、高価=軽量です。
耐風性はこの3つなら大差無いと思います。3つ全て耐風性はあまり強くない、ということです。
山用と考えるなら軽いほど楽になるため、パンゴリンPROがベストなのは間違いありません。
この相談内容で万人向けに山用で勧めるなら間違いなくパンゴリンPROです。
ただ今回の質問者である読者様は赤に魅力を感じていて、山がメインじゃない+極端な軽量化は重視していないようで、ならば愛せるパンゴリン2.0がベストバイだったと言えるでしょう。
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読者様ブログ
今回の質問された読者様は最近キャンプブログを始められた方でした。
見たところアウトドア経験はかなり豊富に思えます。
記事ボリュームが大きくてやる気が伝わってきます。あと、わんこの写真多くてかわいいです。
すでにパンゴリン2.0を注文済みということで、レビュー記事が上がることもあるかもしれませんね。
Kさん(読者様)がどう悩んでパンゴリオン2.0に至ったかの記事が投稿されてます。
山道具で言えば、最低ラインのスペックは必要ですが、それを踏まえた上でトキメキは欠かせないと思います。買い替えの少ないビッグアイテムなテントならなおさらです。
赤いテントが好き、人事ではない話で明日は我が身ですが、好きなモノを使ってキャンプをしたいんですよぼくらは。そこを欠いちゃつまらないですからね。
購入後、レビューも書かれています。
真っ赤なテント気に言ってもらえてよかったです!
この記事の実測表でもそうでしたが、カタログ値より重めですね。
PROもそうですし、ザフリースピリッツ全般もしかすると重めなのかも?
質問・相談は歓迎中
今回の【読者質問】の記事。
今後は共有したい問い合わせ内容の場合は読者様に許可を取ったうえで記事として取り上げていこうと思っています。
記事にするしない関係なく、このブログでは各記事へのコメントか、問い合わせフォームから気兼ねなく質問や相談は受け付けています。
道具の選び方、これとこれどっちが良いか?など、僕が答えれる範囲では真摯に対応していきます。
手持ちの道具であれば今回の記事のように写真などを踏まえて返答することも可能で、この記事は一つの指標と見れると思います。
ぼくにテント選びの相談するとこの記事程度の情報量で相談に乗ります。ということです。
とはいっても3年近く書いてるブログで、このレベルの質問は数えるほどでした。次は無いかもしれないなと思ってたりします。
はじめての〇〇選びで悩まれることが多いです。
ソロテント、寝袋、ハンモック辺りが得意なジャンル。
質問や相談はTwitterのDM、問い合わせフォーム、コメントからお気軽にどうぞ。
まとめ
ところで、YouTubeってコメント率高くないですか?
ぼくは中堅アウトドアブロガー程度だと思ってて、月に10~20万回読まれてるブログです。
そんなこのブログのコメント数は月1~2件ですよ?読者からの問い合わせは2~3ヶ月に1回程度。
すでにブログは反応無いのが当たり前だと思えてますが、YouTuberってすげえなって思ってます。おわり。
早々に読者質問第二弾も書きました!
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