こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
約7割の人は横向きの姿勢で寝ると言われています。
しかし寝袋の形状は横向きで寝ることを想定した形状にはなっていません。
ニーモの寝袋はマミー型ながらも肘と膝の部分に余裕を持たせることで横寝に対応したスプーンシェイプを採用しています。いわばマミー型と封筒型の中間です。
それによりアウトドア環境でも自宅のように快適な睡眠をサポートしてくれる寝心地重視ながら軽量性、収納性も重視した寝袋です。
特にニーモは化繊寝袋では珍しいWomen’s(女性用)モデルがあり、フォルテ20は冬用の高い保温力で重量も抑えられています。
今回はニーモのフォルテ20女性用を選んだ理由・レビュー・化繊寝袋のこと・他の寝袋との比較を書いていきます。
この記事でわかることは
・ニーモ フォルテ20 Women’sのこと
・化繊寝袋のメリットと他モデルとの比較
・身長168cm以下の人は女性用モデルがオススメ
・化繊+冬用+女性用はほぼニーモのみなこと です
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購入理由
まずはこの寝袋の購入理由。
ぼくのアウトドアスタイルは年間を通して、バックパックスタイルでのキャンプ・テント泊登山・車中泊がメインです。
テント泊登山では少しでも軽く小さくするために、通年でダウンの寝袋を使うことが多いです。
バックパックのキャンプでは移動距離と荷物の量に合わせて化繊かダウンか都度選んでます。
車中泊では化繊の寝袋のみを使っています。さらに冬に自宅で寝る場合にも化繊の寝袋を使うことが多いです。
というのがぼくの寝袋事情で、長く使っているスナグパックの化繊寝袋が相当傷んでいるための買い替えが理由です。
この冬用の化繊寝袋は「車中泊がメインで、自宅で寝るのがサブで、移動距離次第ではバックパックキャンプでも使う」ためというのが引き続き化繊を選ぶ目的です。
以前のスナグパックが0℃対応で、もう少し保温力の高い寝袋が欲しくて、今回選ぶ上での条件は「冬用(コンフォート-5℃以下程度)・2kg以下」と割とざっくりでした。
さらに、ぼくは身長が低いため、女性用やショートモデルのほうが相性が良く、できればショートで欲しいと思っていました。
探すと気付くんですが、ショート(女性用)+化繊+冬用は超希少です。
国内で探せばニーモ一択になるのでは?というレベル。
そして、軽さコンパクトさよりも快適性を重視していたこともあり、新しくなったばかりのニーモの化繊寝袋の中で一番保温力の高いフォルテ20Women’sを選びました。
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ニーモ(NEMO Equipment)
ニーモイクイップメント(通称ニーモ)は2002年、カム・ブレンシンガーがアメリカのデザイン大学の在学中で創業したアウトドアメーカーです。
テントを主に、スリーピングマットや寝袋といった衣食住のうちの「住」に重点を置いた製品を作っています。
比較的歴史の浅いメーカーですが、使い勝手の良く軽量な道具が多く、勢いもあり、一気にシェアを広げています。
日本向きに作られたモデルもあり、山のテン場でも使用者が急速に増えている印象があります。
また平地のキャンプ場で見かけることも多く、宿泊系アウトドアユースで広く人気のあるメーカーです。
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NEMO FORTE 20 Women’s(ニーモ フォルテ 20 女性用)
ニーモの寝袋は2020年に主要ラインナップが一気にモデルチェンジしました。
その中でも化繊のハイグレードモデルであるフォルテ20の女性用です。
スペック
FORTE 20 Women’s | |
最小重量 | 1500g |
中綿素材 | PrimaLoft Rise(80% PCR) |
中綿量 | 1080g |
EN13537 | 対応 |
対応温度 | コンフォート -7℃ リミット -12℃ |
収納サイズ | 36×22cm |
適応身長 | ~168cm |
表地 | 30Dポリエステル リップストップ(DWR) |
裏地 | 20Dナイロンタフタ(DWR) |
ジッパー位置 | 右 |
付属品 | ・コンプレッションサック ・メッシュサック |
製品名の20は華氏20℉(摂氏-6.67℃)対応であることを表しています。コンフォート約-7℃ということです。
プリマロフトは、いわゆるポリエステル系の化繊中綿素材で、数多い化繊の中でも優れた保温力、収納性能を持っている素材です。80%PCR(Post Consumer Recyclate)はリサイクル素材使用を意味しています。
重量、収納サイズ的にバックパックにすべて詰め込む冬山登山や冬のバックパックキャンプでも十分使えるところが化繊なのに、なポイントです。
男女兼用モデルとの比較
ニーモの寝袋はそれぞれのモデルに男女兼用と女性用モデルがあります。
選び方は性別ではなく、身長を目安に選ぶのが正しい選択です。ただ色は女性用っぽくなっています。
目安として身長~168cmなら女性用、169~cmなら兼用がオススメとのこと。
身長161cmなぼくは女性用を選びました。むしろ丈の短い女性用が欲しくてこの寝袋にしました。
また、女性用は右ジッパー、兼用が左ジッパーで男女モデルで連結可能なのも特徴の一つです。
FORTE 20 Women’s | FORTE 20 | |
最小重量 | 1500g | 1300g |
中綿素材 | PrimaLoft Rise(80% PCR) | PrimaLoft Rise(80% PCR) |
中綿量 | 1080g | 810g |
対応温度 | コンフォート -7℃ リミット -12℃ |
リミット -6℃ |
収納サイズ | 36×22cm | 29×23cm |
適応身長 | ~168cm | ~183cm |
表地 | 30Dポリエステル リップストップ(DWR) |
30Dポリエステル リップストップ(DWR) |
裏地 | 20Dナイロンタフタ(DWR) | 30Dポリエステル リップストップ(DWR) |
ジッパー位置 | 右 | 左 |
男女モデルで性能差が違うのもチェックすべきポイント。
どちらもフォルテ20であり、華氏20℉(摂氏-6.67℃)ですが、女性用はコンフォートが華氏20℉、兼用はリミットが華氏20℉となっています。およそ6℃女性用が暖かいことになります。
一般的に女性は男性よりも寒さに弱いと言われるため、それを合わせて華氏20℉で男女が寝れるモデルにしているのでしょう。
保温力を上げるため、中綿量も270gも多くなっています。そのぶん、重量は女性用のほうが200g重くなっています。
また、裏地も女性モデルのほうが薄く肌さわりの良い素材が使われています。
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機能性
あまり見かけない紫と水色の毒々しいカラーリング。
軽量性を重視する寝袋ではシンプルさが魅力なことが多いですが、珍しく機能性の豊富さが魅力の寝袋です。
多機能にすると重くなったり、結局微妙ということが多いですがさすがニーモ。実用性十分な寝袋に仕上げています。
それぞれの機能を紹介していきます。
スプーンシェイプとは
ニーモの寝袋、最大の特徴はひょうたんのようにくびれた形状です。
これはニーモ独自のスプーンシェイプと言われる形状で、肘(ひじ)と膝(ひざ)の部分に余裕を持たせることで横向きの寝姿勢に対応しています。
これにより2020年から大きくラインナップが変わりました。
スプーンシェイプはさらに3種類に分けられています。
携行性重視なウルトラライトスプーンと快適性重視なリラックスドスプーン。そして、ぼくが買ったフォルテに使われているクラシックスプーンはその中間の軽量コンパクト性と快適性を両立したスプーンシェイプを採用しています。
特性からかウルトラライトスプーンを使った化繊モデルは無く、またリラックスドスプーンのダウンモデルもありません。
クラシックスプーンの寝心地
中に入ると見にくいので、寝袋上で姿勢を再現してみました。
まず膝周りがゆったりしているため、アグラをかきやすいのは大きなメリットです。
手持ちの寝袋とあぐらのかきやすさで比べると
あぐらをかける寝袋を売りにしているモンベルのダウンハガーはストレッチするのが特徴ですが、膝元が伸びた分だけ他がやや窮屈になる欠点があります。ダウンなら膝頭のダウンはつぶれ保温力が落ちるのも気になるところ。
それに比べ最大幅はフォルテも同程度のようですが、全体のゆったりさの分、リラックス度は段違いです。化繊なので中綿潰れもなく、膝頭まで暖かなのも魅力です。
片膝を倒した姿勢や横寝の姿勢が取りやすくなります。
モンベルのストレッチ寝袋のように体にまとわりつく感じがなく形状自体がゆったりなので、封筒型や布団に近い寝袋を得られています。
寝返りを打った時にも寝袋が回転しにくく、寝やすい寝袋を実感できます。
寝袋内に隙間ができやすい欠点にもつながりそうですが、あくまで快適性重視ですね。
適応身長が~168cmとなっていますが、ギリギリなほど窮屈になります。
161cmのぼく曰く、いいとこ165cm位までかなと思います。
160cm以下なら間違いなく女性用をお勧めしますが、165cmなら男性用モデルにするのもありかなという感じ。もちろん、160cm以下でフルサイズの兼用を選ぶのもお好みで。
プリマロフト ライズ(PrimaLoft Rise)
中綿に使われているプリマロフト。いくつかグレードがあり、フォルテに使われているのはプリマロフトRiseというニーモとプリマロフトが共同開発した独自中綿素材です。
保温力と収納サイズの高いとのことですが、具体的な性能は公表されていないため素材の特性はイマイチわかりませんでした。
TEMPO 20 Women’s | FORTE 20 Women’s | DISCO 15 Women’s | RIFF 15 Women’s | |
スプーンシェイプ | リラックスド | クラシック | クラシック | ウルトラライト |
最小重量 | 1700g | 1500g | 1400g | 1330g |
中綿素材 | SStratofiber(ポリエステル) | PrimaLoft Rise(80% PCR) | 650FP 撥水ダウン | 800FP 撥水ダウン |
中綿量 | 1300g | 1080g | 830g | 825g |
対応温度 | コンフォート -5℃ リミット -11℃ |
コンフォート -7℃ リミット -12℃ |
コンフォート -8℃ リミット -15℃ |
コンフォート -9℃ リミット -16℃ |
金額(税込) | 16275円 | 26400円 | 44000円 | 47300円 |
ニーモの寝袋で保温帯の近い女性用での比較です。
中綿のグレード的には左ほど低く、右ほど高品質な中綿を使っていて、左二つは化繊、右二つはダウンです。値段もそれに比例していますね。
スプーンシェイプ形状の違いや対応温度、生地の微妙な違い(ダウンモデルは足元に防水透湿素材を使っているため生地重量が重いの)もありますがざっくりと、フォルテ(PrimaLoft Rise)の立ち位置としては一般的な化繊(TENPO:SStratofiber)よりは重量辺りの保温力が高く、650FPダウン(DISCO)より重量辺りの保温力が低いことがわかります。
例えば、ニーモがDISCO(ディスコ)よりグレードの低い550~600FPダウン程度のクラシックスプーンの寝袋を作れば重量的にはフォルテ相当になるのではないかと想像できます。
PrimaLoft Riseの重量辺りの保温力はその程度であると言って差し支えないでしょう。
補足として、水に強くメンテナンス性に優れる化繊と水に弱くメンテナンス性の低いダウンを同じ土俵で比べるのはナンセンスですが、PrimaLoft Riseの性能が公表されていないための目安と考えてください。
ブランケットフォールド
この寝袋で一番気に入ってるのがブランケットフォールドと呼ばれる部分。
本体と同じプリマロフト入りで、動かすことで温度調整をできます。
写真では外に出している状態で、暑いときはこのまま寝るのがいいでしょう。
寒いときは寝袋内に入れてネックバッフルのように首に巻き付けて使うことができます。
綿が入ってるからか良い感じに自立して首に巻き付いてくれます。肌触りも良い生地なのも好き。
本体備え付けのネックバッフルのほうがフィット感が高く保温力も高くなりそうですが、寝心地や使い勝手はブランケットフォールドが上です。
快適性を求めた寝袋だからこその機能性でしょう。
アジャスタブルサーモギル
一目でニーモの寝袋とわかる外見的特徴がアジャスタブルサーモギル。
胸元に縦に2本のジッパーがあり、温度調整することができる機能です。
よくある勘違いなんですが、サーモギルは寝袋内と繋がっているわけではありません。
ジッパーをあけることで、中綿の隙間を開け、寝袋内と外を生地一枚で繋ぐ状態にするのがサーモギルです。
体感でも開けた瞬間に涼しくなるなんてこともなく、ゆるやかに寝袋の温度を少しだけ下げてくれ、一つの寝袋を対応温度よりも広い温度域で使用するための機能です。
サイドジッパー開けすぎると寒い、けど全部閉めるには暑い。そんな時に活躍してくれるのがサーモギルなのです。
サーモギルを開けた状態で、光に当てて内側から撮影。
開けた場所は中綿がなくなり、薄くなっているのがわかります。そして通気性があがり、熱放出してくれるというわけです。
開け閉めするとこんな感じ。
細かい温度調整も難しいですが、サーモギルを全開にしないで半空けや片側だけ開ける、なんてのもアリですね。
欠点としては、サーモギル用のジッパータブが小さく握りにくい事。頻繁に開け閉めするものでもありませんが、にしても握りにくい。
0℃以下ならこの寝袋を使おうと思っているので、温度調整の多さは非常に助かります。
ネックピロースリーブ
キャンプで寝る時に意外と困るのが枕問題。
ぼくは枕無くても寝れるのですが、いざ使うと気になってきます。
そう、枕ズレ問題が!
マットの上は滑るし、寝袋内に入れるとフードがフィットしなくなる。固定するのも面倒。
そんな時に嬉しいのがピローポケットです。
極一部でしか使われませんが、寝袋の頭の部分が二重で袋状になっていて、枕を入れることができる仕組みです。枕ズレとは無縁になれます。
ニーモの高級枕フィッロが適したサイズのようで、入れ口がやや小さくなっていて、入れれる枕が限られているのが難点。
エアマットならフィットさせやすいです。
ぼくはクライミットのXピローや着替えを丸めて入れて使っています。
小物入れポケット
国産寝袋には付きませんが、海外寝袋では割と見かける小物入れであり、スマホポケット。
冬は寝袋外に電子機器を置いておくとバッテリーが低下するため、寝袋内で温めておきたいものです。
そんな時に使うのがこのポケット。
右肩ジッパー上にあり、14x14cmほどのスペースでスマホ+カメラのバッテリーやモバイルバッテリーなどを入れておくことができます。
が、なぜ寝袋の中からアクセスできる仕様じゃないのか、それが謎としか言えません。
寝袋の中にあればジッパーを開けずにアクセスできるのに、この位置ではジッパーを少し開けないと使うことができません。
サイドジッパー全閉めで顔元から入れることもできなくはないのですが、その角度からだとジッパーが噛みやすくなる弱点があります。
本気で欠陥ポケットなのでは?と思ってます。早く仕様変更してもらいたいとこです。
噛みつき防止パーツ
ジッパータブが握りにくかったため変えてしまったあとの写真です。
元は外側のみタブが付いていて、内側はタブ無しでした。不便なので内側は自分でジッパータブを用意すると一気に快適になります。
Amazonでジッパータブを探す→https://amzn.to/2UGNtV5
黒い噛みつき防止パーツはNANGAと同様に最初から付いてます。寝袋で一番ストレスになるジッパーの噛みつきがほぼ無くなるのは嬉しいポイントです。
噛みつきにくい代わりに、ジッパーが重くなってしまうのは不便ですが、噛まないストレスフリーに比べれば些細な問題でしょう。
大きなフード
頭が入るフード部がかなり深く、ゆったりしたサイズ感になっています。
好みが大きいですが、深いフードが好きなぼくとしては使いやすく寝やすいです。
顔元を絞るドローコードも顔に干渉しない外側の作りなのが良い所。
なんですが、ドローコードのタブが小さく握りにくく、それでいてかなり硬く、締まりも悪くて締めきるのが難しいという弱点があります。
実際締め切るとこんな感じ。
実用でここまで締めることはないなと思う程度に、キチキチに締めた状態です。
フード側の水色の部分が蛇腹になって上手に締めきれてません。
締め切るとブランケットフォールドも使いにくくなるため、そもそも顔元を締め切って使うのを重視していないのでしょう。
これがモンベルのアルパインダウンハガーだとここまで締めきることができるわけです。
ダウンと化繊の違い、シェルの硬さの違いなどはありますが、快適重視か保温重視かという用途の違いでもある気がします。
快適に寝ることを考えればここまで締めこむ必要もなく、フォルテ程度のドローコードで十分とも言えます。
コンプレッション付きスタッフサック
純正のスタッフサックがコンプレッションサックです。
バンド4本で2本はバックル付き。
収納するときは縦に半分にしたあと足元から巻いていくだけ。
ややきつめに巻く必要があり、地面に置かないときつかったです。
ゆるい袋の寝袋なら立ったまま太ももの上で巻いても収納できますが、フォルテではできませんでした。
巻いたらスタッフサックに詰め込み。
ドローコードを閉めて、スタッフサックの頭をかぶせて、バックルで止めます。
これで収納完了。
若干締め付けることができます。
仕舞うのも出すのも面倒になるため、ここまで締めこむのはケースバイケースですね。
Φ22×36cmのニーモ フォルテ20 W’s(リミット-12℃)
Φ17×34cmのモンベル アルパインダウンハガー 800#1(リミット-10℃)
長さはほぼ同じですが並べると一回り、二回り違うサイズ感です。
ダウンハガーはダウンなのでまだ圧縮できる余裕がありますが、フォルテは結構キチキチでそこまで圧縮できません。
やはり化繊、重量以上に収納サイズの大きさが最大の欠点ですね。
ストレージサック
オフシーズンに寝袋を保管するための大きなストレージサックも付いてきます。
ニーモのロゴが大きく入ったメッシュタイプです。
珍しいなと思ったのが他のモデルと使いまわしではなく、ストレージサックにも製品名が記載されていること。
使用温度
ニーモはEN13537(ヨーロピアンノーム)対応です。
フォルテ20W’sの対応温度はコンフォート-7℃、リミット-12℃と完全に冬用のスペックです。
冬を前にしたこの時期で、まだ快適温度の-7℃ですら使うことができていません。
5℃程度で使ったときは、フリース一枚で寝て、アジャスタブルサーモギルを閉めていたら少し暑く汗ばむ程度でした。
プラス気温で使うならサーモギル全開でも良さそうです。
ダウンのように膨らまないため、見た目のロフト(寝袋の厚み)はほどほどですが、中に入って少しすると想像以上に断熱+保温してくれます。
今冬は北海道の冬キャンプや冬山で積極的に使ってのレビューを追記していこうと思います。
上下ダウンを着込めば-20℃くらいでも使えるかなと思ってますが、どうなんでしょうね。
微妙なポイント
特徴が良い所にも微妙なポイントにもなっていました。
微妙なとこを書き出すと
・ゆったりサイズな分、冷気も入りやすい→保温力が低い
・フードのドローコードが使いにくい
・フードのフィット感がゆるいので冷気が入りやすい
・スマホポケットが外側についている
・ジッパーが重め
・色が女性っぽいこと
・女性用を持つ女性に会っても連結できない
寝心地が良いためフィット感は全体的に甘くなっているのはトレードオフなのでしょう。
あと、ぼくは寝袋の色を気にすることはないのですが、女性っぽさのあるカラーに好みはあるかもしれません。そこがショートモデルではなく、女性用モデルなところですね。
ニーモの左右ジッパーモデルで連結することができますが、ぼくが女性用の右ジッパーを選んでしまっています。もう女性用の寝袋を持った人と連結する可能性が潰えました。
残された可能性としては男女兼用モデルの左ジッパーを持った女性と連結するしかなさそうです。
保温力が低い
特筆すべき欠点、寝袋としては致命的なんですが保温力が低いです。
NANGAやモンベルの冬用ダウンに比べると同グレードよりもかなり保温力が低く感じます。
つまりは、同じ感覚で寝袋と服装を選ぶと寒いということです。
ゆったりしているから中に毛布や寝袋を入れやすいとも、寝心地は他よりもはるかに良いからとも言えはしますが、登山や軽量コンパクト化を意識したキャンプに向くものではないということです。
化繊シュラフの考え方
化繊シュラフの売りとしては濡れに強いと言われることが多いのですが、自分なりの化繊シュラフのダウンとの比較や用途のお話。
ダウンとの比較
化繊(化学繊維) | ダウン(羽毛) | ||
長所 | 短所 | 長所 | 短所 |
安価 | 重く嵩張る | 軽量コンパクト | 高価 |
洗濯が楽 | 寝心地は普通 | 寝心地が良い | 洗濯が大変 |
濡れた時に 保温力が落ちにくい |
濡れた時に 保温力が落ちやすい |
||
寿命が長い | 寿命は普通 |
化繊もダウンも質で大きく変わってきますが、一般的にはこんな感じになります。
化繊は濡れに強いと言われますし、事実そうではありますが、寝袋の保温力が落ちる程度に濡れるシーンはかなり稀です。
それよりも個人的に(やや偏った考えですが)、軽量性と収納性に極ぶりしたのがダウンで、その恩恵を受けるために高額なダウン、その必要性がない人が選べるのが化繊という認識です。
軽くコンパクトな分、それ以外がデメリットになっています。
それが用途にも繋がり、パッキングや積載重量に限界のある移動手段の人が選びたいのがダウン。
軽量性収納性よりも安さを重視した人が選ぶのが化繊と考えます。
登山やバックパックキャンプなどダウンじゃないと厳しいシチュエーションで寝袋を使う人は多いはず。ある程度のデメリット(高額、洗濯の手間)を考えても、それでも必要だからダウンを選ぶわけです。車でのオートキャンパーでもダウンの寝袋にすることで軽量化できるメリットはそれほどに大きいです。
また使用頻度が多く、長く使うことを考えた時に意識するのがメンテナンス性と耐久力と中綿素材の寿命になってきます。
ぼくが化繊を選ぶ理由
自宅、車中泊、キャンプと布団よりも寝袋で寝ることが多いぼくとしては日常的に寝袋を洗濯するため、化繊のメンテナンス性の高さが非常に魅力的です。
自宅や車中泊ならできればダウンの寝袋を使いたくないと考えています。
短期的な使用で考えれば、ダウン一択ですし、同じ金額なら間違いなくダウンを選びます。自分が年10数回キャンパーならダウンを選ぶでしょう。
しかし、寝袋の使用頻度の多いぼくとして洗濯の容易さと中綿のヘタりにくさ(雑に使っても劣化しにくい)ことが重要で、雑に日常的に使いやすい寝袋を持っておきたいために化繊の寝袋を選んでいます。
長くややこしくなりましたが、自宅車中泊をメインで使うなら化繊一択、キャンプ~登山で使うなら金額と相談してダウンが多くの人にとっての正解だと思っています。
冬用化繊シュラフの比較
定番化繊モデルとの比較
良く使われるであろう化繊中綿の冬用寝袋の比較。左から軽い順です。
コールマン タスマンキャンピング以外は、今回購入しようと実際に比較していた2kg以下程度の冬用モデルでもあります。
フォルテW’sのみ女性用の低身長(~168cm)向けとなり、他は180cm程度まで対応しています。
スナグパックのソフティエリートに限り、足元を折る機能があり低身長にも対応していますが、軽くなることはないため1つで複数の人に対応できるモデルです。
見て思うのは重量対保温力だとニーモフォルテW’sがずば抜けて高いです。冬用化繊の中ではトップクラスではないでしょうか。
軽いのに暖かい理由は全長が短い女性用なこと、中綿素材の質でフォルテ20兼用はずば抜けた感じはありません。むしろリミット-6℃で冬用にはちょっと性能不足とすら思えるほど。
収納サイズではスナグパックのソフティエリート3が数値上は一番小さそう。
金額的には2~2.6万ほどで、ニーモはやや高め。カリンシアは一番高い。長期的に使うことを考えれば誤差程度かなという感じですが、カリンシアはちょっと高いなという印象で無し。
重量と保温力的にモンベルバロウバッグ#0とコールマンはおそらく無い。
ニーモフォルテは兼用か女性用で、ぼくなら女性用。
以前がスナグパックだったので、今回はスナグパック避けたいなという気持ちもありますが、性能的に魅力的なので最終候補に残して。
NEMO FORTE 20 Women’s |
Snugpak ソフティー エリート3 |
ISUKA アルファライト 1000 |
|
重量 | 1500g | 1600g | 1720g |
対応温度 | コンフォート -7℃ リミット -12℃ |
コンフォート -5℃ リミット -10℃ |
-12℃ (EN13537リミット相当) |
収納サイズ | 36×22cm | Φ22×26cm | Φ25.5×40cm |
適応身長 | ~168cm | 小柄~大型まで対応 | 170~185cm |
ジッパー位置 | 右 | 左 | 右 |
4つを消して、3つのモデルで項目も絞って最終的にこうなりました。
保温力→ニーモ≧イスカ>スナグパック
重量→ニーモ>スナグパック>イスカ
サイズ感→ニーモ>スナグパック>イスカ
おそらくな寝心地→ニーモ>スナグパック>イスカ
使ってみたい寝袋→ニーモ>スナグパック>イスカ
と、これはニーモですね。という選び方をしました。
ただフォルテ20Women’sでの比較なので、身長168cm以下の人限定の絞り込みと言えます。
女性用の冬用化繊シュラフ
今回調べていて気付いたのは「女性用(ショート丈)+冬用+化繊」の希少性です。
ダウンにすればありますが、化繊ではニーモフォルテを除けば、ほぼ無いと言っていいと思います。
ファイントラック ポリゴンネストオレンジショートはコンフォート4℃・リミット-2℃と3シーズン程度。
イスカ パトロールショートは2℃で3シーズン程度。
今は日本で取り扱いの無いドイター オービット -5はコンフォート0℃・リミット-5℃と一応4シーズン用。
日本では手に入れにくいモノでもマウンテンハードウェア Lamina -9℃やマーモット Trestles Elite Eco 20 women’s(-9℃対応)がある程度。
モンベルダウンハガーハーフレングスといった半シュラフもありですが、あれも男性用サイズのハーフ丈です。
子供用の寝袋は~155cm程度のようですし、そもそも冬用がありませんでした。
改めて探してみると、ぼくを含め多くの人が身長に合ってない寝袋を使っているんだろうなということ。
たとえ、同じ寝袋を作っても女性用のほうが全長が短い分、同じ中綿量でも密度が濃くなりますし、生地の重量も軽く作れます。もちろん隙間ができにくく冷気も入りにくいと身長が合うなら女性用やショート丈の寝袋にはメリットだらけです。
ショートではなく、女性用の場合はニーモのように裏地に兼用よりも肌触りの良い生地を使っていたり、モンベルように足元のダウン量を増やしていたりもして、男女ともにメリットとなります。
通常サイズの寝袋なら男女で使いまわせるメリットはありますが、自分しか使わないなら足元に隙間ができて冷気がたまりやすいですし、デメリットが目立ちます。
にしても「女性の寝袋選び」のような記事なんて見たことありませんが、相当選択肢が少なく難しそうです。
こんな人にオススメ
あなたがもし、男女どちらでも身長168cm以下(個人的には165cm以下位)で、冬用の化繊寝袋を選ぶならニーモのフォルテ20Women’sは真っ先に検討したい化繊寝袋であると言えます。
身長が合う・保温力が合うだけでなく、寝心地が良く横寝もしやすいと機能的にも文句なしの寝袋です。
- 身長168cm以下の人
- 化繊の冬用寝袋が欲しい人
- 横寝しやすい寝袋が欲しい人
- 多機能な寝袋が欲しい人
ニーモの女性用化繊シュラフ
ニーモの3シーズン用~冬用まで化繊の女性用シュラフは全部で5種類あります。
スプーンシェイプの違いで2種類、ゆったりなリラックスドスプーンと寝心地と軽量携行性を両立したクラシックスプーンです。
女性用の化繊寝袋を選ぶ時は四季を通して、ニーモがオススメですよ。
ニーモ公式の寝袋の選び方もわかりやすくてオススメです!
-使用感追記-
2022.3月の追記。
2020.11月にレビューしてから車中泊に自宅にとアウトドア用というよりも普段寝る用として冬はほぼ毎日の頻度で2シーズン寝てきた使用感。
まず保温力はかなり低く感じてます。
ヨーロピアンノーム基準の他の寝袋に比べてかなり低い。
スペックでは-7℃/-12℃ですが、体感では-2℃/-7℃とかそのくらい。1段、2段低いグレードに感じます。
化繊+ゆったりサイズなのが原因だと思ってます。
ただめちゃくちゃ中が広いので毛布やブランケット、寝袋を中に入れやすく温度調整しやすいので自宅なら困りません。真冬の車中泊だと寒い事も多いです。
そして首元のブランケットフォールド、これは邪魔ですね。
保温力求めて寝る時やドローコード使わずに顔元締める時には便利ですが、普段使いという特性からくつろいでることが多くて、スマホをいじってる時に邪魔です。
あとアジャスタブルサーモギル。これも閉めたまま全く開いてません。冬しか使わないのでこの寝袋で暑かったというシーンが少ないからです。
最後に寝心地。
めちゃくちゃ寝やすいです。手持ちの寝袋の中で最上級。
細身なマミー型と比べると別次元な快適さ。
買う前から知ってたけど保温力は低いけど快適な寝袋。考えれば考えるほどにオートキャンプや車中泊、自宅用だなと思えます。
まとめ
168cm以下の人を身長低いと連呼する内容になってしまったことをお詫びしておきます。大丈夫あなたは大きいです。寝袋選び的には女性用orショートが適切というだけですよ。
なんだか自分の低身長アピールみたいで恥ずかしいレビュー記事でした。
ぼくもずっとフルサイズの180cmの人も入れる寝袋を使っていましたし、使っていますが、冬用だとより足元に冷気がたまりやすく感じます。
モンベルのハーフレングス#3を使うようになり、女性用のほうが快適だなと思って今回の寝袋を選びました。
寝袋選びであまり意識することのない適応サイズ、もし意識したことがなければ一度考えてみることをオススメします。
化繊+ショート丈の寝袋を探しているのならぜひ快適に横寝ができるニーモの寝袋を検討してほしいなと思います。届け!この想い!!
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