こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
アウトドアをしている人でも「ダウンの寝袋は自宅じゃ洗えないでしょ?」と思っている人が結構多くいます。が、ダウンの寝袋も自宅で洗濯できます。
むしろ寝袋は洗濯をしないと保温力が落ちるだけでなく、外側のシェルや中綿が傷んでしまい寿命を短くしてしまいます。
本来の性能を維持して長く使い続けるためにメンテナンスはとても大切です。
今回はダウンシュラフを洗濯する前の予備知識、洗濯の仕方、寝袋の洗濯あるある、ダウン専用洗剤のことを紹介していきます!
これだけは覚えておいて欲しい3つのポイント!
・寝袋は定期的に洗濯して!
・洗剤は入れすぎないで!
・自然乾燥はダメ、必ず乾燥機にかけて!
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寝袋を洗濯する前の予備知識
洗濯前に覚えておきたい話。
ダウン(羽毛)の洗濯
冒頭でも話しましたが、ダウンの寝袋は自宅で洗濯できます。
ダウンジャケットやコートなどのダウンウェアも同じ方法で洗濯できます。
洗濯機でもできますが、バスタブやバケツを使って手洗いするのが確実で安心。
洗いすぎも良くありませんが、洗わな過ぎはもっと良くありません。
化学繊維(化繊)の寝袋やウェアはさらに洗濯がしやすく、ここで書く洗い方と全く同じ手順で洗えます。
化繊はシート状の中綿がシェルに縫い付けられてるため偏りが起こりにくく、洗濯時に気にするポイントも少ないのが手軽な理由です。
洗う時期
一般にダウンの寝袋は30~50回使用したら洗濯するのが良いと言われています。
洗濯のベストタイミングはシーズン終わりです。
使用頻度で個人差はありますが3シーズンの寝袋なら冬の始まり頃、冬用なら春ごろでしょう。
毎回お風呂に入った後に寝てる人やインナーシュラフを使っている人の寝袋は比較的汚れが少なく、気温の高い時期に使う夏用寝袋や夏山縦走で使ってると通常以上に汚れます。
回数はあくまで目安で、臭いが気になってきたり汚れてるなと思ったシーズン終わりが洗い時です。
洗いすぎるのも生地、ダウン共に良くないため数回程度しか使っていないなら無理に洗濯する必要もありません。
頻度次第では、数年に一度の洗濯で問題無いでしょう。
メンテナンスの重要性
人は一晩に200ml程度の汗をかくと言われています。真夏なら400~600mlとさらに多く汗をかきます。
ダウンシュラフの中にはもちろんダウン(羽毛)が入っていますが、ダウンは空気を含み膨らむことで保温力を発揮する中綿素材です。
そんなダウンも汗や皮脂汚れで毛がくっ付いてしまうと膨らみが悪くなり、本来の保温力を発揮することができなくなります。
そうなってはダウン寝袋も宝の持ち腐れ。しっかりとメンテナンスをしていくことで高い保温力を維持しましょう。
汗を吸って汚れた寝袋をシーズン終わりにそのまま保存しておくとオフシーズンの間にダウンがさらに傷んでしまいます。
そのためシーズン終わりの洗濯をオススメしています。
この595gの寝袋を見てください。
イスカエア280Xショートという3シーズン寝袋でカタログ値だと520gなんですよこの寝袋。
75gも重いわけですが一体何が起きているのかぼくには口に出すのも怖いですが、そういうことなのでしょう。
しっかり洗濯して翌シーズンも気持ちのいいフワフワのダウンシュラフで寝られるようにしましょう!
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洗濯の仕方
ダウンシュラフも洗濯機で洗うことは可能ですが、メーカーは推奨していないことが多いです。
生地や中綿へのダメージも考えられますが、水を吸った重たい寝袋が洗濯機内で回転することで、洗濯機の転倒のリスクがあるのが大きな理由です。
同様に、レインウェア等の防水素材も一般的に洗濯機NGとされています。
手順
手順はこんな感じ。
大事なのは、生地と中綿にダメージを与えないように洗うこと。
洗剤を入れすぎない、しっかりすすぐ、しっかり乾燥させる、ことが重要です。
では細かく書いていきます。
洗濯表示を確認
まず最初にするのが洗濯表示の確認です。
寝袋ごとに多少の違いはあるかもしれませんが基本的には同じです。
写真は、ぼくが今回洗濯したモンベルアルパインダウンハガー800#1の洗濯表示で。
40度以下で手洗い・塩素系及び塩素系漂白剤禁止・低温乾燥機OK・日陰吊り干し・アイロン禁止・石油系溶剤でドライクリーニングOK・弱いウェットクリーニングOKという意味です。
重要なのは40度以下、低温乾燥、アイロン禁止辺り。
洗濯表示はこちらのサイトがわかりやすいです。
洗濯表示が新しくなって2年。 あなたは正しく洗濯していますか? | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン
部位洗い
丸洗いでは落としにくい特に汚い部分がある場合にする作業です。無ければ飛ばして大丈夫。
寝袋の顔元は汚れやすいため黒ずんでいることがあります。
そんなときは激落ち君(スポンジ)にダウン専用洗剤を少しつけて押し付けるようにして洗います。
こすると生地にダメージを与えやすいので、押し付けるようにして汚れを押し出すのがポイント。
限界はありますが大体はそれだけで落ちます。
シーズン中やシーズン終わりで丸洗いするほどでもない場合もこの洗い方が手軽です。
ウェアやテント、ザックも同じ洗い方ができます。激落ち君はぼくらの友達。
バスタブで洗う
バスタブにお湯を張ります。
お湯を入れすぎると洗剤も多く必要になるのであまり貯めすぎないほうがいいです。今回は深さ20cm程度。水温は洗濯表示に従い40度位。
夏用なら洗面台やバケツでもできますが、ぼくは寝袋は全部バスタブで洗います。
ダウンウェアやダウンテントシューズもあれば一緒に洗ってしまうと楽です。
お湯を貯めたらダウン専用洗剤を入れます。
今回はグランジャーズのダウンウォッシュ、フタが50mlで2杯分(100ml)入れます。
注意点は、洗剤を入れすぎないようにすること!
洗剤を多くしても洗浄力はあまり変わらず。すすぎが大変になるからです。
残留するとダウンのロフト軽減にも繋がります。
寝袋の洗濯で失敗したという人は大体洗剤が多いか、すすぎ不足なことが多い印象です。
撥水剤入りのダウン用洗剤ならこの段階で使います。
ジッパーは全て締め切り、顔元のドローコードは全部緩めたら寝袋を投入!
入れてから思い出しましたが、できるだけ空気を抜いた状態でお湯に入れたほうが楽です。ぼくの屍を越えていけ。
手足で踏み洗い、まずは空気を抜いて沈めることを優先します。
空気がたまっていると膨らんできます。
ゆっくり手足で抜いていくのがいいです。生地中綿にダメージを与えないのが大原則。
冬物なこともあり、空気が中々抜けず苦労しました。
洗えたらお湯を抜いてから再びお湯をいれてを繰り返し、バスタブで2~3回すすぎます。
諭吉を財布に入れるように優しく、優しくすすいで、押し出すように軽く脱水します。
すすぎ脱水で雑巾のように絞ったりするのはNG。
漬け込みタイプの撥水剤はこのタイミングで入れます。
たくさんのお湯で漬け込むともったいないので、ゴミ袋に移して漬け込むのが経済的です。
洗濯機で脱水
すすいで、軽く水を押しだし、洗濯機へ。
回った時に生地にダメージがいかないように洗濯機に這わせるようにするのがベストです。
冬用で寝袋の水があまり抜けなくて重たい時はバスタオルなどで給水して少しでも軽くしてから乾燥させるのが洗濯機に優しいです。
脱水のみで洗濯機を回します。
ぶーん。
脱水をするとかなり軽くなります。
リキッドタイプ(液体を吹きかける)の撥水剤を使うならこのタイミングで。
液体の撥水剤は濡れた状態でかけた後に乾燥することで生地に染みこみ、熱処理(乾燥機)を加えることで強く生地と結びつきます。
漬け込みタイプはダウン自体への撥水効果も期待できますが、リキッドタイプではシェルのみを撥水加工することができます。
コインランドリーで乾燥
乾燥はコインランドリーがベスト。
自宅に乾燥機があればもちろんそれでもOK。
自然乾燥では生乾きになりやすい、時間がかかりすぎる(1週間以上)、ダウンがほぐれにくい、平置きでスペースを取るといった不便が多く仕上がりの差は歴然のため乾燥機を使うべきです。
時間は大体40~60分を低温で回しましょう。
8~12分100円のことが多いので400~600円程度。
夏用や冬用などサイズで乾燥時間は変わるため20分30分かけてから乾燥度合いを見て追加するのが良いでしょう。
冬用なら半分の20-30分かけたあとに生地を裏返して、残りを乾燥すると上手に乾きます。
外観は乾いていても中は乾いてないことも多いので少し長めに乾燥機にかけるのを意識しましょう。
洗濯後の寝袋は中綿のダウンが絡みついてしまってることがあります。
それをほぐすために乾燥機にボールを入れます。
テニスボールや硬く縛った手ぬぐいで代用することも可能ですが、グランジャーズだと洗剤+ボール3つが付いたセットで販売しています。
持ってないなら最初は洗剤+ボールセットがオススメ。
40分かけたらふわっふわになってくれました!今すぐ入りたくなっちゃう!
自宅に持って帰った後、ダウンが上半身や足元、バッフル内の左右に偏っていることが多いです。
手でぽふぽふと叩くようにしてダウンをほぐしながら偏りを解消して終わりです。
スプレータイプの撥水剤は乾燥後にかけるだけ。かけすぎに注意です。
ストレージバッグで保管
乾燥と偏り解消を終わらせたら、保管用ストレージバッグに寝袋に入れて来シーズンまでお休みいただきましょう。
慣れるまでは大変なダウンシュラフの洗濯ですがアウトドアを続ける上で必要な作業です。
慣れてしまえばお風呂上りに全裸でできる程度の作業です。
まずは自分でやってみることから始めてみましょう。
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寝袋の洗濯のあるある
あるある。
洗濯できるのを知らない
昔アウトドアショップ店員としても働いていましたが、ダウン寝袋を洗濯したことがないお客さんは本当に多かったです。
第一声は「自分で洗濯できるのを知らなかった」です。
知らなかったなら仕方ない、今日はダウン洗剤を買って帰って洗濯しましょう。という話。
ダウンが抜ける、膨らみが悪い
意外と多い「ダウン寝袋の膨らみが悪くなった、ダウンが抜けてるからダウンを足してくれ」
よくよく聞いてみると車中泊で使っていて買ってから数年一度も洗濯はしていないと言う。
一番の原因は洗濯をしないことで、長年の汗や皮脂汚れでダウンが固まってしまい膨らみが悪くなっていること。
ただ数年洗濯していないと洗濯をしても思ったほどに復活できないことも多いようです。長く使うためには日ごろからの手入れが重要なのです。
車中泊で使うと車内は静電気が発生しやすく、静電気で縫い目からダウンが抜けることが多くあります。
抜けかけたダウンを引き抜くと縫い目が広がってそこからダウンが抜けやすくなるため、裏側から中にダウンを引っ張って入れ、ダウンの抜ける縫い目を慣らすのが正解です。
ダウンは復元率が高いため、抜けると大量に抜けたように見えますが、実際には数グラムも抜けてないことがほとんどです。
メーカーにも寄りますがよほど多く抜けた場合は保証できますが、縫い目から程度では保温力に影響するほど抜けることは稀です。
ダウンの膨らみが悪くなった≠ダウンが減ったわけではないのです。まずは洗濯から。
ダウン寝袋の洗濯に失敗した
「ダウンの寝袋を洗濯したんだけど膨らみが悪くなった」人。
洗濯に失敗した方は、
・使う洗剤が良くない(ダウン用や中性洗剤じゃない、粉は特に×)
・洗剤が多すぎる
・すすぎが足りない
・乾燥機を使っていない
こんな場合がほとんど。
専用洗剤でなくても普段使う液体の中性洗剤で洗えますが、通常の半分程度に薄めて使いましょう。
ダウン専用の洗剤でも多すぎると洗剤が寝袋に残ってしまい、ロフト低下の原因になります。
すすぎが足りないのも同様と、ダウン洗濯での失敗の多くは洗剤関連です。
あとは乾燥が悪い場合。
特に自然乾燥は生乾きになりやすく、ダウンがほぐれにくいため乾燥後に膨らみが悪くなることもあります。
時間をかけすぎると雑菌が繁殖する原因にもなるため、やはり乾燥機がベスト。
意外な盲点で、ダウンがほぐれてない場合。
まずは乾燥機でボールを使うこと。そして、乾燥後に手でぽふぽふはたいてあげると復活してきます。
長期間使っているとバッフル単位で偏りが発生していることもあるため、そのときはダウンにダメージを与えないように手でほぐしてあげましょう。
ダウン寝袋は洗濯のやり方以上に失敗例を知っておくと安心です。
高価な道具なので大切に洗濯してあげましょう。
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ダウン専用洗剤のこと
最後になりましたが、ダウンシュラフを洗う時に必要になるダウン専用洗剤。
ダウンが持っている天然油分にダメージを与えず洗うための洗剤です。
自宅にある中性洗剤を薄めて使っても問題ありませんが、弱アルカリ性の洗剤はダウンのタンパク質や油分を落としてしまうためダメ。
NANGAはなぜか名指しで家庭用洗剤ならエマールを使えと書いてます。
グランジャーズ、ニクワックス、モンベル、ギアエイド辺りが有名な洗剤ブランド。
古くからあるニクワックスが定番ですが、最近はグランジャーズの勢力が強い気がします。代理店がキャラバンですし。
後追いでモンベルが製品を揃えてきました。
ぼくのオススメは断然グランジャーズのダウン洗剤(DOWN WASH)。
300ml洗剤(洗濯機投入可)に乾燥用ボール3つが付いてくるのがポイントです。
ボールはダウンを洗うときに必須なモノでテニスボールなどで代用できますが、意外と手ごろなボールになるものがないため、ボール欲しさで最初に買うダウン洗剤はグランジャーズがオススメ!
少し高い水色は撥水剤入り洗剤+ボール3つ(2in1 WASH+REPEL)です。
キャラバン曰く、ダウン洗剤+撥水剤を使うのと同じ効果が得られるため撥水加工もしたいなら2in1がオススメ。
撥水処理の手間がいらないモデルでお手軽。
撥水剤の分と考えると値段もむしろ安上がりです。
・グランジャーズの撥水剤
撥水加工と言えばフッ素成分が定番でしたが、環境への配慮から非フッ素成分の撥水剤を各社が開発しています。グランジャーズは独自開発のアクリルポリマーの撥水剤を使っています。
フッ素ほどの撥水効果(特に耐油)は得られないことは理解しましょう。
洗濯サービス
自分で洗濯するのが大変だ。絶対したくないでござる!
という人は有料の寝袋洗濯サービスを使うのも手。
テントクリーニング.com
テントクリーニング.comさんは値段、洗濯方法がわかりやすく、頼みやすいです。
撥水加工(1166円)、汗抜き加工(1166円)、臭い軽減加工(クリーニング代金の50%)、カビ取り加工(1166円)で洗濯プラスのオプションを頼むことができるのも珍しいながらもニーズに合わせやすいです。
特に長期間洗濯してない寝袋の1回目は自分でやらず、いくつかの加工込みで洗濯サービスを使うのも良いでしょう。次からは自分で洗濯という流れです。
テントクリーニング.comさんは洗濯時に無料で「FILL POWER UP(FPU)」を施してくれ、新品以上にふっくら仕上げてくれるという驚きの加工です。
実際にナンガ、モンベル等のサイズごとの金額も記載されているのもユーザとしてはありがたい点。
各ブランドクリーニング
寝袋ブランド各社でもクリーニングはやっています。
基本的に自社品のみでしょう。
スノーピークはさすがの保証で送料が安い分、お得。
イスカは送料分少しアップ。NANGAは往復送料が必要で一番高め。
申し込みページは作られてますが、各社自分での洗濯や送料のかからない地元のクリーニング屋を推奨しています。
まとめ
アウトドアを長くするうえで道具のメンテナンスは自分でする必要が出てくるでしょう。
これを期にダウンウェアやダウンシューズと一緒にダウンシュラフの洗濯にチャレンジしてみましょう!
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