寝袋(シュラフ)を選ぶ前に知っておきたい基礎知識と種類の違いについて!

道具

こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!

キャンプで必要な寝袋

「寝袋」と一言で言っても種類は千差万別。形状や中綿の違いで特徴が大きく異なり、適した用途も変わってきます。

寝袋を選ぶためには、まず寝袋の基本を知る必要があります。

今回は寝袋の基礎知識として中綿の違い、形状でのメリットデメリットを紹介していきます。

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寝袋とは

そもそも寝袋ってなんだろう?という意外と知らない話。

呼び方の違い

寝袋にはシュラフスリーピングバッグという呼び方があります。

そもそもこれがややこしい。ですが、全て同じものです。

寝袋日本語での呼び方

シュラフ(Schlaf)→ドイツ語の呼び方。シュラフサック(Schlaf sack)のこと

スリーピングバッグ(sleeping bag)→英語の呼び方。

呼び方の違いは言語での違いでした。バックパックやザックと同じ違いですね。

英語表記が世界共通で最も一般的で伝わりやすい呼び方でしょう。

昔からアウトドアをしている方はシュラフと呼ぶイメージが強いです。

日本では、なじみやすい寝袋と呼ばれることが一番多い気がします。

ただダウンの場合はダウン寝袋よりもダウンシュラフやダウンスリーピングバッグの語呂がいいです。

モノに違いはないので、好みの呼び方で読んであげましょう。

なんで寝袋を使うのか?

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キャンプやフェスなど屋外で寝るときの道具で連想するのが寝袋のイメージではないでしょうか?

でも、家で普段寝るときに寝袋使う人はほとんどいないですよね?みんな家では布団なのに、なぜキャンプでは寝袋を使うのか。

その理由は寝袋と布団の目的の違いにあります。

 

寝袋は持ち運ぶことを想定している道具なため、収納性と軽量性が重要になります。

軽く、コンパクトで、家よりも寒い環境で寝るための保温力を得ようと思うと体にフィットする最小限の寝袋の形になるのでしょう。

身体に合わせた形状で、布団やベッドに比べると寝心地は落ちます。

 

逆に言えば、収納性と軽量性を求めなければキャンプで寝袋である必要は無く、布団やタオルケットでも十分なのです。

特に暖かい時期に使うなら寝袋にこだわる必要性は低くなります。

ただ、寒い時期ほどサイズ当たりの保温力で、寝袋の必要性が上がってきます。

さらには、キャンプで寝袋を使って寝ることでよりアウトドアを感じることができます。キャンプだからこそ、寝袋を使いたいのです。

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形の違い

寝袋には何種類かの形状があります。ざっくりな分類ですがそれぞれのメリットデメリットを紹介。

形状でのメリットデメリット

寝袋の形状でもメリットデメリット

形の違いでわけるとざっくり5種類

封筒型

Naturehike Mサイズ1人用寝袋 封筒型 軽量 保温 連結可能
Naturehike

一番シンプルで布団に近い寝心地を得られるタイプ。

寝袋に慣れてなくても誰でも使いやすい。封筒型やレクタングラー(長方形)型とも言われます。

値段も安いものが多く、全開にすることで敷き布団やかけ布団として使うこともできます。

同じ封筒型の寝袋は連結できるモノも多く、親子で子供と一緒に寝るときにも便利。2枚をつなげて3人で使うなんて方法もあります。

寝袋の中が広いので毛布やブランケットを入れて保温力アップをしやすいのも魅力。

ただし、体へのフィット感は甘く、広い寝袋内には冷気が入りやすく保温力は低め。収納サイズも大きくなりやすく、重量も重くなります。

そのため封筒型の冬用モデルは少なく、夏用のモデルが多いのが封筒型。

メリット
  • 安い
  • サイズが大きく布団で寝やすい
  • 2枚で連結可能
  • 中に布団などを入れやすい
デメリット
  • フィット感が甘く、保温力が低い
  • 重くかさ張りやすい

こんな人にオススメ

・オートキャンプ用でコスパ重視の方

・親子でつなげて一緒に寝たい方

・子供のアウトドアイベント用

マミー型

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ミイラのような見た目から英語でミイラという意味のマミー型と言われる形の寝袋。

頭を覆うフード部分があり、肩から足元にかけて細身になっている形で体にフィットしやすく効率的に寝袋内を保温する作りになってます。個人的にはチョココロネっぽいと思ってます。

登山用に開発されたものと言われており、最小限のサイズで最大限の保温性を生み出す作りになっています。無駄が少ない分収納サイズも非常にコンパクト。

封筒型に比べ中で動くにくく寝る道具と割り切られています。モンベルは伸びる構造になっていて寝がえりを打ちやすく、フィット感も向上してます。

メリット

・軽量でコンパクト

・体にフィットする分暖かくなりやすい

・各社のこだわりが詰まってるため細かい作りまでしっかりしてる

デメリット

・高価なものが多い

・寝にくい

こんな人にオススメ

・少しでも軽量コンパクトにしたい

・登山、バックパックキャンプ、ツーリングで使う

・家族が多く、人数分の寝袋でかさばるのでコンパクトにしたい

・寒い(冬)時期のキャンプや登山で使う

Soomloom マミー型 高級ダウン650FP寝袋 登山 シュラフ/キャンプ アウトドア 防災用 避難用 防水 (レッド, 羽毛量600g)
Soomloom

フード付き封筒型

封筒型の形と機能をそのままにフード部分をつけることで顔や首周りのフィット感をあげて冷気を入りにくくしているモデル。

足元や胴体部は広くなっているためマミー型ほど寝にくくなく、寝袋内を広く使えます。それでいてフードをつけることで封筒型のデメリットである首周りの弱さを解消。

メリット

・比較的安い

・封筒型同様の寝やすさ

・首回りが冷えにくく冬も使えるモデルもある

デメリット

・収納サイズが封筒型以上に大きくなりやすい

・封筒型よりは高い

こんな人にオススメ

・子供のいないキャンプ用で春や秋などの少し寒い時期も想定している

・初めてのソロキャンプ用

・コスパ重視の冬キャンプ用

自宅で寝る用にもオススメな寝袋形状です。

自宅の寝具を寝袋にするのはメリットだらけ!オススメは化繊シュラフ!

キルト型

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ウルトラライトのハイカーや登山家、まれにキャンパーも使用しているタイプの寝袋。

マミー型から背中部分、フードを取り除いたような形。背中側にダウンを詰め込んでも体重でつぶれて無駄になるという考えで、背中部分の生地を大幅に除いたというウルトラライトな寝袋。

ロングトレイルなど夏用を想定したものが多く、国内流通も少ないのがデメリット。ハイカーズデポなどの尖ったショップでも行かないとなかなか目にする機会も少ない。

キルトは羽毛のかけ布団の意味である。

少し違うがパーツを絞るという意味では、モンベルの新しいハーフレングスというモデルは下半身のみをいれることのできる半身型などのタイプもある。

メリット

・かさばりやすい寝袋をコンパクト化と軽量化できる

デメリット

・値段が高い

・マットとつなげて隙間から入るので出入りが面倒くさい

・種類が少ない

・寒いこともある

こんな人にオススメ

・軽量コンパクトにしたい夏山登山やバックパックキャンパー用

・ウルトラライトに魅せられて軽い=正義という考えになった人

・普通の寝袋じゃつまらなくなってしまった人

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人型寝袋

見たまんまである、つなぎのような見た目で中綿が入ってるため暖かい。

圧倒的動きやすさが一番の魅力。着たままトイレに行けるモデルも多く、夜のトイレに行きたくない現象の対策にもってこいである。

防寒着と寝袋を1着2役でこなすため、着たまま夜のキャンプを楽しむことができ、結果的に軽量化なんではないかと思うこともある。

ただフリーサイズでジャストフィットが難しく、構造や綿量からして保温力が低めなのが本末転倒なところ。寒い時期の部屋着にするのがマストかもしれない。

メリット

・動きやすい

・着たままトイレにいける

・防寒着を減らすことができる

デメリット

・保温力が低い

・結構かさばる

・フィット感が甘く、走ったりするのは大変

こんな人にオススメ

・めんどくさがりな人

・面白いことが好きな人

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ダウンと化繊の違い

寝袋の中に入っている綿の素材の違いですが、個人的には形以上に大事だと思うポイントです。個人個人で向き不向きはあり、正解はないです。

中綿素材でのメリットデメリット

中綿素材でのメリットデメリット

ダウン(羽毛)

水鳥の毛を使った天然素材の中綿素材です。

ダウンジャケットと同じ素材で、それを大きな袋状の形にしたものがダウンシュラフです。ダウンはFP(フィルパワー)という単位で質を表し、600~700FPで良質なダウン、700FP~は高品質ダウンと言われています。

勘違いしやすいのは800FPだから暖かい。ではないということ。600FPと800FPの100gを比べると800FPのほうが暖かいですが、膨らんだ量が同じ600FPと800FPなら同じ暖かさで800FPのほうが軽いということです。

ダウンは性質上、膨らむことで空気を含み保温性があがります。濡れることで膨らみにくくなり保温性が落ちます。各社生地に撥水をつけたり、撥水加工のダウンを使ったりしていますが、湿気の多い時期や冬、雨に触れれば濡れます。時期によっては寝汗でも保温力が落ちます。

また重さでダウンがつぶれることでも保温性が落ちるため背中側などは本来の膨らみをできず若干無駄になっている。

メリット

・圧倒的にダウンは軽い

・収納サイズがコンパクト

・冬用寝袋でも軽いため、体の上に乗っかる生地が重くなく寝やすい

・畳まずに収納するため収納速度が速い

デメリット

・値段が高い

・水濡れに弱い

・洗濯がかなり大変

・穴が開くとダウンが飛び出す

こんな人にオススメ

・徒歩や自転車、バイク移動のため少しでも荷物を減らしたい

・車が小さく、家族分揃えるのでコンパクトにしたい

化繊(化学繊維)

登山などをしない方の寝袋のイメージは大体この化学繊維の中綿素材ではないかと思います。

各社独自の中綿素材を使っていて微妙に違いはあるが一般的な特性としては、濡れても嵩が減らず保温性が落ちにくく、乾きやすいというところ。それが化繊は濡れに強いと表現される理由。

ダウンに比べ値段が安く、洗濯機で洗えるのがうれしい。

またキャンプでは焚き火などで破けたり、穴が開く場合もあるかもしれないが、化学繊維はシート状などの綿素材のため中身が飛び出にくく、押し込んであて布修理で対応できる。

メリット

・安い

・濡れに強い

・耐久力も高い

・洗濯が容易

デメリット

・かさばる

・重たい

・キレイに畳まないと収納できない

こんな人にオススメ

・コスパ重視で寝袋を買いたい方

・車移動で多少大きくても問題ない方

・ダウンは洗濯したくない人(ぼくがこれ)

よくある間違え

値段高いほうが暖かい

何の知識もなく、寝袋を見た人は化学繊維とダウンの寝袋を比べ「こっちのほうが値段高いから暖かいんでしょ?」という人が多いです。

中綿が化学繊維よりもダウンのほうが高価なので値段が高いだけです。

膨らんでるからダウンのほうが暖かい

化学繊維とダウンの寝袋を比べ「こっちのほうがふかふかしてるからこっちのほうが暖かいんでしょ?」という人、これも多い。

物によりますが、ダウンは性質上膨らむことで暖かくなります。一方化学繊維の寝袋はダウンほど膨らまなくても効率よく熱を保持できるので薄いけど暖かい場合が多いです。

メンテナンス性

寝袋は一般的に30~50泊に1度の洗濯と言われています。

月1キャンパーなら2~3年に1度でもいいでしょう。ただ長期間使わないなら洗濯してからしまいたいところです。週1キャンパーなら夏用、冬用寝袋を年に1度ずつ洗う程度です。

年1度なら楽かな?と思ってしまうわけですが、冬用のダウン寝袋の洗濯は非常に面倒くさいです。

化繊の寝袋なら洗濯機に入れて干しておけば1週間ほどで乾くので割と楽です。洗濯機はいらないサイズだとコインランドリーです。

自分の使う頻度で選択肢が変わる人もいるはずですので、ダウンジャケットを自分で洗ってるかどうか、そんなところも考えてみるといいかもしれません。

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選び方

使う時期

寝袋やテントでよく言われる3シーズン用という考えがあります。

一般には春夏秋の3シーズン用で冬以外用のものです。最初に選ぶのはこのモデルになるかと思います。GWの5月~10月くらいですね。

雑に3シーズンといっても北海道と本州やそれ以南では話が違います。僕の住む北海道では5月のゴールデンウィークも0度くらいを想定した寝袋選びになります。関東圏関西圏では10度ほどでしょうか。

寝袋は想定より寒いことが多いです。-10度対応寝袋でも0度で寒いということもあるあるです。

レビューや自分が寒がりかどうかというところ、行くキャンプ時期の最低気温などを調べるのがいいです。迷ったら一段階暖かいものにしていいと思います。

ちなみにぼくは、4~10月をイスカのair280、11~3月をモンベルダウンハガー#1で対応しています。

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EN(ヨーロピアンノーム)13537

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モンベル、ナンガなどの有名なメーカーだと寝袋の暖かさを測るのに同じ規格を使っています。

それがEN(ヨーロピアンノーム)13537です。ヨーロピアンスタンダードとも呼ばれるこの規格は寝袋の暖かさを同一基準で表記するためのものです。

amazonにある安い寝袋だとこの規格外の独自規格のためあまり参考にならないものが多く、-10度やー20度などすごそうに書いてる場合が多いですが大体はそんなにないです。

ヨーロピアンノームではマネキンに長袖長ズボンのアンダーウェアを着せ、測る寝袋に入れてキャンプ用マットに寝かせた状態で、温度センサーを体の5カ所につけてそのセンサーで測定されます。

中綿量だけではなく、生地の厚さやジッパー部の作りでも変わってくるため総合的に評価できるという規格です。

測定後「COMFORT」「LIMIT」「EXTREME」の3段階で表記されます。

・COMFORT(快適使用温度)→一般的な成人女性が寒さを感じることなく朝まで寝れる温度。

・LIMIT(下限温度)→一般的な成人男性が寝袋の中で丸まり8時間眠れる温度。

・EXTREME(極限温度)→一般的に寒さ耐性の低い成人女性が膝を抱えた状態で6時間までなら耐えられる温度。

エクストリームがほんとにエクストリームで全く参考にならないんですが、最初に選ぶならコンフォートより高い温度で選ぶべきです。

最低気温0度想定のキャンプならコンフォートがー1度くらいほしいです。

それよりも軽さや安さを求めるならダウンジャケットを着て寝るとか、毛布、湯たんぽで寝ることを想定したいところですが、寝袋を厚くするのが一番早いですよ。

寝袋の活用方法

良い寝袋買ったのにキャンプで寝るときしか使わないのはもったいないと思います。

こんな時でも使えるよという活用方法もご紹介していきます。

家で寝るときに

冬などの寒い時期に今ある布団だけじゃ寒いとき、ありますよね。

そんなときの保温力ブーストに寝袋を使ってあげます。冬もキャンプする方なら布団より寝袋で寝たほうが暖かいなんてこともあってしまいます。あ、ぼくですね。

寒い時期のこたつ替わりに

居間などの生活環境でごはんを食べるときやテレビを見ているとき、暖かい空気は上部にたまるため足元は意外と冷えやすいです。北海道ではコタツという悪魔的なアイテムがありますが、寝落ちや電気代というリスクが潜んでます。

そんなときも寝袋です!足だけ寝袋に入れておくという技です。

ぼくはパソコンチェアのときにこの技を使います。さらにマミー型寝袋でフードかぶってジッパーを腰まで開いて使ってます。寝落ちも容易です。

車のひざ掛けに

冬は車が温まるまでの運転が寒いです。そんなときも車に寝袋を一つ積んでおけばひざ掛けにすることができます。

長さもあるので運転席と助手席で一つの寝袋で兼用したり、後部座席の2~3人分用に使うこともできます。

運転席で使うときはギアやハンドルなどに絡まらないように注意ですよ。

急な来客用に

急に家に誰かが泊まるシーンあるかもしれないです。

そんなときは寝袋を差し出してあげましょ・・・いや自分が寝袋で寝て、お客さんをベッドで寝かせてあげましょう。

非常用に

地震などの災害があったときも寝袋は活躍してくれます。

地震は停電もセットで来ることが多いです。寒い時期に停電されると暖房が使えなくなります。そんなときに寝袋があれば安心して寝ることができます。

持ち運びもしやすいので体育館などの避難所に行くときも持っていきやすいです。

あって困らないです。
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まとめ

寝袋の基礎知識や種類の違い、活用方法の紹介でした。

寝袋は個人で使い方などでオススメは変わってきます。お店の人やネットでこれがオススメだよ、というものを買うと失敗も多い買い物です。

自分できちんと寝袋の知識を得て、考えて選ぶことで失敗が減りますし、失敗したとしても教訓として成長することができますよ。

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