こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
そこまで重くはないけれど、ひたすらにかさばるのが寝袋。
夏用はそれほどですが、冬用の寝袋になるとひたすらに大きくかさばります。
そんな寝袋をコンパクトにするための道具がコンプレッションバッグ。
便利そうですが、使い方には一度考えてみる必要のあるモノだと思っています。
今回はコンプレッションバッグの種類、活用法、欠点、考え方、オススメまで紹介していきます。
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コンプレッションバッグとは?
寝袋をより小さくすることができるのがコンプレッション(圧縮)バッグ(袋)。文字通り圧縮袋です。
寝袋の、特に国産のメーカーはスタッフバッグをゆったり目に作ってあります。中綿にダメージを与えにくくするためと思われます。そのためさらに、圧力をかけることで相当小さくすることができます。
海外のメーカーは最初からコンプレッションバッグにしてある場合が多いです。その分、やや重くなりますが、カタログの収納サイズを小さくしやすいメリットがあります。あとそもそも便利です。
コンプレッションバッグにはバッグ型とキャップ型の2種類があります。それぞれ説明していきます。
バッグ型
スタッフバッグ+コンプレッションベルトが一体型になったのがバッグ型。
コンプレッションバッグの多くはこのタイプです。袋に収納し、圧縮できます。
形状の違いからさらに2種類にわけられます。
縦圧縮
一般的なのが縦に押しつぶすタイプ。
細長い円柱状になる寝袋を縦に押しつぶし円形に近い形にすることができます。
種類やサイズが豊富で、寝袋の大きさに合わせて買いやすいです。〇Lで表記され、自分の寝袋に合ったものを探すのが意外と難しいです。
ニーモやイージスマックスなど純正で付属するのが最初からコンプレッションバッグのメーカーもあり、その場合はこのタイプです。
寝袋単体で圧縮するなら一番使いやすいのもこのタイプ。
横圧縮
円柱状のスタッフバッグをより細長くなる向きで圧縮するタイプ。
縦型に対し圧縮率は低くめになります。
寝袋単体で収納するよりもダウンウェアや着替えなどと一緒に収納することが多いです。細長くコンプレッションされた形状は長さが合えば、ザックの底に収納しやすくなります。
サイドにバンドがくるためそこに道具を挟んだり、ザックに外付けするのにも使いやすいバンドです。
寝袋を入れるのにも便利ですが、圧縮率の低い特徴を生かしテントを収納するのにも向きます。サイドのバンドにはポールを挟むこともでき、MSRやニーモなどアメリカのテントメーカーはテントのスタッフバッグに横圧縮のスタッフバッグを使ってることも多いです。
キャップ型
バッグ型の縦圧縮形状のタイプから袋部分をなくしたような見た目。
上下のキャップ部分と圧縮バンドが付いたシンプルな形状です。
製品名的にもコンプレッションバッグではなく、コンプレッションキャップになりますが、同列で考えます。
寝袋の元のスタッフバッグを挟み込み、押しつぶすことでコンプレッションできます。
スタッフバッグとの相性もありますし、ずれやすく圧縮するのに手間がかかりやすいです。一つでいろんなスタッフバッグに兼用できます。
使い勝手があまり良くないため個人的には好まないタイプ。
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使い方
寝袋は重さはそれほどでもありませんが、大きくかさばる道具です。
特に冬用はそれだけでザックの中の広いスペースを必要とします。
そんなときに使いたいのがコンプレッションバッグ。
モンベル アルパインダウンハガー800#1をイスカのコンプレッションバッグMで圧縮すると1/3~1/2ほどのサイズにできます。
4本のバンドがあるので、均等にそれぞれ順番に締めていくことでぎちぎちに圧縮することができます。
パッキングスペースは大きく減りその分、ザックに余裕を持たせることができます。
他の圧縮の比較はこんな感じ。
イスカの青いコンプレッションバッグは縦圧縮で一番圧縮率は高いです。球体に近い形状になり、バックルが遊んでいて、肉が飛び出しているようになります。かなりガチガチで硬くなります。
シートゥサミットはコンプレッションバッグではありませんが、底から空気が抜けるため圧縮が可能です。完全に空気を抜ききるのは難しく、圧縮しきるのも難しいですが、その分形状に余裕がありパッキングはしやすくなります。
TFStentsのテントについてきた袋は横圧縮タイプ。バンドが2本で圧縮するとハムのような膨らみが残ります。圧縮率はそれなり、ザックへのパッキング場所は選びます。
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コンプレッションバッグの欠点
かさばる寝袋を小さくできますが、使い方次第では欠点にもなります。
重量が増える
どんなシンプルなモノでも、袋+コンプレッションベルトになるため重量は増えます。
ただ夏用なら50g位、冬用の大きなものでも100g程度で、そこまで重くはなりません。
コンプレッションバッグを使うことでザックを小さくでき、その分軽量化できる。という意味では軽量化だったりもします。
ただUL系のパッカーはシュラフカバーをライナーにして、寝袋をそのまま入れてパッキングする人も多いです。そのほうがスペースをつぶしやすいのです。
手間が増える
通常の収納袋に入れる場合は袋に寝袋を入れる、だけです。
コンプレッションバッグの場合は、袋に入れる→ベルトを締める、と手間は倍。
家で圧縮しパッキング→現地で使う、場合は気になりにくいですが。
現地の撤収時で片付けをする朝に手間が増えるのは割と面倒です。バンドを締めて圧力をかけるのも結構な力を使いますし、体力的にもつかれます。
しなくていいならしたくないのがコンプレッションです。
デッドスペースが生まれる
圧縮すると硬いボール状になっていき、パッキングがしにくくなり、ザックに入れたときに隙間ができやすくなるデメリットがあります。
逆に圧縮していない寝袋の場合は、サイズこそ大きいですが、適度にザック内で押しつぶされて隙間なくフィットしてくれます。特に寝袋はザック底部分にフィットしやすい形状です。
元が大きい寝袋になるほど、圧縮時にも大きくなるためフィットさせにくくデッドスペースができやすくパッキングしにくくなります。
そのため、ガチガチに圧縮するのではなく、適度に余裕を持たせて圧縮するのがベストです。押せばつぶれる程度にです。
ダウンシュラフの膨らみが悪くなる
ダウンシュラフは膨らむことで暖かくなります。
コンプレッションバッグで小さく小さくしていくと現地で出した後に膨らみきるまでにかかる時間が長くなります。
気になるほど膨らまないということもありませんが、圧縮しすぎるのは羽毛にダメージを与えるリスクもあります。長期間圧縮したままではなおさらです。
圧縮は使うタイミングの最低限の時間だけにするのが好ましいです。
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コンプレッションバッグに対する考え方
便利な道具ですが、使い方次第では欠点にもつながります。
ぼくのコンプレッションバッグに対する考え方をいくつか書いていきます。
圧縮前提で考えるべきではない
圧縮すれば入るからー、と圧縮前提で考えるのはあまりオススメではありません。
というのも、自宅でパッキングできる出発時よりも現地でパッキングしなければいけない帰りのほうが雑になり、上手に収納するのが難しいからです。
帰る時に荷物が入りきらず結局外付けになってしまうのはスマートではありません。
寝袋が大きくてザックに入らないからコンプレッションバッグを買うという状況はすでにキャパオーバーです。余裕のないギリギリの方法であまりオススメではなく、それなら寝袋をより小さいモノにするか、ザックを大きくするのが正しい方向性です。特にギチギチに寝袋を圧縮しなきゃパッキングできないのは好ましくありません。
なんにせよ、よほど攻めたULやコンパクトにまとめなければいけない状況でない限りコンプレッションバッグに頼り切るのは良いとは言えないと思います。
余裕を持たせて圧縮する
ギチギチに圧縮するのには手間もかかるし、硬くなりすぎるとデッドスペースが生まれて、パッキングもしにくくなります。
そのためある程度柔らかさを持つ程度にコンプレッションすることでより使いやすくなります。
ぼくはそこまで圧縮する必要がない前提の装備にするため、シートゥサミットのeVentドライバックや防水のスタッフバッグなど適度に柔軟性がありパッキングしやすいモノを使うことが多いです。
冬ほど使いたい
冬は防寒着や道具も増え、さらに寝袋も大きくなり荷物はあふれていきます。
使わなくて済むなら使う必要はありませんが、冬だとどうしようもないこともあります。そんなときには少しでも小さくするためにコンプレッションバッグを取り入れましょう。
羽毛量の多い冬用の寝袋の圧縮率は夏用よりもさらに大きく半分以下にすることもできます。
自宅では使わない
寝袋の収納時には中綿を傷めないようにスタッフバッグから出すのは常識ですが、コンプレッションバッグは特に強く圧縮してしまうため保管には向いていません。
コンプレッションバッグにいれるのはフィールドに出る直前にして、帰宅後は早めに出して広げて保管するようにしましょう。
テントにも便利
テントにも便利なコンプレッションバッグですが、特に濡れた状態のテントを入れるときに向いています。
雨で濡れたテントはかさばるため、元のスタッフバッグに入れにくくなります。
そんなときに、まずごみ袋にいれ、そのままコンプレッションバッグへ。そして圧縮することで濡れ対策+濡れたテントを圧縮することができます。
この場合は特に横圧縮型が使いやすいです。そして防水スタッフバッグにするとより安全です。
オススメのコンプレッションバッグ
持ってる寝袋に対するスタッフバックのサイズの選び方の目安。
3~4L:羽毛量150~300g相当程度
6L:羽毛量200~400g相当程度
10L:羽毛量400~600g相当程度
12L:羽毛量500~750g相当程度
15L:羽毛量750~900g相当程度
オクトスとシートゥサミットを参考にしたあくまで目安。個人差、寝袋差がかなり大きいです。
慣れるほど小さなスタッフバックにも入れることは可能ですが、小さくし過ぎるのも考え物ですし、余裕のあるバッグにしてウェアを一緒に入れるのもありです。
AEGISMAX/コンプレッションバッグ
中国の寝袋寝袋メーカーAEGISMAX(イージスマックス)の純正でついてくるコンプレッションバッグ。
軽い・安い・シンプルで選びやすいモデル。
3本のバンドで締めるため安定感は少し落ちますが、その分手間がかからず楽。
最小サイズが2.4Lで寝袋だけじゃなく、ウェアやシュラフカバーやテントシューズなども入れることができます。
2.4/6/10/14/20/30Lの6サイズ展開。
SEA TO SUMMIT/eVentコンプレッションドライサック
耐水圧2000mmで底に防水透湿性素材eVent(イーベント)を使うことで、ロールトップ式の口を閉じてからも底の黄色い部分から空気を抜くことのできる便利なスタッフバックのコンプレッションモデル。
シームテープ加工(縫い目を防水)もされているため濡れる心配はなし。
お値段高めですが、それでも便利で快適なスタッフバッグ。濡れる危険のある環境で使う人には全力でオススメしたい!
ぼくはこれのコンプレッションがついていないタイプを寝袋用に使ってますが、空気を抜きながら圧縮することもできるため必要十分。
2XS=1.3~3.3L
XS=2~6L
S=3.3~10L
M=4.5~14L
L=6.5~20L の5サイズ展開。
oxtos(オクトス)/透湿防水コンプレッションバッグ
石川県にある製造輸入販売会社oxtos(オクトス)の防水透湿性素材を使った横型コンプレッションバッグ。
40DのPUナイロンで耐水圧10000mm、透湿性5000g/㎡/24hの素材を使っています。
旧モデルは横バンド2本→NEWで3本になりました。
展開は4/6/10/12/15/20Lの6サイズ。
ロールトップ+横締め+防水透湿素材という割とレアなタイプも出ています。
こちらも6サイズ展開。
まとめ
使い方を間違えなければ寝袋を小さくできる便利な道具。
小さいザックに攻めたパッキングをすることができるようになるのは魅力的です。
ただ圧縮には手間もかかりますし、使う前提なのも考え物というのがぼくの考えです。
余裕があるからつぶれて隙間を無くしてくれる、ザックを大きくする、寝袋を小さくする、パッキング方法を変えるという考えも忘れないでいて欲しいと思います。
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