こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
知ってる人は知ってるじろモックの存在を。
“わたしのハンモック泊”をテーマにした記事で自作ハンモックや周辺道具のことを書いて頂いたじろさん(@aFWmVUGDubhpqIA)が作るハンモックのことです。
これからの時期に欲しくなるハンモックのアンダーキルトですが、ツイッターでやり取りしてるときに聞いた話が「そうなんだ!」の連発で、すぐ流れるツイッターではない探しやすい形として残したくなりました。
今回はオーダーメイドハンモックビルダーじろさんに聞いた、アンダーキルトのあんなことこんなことを紹介していきます。
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話の発端
ハンモックのアンダーキルトで〇℉って表記。
背面だけでトップ想定してないし、ダウン量見てもイマイチ基準わからないしもうなんもわからないあばばば— ぜつえん (@zetuenonly) September 15, 2020
ツイッターでカニみたいに泡を吹きながらつぶやいたのが発端でした。
ハンモックの、特にアンダーキルトは日本で流通しているものは少なく、海外サイトで探すほうが好みに合ったものを見つけられます。
しかし、海外サイトでは温度表記が30℉や15℉、0℉といった摂氏(〇℃)ではなく、華氏(〇℉)表記で毎回調べるんですが覚えられずわかりにくいなあと思ってたのと。
背面のみを保温するアンダーキルトの温度表記があって、上部(トップキルトや寝袋)はどうするのかがわからないというツイートでした。
ここから関連して詳しく教えて頂いたことを紹介していきます。
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アンダーキルトのこと
表記温度の考え方
これ、おそらく耐寒性能というよりも、断熱性能に近い感覚かもですね
身体側とキルトの外側でどれだけ断熱するかという。
ですので、シュラフなどとは使用温度に対する考え方が違うのではないかと
暖かさは服装やトップキルトの性能でだいぶ変わりますし考えている顔
ダウン量の計算をするとよく分かります。
言われると「たしかに」と思えることでしたが、キルトに記載される温度は断熱性能を表しているということ。
寝袋の温度表記は〇℃で使用温度を表しますが、キルトで表記される〇℃は寝袋のように考えるのではなく、マットのR値に近い考えを持つほうが適切ということでしょう。
個人的にこれはすごいわかりやすかったです。
「〇℃で寝れる」よりは「〇℃まで断熱できるキルト」という感じです。
寝るときのウェアや風など他の要因も大きいため目安ではありますが、キルトの考え方が少し変わりました。
断熱力を決めるダウン量とバッフルの高さ
細かいことを言うと、バッフルの高さによっても断熱性が変わります
FP値からダウンの膨らみを計算して、その容積で断熱性が決まります。
大概はオーバースタッフといって多めにマージンをとってダウンを封入しますから、そのパーセンテージが分かればかなり詳細に調べることが出来ます。
一気に難しい話になりました。
ただ横文字が多いだけで、意味的にはあまり難しくない、はず。
ダウンキルトや寝袋も同じで、内側生地と外側生地の間にダウンがあり、そのままではダウンは偏ってしまいます。そのダウンを生地内で仕切るのがバッフル(隔壁)です。
バッフルが高くなる=キルトが厚くなる ほど断熱力が高くなる。という言ってしまえば当たり前な話。
FP(フィルパワー)はダウンの質で、FPが高いほど重さ辺りの膨らみが良くなります。
バッフルを高くするのと同じく、ダウンが多く必要になり、多く封入する必要があります。
オーバースタッフ
それ以上入れてもダウンが膨らみきらないので意味がありません。
このパーセンテージはFP値から計算した最低限の膨らみを総量から引いてあげれば出ますね
オーバースタッフという言葉は初めて聞きましたが、寝袋(キルト)内に余裕を持たせて少し多めにダウンを入れるという意味とのこと。
ダウンのFPでの膨らみなどはわかるため、どのくらい多くオーバースタッフしているかのパーセントがわかれば詳細を調べれるという意味ですね。
そのオーバースタッフする場合は25%が限度。全然イメージはできないですね。
これ作り手は気にするのかもしれませんが、ただ使って寝るだけのぼくらでは、こんな風に作ってるということがわかれば十分な知識ですね。よくわからないですもの。
アンダーキルトのサイズ
ハンモック専用のアンダーキルトをあまり使うことのないぼくが地味に悩んでたのがアンダーキルトのサイズでした。
200x140cm位が多い気がして、大きいに越したことはないんでしょうけど、大きすぎても背面に隙間ができ冷気が入りやすくなるのかなと思います。
それもじろさんに聞いてみました。
シェル寸法はフルサイズと呼ばれるものが大体180cm×120cm程度で、全身を暖めることができます
思ったよりも小さいサイズで大丈夫なようでした。
もちろん身長や使うハンモックにもよると思いますが、過度に気にしすぎる必要はないようです。
全く知らない世界ですが、フルサイズやハーフサイズみたいなサイズで作り分けられてるんでしょうかね?
アンダーキルトの裁断
アンダーキルトが話題なので。
UQはロフトが潰れないように画像のような「Differential cut」と呼ばれる方法でシェルを裁断します。
分かりやすく言うと、インナーシェルの幅よりアウターシェルの幅を広くとって下側にロフトが出るようにします。
こうしないとダウン量を増やしても寒いです。
「そんな構造になってたのか!」と思ってしまったやつ。
歪曲したハンモック下部に装着するアンダーキルトは平面で作っちゃうと外側の生地を引っ張っちゃうことの対策ですね。
内側(水色面)は平面に、外側(ピンク面)は余裕を持たせることでハンモックにつけた時に余裕ができてダウンをつぶすことなく広がってくれるということです。
この図の接続部のグレー部分はバッフル(隔壁)ですね。
生地の大きさが違うためこの構造になっていると裏返して使うことができないわけです。
ダウン量が多く、分厚い冬用アンダーキルトほどこの構造になるようです。自分のアンダーキルトもチェックしてみたいですね。
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〇℉の表記
予備知識として華氏(かし)のこと。
日本を含め多くの国で使われる温度の単位が摂氏(せっし)であり“℃(ど)”で表記します。
それに対してほぼアメリカでしか使われない温度の単位が華氏(かし)であり、“℉(ど)”で表記されます。
ヤード、インチ、ポンドといった日本人がわからない単位と同じイメージでいればいいモノです。
アメリカで発展しているハンモックゆえに重量はポンドで、大きさはインチで、温度は華氏で表示されているのです。
ハンモックのキルトでよく使われる表記は45℉・30℉・15℉・0℉の4つが多い印象です。これだけの対応する摂氏を覚えればほぼ十分です。
温度 | ||||
摂氏(℃) | 7.2℃ | -1.1℃ | -9.4℃ | -17.7℃ |
華氏(℉) | 45℉ | 30℉ | 15℉ | 0℉ |
選ぶ目安
メーカー公称のプラス5~10℃ほどのものを使用環境に応じて選べばええかと
-5℃で使いたかったら、-10℃~15℃くらいのものを選ぶ感じですね
温度帯の選び方も教えてくれました。
これは寝袋に近い選び方ですね。寒かったら困るから余裕をもって高めに見積もるということでしょう。それが+5~10℃。
気温5℃位の時期なら30℉(-1.1℃)程度を、気温0℃なら15℉(-9.4℃)程度のアンダーキルトを選べば安心感があるということ。
ただこのあとじろさんも言ってましたが、ウェアや個人の寒さ耐性で大きく変わるため、適正温度やそれ以下でも十分寝ることは可能とのことです。
それこそ、慣れれば30℉(-1.1℃)で0℃くらいなら余裕なのではないかと思ってます。
トップの温度の話
アンダーキルトの選び方はわかりましたが、同じくトップキルトの悩み話。
主にマミー型などの寝袋を使う人、トップキルトやダウンブランケットを使う人が多いのではないかと思います。
これは別のフォロワーさんが教えてくれましたが「ハンモックではアンダーが重要でトップは薄めでも大丈夫」とのことでした
複数アンダーキルトを使用していて、冬期にはアンダーを0℉でトップを15℉のように使い分けていると教えてくれました。
もう少し暖かければアンダー15℉にもできるしという応用力。何それ天才じゃん。と思ってしまいましたよね。
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まとめ
アンダーキルトの選び方というよりは裏話での予備知識の底上げという内容で、正直ぼくは最も好きな話だったりします。
知識なしでスペックのみで漠然とアンダーキルトを選ぶ前に知っておくと選び方が変わるかもしれない、というそんな話ですね。
話聞いてる最中「投げ銭しなくていいんだっけこれ」感があるほど貴重な話で、記事にしないわけにはいかないっ!と感じてしまいました。
実際に作っている人なので知識の量が桁違いなのを感じます。こんな方とも気軽に繋がれるツイッターはすごいですね。年寄り感でますが、本当に良い時代になりましたね!
じろさん、本当にありがとうございます!
じろさんの作ったハンモックを一部紹介。
さらに詳しいことは、わたしのハンモック泊のNo.8で紹介して頂いてます!合わせてどうぞ!
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