こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
高品質ながらもコスパに優れたオリジナリティあふれる製品の多いデカトロン。
実店舗が無く製品に触れる機会が少ないのが難点ですが、規模の大きい会社なだけに製品数が圧倒的。
そんなデカトロンから、ついにパックラフトが登場。
今回はデカトロンが展開するパドルスポーツブランドITIWITのパックラフト100をレビューします。
スポンサーリンク
ITIWIT(イティウィ)
1976年にフランスで創業、世界中に1500店舗以上を展開しているデカトロン。スポーツ総合メーカーです。
スポーツ各種をブランド分けして、展開しています。
ITIWIT→パドルスポーツ系ブランド
FORCLAZ→登山・トレッキング系ブランド
QUECHUA→ キャンプ・ハイキング系ブランド
パックラフトはITIWIT(イティウィ)からの登場。
カヤックやSUP、パドル、ライフジャケットなどパドルスポーツ系アイテム全般が出ています。
スポンサーリンク
パックラフト100
製品名は【パックラフト100】
まずは総評から。
超軽量コンパクトで携行性抜群ながら安価。
お尻回りが広く乗りやすい。短いサイズながら先細りな形状で推進力もそれなり。
各パーツの使い勝手が秀逸で、細部に使いやすいオリジナリティがある。
静水は快適、左右の安定感がやや低く、耐久力は低めで浅瀬は怖い、ロッカーと浮力が無いため激しい川下りには不向きだけど瀬の少ない川なら問題なく下れる。
あくまで魅力は軽さと安さ。車移動なら他の艇を勧めたいと言えるほどに長期的に見るほど性能の低さに不満が出てきそう。
性能は低めながら、手軽さは他を圧倒する。パックラフトを手段と考える複合的な遊び方に向いたアドベンチャー向きの超軽量モデル。
安さ軽さでITIWIT100が欲しい人が多いはずだが、実際に向いてる人は少ない。大多数の人にはより水上汎用性の高いITIWIT500を勧めたい。
スペック
パックラフト100 | |
タイプ | オープンデッキ |
金額(税込) | ¥69,900 |
総重量 | 1,800g |
実測重量 | 本体:1,707g シート:306g 収納袋:281g ホース:61g 最小(本体+シート):2013g 総重量:2,355g |
全長 | 205㎝ |
全幅 | 95㎝ |
内長 | 実測:124㎝ |
内幅 | 34㎝ (座部:47㎝) |
チューブ幅 | 26㎝ |
収納長 | 40×25㎝ |
積載重量 | 110㎏ |
グラブループ | 6個 |
本体生地 | 210D ウレタンダブルコートナイロン |
フロア生地 | 420D ウレタンダブルコートナイロン |
デカトロンあるあるで公式サイトのスペック表記がわかりにくく載ってない情報が多め。
ので問い合わせて確認しました。
シート部内幅:47cm
チューブ径:26cm
本体生地:210D
フロア生地:420D
と公式サイトには載ってない部分がわかりました。
乗ってる部分は全長206cmとか、幅97cmとか微妙に違う情報もありましたが、まあそういうことです。
内幅34cmは一体どこのことなのか。座る位置の幅は47cmでかなり広め。
総重量1800gからはちょっと残念な実測実用重量(本体+シート)は2013g、公表値+213g。
とは言っても超軽量パックラフト。2Lペットボトル程度ですからね。
軽量化を想定すると収納袋を省く可能性は高く、ホースは電動ポンプを使うなら必要ありません。
パックラフトの中では超軽量モデルで水上性能的には低め、ハイキングなどで使う小型軽量性が活きるアクティビティ向き。
川下りや1泊キャンプで使うならもっと適したモデルがありますが、実際乗ってみると想像以上に乗りやすく快適に使えるパックラフトでした。
セット内容
セット内容はシンプル、本体、シート、収納袋と膨らますホース、修理パッチ、説明書です。
届いた段ボールの小ささに驚きました。80サイズくらいでした。
超軽量モデルなため、背もたれ(バックレスト)はありません。
まとめておく固定バンドは本体に縫い付けられていて、シート固定にも使える2役。
こういう他ブランドに無い個性的で使い勝手の良い工夫がデカトロンらしくて好き。
収納サイズ
驚くほど小さいです。
本体だけなら5Lスタッフバッグとほぼ同サイズで約1707g。
500mlボトル+250缶と同じ位の長さ。
持ったサイズ。
左からITIWIT パックラフト100(約1800g)
グリフォンラフト ストレウス(約2800g)
MRS バイキングセルフベイラー(約4400g)
比べると一目瞭然。ストレウスの半分近いサイズに収納できます。
ストレウスは生地が硬めで、同程度重量のモデルより大きめなんですが、にしてもパックラフト100が小さすぎます。
本体、シート、ホースを収納袋に入れた状態。嵩張りやすい収納袋ですが超小さい。
パックラフトってどれも軽いけどここまで軽く小さいのはびっくり。
パックラフターが驚く収納サイズと軽さです。
周囲にループが付いていればバックパック外付けやバウに付けやすかったなと思います。
スポンサーリンク
膨らます
では展開。
収納袋兼用ポンプサック
膨らませます。
他社パックラフトは、付属ポンプサックをバルブに繋いで膨らませるのが一般的です。
・膨らます時にしか使えないポンプサックを持ち歩く必要がある
・地面に押し付けるのはNGで身体の前でつぶして膨らます必要がある
・二重弁の上からは入れられない
という欠点があります。
パックラフト100は、防水収納袋がポンプサックになり、二重バルブ上から付属ホースを繋いで、地面に押し付け体重をかけて膨らますことが出来る。
と、通常のポンプサックの欠点全てを解決してる秀逸なポンプシステムを取り入れています。
本体バルブは二重弁のボストンバルブ。
弁の穴が多く、電動ポンプで弁の上から膨らませると時間がかかるタイプです。
今まで触ったボストンバルブの中で一番キャップの動きが滑らかで使いやすかったです。
収納袋兼用ポンプサックは内側をシーム処理した防水ロールトップタイプ。
バルタブ形状の底はパックラフト相当の生地です。
持ち運ぶ時は中にパックラフトを収納、膨らますときはポンプとして、遊んでるときは防水バッグで小物を入れると3WAYで無駄なく使えます。デカトロンさん天才かよ。活かしてるぜ。
長方形で自立しやすく、地面に押し付けて空気を入れやすい形状。
防水バッグとしても使いやすいです。容量は30L程度。
収納袋の内側には大きな使い方マニュアル。
テントでは設営方法が書かれてましたし、海外の一部ブランドで見かける優しい過ぎる配慮。
使い慣れたら写真撮ってカットしたい。
フレキシブルな蛇腹ホースの先端は両側付け外し可能。ですが、付けないとバルブに合わないので外すこともありません。
本体の二重弁上からと収納袋兼用ポンプサックに接続。
差し込むだけなので抜けることもありますが、不意に外れることはほぼありません。
あとは空気を入れて膝で押し込むの繰り返し。
10-12回ほどで満タンに膨らませることができます。1.0PSIが推奨で、ポンプサックでは厳しいため仕上げに口で数回空気を入れる必要があります。
他パックラフト用ポンプサックよりも小さく、空気量が少ないのが欠点で膨らませるのに少し時間が掛かります。とは言っても3分程度。
インフレータブルシートも同様にホースをつないで膨らませます。
シートのバルブはかなり簡素。
キャップをかぶせて着脱、弁は常時付いてて、中央を押すと空気が抜けるシステム。
急流タイプでこのバルブだと心配になりますが、超軽量タイプならこれでいいんですよ。
膨らませる速度
専用ポンプサックを褒めちぎりましたが、一度FLEXTAILGEARの電動ポンプを使ったら戻れません。
ぼくだけなのか破損しやすく、これまで6個使ってきて3個を壊してます。
手持ちの3個とポンプサックで膨らます時間を比較します。
専用ポンプサック | 二重バルブ上 | 159秒(2分39秒) |
二重バルブ上 | 135秒(2分15秒) | |
バルブ直入れ | 143秒(2分23秒) | |
二重バルブ上 | 160秒(2分40秒) | |
バルブ直入れ | 103秒(1分43秒) | |
二重バルブ上 | 251秒(4分11秒) | |
バルブ直入れ | 159秒(2分39秒) |
電動ポンプの性質上、二重バルブ上から入れると速度が落ちるため、バルブ上、直入れの2種類で計測。
専用ポンプサックは159秒(2分39秒)でした。ちなみに汗だくです。
MAX PUMP2 PLUSは二重バルブを開けた状態で最速の103秒(1分43秒)。バルブ上からでも160秒(2分40秒)。
小型軽量TINY PUMP Xはバルブを開けて159秒(2分39秒)。バルブ上からだと最も遅い251秒(4分11秒)。電動ポンプと口が外れやすく手を離しておけないのも不便で、パックラフト向きではありません。
最新でインフレータブルカヤック用な最大1.7PSIまでの圧力を掛けられるMAX BOAT PUMP。
0.1PSI単位で空気圧を調整でき、ほとんどのパックラフトを口を使わずに衛生的に膨らませきれる唯一のポンプ(一般的なパックラフトの圧は1.0~1.5PSI)。
高圧でTINY PUMP程度に細い口から空気が出るため、二重バルブ上から入れたほうがロスが少なく早く、135秒(2分15秒)。全開だと143秒(2分23秒)。
ボストンバルブの二重バルブ上から入れる時に、写真のように手を離しても安定するのが非常に楽。
さらに電動ポンプ→口の必要がないため一番楽。
高圧で入れられますが、他より大きく重く空気量が少ないのが欠点。あと少し高価。
金額性能携行性的にオススメなのは、MAX PUMP2 PLUSとほぼ同スペックでより小型軽量防水性のあるMAX PUMP2 PRO(190g)。収納袋+ホース=342gで、軽量化できるメリットもあります。
車周りでしか使わない、重量は気にしない、口で膨らませたくないならMAX BOAT PUMPも便利。
スポンサーリンク
サイズ
パックラフト的にはかなり短い全長205cm。とは言っても自分やパドル(195cm)よりはずっと大きい。
短いモデルは、軽量携行性重視で走行性能が落ちやすいです。
非常に珍しいのが、生地を圧着してる黒いテープが6本しかないこと。そのためキレイな六角形。
他ブランド小型艇でも10本はあるため、比べると角ばった安っぽいデザインに見えてしまいます。
性能にも影響しているかもしれません。
各部サイズ。
内長124cm、前内幅27cm、前幅77cmは実測。
先端が細く、後ろが広めで安定感と広い乗りやすさは保ちつつ、速度も意識した形状です。
全長240cmのストレウスと比べて。
船尾(下側)のボリュームの少なさがわかりやすいです。
35cm短いだけですが、並べると大人と子供です。
真横から。
フラットな底で超軽量や速度重視モデルに多い形状。
船首(バウ)側。
ややボリュームはありますが、ロッカーは無し。
側面ロゴ辺りは特に低く、横波が入りやすいです。
船尾(スターン)側。
乗った人の荷重がかかるのを抑えるボリュームはありますが、最低限。
幅的にも、固定位置的にもスターンに荷物を積むのは困難。
前から。
グラブループがバンドなのが珍しい独自要素。
掴みやすいけど、荷物はすこし付けにくい。
内側にも2つグラブループが付いてて、4点で船首に荷物を固定できます。
後ろから。
前よりも広いバンドが左右に。
右上後ろにバルブと収納時に巻くバンド取り付け部。
前方バンドが約11cm、後ろは31cmでした。
シートは押し込んで固定、チューブの圧力で外れにくい。
シート固定バンドはフックをひっかけるだけ。
ナイロンテープに付いた固定ゴムバンドは、フック根本で固定するとズレにくく外れにくいです。
チューブが2色なのも、フロアに色が付いてるのも珍しいパックラフト100。
内側に圧着シームテープが付いてるのも珍しい。
足元にはタグが印刷されてます。
2022年4月に製造されたようです。1人乗り、荷物込み110kgまで、1PSI、メイドインチャイナ。
生地
公式サイトでは
420デニール熱可塑性ポリウレタン、ダブルラミネート加工を施したナイロン
引用元:DECATHLON
と書かれてます。
実際には、オレンジの底部が420DナイロンTPU両面コーティング。
緑のチューブ部が210Dナイロン片面コーティング、とのこと。
チューブ210Dは一般的ですが、フロア420Dは強度低めで、軽量パックラフトで使われます。
パックラフトはMRS トゥロやポントやノマドS1、アルパカラフト スコットなど強度よりも軽さ重視で静水向き、耐久力的にも性能的にも川下りが苦手な艇で使われやすいフロア420Dです。
同じ420DのMRS Pontoに乗ったことが有りますが、触った感じはパックラフト100のほうが頼りない印象です。
穴が空いてもパンクはしないフロアで、よほど底をガンガン擦るような浅い川で無ければ気にしすぎる必要は無いでしょう。
畳んだあとが跡になって残ってるのも生地の質的なモノだと思ってます。他のパックラフトよりも軽いけど質の低い生地を使ってる印象です。
乗艇テスト
乗ります。
静水
お尻周りが広いので乗りやすく快適。
内長は124cm。身長161cmのぼくが靴を履いて足を伸ばして足裏が当たるくらい。
背もたれがありませんが、背中が隙間にフィットしてくれます。
20Lの防水バッグとポンプサックに荷物を積めて膝を曲げて丁度良い位の広さ。
グラブループで船首に荷物を固定すると、下が空くので一気に艇内が広くなります。
90Lダッフルくらいなら積めちゃいます。
速度が想像よりもずっと早い。
スケグを付けないストレウスと同じくらい。形状が速さの要因なのでしょう。
強く漕ぐと左右にブレる感覚があり、お尻を振りながら進んでるように感じます。
軽すぎるためか直進安定性が低くブレも多ければ、漕ぐのをやめた瞬間止まる慣性の弱さも感じます。それでも漕げばしっかり進む艇。この軽さならば必要十二分でしょう。
前方の幅が細いためパドルが漕ぎやすい。
乗っていてストレスが少ないです。
ストレウスほどではないけど、一漕ぎでクルっと回転します。すごいパックラフトらしいパックラフトです。
前方が細いためか、左右への安定性がやや低め。
とは言っても簡単に沈するようなことはありません。
ややファットな友人が乗るとかなり沈んでいました。
パックラフト全般ですが、この艇は特に体重の重たい人には不向きです。
・荷物はそれなりに積める
・直進性はまあ早い
・めっちゃ回転する
・体重重い人には不向き
急流
この手の超軽量艇はロッカーが入っておらず、川下りに不向き。
海外サイト風に言えば「クラスI~II程度の川下りで使える」ようなモデルです。クラスI程度かも。
パックラフト購入前は静水用と流水用で、川下り=流水用だと思ってました。
が、実際乗ると危険を感じるほどに激しい瀬で無ければ、どんなパックラフトでも川下りできます。
空気の入った浮力の塊ですし、左右への安定性も高いので、何もしなくても瀬や落ち込みを突破出来てしまうんですけどね。
とは言ってもロッカーの無いオープンデッキ。少しの瀬でも水が溜まって頻繁に水抜きしなければいけません。
サイストラップ(膝を艇に固定するバンド)は無く、グラブループが足りないので付けることもできません。
オープンデッキあるあるで、外側にスネを当ててリーン(艇を傾ける動き)をします。
つま先のチューブ下に差し込むとより効果的にリーンをかけられます。
サイストラップに比べ力を込めにくく操作性に限界はありますが、一区間の瀬の突破を目的とするなら十分です。
スネとつま先で固定しておけば、この程度は傾けることができます。
急流区間の多い川下りには不向きですが、一区間だけ瀬や落ち込みなら全く問題の無い艇です。
本体が嘘みたいに軽いので陸と川の移動やポーテージが非常に楽です。
持ち手になるバンドが付いてるのも便利。
・急流には不向き
・水抜きの手間はあるがそれなりの川も下れる
・ロッカーは無い
・リーンはスネとつま先で
・超軽量でポーテージが楽
バイクラフティング
自転車を乗せて川を下るバイクラフティング。
正直、重量的には90Lのダッフルでも自転車でも大差ないなと感じます。
穏やかな川限定なら実用的です。
荷物を置く場所が無くなってしまうのは狭い難点。
自転車を積んでの1泊キャンプはさすがに厳しいです。
バイクラフティングがしたいならもっと大きい艇か、TIZIPと簡易デッキの付いたITIWIT パックラフト500が良いでしょう。
狭いけど、自転車の配置を考えればパドリングにも足元にも干渉しません。
あえてこの艇でやりたい遊び方ではありませんが、川を選べば出来る遊び方です。
ITIWIT パックラフト100の魅力
パックラフト100の魅力。
国内最軽量で最安のパックラフト
実用重量は約2000g。
カタログ上では1800gです。
これ実は、国内流通品の中で最軽量のパックラフトなんです。
円で買える国内流通パックラフトを軽い順に並べた表です。
唯一の2kg切りで堂々の最軽量モデル。
他ブランドの180cmクラス超小型ですらもっと重いという不思議。
生地強度や圧着テープの少ないシンプルな構造も影響してるのかもしれませんね。
ちなみに元気商会が輸入販売しているanfibioのロールクロージャー式変わり種パックラフトNano RTCは約1080g。
ですが例外扱い。
オーソドックスなパックラフトで世界最軽量はアルパカララフト ゴーストの1020g。
チューブ70D、フロア200Dです。
川下りや底をするシーンはもちろん、頻繁な使用や長期的な使用すら不向きという異端児。
長期的に使いたいなら2番目に軽いスコット(1580g)を公式が勧めています。
次いで、国内流通品の金額が安い順で10万円以下をピックアップ。
金額カテゴリでも国内最安69,900円。
つまりは、国内最軽量でありながら最安のパックラフトなわけです。
それでいて製品の手抜きは無し、むしろかなり良い。デカトロンすごすぎぃ。
ちなみに同社パックラフト500もアンダー10万でランクイン。
秀逸なポンプサック
使って感動した、という感情も含めて収納袋兼用ポンプサックとホースは秀逸です。
一つの道具に複数の役割と持たせるのは軽量化の基本。
それでいて二重バルブ上から入れられること、体重をかけて膨らませることと、他ブランド製品の不満点を高度に解決してきてるのはあっぱれです。
速度
良い意味で期待を裏切られた速さと漕ぎやすさ。
「180-200cmのパックラフトは手段のための道具であってメインな乗り物ではない」
くらいに思ってたんですよ。
他ブランドは実際にそうかもしれませんが。
しかし、パックラフト100に限って言えば静水でも全く問題無く使えます。
比べれば一般的なパックラフトよりも遅く、直進時の安定感も低いですが、乗っていて不満はほとんど感じません。普段、直進性の高いMRSバイキングに乗ってるぼくでもです。
長期的に見るなら静水がメインな艇ですし、スケグは付けるべきだと思ってます。
BLUENILEGEARやMRSから自分で付けるスケグセットが出てます。
シートが広く乗りやすく外せる
全体的には小さい舟ながら、お尻周りが広いので窮屈感が少ないです。
背もたれが無いのもこのサイズなら良い判断ですね。よく考えてるなと思います。
シートが簡単に外せるので座布団代わりにも使えます。
少し空気を抜けば、パックラフトをベッドにしたときの枕に早変わり。
準備片付けが早く楽
パックラフトの大きな魅力に、手軽さがあります。
水辺に付いて5分で準備が終わり出艇できます。
撤収も同じくらいの時間で済む、その手軽さです。
小型軽量で、カサつくけど柔らかい生地のため、特に準備と片付けが早いパックラフト100。
思い立ったら即出艇出来てしまいます。
本体巻バンド
畳み方が少し特殊。
生地が柔らかいので他のパックラフトよりもずっと畳みやすいです。
このシート固定フックにもなる固定バンドの優秀さ。
パックラフトに乗ってると別に巻いておくバンドを使うわけですが、絶対無くすんですよ。畳んだ後にどこにしまったか思い出せなくてね。
でも本体に付けておけば無くなる心配もないわけだ!天才かよITIWIT!!
って使うたびに思います。
ホワイトウォーター艇では、シート固定力の足りなさ的に実現が厳しいですが小型軽量艇なら全く問題ありませんね。
気になるところ
不満点。
実測重量との差
実用重量が約2000gで超軽いです。
とは言っても総重量1800gで売られてるわけで不満はありますよね。
デカトロン製品全般ですが、公式サイトの表記が細かい部分もあれば雑な部分もあってとムラがありすぎ。
製品重量への不満も、元をただせば公式サイト表記への不満だったりします。
国内サイトではなく本国サイトも同様です。
川下りへの弱さ
川下りでも問題無く使える、とは言ったもののセルフベイラーのような激流向きな艇に比べると性能は別次元。
いつも川下りではMRS バイキングセルフベイラーという激流川下りに強いパックラフトを使ってるため、それと比べると瀬の一切立ってない川下りや静かな湖でしか使う気は起きなくなります。
小型軽量安価なのはもちろん魅力的ですが、その真価を発揮できるのは背負って移動する時間が長く、おまけでパックラフトに乗る時です。
急流下り、静水を長い距離の移動、パックラフトキャンプ、バイクラフティングなどパックラフトに乗ることが目的ならもっといいパックラフトがたくさんあります。
カヤックやSUPに比べれば、2kgでも3kgでも4kgでもパックラフトは総じて手軽です。軽さ安さに妄信しないように。
フロア生地の弱さ
オレンジ色のフロア生地。触って感じる明らかな弱さ。
パックラフトジャンル的に超軽量艇で、底を擦るような用途は想定してないんでしょうけど、生地の強いストレウスやバイキングを使ってる身としては神経質になってしまうほどに生地が弱そうです。
極論、フロアが破けてもセルフベイラー化するだけでパンクもしないし、修理も楽で問題はないんですが気になっちゃいます。
パックラフト100を最大限生かす軽量装備
「ぼくのかんがえたさいきょうのぱっくらふと100そうび」
3種の神器は「パックラフト・PFD・パドル」
パックラフトだけが軽くてもダメなのです。
PFD(ライフジャケット)
まずPFDはこいつ。
ぼくも使ってる実測330gのインフレータブルPFD。
着てから口元にくるチューブで空気を入れるだけ。
軽さ以上に傾向性の高さが魅力です。
パドル
パドルは元気商会が販売するAnfibio フライ。
収納長49cmになる5P(5分割)パドルで、わずか460gしかありません。
多くの4Pパドルが800-1000gなことを考えると驚異の軽さ。
静水専用パドルですが、パックラフト100なら必要十分でしょう。
ミニマムパックラフトウェイト
重量 | 金額 | |
ITIWIT/パックラフト100 | 2,013g | ¥69,900 |
FORWEWAY/PFD | 330g | ¥3,500 |
Anfibio/フライ | 460g | ¥14,960 |
FLEXTAIL/MAX PUMP 2PRO | 160g | ¥4,800 |
合計 | 2,963g | ¥93,160 |
3種の神器+電動ポンプで3kgを切るパックラフト装備ができた!つよい!かるい!
しかも10万円以下で一式揃うぜ!おとく!やすい!
これが「ぼくのかんがえたさいきょうのぱっくらふと100そうび」
総評
まとめ。
大前提、金額と重量をあげればもっと性能の高い多用途性の高いパックラフトはたくさんあります。
「パックラフトで遊びたい」や「パックラフトが欲しい」と思う多くの人には、もっと性能の高いパックラフトを勧めたいのです。
パックラフトを目的に1日遊ぶなら、すぐに物足りなくなってしまうから。
激流系の必要はありませんが、シンプルなものでもITIWIT パックラフト500、グリフォンラフト ストレウス、MRS ポントやマイクロラフトなど。
より広くて乗りやすく速度も速く川下りもしやすい、多用途性の高い遊べるパックラフトです。
しかし、パックラフトを手軽な水遊びの道具と考えるならパックラフト100で十分なわけです。
超軽量で手軽なITIWIT パックラフト100は、主目的ではなく手段として使いたい元祖パックラフト的な製品なのです。
徒歩や自転車キャンプでちょっと水遊び用、ハイキングの途中にある歩いて渡れない川や湖を繋ぐためとか、山上湖を横断するためとか、秘境を目指すとか、移動手段が自転車のキャンプで湖で遊びたいだとか。
手軽さ軽さに特化した遊び方や、アドベンチャー要素の強い遊び方に向いた道具です。
セルフベイラーやスプレーデッキのような4kg前後ある重い艇を持ってる人の2艇目にも良いでしょう。
道具が変われば遊び方も変わります。
軽くて取り回しの良い、比較的安価なパックラフトは使う人に水上遊びの楽しさと可能性を再認識させてくれるでしょう。
よりアクティブに、より自由なルートを創造したい人の移動手段に勧めたい一艇です。
パックラフト500
ITIWITからはもう一艇、パックラフト500というモデルが出てます。
全長が少し長く、前方部のみデッキが付き、2点固定サイストラップ、TIZIP付きと一気にグレードが上がったモデルです。
超軽量なパックラフト100に比べ、より長距離でいろんな場所を想定したパックラフトメインで遊びやすいでしょう。
安く多用途にしっかりパックラフトで遊びたい人に向いたモデルです。
サイストラップがかなり簡素なのは良いですが、ロック無しカラビナなので、川下りで使うならロック付きカラビナに変えるのが必須。
最大の特徴は前方部に付いた謎のデッキ。
水避け効果もありますが、荷物を載せて安定する効果もありそうです。5ヶ所バンドが付いてて自転車も固定できます。
配色を変えたスターンには、内部収納できるTIZIP(完全防水ファスナー)が付いてます。
通常オプションで付けるだけで15,000-20,000円はするTIZIPがこの金額で付いてるのは超お得。
前方に自転車、TIZIPにキャンプ道具を積んで数泊のパックラフトキャンプなんて遊び方も出来てしまうのがパックラフト500。
軽さよりも、多用途への使い勝手、遊びやすさ、楽しさを重視する方にオススメ!
デカトロンの楽天公式ショップでも販売されています。ポイントアップ時期ならかなりお得に購入できます。
ITIWIT 対称型4Pアルミパドル
価格 | ¥4,990 |
重量 | 1100g |
全長(最短) | 205㎝ |
全長(最長) | 215㎝ |
収納長 | 60㎝ |
ブレード素材 | ポリプロピレン70% グラスファイバー30% |
シャフト素材 | アルミ |
ITIWITからパックラフト用パドルも出てます。
特徴は【超安価・長さが丁度良い・重い・アルミシャフトが冷たい・ブレード形状が悪い】です。
5000円でおつりがくる激安は非常に魅力的。サブパドルや予備パドル、貸出パドルに最適です。
パックラフト用パドルの長さは激流系は195-210cm、静水なら210-220cm程度。
そのどちらでも使える205-215cmで、10cmの調整幅がある長さが最高に丁度良いパドルです。オールマイティな長さ。
シャフトがアルミで重く、握って冷たいのがBAD。あくまで廉価パドルだなと感じます。
ただ白い連結パーツやブレード差し込み部は非常に使いやすく、2-3万円のパドルよりもずっと上。
がたつきも少なく、anfibio Vertexツアーよりも作り込みの質は上と感じます。
なんだけど、左右対称で使いにくい。
サブや予備、初心者への貸出以外にはなり得ないなと感じます。
逆に言えば、そんなメイン以外の用途なら十分使えるパドルです。
ちなみに日本未発売、海外ITIWITにはパックラフト用5Pフルカーボンパドル(190-210cm)があります。日本での発売を期待してます。
パックラフト値段ランキング
パックラフトをジャンル別で安い順にランキングにした表。
小型オープンデッキジャンルではアリエクスプレスで買えるNaturehikeの艇が最安。次いでパックラフト100です。
国内では最安。
正直不安過ぎてスペックが不明瞭な上に以上に重たいNaturehikeに比べるとパックラフト100が実質1位みたいなもんです。
まとめ
パックラフトの中でも圧倒的な手軽さ、物理的軽さ、持ち運びやすさと出来ることが増えるのを感じます。
遊びの幅を広げてくれる道具なのは間違いありません。
デカトロン製品、今後も楽しみです。
スポンサーリンク
コメント