こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
ハンモッカーにおいて(金額的に)最大の課題であるアンダーキルトの選択と入手。
良い物を求めると海外通販しかなく、購入自体のハードルの高さも上がります。
欲しいなと思いつつも、マットや代替えキルトを駆使しながらアンキル無しで北海道の冬季ハンモック生活を乗り越えてきました。
が、そろそろ手に入れちゃってもいいよね。と弱い自分の甘い言葉にたぶらかされ、冬用アンキルを購入。
最強で無敵のハンモッカーになりました。
今回はHammockGearのカスタムアンキルINCUBATORの0℉(-17℃)をレビューします。
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HammockGear(ハンモックギア)
2009年にアメリカ オハイオ州で設立したHammockGear(ハンモックギア)。
頭文字をとって“HG(エイチジー)”と略されます。
ハンモック職人たちが製造する小さな会社のようです。
ブランド名の通り、ハンモック道具を中心に揃っていて、ハンモック、タープ、上下キルトやハンモック周りで活躍する小物も多く扱っています。
生地の色やデザイン、大きさ、FPなどを好みに調整したオーダーメイドのカスタムアンダー・トップキルトを作ってくれるブランドでもあります。
柄の数は同じくカスタムキルトを作るUGQ Outdoorには劣りますが、HGも柄を望まなければカスタムの幅は豊富です。
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カスタムキルトの注文方法
レビューの前にカスタムキルトの注文方法から。
ここが本題です。
HammockGearのキルトの種類
HammockGearはトップキルトとアンダーキルトの2種類をそれぞれカスタムキルトとして展開しています。
トップキルト→BURROW(バロウ)
アンダーキルト→INCUBATOR(インキュベーター)
132cm短め丈アンダーキルト→PHOENIX(フェニックス)
カスタム時にダウンの質(FP)を800・850・950から選択できます。
FPによってトップアンダー共にエコノミーかプレミアムと分けられています。
カスタムの詳細を選んでいく前段階でエコノミーとプレミアムを間違えると項目も変わってしまうため注意が必要です。
800FP→ECONOMY(エコノミー)
850・950FP→PREMUM(プレミアム)
アンダーキルトにはINCUBATORとPHOENIXがありますが、PHOENIXは約132cm(52インチ)のショートモデルで宿泊には適さない休憩モデルです。
この記事はINCUBATORについて書いてます。
カスタムアンキル
プレミアムアンダーキルトページを開くと項目がいくつもあり、好みに合わせてカスタマイズしていくことができます。
画像はぼくが実際に注文したスペック。
それぞれの意味を説明していきましょう。
選択項目はこんな感じ。
ブラウザがChromeならページ翻訳しちゃうのが簡単です。
リアルタイムで金額や重量、商品画像が変わるのは嬉しい仕様です。というか選ぶのが楽しいです。
それぞれの項目について説明します。
※プレミアムアンダーキルトで説明してますが、エコノミーキルトの場合少し項目が変わります。
金額
まず金額が米ドルです。
円高円安で全く価値が変わってきます。
温度やFPを設定するとリアルタイムで金額が変わります。
さらに送料と関税もかかるのでカスタム金額で満足しないようにしましょう。
Weight(重量)
oz(オンス)で表記されるキルト重量。
1oz=28.35gです。
HammockGearの場合400g(14oz)~900g(32oz)の間くらい。
Availability(発送までの時間)
既製品ではなく、オーダーメイド品なので発送までに時間がかかります。
時期によって生産にかかる時間が変わりますが、おおむね4~5週間程度です。
金額下で確認できます。
Outer Shell Color(外側生地色)
全部で14種類。設営した時に外側に来る生地です。
冬のハンモック泊では一番目立つ部分なのでしっかり悩みましょう。
ぼくは左から2番目のバーントオレンジにしました。
ちなみに無地カラーが10D、柄物が15Dです。
Inner Shell Color(内側生地色)
内側生地は5種類。
左側2つが10Dタフタ、右側3つが10Dリップストップです。
重量は変わりませんが、たぶんタフタのほうが柔らかく、リップストップのほうが引き裂きに強い生地です。
ぼくはリップストップのグレーにしました。
Temperature Rating(対応温度)
一番悩む対応温度です。
華氏(℉)と摂氏(℃)のどちらも出してくれてて嬉しい。℃を参考にしましょう。
寝袋同様にわかりにくく「〇℃で使えますよ」ではなく、「〇℃を断熱できますよ」みたいな意味で捉えておくべきです。マットのR値的な考え方ですね。
個人的には使用したい温度+5~10℃程度を見ておけば問題ないはずです。
実際には寒さに強いなら表記温度でも十分行けるな、という感想です。
値段や重量が一気に変わる部分ではありますが、特に冬用で迷ったら一段上の保温力を選ぶべきです。
暑すぎるというオーバースペックにもなりにくく、調整も出きるため寒くならない場所に住んでても10℉(-12℃)や0℉(-17℃)を選んで良いと思います。
Length(長さ)
長さは3種類。
・スタンダード(170-187cm)
・ショート(157-170cm)
・ロング(187-200cm)
注文した時もキルトの長さのことだと思ってて、どういうことかよくわかってませんでした。
どうやらこれは使用者の身長のことだったんですね。
ちなみにキルトサイズは
・スタンダード→78×44インチ(約198cm×111cm)
・ショート→73×44インチ(約185cm×111cm)
・ロング→83×44インチ(約210cm×111cm)
製品仕様のPDFページに書かれてました。
実際の製品はテーパードしていて両端は同じ長さですが、頭側の動体部分が広くなっています。
Fill Power(ダウンの質)
アウトドアマンなら知ってるフィルパワー(FP)。
一般的に600FP以上で高品質・・・なんて時代はタウンユースの話。
アウトドア用途なら800FPがスタンダード、700FP台はコスパ重視、850FPはハイグレード、950FPはハイエンド、みたいな認識です。
HammockGearではエコノミーの800FPとプレミアムの850・950FPでそれぞれ使われてるダウンと処理が異なります。
800FP→撥水ダックダウン
850FP→撥水グースダウン
950FP→未撥水グースダウン
個人的に、少しでも安いダウンアンキルが欲しいなら800FP。
適度に軽くハイスペックなアンダーキルトなら850FP。
金は掛かっても良いんだ1gでも軽くしたいなら950FPです。
Overfill(過剰ダウン量)
一番馴染みのないOverfill(オーバーフィル)。
オーバー(多く入れる)
フィル(中綿ダウン)
という意味で、1~4オンス(約28~113g)まで増やすことができます、という項目です。
オーバーフィルをするメリットは汗や皮脂、汚れ、濡れでダウンの膨らみが落ちた時にも保温力が落ちにくくなることです。
つまりは長い年数を使った時にも性能が落ちにくくなります。
ただしボックスキルト構造になっているキルト自体の厚みは決まっているため、定格の保温力には大きな影響は無く保温力はあまり上がることは無い、とのこと。
重量と値段は上がりますが、ダウン量の増える冬物ほど効果は表れそうです。結露も多い時期に使うモノですし。
それでも1オンス(約28g)のダウンを追加するため約10~20ドルほどかかります。お財布と相談しましょう。
HammockGear公式のオーバーフィルの説明も一度読んでおくといいでしょう。
送料
忘れちゃいけない送料。
ぼくが注文したときの決済画面です。
円(115円で計算) | ドル | |
アンダーキルト | ¥34,494 | $299.95 |
配送保証 | ¥690 | $6.00 |
割引(15%オフ) | ¥5,174 | $44.99 |
送料 | ¥10,558 | $91.81 |
合計金額 | ¥40,569 | $352.77 |
15%オフ時に注文したので5,000円ほど割り引かれましたが、送料が91.81$(約10,000円)と高額。
支払い金額は約40,000円で、関税に3700円を支払ったので44,000円程度のお買い物でした。高すぎぃ。
送料分はトップキルトや夏冬アンキル2個などまとめ買いすれば少し安くなるため友人と揃えて買うのもアリです。
関税
海外で買ったものを日本に輸入するときにかかる税金が関税です。
ぼくの場合は、配送業者であるDHLから商品が届く前に関税をオンライン決済して下さいのメールがきて支払いました。
オンライン決済に気付かなかった場合は配達業者に代引きの形で支払います。
支払った関税は3700円で、352.77$(約40,000円)だったので3,700/40,000=9.25%ですね。関税は何度計算してもズレがちです。
関税の計算方法ですが、雑に計算するなら送料込み商品代金の10%前後でまあ間違いないです。
具体的、自分で使う個人輸入の場合、“商品代金+送料”の60%に関税がかかります。
ただし原則、送料込みで16,666円以下なら免税(関税が掛からない)となります。
関税の税額は、地方消費税と関税の2種類掛かります。
消費税は10%、関税は商品ジャンルで分けられますがアウトドア用品なら3~5%程度。
例えば、30,000円のアンキルを買って送料が10,000円だったとします。合計金額は40,000円です。すると
消費税は、40,000×0.6(60%)×0.1(消費税10%)=2,400円
関税は、40,000×0.6(60%)×0.03~5(関税率3~5%)=720~1,200円
つまり、約3,120~3,600円の関税が掛かるというわけです。
まあぼくは3700円かかりましたけどね。
比較スプレッドシート
ぼくが作ったハンモック用アンダーキルトを比較できるスプレッドシートです。
シートを「HG INCUBATOR」にするとHammockGearのエコノミー・プレミアムアンダーキルトを公式サイトで選ぶことなく重量や値段で比べることができます。
“スプレッドシートで開く→ファイル→コピーを作成”で自分のスプレッドシートにコピーを作ることで自由に並び替えや絞り込みができます。
似たカスタムキルトを作れるUGQ(120パターン)などと比較もできるのでカスタムキルトを選ぶ時に活用下さい。
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PREMIUM INCUBATOR CUSTOM
ここからレビュー。
スペック
PREMIUM INCUBATOR CUSTOM |
||
価格 | ¥34,494 | $299.95 |
重量 | 707g(実測 718.4g) | 24.94oz |
ダウン | 850FP(撥水ダウン) | 850FP |
ダウン量 | 450g | 15.87oz |
温度 | 0℉(-17℃) | 0℉(-17℃) |
表地 | Burnt Orange(10D) | Burnt Orange(10D) |
裏地 | Glacier Gray(10D) | Glacier Gray(10D) |
オーバーフィル | STANDARD FILL | STANDARD FILL |
長さ | 157-170㎝の人向き | Short |
サイズ(長×幅) | 185×111㎝ | 73×44in |
ぼくが注文したのは850FP・0℉・Short・STANDARD FILLです。
24.94oz(707g)のスペックでしたが、実寸ではやや重く718g。ダウン量は450gです。
850FPが450gだとマミー型寝袋換算ではNANGA450とかイスカエアプラス450以上なわけで、コンフォート-5度/リミット-10度くらいの寝袋が出来そうです。
注文して届くまで157-170cmの表記が実寸だと思ってましたが、実寸して使用者の身長だったことに気付きました。ダウン充填量などがわかる詳細スペックPDFで見るとインチでサイズ記載があったのに気付いたのも注文後でした。
見た目
ぼくの場合、注文から発送まで1ヶ月と3日ほどかかりました。
DHL(配送業者)で送られ、1週間ほどで手元に到着しました。
まさか保管用の袋に入って届くとは思いませんでした。箱が大きいわけです。
ステッカーやオシャレなカードも何枚か入ってました。
あと本来入ってるはずのスタッフバッグが入ってませんでした。連絡もしてないのでないままですが、問い合わせたらもらえたのかもしれませんね。
内側がグレー、外側がオレンジなシンプルな色にしました。
赤もあって悩みましたが濃い赤も微妙な気がしてオレンジに。
思ったよりも明るい色味で光が当たるとキレイな発色です。カスタム品は何故だかテンションがあがりますね。
0℉アンキルなだけあってもこもこです。膨らみ方がすごい。
左右の端にはドラフトカラーが付いてます。寝袋でいうドラフトチューブのことで、隙間からの冷気の侵入を防ぐ役割があります。
左右の端はコードがぐちゃぐちゃしてます。
3本のゴム紐が設置されてて、太い紐は調整無し、細い人はミニコードロックで端を絞ることができ、中間の太さの紐はラインロックでキルトを引っ張り上げてハンモックに合わせることができます。
設営
スタッフバッグが入ってなかったので5Lのスタッフバッグに入れてます。
攻めたサイズなら3Lでもギリギリ入るレベルですが、ダウンは少しゆったり目に入れるほうが使い勝手がいいです。
プラスチックのカラビナでツリーストラップなどに吊るします。
黒いカラビナが脚側、白いカラビナが頭側です。頭側が広めになってるため間違えると肩が寒くなっちゃいます。
頭側は白。
何度か設営すれば覚えます。
フックが軽いカラビナなので使いやすく、開口部も狭くないのでカラビナにでもツリーストラップにでも付けられます。
両側を吊るしたら細いゴム紐を調整して端を絞ります。
小さいコードロックです。これは根元に取り付けるタイプだったらもっと使いやすかったなと思います。
絞ると隙間が良い感じに潰れます。
絞りすぎるとハンモックに乗った時にキルトがずれてしまうので何度か調整して丁度いい位置を見つけましょう。
中間の太さの紐が付いてるラインロックはアンキルの張り具合と左右の位置を調整できます。
頭側を強く張れば頭側に寄るということです。
片側を強くひいちゃうと頭や脚がはみ出ちゃうので調整はしっかりとです。
設営完了。
写真右側が頭側です。
荷重のかかりやすいお尻から上が乗る側は幅が広くなってます。
荷重の低い足元は細身で軽量化とフィット感をあげているのでしょう。
上手く取り付ければ隙間ができにくくなりますが、逆に設置と乗り方を間違えると隙間が大きくなってしまいます。
カラビナ以外にもロゴがあるのが頭側です。
自分の選んだスペック通りのタグが付いてるのが嬉しいです。可愛い。
人が乗ってない状態だとハンモックよりもアンキルの張りが強めです。
乗ると良い感じにハンモックにアンキルがフィットします。
緩いと冷気が入るのでぴったりだけど、ダウンが潰れないようにきつすぎない張り具合がベストです。
言葉にすると難しいですが実際にアンキルと付けて乗ってみると何となくわかります。
ハンモックとアンキルの隙間に手を入れてほとんど隙間が無い程度がベストです。
ゴム紐を図解
アンキルのゴム紐って一度分かってしまえば大体似たような構造で理解できますが、初めてのアンキル選びをしてる人からすると何もわからないわけです。たぶん。
なので図解。
逆にわかりにくい。
太い紐→水色
中間紐→ピンク(ラインロック)
細い紐→黄緑(コードロック)
です。
水色の位置にはすごい長い1本のゴム紐が入ってて、脚側に結び目がありました。
調整不要で全体を吊るメインゴム紐なので太さは2.5~3mm程度でした。
体感
他人の寒くなかった話は参考になりませんし、体感温度ガバガバなぼくの温度も参考にならないと思うんですが。
今シーズンは0℃から-20℃位までの環境で使ってきましたが、背中側に寒さを感じることはほぼありませんでした。
が、キルトがズレてカカトがはみ出て冷たいなあと思ったことは何度かありました。
冬もタープをフルクローズすることが少ないのも原因ですが、風が強い日には一気に寒くなりました。
保温力不足ではなくタープを閉めるか、アンキルに防風カバーを付けるべきですね。
アンキルの選び方に繋がる話。
0℉(-17℃)のスペックですが、0℃程度で使っても暑くて寝られないことはありませんでした。
なのでオーバースペックかなってことを気にするよりは想定よりも保温力の高いアンキルを選ぶのが最善です。
個人的に冬用なら0℉を基本に考えて良いと思います。道民なら-10℉(-22℃)でも全く問題ないんじゃないかと。
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不満点
不満点。
2人用ハンモックにはやや狭い
冬にメインで使ってるKAMMOK Roo Singleとは相性が良いHGのアンキル。
ただ幅の広いKAMMOK Roo Doubleで斜めに寝ようとすると頭か足ははみ出てしまいがちでした。
張りを調整することで若干斜めにアンキルを設営することもできるんですが、使っていく間にずれて足が冷たくなって目が覚めるなんてこともありました。
KAMMOK MantisはRoo Doubleほどははみ出ないけど、Roo Singleよりははみ出るなあという感じ。
幅広のハンモックで使う場合は寝姿勢を変えるか、サイズを大きめにするか、別ブランドのアンキルを選ぶのもアリかなと思いました。
アンキル以外には使いにくい
取り外すことのできないゴム紐が多すぎて掛布団的なトップキルトとして使うのには向いてませんでした。
なのでアンキル以外には使えない汎用性が非常に低いモノと言えます。
ぼくが買い渋ってた理由でもあり、かなりの高級品なのに用途が限定的(冬のハンモック泊のみ)で、頑張れば代用品で乗り越えられるからです。
でもまあ買ってしまえば早く買えばよかったとも思えるので冬のハンモック泊を日常的にやるなら早く買ったほうが幸せになれるアンダーキルト。
スタッフバッグが付いてなかった
ハンモックの集まりにいったときに発覚した、付いてるはずが付いてなかった純正スタッフバッグ。
購入から半年以上たってるので今更感があって連絡する気もありませんがどんなスタッフバッグなのか気になります。
コンプレッションバッグなのか、袋なのか、防水なのか違うのか、何色なのか。
写真
日本語で調べてもあまり情報が出てこないと思うのでHammockGearのアンダーキルト写真をいくつか。
もこもこ。
吊り下げカラビナ。
端。
細身な足元。
ドラフトカラー。
セール
Hammockgearでは年間通じて数回のセールが行われます。
見た限り10%か15%オフのセールで、もちろんカスタムキルトも対象です。
セールを待って使いたいタイミングに届かなくては本末転倒です。あくまで欲しい時が買い時ですよ。
アンダーキルトの選び方
別記事で国内外のカスタムアンキルを含んだアンダーキルトの選び方を書いてます。
HammockGearを他ブランドと比べたい方はそちらを参考にしてください。
まとめ
無くても行ける、無くても寝られる。
そんなことを思いながら買わずにいたアンダーキルト。
もし買ったのに失敗したら・・・と思う恐怖心もありました。
が、カスタムアンキルともなれば各社それなりのアンキルを出しててハンモックへの互換性は高いので失敗した思うことはほぼ無いと思います。
強いて言えばサイズと温度です。
ぼくはやや攻めてショートサイズにしましたが、大きめサイズにして保温力もオーバースペックでも0℉や10℉にしておけばおおよそ失敗はないはずですよ。
より良いハンモックライフを送れますように!
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