こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
数年前から大好きで取り上げて紹介しているエバニューのカタログ。
大手とは思えない遊び心と本気で外遊びを楽しんでる人たちなことがヒシヒシと伝わってきます。
どんな思いで作ったのか、開発でこだわった場所は、どうやって使うことを想定してるのか、その道具があればこんな遊び方ができる、そんな道具を売るだけでないメッセージがここまで込められたカタログをぼくは他に知りません。
今回は一線を超えかけたエバニュー2023カタログを読んで新商品を紹介していきます。
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EVERNEW2023 カタログ
カタログページはこちらから。
トップページからのアクセスは、トップ→電子カタログ(下部)→EVERNEW 2023 Outdoor Equipment、と行けます。
WEB上で読むこともできますし、下部ボタンからPDF化してダウンロードできます。
創業99周年
1924年、玩具店増田屋で働く岩井新蔵は金属運動具製造卸をする増新商店を東京で開きました。
その後、増新をグローバルにしたEVERNEWブランドを立ち上げます。
登山用クッカーやランタンやホイッスルなどを製造販売。
法人設立で株式会社増新となり、さらに今の株式会社エバニューと社名を変えていきました。
1994年に世界初のチタン製クッカーを作ったのは有名な話ですね。
毎年表紙裏の1ページ目にメッセージを載せる現代表取締役の岩井大輔は創業者の息子か、孫なのでしょう。
今年で1924年の創業から99年。長い歴史の中を『もっともっと(増々)新しく』のブランドテーマの通り歩んできました。
気が早いですが2024年は100周年。盛大に盛り上がってくれることでしょう。ぼくは泡を拭いて倒れるかもしれません。カニみたいにね。
公式サイトリニューアル
体育用具なども販売しているエバニューですが、アウトドア用の公式サイトが新しくなりました。
古臭い今までからは一気に現代風でオシャレな雰囲気に。
カタログライクなフィールドで使う写真を多く、使い方の提案をしてくれるぼくらのエバニューらしいサイトに仕上がっていました。
そして無駄に重たいオンラインショップのリニューアルも。
カタログ分析
ここ数年と比べたカタログの分析をば。
ページ数
エバニューのカタロも2020年はありふれたものでした。
それがネジが外れたようにおかしく面白くなったのは2021年からです。
そして2022、2023年とどんどんハメが外れて面白くなっていく始末。
2023 | 2022 | 2021 | |
クッカーのみ | 59P | 54P | 18P |
エバニュー全商品 | 75P | 70P | 27P |
全ページ数 | 120P | 116P | 88P |
ここ3年間のカタログページ数と内訳をみると気合いの入り方がわかります。
明確にページ数と割り当て数が増えてますからね。
2021年は今と比べればまだ控えめでした。それでも社内でも挑戦的だったことでしょう。
2022年はページの割り当てが大きく変わり、写真が増え、攻めた文章が多くなりました。
2023年は、すでにハメの外れたエバニュー社員たちが自由にカタログを作ることに抵抗が無くなったと思える年です。
ちなみに新製品はなんと62個もあるんだとか。
写真数
22、23年を読み比べると写真が大きく多くなってるように感じました。
ちなみに21年までは白背景のスタジオ写真がほとんどでしたが、22年からフィールドでの実用写真を重視しています。
2023 | 2022 | 2021 | |
クッカーのみ | 59P | 54P | 18P |
フィールド写真枚数 (クッカーページのみ) |
93枚 | 90枚 | 43枚 |
写真の無いページ数 | 10P | 12P | 0P |
クッカー系ページで使われてる写真の枚数を比較。
21年はページ構成が違うため別ですが、22と23年間では5P増えて写真も3枚増えてます。ページでの比率的には少なめ。
しかし、23年は写真を使っていないページが少なくなっていました。
22年は余白が悲しい部分がありましたが、余白を写真で確実に埋めてきてました。
テキストと写真の担当者
各ページの文章と写真にそれぞれ担当者がいます。
あまり中の人を探るのも好きではありませんが、気になる部分があったのと面白すぎたのでちょっとだけ。
2023 | 2022 | ||
Photo | Ryohei Kawamoto | 31 | 26 |
Photo | Kazutoshi Ota | 1 | |
Photo | Satoru Fujinami | 2 | |
Text | Kazutoshi Ota | 23 | 17 |
Text | Ryosuke Naka | 6 | 6 |
text | Satoru Fujinami | 4 | 1 |
text | Haruka Natsuyama | 1 | |
text | Mayumi Kurokawa | 1 |
写真はほとんどを写真撮影が好きなKawamotoさん。2022年では他の方が撮った写真もありましたが、2023年は全て彼が担当しています。
ローアングルや俯瞰撮影も多く、道具を使ってみたくなる写真を撮る彼をなくしてこのカタログは生まれません。
昨年に比べて大きな写真が増え、よりフィールドで撮ってるリアリティのある写真が多くなってて読んでいて楽しかったです。
写真と対を成す文章を書いてるのはほとんどがOtaさん。
「~か?」と疑問を投げかけてからのスタイル提案を多く使われています。いろんな使い方を考えながら遊んでる人なんでしょうね。
ゴリゴリ道具を削りそうで効率的なモノが好きそうな印象もあります。
おそらくこの二人がカタログ作成の主力です。
Otaさんに次いで文章を書いてるNakaさん。
彼は焚き火シーンで登場する人物です。
2022年の山岳飯盒2型やHDalupan、2023年のBC Cuisine Potを担当しており、焚き火料理への情熱で火が起こりそうな熱量を感じます。
忘れてはいけないFujinami氏。
彼が書くのはいつだって酒の話題があるとき。
22年唯一の登場シーンはTibiTibiシリーズ紹介。23年は山酒ページと山にBarカウンターを作るテーブルページなどを担当。
つまりそういうことです。
山の居酒屋イベントを開いて欲しいものです。
そして2023年にはおそらく女性社員であろうNatsuyamaさんとKurokawaさんも文章を書いてくれています。
ちなみに新商品MAYU Cupの紹介を書いてるのがMayumi Kurokawaさんが開発したからなのかも?と考えたりしました。
今年も楽しませてくれたエバニュー社員の皆様本当にありがとうございます!道具購入で感謝を伝えたいです。
®
左が2022年表紙、右が2023年表紙です。
お気付きになったでしょうか。
EVERNEW®のRマークが2023年は〇になっていることに。
R(Registered)マークは登録商標を表すマークです。画像の処理ミスっぽく見えます。
値上げ
エバニューに限った話でもないので取り上げるのもどうかと思いますが、それなりに商品の値上げがされています。
当然値上げをしたくてあげてる人はいません。
生産者販売者購入者、みんな辛いわけで値上げは悪ではないのでご理解を。
入荷時期
すでに入荷している物からまだ入荷してない物まであります。
ほとんどの物が3月末までには一度は入荷するとのこと。
最新情報は公式インスタが一番早いです。
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難燃シリコンとハンドルレス
表紙からもわかる通り2023年の目玉商品はノーハンドルクッカーと新開発の難燃シリコン。
Ti SOLO pot NH
左上、チタンソロポットノーハンドル(NH)。
販売店舗限定モデルは実店舗限定でネット販売しないという意味でしょうかね。
550mlで76gで、新開発グレーの難燃シリコンを採用しています。
本体に最初から難燃シリコンが付いたクッカーはこれだけですね。
カリカリに削るなら面白いクッカーですが、個人的にはインスタント麺でも550mlでは小さくてこぼれるのを気にしちゃうので700ml位が快適なんですよね。
そのためエバニュー570cupやTi Mug pot500を使うシーンでは直接調理よりもお湯沸かしメインな用途が多いです。
ちなみにTi Mug pot500の底がフラットになって難燃シリコンの付いたMP500 Flatも新発売です。
Ti 400 NH
定番Ti400FDCupのノーハンドルモデル、Ti 400 NHも登場します。
ノーハンドル版の何が嬉しいって値段が安くなるんですよね。取っ手を付けなくていいですからね。とってもうれしい。
とは言っても難燃シリコン95mmを買うと1500円でかなりプラスですが。
すでに2つ持って焚き火用と非焚き火用で使い分けてますが、ノーハンドル版も買ってしまいそうです。
Flame proof Sil
新開発の難燃シリコン。
ハンドルレス化において必須の存在です。
5種類の形態で売られ、他ブランド品にも流用できそうです。が、ちょい高いのが気になっちゃいますね。
実際この難燃シリコンが必要なのかも含めて、どのくらい燃えにくいのかを一度燃やしてみたいところ。
Ti Stack dish
ただのチタンの皿。
しかしこういう皿が便利なのはわかります(笑)
こういう皿って(笑)
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B.C. Cuisine Pot 16
表紙になる可能性があったかもしれない軽量アルミダッチオーブン。
「味わい鍋」というとんでもなく美味しい料理を作れる鍋をオリジナルで作りだしたとのこと。
厚さや重量サイズ感など一度実店舗で見てみたいものです。
見開きページでのNakaさんの文章が熱いです。
直径16cmで1500ml、1100gと徒歩移動でもギリギリ使えないことも無いかなと思える重量。
でもキャンプ以外では持ち歩きませんね。
容量的には1~2人程度用でしょうか。
内側に焦げ付き防止コーティングもされているようで野菜や肉を炒めてから煮込むような料理を作りたくなります。
ワイルドなTi Pot chain(チタンチェーン)とTi S HOOK(フック)で吊り下げて焚き火に掛ければ完璧でしょう。
取っ手が星型かと思いましたが蓋のWと本体のWがずれてるだけですね。
見開きページのようにチェーンを通しやすい構造なのでしょう。
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Ti㎡・NANITSUCAM?
間違いなく今年一番攻めてるTi㎡とNANITSUCAM?。
チタン製の小型スポークです。持ち手のハートが可愛らしいですね!
「Tim2」はティムティムと読むのが正解のようです。
ただティムツー、チムチム、ティ〇ティ〇、色々読み取れてしまいますねぇ。
そしてNIKUTSUCAMの大型版、NANITSUCAM?
ナニ掴むんでしょうかねぇ。㎡や?の記号を製品名にするのも攻めすぎてます。
エバニューほどの大手がこれをするってほんとすごいなと思いました。
アウトに近いなにか。
個人的には大好きです!
400FDに収納できるサイズが素敵ですね!
とは言え金属カトラリーを使えない呪いに掛かってるのを忘れていました。
Sputura
スプーン+スパチュラ(シリコンヘラ)を合わせたスプチュラ。
212mmのロングサイズ。
アルファ米用に欲しいです。
写真からはわかりませんが、お玉要素も強ければ便利そう。
運搬方法を考えた人にはスプチュラをくれるそうですよ。
深山剣鉈・深山包丁
昨年登場した深山小刀の大きなサイズが2種類登場。包丁と剣鉈です。
剣鉈サイズになるとグリップに専用のものが欲しくなりそう。
渓流釣りで魚を捌く用に包丁が良さそうです。
ほぼ同じ用途なGサカイのサビナイフ3を買っちゃったんですよね。
今年はオンラインショップの販売ページでも遊んでます。
キレっキレのメッタメタです(笑)
合わせて使いたいまな板も登場。
それがまさかのチタンまな板。
刃こぼれはそれほど心配しなくていいそうな。どれほど・・・?
衛生面、強度、薄さ、軽量性では良さそうですが実際使わないと何ともでハードル高いですね。
以前中華ブランドLIXADAからも出てましたが全然使い勝手がわかりません。スレの音とかも。
GubiGubi
以前から酒用チタンカップでTibiTibiが出てました。
今回はGubiGubiで、文字通り220mlサイズと大きくぐびぐび飲めます。
槌目模様が付いた趣のある、酒が上手くなるカップだとか。
ツイッターで見た購入者の評判はかなりよく、#GubiGubi推進委員会のタグで広めたい人も出てきてます。
Tableシリーズ
テーブル系がパワーアップ。
Aluテーブルのセンターにアルコールストーブを設置できるもの、横に拡張してハンガーが付いたもの。
とてもキャンプ的で、山的ではありませんが、テーブルを使う山も良いのでしょう。
テーブルと思わせて酒の話題なので書いているのはもちろんFujinami氏。
MAYU Cup
Φ7×4.6cmのアルミのMAYUカップ。
ULAlupan内に入れて同時調理をするようです。
他ブランドでも見たことのない、山っぽくないアイテム。
ネーミングは、昆虫の繭(まゆ)的な意味もありそうですが、文章を書いてるMayumi Kurokawaさんが開発したんじゃないのかなーと思ってたり。
キャンプ料理はもちろん毎朝のお弁当作りをする主婦にとって何とも便利なアイテムになること間違い無し。
Ti 洗濯板
これまた意味がわからないチタン洗濯板。
4.5×7.5cmのサイズでは本当に説明通りソースのシミを落とす程度しか使えないのでは、と思ってしまいます。
昔、洗濯機を使うのがもったいない気がしてプラ洗濯板を使っていた時期がありましたが、それなりにサイズが無いとまともに洗えません。どう考えてもお荷物なんですが使い道があるのでしょうか。
Trinity pouch
ミニ財布。
コード部分がちょっと珍しいと思います。
ところでエバニューがDCF素材を使うのは初めてじゃないでしょうか。
Water Bag
上が大きく開くウォーターバッグが復活。
浄水器用に使ってましたが、破けてしまってたので復活は嬉しいです。
定番キャリーのグレーキャップ版も登場です。
U.L. Alu Panシリーズ
大人気で在庫が無く幻のフライパンとも呼ばれてたUltra Light PANがマイナーチェンジしてピンクのシリコンに。
生産体制も整えたと言ってたので在庫は安定するだろうとのことでした。
ベストオブアウトドアフライパンだと思ってます。
ただちょっと値上げが厳しい。
元々フライパン的には高額で背伸びした感覚がありましたが、この金額はぼくには厳しい。
以前のULパンは、(テフロンを)殺す気で使うと意気込んで焚き火でガンガン使って消費しました。今ではHDパン信者です。
いまは表面加工パンはモンベル アルパインフライパンディープで安く済ませてます。
エバニューカタログ2023年見どころ
エバニューのカタログがエバニューなとこをいくつか。
これ書いたFujinami氏がハマってるだけでしょ!!
と思ったバスマティライスの炊飯方法。
バスマティライスとは・・・
米にはジャポニカ米とインディカ米があります。日本で食べるのはジャポニカ米。
一方で世界の80%の国ではインディカ米を食べています。
インディカ米の中でも香りの良い高級米の一つがバスマティライスで、インドやパキスタンなどで食べられています。
この人たち本当に米好きすぎでしょ。
(固めが好き!)とかカタログに書くことじゃないのよ。自由過ぎる。
少し早くから販売が始まっていたアフロ君。出来る奴です、アフロ君!
正式名称が「EV 公式タワシ アフロ君」ですからね。
しれっとエバニューのことEVって略してるし、2023年は製品名で遊んでますね。
?多いし広口クッカー好きすぎるでしょ。
表紙は深型クッカーですが、広口クッカーやフライパンの話をしてる時が一番饒舌な気がします。
クッカーページ構成が少し変わってチタン、焚き火、アルミ、のような分類になりました。
おかげで焚き火とアルミの両方で出番のあった山岳飯盒やアルミポットが2回登場する異例の事態に。
それでも焚き火ページ作りたかったんだろうな、と思ってます。好き。
新商品発売時期
カタログには載ってるけど、もう販売されてるもの、まだ販売されてないもの、すでに在庫切れなものもあります。
公式オンラインショップを見ると何となく販売状況がわかります。
「穴あり」「ままごと感」「多用途」「Anti ハンドル」(笑)
異常に重いのが欠点ですが、カタログとは違う面白説明文も読めて二次創作のような楽しみ方ができますよ!おすすめェ!
まとめ
やりすぎでしょこれ、と、いいぞもっとやれ。
のどちらも感じてしまう見てるこちらがはらはらするほどの攻めの1冊でした。
新商品が良いとか悪いとかすでにそういうベクトルを越えてる気がします。
見た目や性能が良いから好きな商品ではなく、好きなブランドだから好きな商品という客層も狙えるスタイルなのではないでしょうか。
エバニューを年増しに好きになってしまう気持ちが抑えられませんね!
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