こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
去年エバニューさんの2021カタログを読んだ時に自分一人で楽しむにはもったいないと、記事にしました。
言わば特例。2021年限定のはずでした。
このご時世カタログを廃止したり、簡素化したり、作り込みが甘かったりする会社が目立ちます。いくらエバニューと言えど昨年ほどのクオリティを求めるのは酷というモノ。
という気持ちで読み始めたのに4ページめくった時には記事にするしかねえよって気持ちになってました。
2021年よりもずっと読みやすいし工夫もあって読者で良かったと思える充実した時間を過ごせました。一体どうなってんだいエバニューさん。
今回はエバニュー2022カタログを読みながら新商品を紹介していきます。
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エバニュー 電子カタログ
まずはカタログの見かたから。
エバニューの電子カタログページには7種類あります。「EVERNEW 2022 Outdoor Equipment」を選択。
表紙が新しいアルコールストーブなので一目瞭然です。
昨年途中からPAJAK(パヤック)とGruezi bag(グリュエッツィバッグ)の単体カタログも増えてました。
ウェブ上で見れるカタログになっています。
下部PDFを選択するとPDFカタログをダウンロードすることもできます。
2022年カタログの何が良いって
エバニュー2022カタログ
良すぎて興奮したと言われる2021年をはるかに上回る出来。
例年の2~3倍ボリュームになってて、写真と説明文が大幅に増えて使うシーンが想定しやすく、ユーモアも忘れない読んで楽しいカタログでした! pic.twitter.com/C5WrFmnPfH— ぜつえん (@zetuenonly) February 1, 2022
カタログを読むときは大体3周くらいするんですよ。
新商品だけをチェックして文字はほぼ読まずパラパラ進む1週目。
新商品を重点にスペックなどを見て行く2週目。
そして説明文まで読む3周目、というように読んでます。
すると気付きます。「今年のエバニューのカタログは読むのに時間がかかるな」ということに。
それもそのはずページ数が格段に増えていました。
2022 | 2021 | 2020 | |
クッカーのみ | 54P | 18P | 21P |
エバニュー全商品 | 70P | 27P | 33P |
過去2年と比較すると、今年はクッカー部分だけで54ページ。
昨年の3倍ボリュームです。SUGOSUGI!!
増量はひとえに商品数が増えたこともありますが、商品ごとの実用写真と説明が格段に増えてるのがボリュームアップの理由でした。無理に詰め込み過ぎず余白を作ることができてる、というのもあります。
モンベル2021秋冬カタログで減ページ+簡素化されてたショックが記憶に新しい今、製品がわかるだけの“商品を並べたわかるカタログ”が当たり前なのはわかります。
そんな中、エバニューは読んで“楽しめるカタログ”なのは例年通り、スタッキング実用例や実際の使用方法の写真を増やしてボリュームアップしてるわけです。
カタログを製品の羅列ではなく読んで楽しいエンターテインメントにしてるわけで、これってただ事じゃありません。写真やページ構成が毎年使いまわしじゃないのが多いのもすごいとこ。
もう読者ファーストでファンサービスが良過ぎます。
カタログへの投げ銭システムの実装はまだでしょうかね。
ところで、エバニュー公式Instagramでは新ギア試用の様子などが見られます。
以前、カタログ写真は“社員Kくん”が撮影してるという投稿があったんですよね。
彼の頑張りが評価されたのか今年からのギアを使った写真の一部に「Photo:Ryohei Kawamoto」の文字が入っていました。あわせて「Text:Kazutoshi Ota」と「Text:Ryosuke Naka」の文字も。
二人の活躍でぼくらはサイコーに面白いエバニューのカタログを読めるってわけだ!
サンキューKAWAMOTO!ダンケシェンOTA!シェイシェイNAKA!ありがとうEVERNEW!!
AR
今気付いたんですが、こいつ動くぞ!! pic.twitter.com/achqi7TVCc
— ぜつえん (@zetuenonly) February 1, 2022
カタログ画像の中に「CHECK AR」と書いてるものがあります。
AR(拡張現実)素人すぎてタッチしてみたりしても反応しなくて意味が全くわかってませんでした。
適当なARアプリ入れて撮影してみたら動きました。ほええすごすぎるよお。
モンベルがQRコードをカタログに載せてふーんって思ってましたがARって。すごすぎるよぉ。
ただ何個か読み込めないのと、NoImageになるモノがありました。どっちの問題なんだろう。
新商品の入荷情報
エバニュー公式オンラインショップに着々と新商品が登録されてます。
どれも発売初期は在庫切れして転売されることもあるはずです。
が、大手なエバニューさんが生産してるため必ず在庫が安定してきます。
昨年のバックカントリーアルミポットも半年程度で在庫が安定してます。
そこが小規模ブランドとは違うメリットです。できるなら少しだけ待って転売価格で買うことが無い用にして欲しいです。
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ブルーノートストーブ
表紙になってるやつ。
昨年末ごろから「ついにエバニューが新しいアルスト出すぞ!」と噂されてて、インスタでも試作品から登場してた期待度の高いアルコールバーナー。
昨年末に発売したピークス 2022年1月号79ページでついに名前が判明しました。
発売から12年経ったチタンアルコールストーブとは違う、真横からも炎が出てくるサイドバーナー式。
アルミ製で本体重量13g、容量は15mlとかなり少なめで300mlのお湯を沸騰させれるスペックに仕上げたとのこと。
文章から察するに日帰り登山や釣りで、今までは軽量化のために火器を削っていたようなシチュエーションに持って行くことを躊躇わないアルスト、という感じのようです。
その用途にフォーカスして絞ったサイズで、最低限カップラーメン1個分の300mlが沸かせればいいブルーノートなのでしょう。晩御飯よりも昼飯作りに使いたい容量です。
なので、「超軽量13gのアルスト!!」って気持ちで買うと微妙なのかなと思います。
チタンアルコールストーブからの乗り換えではなく、遊びに合わせて使い分けるのが適切でしょう。
むしろどんな用途にも使える既存チタンアルコールストーブよりも限定的な用途なため確実に使い手を選びます。
そしてちょっと珍しいプレヒート(余熱)用のプレートが別売りとセット売りされてます。使うことで本燃焼までの時間を短縮できるわけです。
容量が小さい分、万人受けするアルストではありませんが遊び方にエッセンスを加える製品を積極的に出してくるのはエバニューらしいです。
風防は無いと厳しいシーンも多そうですが、一体公式ならどの風防を合わせるといいのかがわからないのはBAD。
ちなみに製品名の由来は「青い手(BLUE NOTE)」です(笑)
数えてみると火口が10個でした。ああ好きエバニュー。
ALC.Bottle w/Cup
カタログに載ってない2022新商品。
カタログ完成後に商品化が決まったブルーノートストーブ用のアルコール用ボトルです。
30mlと60mlの2サイズ展開で、30mlなら2燃焼分。60mlなら4燃焼分です。
キャップにメモリが付いてて計量カップとして使えます。
VESUV Windshield
お、新しい風防あるなーブルーノート用かな?と思ったら全然違ったチタン風防。
チタンアルコールストーブとエバニューチタンカップに最適化された熱損失を減らした風防です。
カタログ位置的に新商品かと思ってしまいましたがイギリスのVESUV(ベスヴィオ)というブランドの製品でした。輸入品という立ち位置になるんでしょうか。
スナップボタンで留めるシステムが使い勝手良さそう。
実物を見るとクッカーの外径が上で引っかかり、アルコールストーブ無しでも浮いた状態を作れるピッタリ設計に感動しました。
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山岳飯盒弐型
ブルーノートストーブ以上に注目されてるんだろうなっていう新商品。
自衛隊に支給される戦闘飯盒弐型をベースにした山岳飯盒弐型です。
各社から戦闘飯盒出てきてるのはなんなんでしょうね。トレンドでしょうか。
山岳と言いながらもキャンパー向き製品に思います。
ここ最近人気が物凄くて高額になってましたが、大手から出てくると気軽に手に入れることができるのが嬉しいです。
一緒に使いたいOKUDAKEゴトクも登場。やや見飽きた感すらある製品ではありますがエバニューが出すことに意味はあるでしょう。
にしてもちょっと高すぎるのはネックですね。
2.27時点で入手者も出てきて通販在庫も出てきてます。
昨年出たアルミポッドも良かったですが、エバニューが炊飯器具を出すと胸が熱くなります。
MOOSE 戦闘飯盒2型
タイミングを同じくしてややテイストの違う戦闘飯盒2型がMOOSEさんからも販売。
2022.2.2 22:22から予約販売されます。
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HD.ALU Pan
個人的に一番気になってるもので多分購入するであろうフライパン。
端的にいうと「表面加工の無い肉厚で取っ手が取れるアルミフライパン」です。
定番であり、ベストバイフライパンだと言えるエバニューULパンの形状を継承した焚き火で使うためのフライパンという感じに仕上がってます。
名前のHDからもわかるようにハードに使うことを想定した2mm厚に、アルマイト加工(アルミの強度が上がる加工)のみで、あえて表面加工をしていません。
コーティングの剥がれを気にすることなく、穴が開くまで使用できるので、まさに一生モノというのも大事なポイントです。
出典:EVERNEW
アウトドアマンが大好きなツボを的確に付いてくるワードのチョイスがずる過ぎる。
サイズは全部で4サイズでULパンと同じ展開です。
蓋やケースも同じモノを流用することができるのでしょう。
注意点はULパンは深さが50mmで統一されていましたが、HDパンはサイズによって40,45,50mmと違うこと。
汁物に強かったULパンよりも焼きや炒め調理に使いやすくしてるのでしょう。
お値段の高さもびっくりしてしまいますが、熟練の技術が必要なヘラ絞りで1つずつ職人が手作業で作っているのも理由のようです。
もっと値段上げて良いからcocopanみたいに1つ1つ個体番号を刻印してくれても良かったなと思います。
付属の取れる取っ手(ハンドル)はステンレス製で37g。
フライパンの溝に差し込んで固定するタイプは、プリムス トレックポットに近いですね。
収納性は良さそうですが掴めないので鍋つかみよりも汎用性は低く、別途鍋つかみが必要な鍋も持って行くときは削っても良さそう。
ちなみにアルミフライパン2mmがイマイチイメージできませんよね。
と思って調べてみると。
HDパンの2mm厚はかなり分厚いことがわかります。
肉厚な分、重くなりますし、熱伝導も普段使うクッカーとは変わってくるでしょう。それに表面加工無しで焦げ付きやすくやや癖の強いフライパンだろうことは想像できます。
万人向けな訳もなく、ダッチオーブンやスキレットに近いスペシャルな鍋と考えるとわかりやすく、買ったし美味しく作れるけど使い勝手が微妙で出番は少ない、なんてことになる人も多そう。
特性を理解して購入したいものですね。
ていうか、カタログに出てくる「アウトドア用フライパンメーカー」や「山フライパンメーカー」の文字。
統一する気もないのではって気持ちと、アウトドア用フライパンメーカーだったんかエバニューって気持ち。好き。
加工無しアルミ鍋 | テフロンアルミ鍋 | |
消耗度 | 一生モノ | 消耗品 |
焦げ付き | 焦げ付きやすい | 焦げ付きにくい |
引く油 | 油多め | 油少なめ |
熱伝導 | 熱が均等になりやすい | やや劣る |
色 | わかりやすい | わかりにくい |
コスパ | 長く見るほど高い | 結果的に割高 |
表面加工の無い鍋とある鍋(テフロンなど)とで比べた時の特性の違い。
一番は消耗度。
表面加工が無ければ剥がれるモノもないアルミなので穴が開くまで一生モノなのは事実でしょう。
逆に10万回の摩耗耐性!!みたいに謳っていようが表面加工された鍋は持って数年です。
ぼくが2年弱使ってるエバニューULパンはすでに表面加工剥がれてきてて茹でか揚げ以外では使えない鍋になってます。
その分、焦げ付きにくく、ティッシュだけで汚れも落としやすいのでアウトドア(特に山)での使い勝手は抜群。積極的に消耗品として使い潰していいモノだと思ってます。
ただ火力の安定しない焚き火や中央一点集中しやすいバーナーでの使用では表面加工は非常にはがれやすいです。そう思うと山以外で使う焚き火用フライパンなら表面加工無しのほうが都合がいいシーンも多いでしょう。
という使い分けになりそうなHDパンですね。
鉄鍋同様に育てる楽しみに近いモノがアルミパンにはあります。
HD.ALU Pan | UL Pan | |
#14 | ||
直径 | 140㎜ | |
深さ | 40㎜ | 50㎜ |
重量 | 200g(163g+37g) | 115g |
金額 | ¥6,050 | ¥5,280 |
#16 | ||
直径 | 160㎜ | |
深さ | 45㎜ | 50㎜ |
重量 | 244g(207g+37g) | 129g |
金額 | ¥6,600 | ¥5,500 |
#18 | ||
直径 | 180㎜ | |
深さ | 45㎜ | 50㎜ |
重量 | 294g(257g+37g) | 152g |
金額 | ¥7,150 | ¥5,720 |
#20 | ||
直径 | 200㎜ | |
深さ | 50㎜ | |
重量 | 365g(328g+37g) | 175g |
金額 | ¥7,700 | ¥5,940 |
用途は被らないので無為ですが、選ぶサイズの目安としてはわかりやすいのでULパンとの各サイズ比較。
倍に近い重量なのはそのまま厚みが2倍近いんだろうなと思います。
ULパン16を使ってますが、HDパンは18を購入しました。
購入
購入し使ってます。別にレビューも書く予定ですが使って感じたポイントだけ。
・油と水分を意識的に多めにすれば焦げ付きにくい
・強火ではなく弱火~中火が焦げ付きにくい
・予熱大事
・肉や魚は焼けてからひっくり返す(凝着対策)
・茶色の焦げは頻発するけど、沸騰させて擦れば大体落ちる
・料理の締めにスープ系を用意すると焦げを落としつつ調理できる
・専用ハンドルはゆっくり離せば刺したままにできるが少しの振動で抜け落ちる
・登山で使うならフッ素加工鍋がオススメ、焚き火調理をするならHDパンは良い
・ポーチが付属しない、フタも付属しない
・”鍋を使う”のを意識するため楽しい
レビュー記事も書きましたどうぞ。
深山小刀/U.L. Cleaner
尖りつつも”らしさ”を取り入れた小物が上手だなと思うエバニュー。
ぶっちゃけ山には必要無いと思うんだけど、日帰りでランチを楽しもうと思った時にあると豊かさが変わるナイフ。欲しい。
ただちょっとお高い気がする。
クリーナーは触ってみないとどんな感じかわからないけど渓流に良さそう。
HDパンや山岳飯盒を買うなら一緒に持っておきたいと小物。
マイナーチェンジ
NEWの文字が多かった2022年カタログ。
定番チタンカップ類がこそっとマイナーチェンジしてます。
製品スペックは変わってないので細かい変化だけ。
変更点は
・プリント→レーザー刻印に
・製品名変更(チタンウルトラライトクッカー 1 RED→Ti U.L. Pot 600等)
・型番変更(ECA251R→ECA532等)
・一部値上げ
こちらが旧モデル。
こちらが新モデル。
昨年チタンマグで変更されてたプリント→レーザー刻印が全商品で移行完了したようです。
見比べないと分からない違いですが、旧赤字プリントはダサかったので良モデルチェンジ。
特に蓋にプリントされてるPot系はかなりスマートになりました。
Ti400FDcupとかTi570FDcupはロゴは元々無くて、調べないと分からない名称変更と型番変更とやや値段アップなど定番品が微妙に変わってます。
チタンクッカー系の名称変更は内容量が入って、Ti、U.L.、FD、FH、Pot、Mug、Cupといったワードで共通されて名前から製品がわかりやすくなりました。
あと誤植も見つけました。
P16の目次とP25の見出しにある“Mag”はMugですね。
だから私はEVERNEW
ほんとは読んで楽しんで欲しいんですが、だから私はEVERNEWが好きと思える部分をいくつか。
昨年のNIKUTSUCAMを思わせる小物紹介の遊びっぷりがエバニューらしい。
平ナベ愛が熱すぎる。
遊び心しかない。
自分で付けた名前に謝るなんて。
・・・みたいな細かい部分まで読んで楽しいのがエバニューのカタログです。
他ブランド
エバニュー取り扱いの中で新しく増えたブランド。
Gruezi bag(グリュエッツィバッグ)
パヤックに続き販売の始まったGruezi bag(グリュエッツィバッグ)の寝袋。1回や2回見たくらいじゃ絶対読み方を覚えれない。
超高品質ダウンだったパヤックに対して、ダウン+ウールと変わり種な寝袋を出してるドイツのブランドです。
2015年創業の比較的新しいブランドで、環境に配慮してる部分を全面に出してるのも今っぽいです。
独特な”しの字”ジッパーも気になりますが、モバイルバッテリーで発熱するALPENHEATシリーズが一番気になってます。
単体カタログも出てます。
ACME(アクメ)
1870年イギリス創業のホイッスルの老舗。
150年以上使われてきてる信頼性の高いブランドでタイタニック号の乗組員も持ってたとのこと。
世界初の救命ホイッスルや戦時中の将校に支給されたホイッスルの復刻版などがあります。
まとめ
どう考えてもご褒美なカタログでしたごちそうさまでした。
おそらく2月下旬ごろから随時発売されていくのかなと思われます。
欲しいモノが在庫切れになっても転売品に逃げずに再生産を待ちましょう。ファンですからね。
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