こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
チタン素材が好きっていうかもう言葉も何もかも好き、それがチタン。
人並み程度にも食事に興味がなく、ずっと同じモノを食べ続けてても良いと思ってたりします。
そんな食欲には抗えても、抗えないのがクッカー欲。
今回はBoundless Voyageから新登場したチタン+セラミック加工+軽量フライパンをレビューしていきます。
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Boundless Voyage
中国のアウトドアブランドの中でもチタン製品といえば、Boundless Voyageというほどに強いというか製品数の数が圧倒的に多いブランドです。
すでにマグやトングや焼き網、ポーチを愛用しており、製品の品質にも不満はありません。
値段も安く、買うか迷ったら買ってからどう使う悩むことが増えました。
このフライパンもそんなとりあえず買ってみたギアの一つ。
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スペック
サイズ | 径15×深4.5cm |
重量 | 85g |
実測総重量 (鍋 取っ手×2 ポーチ) |
105g 70g 15g 20g |
容量 | 満水 約700ml 実用 約500ml |
素材 | チタン |
表面加工 | セラミック加工 |
付属品 | メッシュポーチ |
直径15cmで側面が直角に反り立った深さのあるフライパンです。
エバニューのウルトラライトパンを彷彿させる形状で、汁物にも強く、多目的に使うアウトドアフライパンとしては理想の形。
明確に違うのは、チタン製であり、表面加工(セラミック加工)されている点です。
アリエクスプレスで見つけて、お値段も手ごろで即購入してしまいました。数ヶ月使ってみてこのフライパンの特性が見えてきたところです。
アルミ+フッ素樹脂加工のフライパンに比べどうなのかも含めて、見ていきます。
見た目
側面が垂直に立ち上がったフライパン。
4.5cmの高さがあり、鍋を振って調理するのには向きませんが、汁物がこぼれにくく、ラーメンやパスタ、湯沸かしに便利な形状です。
横には折りたためる取っ手がついています。
2本を開いて重ねることでブレずに持てるよくあるタイプ。
ぶらぶらしたゆるい取付で、シンプルな取っ手で好みは分かれるところ。ゴムチューブは付いていません。
個人的にはあまり好きではない形状で、安っぽいなーという印象。
取っ手を外せば、85gから15g軽量化して70gの鍋にすることも可能。ただ鍋つかみと表面加工の相性が悪いため、それも微妙かと。
表面は黒くセラミック加工がされています。キラキラした粒子感があります。
底には熱変形防止のためのくぼみがあります。
表から見ると中心がエアーズロックのように盛り上がる形状で、油を入れると全て周囲に流れてしまいます。
巾着タイプのメッシュポーチ(20g)が付属しています。
赤いコードが可愛い。Boundless Voyageの製品はいつもこんなメッシュポーチが付いてくるので、増殖してどれがどれかわからなくなります。
左がBoundless Voyage チタンフライパン(Φ15×4.5cm)
エバニューのULパン#16の中にピッタリスタッキング可能。
フライパン二刀流をすることも少ないですが、一回り小さいサイズ感です。
セラミックコーティングとは
家庭用のフライパンを買う時に良く見かける「フッ素樹脂加工」「テフロン加工」「ダイヤモンドコーティング」「ストーンマーブル」「セラミックコーティング」といった強そうな売り言葉。
どれも鍋表面に施される焦げ付き防止の加工であり、「ノンスティック(焦げ付き防止)加工」という言葉でまとめれます。
ちなみにフッ素樹脂とテフロン加工の違い・・・実は、名前だけ!
どちらも同じ加工で、テフロン加工はデュポン社が付けたフッ素樹脂の商標。
ダイヤモンドやマーブル加工も、フッ素+素材で作られた加工の場合が多いです。
アウトドア用のクッカーでは大体がフッ素樹脂加工で、たまにセラミック加工が使われます。
アウトドアクッカーでは軽量化のため、家庭用フライパンにあるような、〇層コーティングという複雑な加工はされることがないため、その分シンプルです。
フッ素樹脂加工 | セラミック加工 | |
焦げ付きにくさ | ◎ | 〇 |
耐摩耗性 | △ | ◎ |
耐熱性 | 〇 | ◎ |
何ともざっくりな表ですが、比べると焦げ付きにくいが強度の低いフッ素樹脂加工と、焦げ付きにくさはそれなりで耐久性の高いセラミック加工となります。
フッ素樹脂加工は、高温(約260℃)になると加工が柔らかくなり、剝がれやすくなります。さらに空焚きを続けて高温(約400℃)になると気化し、有毒なガスも出てきてしまいます。
ついつい高火力になりやすいアウトドアシーンでは、鍋の温度が上がりやすい炒め物などで使うと剥がれやすい表面加工です。チタンカトラリーとの相性も悪いです。
一方、セラミック加工は、陶磁器素材を使った表面加工で、耐熱温度が高く400℃近くまで耐えることができます。擦れ(摩耗)強度も高く、フッ素樹脂加工に比べはがれにくいのがメリット。
逆にフッ素樹脂ほどの焦げ付きにくさがないのがデメリットです。
チタン+加工
家庭用でチタンの鍋というのがほぼ無いせいで馴染みがないからかもしれませんが。
チタンの鍋+表面加工された製品は多くありません。
主にアウトドアでしか使われないチタンクッカーの中で、表面加工された物、に限定されるからです。
エバニューのセラミッククッカーシリーズが昔からありますが、それくらいなモノです。
他にも調べてみるとチタン+表面加工になるとフッ素樹脂加工のものは見当たらず、どれもセラミック加工が施されていました。
それはなぜか。
おそらく、チタンクッカーは熱伝導率の低い+厚みが薄いため、加熱した中心部分のみ高温になりやすい特性があります。そのときに耐熱温度がフッ素樹脂加工だと剥がれやすいため、高温でもはがれにくいセラミック加工を施しているのかなと。僕は考えました。
あとは、フッ素樹脂加工よりもセラミック加工のほうが熱伝導率が高く、鍋表面の温度を均一化しやすいようです。
チタンの熱伝導率の低さを補うため、というのもあるかもしれません。
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湯切れ
ぼくがクッカーにおいて、必要以上に重要視する水切れ、湯切れ性能。
中華チタンクッカーは比較的湯切れが良い印象ですが、このチタンフライパンも側面から垂れることなく、抜群の湯切れ性能を見せてくれました。
ちょろちょろもドバドバも問題無し。
ただ満水付近になると不安定になるのは仕方ない部分。
底面の広いフライパンは湯沸かしも速いので、ヤカン代わりに使うことも多々。高い湯切れ性能はありがたい。
セラミック加工があるおかげで水の残りも玉状になり、残りにくいのも地味に嬉しいポイントです。
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調理
ぼくがこの鍋で一番気になるのは「どのくらい焦げ付きにくいのか」です。
卵を焼いて試してみます。
卵+油
バーナーはプリムス P-153ウルトラバーナー(拡散火)。
油を引いて、卵を2個入れて、弱火で鍋を動かさずに焼いていきます。
拡散型ながら中央から温まり白身が焼けていきます。
中央が盛り上がってる形状なため、卵黄を中心にする難易度は高めでした。
全面に火が通るころには中心は焦げ付いてきてます。
写真の上のほうは焼けてませんし、熱伝導率の低いチタンっぽい焼け方になります。
卵が焼けきる前に、焦げ臭くなってきたのでヘラで取り出したとこ。
中心は少し焦げ付きました。
セラミック加工が焦げ付きやすいわけではなく、チタンの薄い中央部に熱が集中して温度が上がり焦げ付いたのかなと感じました。
ただ写真程度の焦げ付きならウェットティッシュで擦るだけで取れるので、フィールドでも問題のない程度。でもフィールドでこのフライパンで卵は焼かないなーと思ってしまいます。
卵+油+バーナーパッド
チタンは熱伝導率の低く、火のあたる中心のみが加熱されるのが欠点です。
それを防ぐために火を拡散するバーナーパッドを使って卵を焼いてみます。
やっぱり卵黄は真ん中にならない。
少しだけ熱が拡散されてる気がする。が、気がする程度で劇的な変化はないですね。
そして、やっぱり焦げ付きました。
重量増にもなりますし、使うのも手間です。
あるなら使ったほうがいいけれど、持って行ってまで使うほどじゃないというバーナーパッド。
湯
お湯を沸かして、どんな感じで温まるのかなを見てみます。
沸かし始め、中央から少し気泡が出てきます。
中央の盛り上がってる部分の気泡が大きくなってきました。
全体的に気泡が出てきました。
中心部分ほど気泡が大きい。
鍋の位置がちょっとずれてたのでしょうか。
取っ手側が強く沸騰しました。先端部分は気泡がある程度。
卵同様、火のあたってる位置ほど強く加熱され、伝導は少なめなのを感じます。
インスタント麵
Φ15cmでインスタント麵は割らず入るモノが多いです。
が、モノによっては少し削らないと入りません。
でも押し込めば角が砕けて入るので、インスタント麺ぴったりサイズです。
ほぼほぼラーメンフライパンといっても過言ではないでしょう。
パスタ
パスタは大体25cm前後です。半分(約12.5cm)に折れば少し余裕をもって入ります。
たらこ系のソースを入れるとフライパンの全面が汚れて片付けが大変になりやすいのですが、セラミック加工がされているおかげでウェットティッシュでキレイに拭きとれました。
ラーメン以上にパスタを快適に茹でて、食べれるフライパンです。
結論
セラミック加工のチタンフライパンを使ったぼくの結論。
・アルミ+フッ素樹脂加工のフライパンほどの使い勝手の良さは無い。
・アルミフライパンよりも軽く高強度で、表面加工もはがれにくい。
・表面加工無しチタンよりは格段に焦げ付きが少ない。
・食後の汚れが落としやすい。
つまりは、汚れが落としやすく片付けが楽なチタンフライパン。
チタン鍋の上位種なのは事実、アルミ+フッ素樹脂加工のフライパンとは似て異なるモノ。ということです。
こんな用途に向く
あくまで火の当たる中央のみが加熱されやすいチタンフライパンであり、フッ素樹脂加工されたアルミフライパンのように全面を均一に焼く調理には向かないことがわかりました。
ということはチタンフライパンで作るような、焦げ付きの少ない汁物に向くフライパンだと言えます。
満水700ml、実用500ml程度で鍋をするにはサイズ不足で、ソロ用のラーメンやパスタ専用フライパンがベストな用途と言えます。
粘度が高く汚れの落としにくいカルボナーラやトマトソースのパスタの汚れも落としやすいのが個人的に良いとこ。
僕のメイン用途は、無積雪期の登山で使うパスタorラーメンフライパンになりそうです。
購入した時はもっと便利に使える気がしましたが、割と用途は限られそう、というのが率直な感想です。
それでもラーメンやパスタなど少量の汁物を作るなら軽く、安く、拭き取りやすく使い勝手の良いフライパンです。
蓋
アウトドア用のフライパンに付きまとう蓋の問題。
このサイズならお湯もすぐ沸くので無くてもいいんですが、用意しておきます。
100均で買ってきた22cm径のアルミ皿です。
エバニューULパン#16にはこの皿をそのまま合わせて蓋にしました。
チタンフライパンは少し小さいので、フチをカット。
そのままだと鋭利で手を切りそうなのでフチを内側に折り込んでいきます。
折り込んだ状態でΦ15cmのフライパンよりも少し大きい程度。
あとは折り込んだフチをさらにフライパンに合わせて折れば蓋の完成。
約6g。
エバニューのフライパンのフタ 16cm(60g)も少し少し大きいながら使いやすいサイズ感でした。乗れば何でもいい、それが蓋。
スタッキング
フライパンの蓋は底に合わせてパッキングするのが便利。
フライパンに蓋をしてしまうと、スタッキングできる量が減ってしまいますが、蓋をしなければこのくらいのものを一緒に入れることができます。
てんこ盛り。
スタッキングとは・・・。
このくらいはみ出てもメッシュポーチに入れることが可能。
個人的にスタッキングはピッタリよりも雑に入れれる程度が使い勝手がいいです。
フライパンは特に蓋をせずにあふれるようにスタッキングするのがオススメ。悩むよりも入れろです。
キッチンペーパーでスタッキング保護
表面がセラミック加工されているため、フッ素樹脂加工よりも耐摩耗性が高いと言ってもOD缶やシングルバーナーが擦れると剥がれる原因になります。
そんな時にキッチンペーパーやティッシュを間に挟んでスタッキングすることで保護することができます。
使ったキッチンペーパーは食後にフライパンやカトラリーを拭くのに使えます。
が、使っちゃうと帰りのスタッキングが出来なくなるので、数枚入れておくのが良いです。
boundless voyageの類似品
側面が立ち上がった形状は同じで、表面加工は無しのチタンフライパン。
Φ12.8cm、65gとかなり小ぶりで用途はかなり絞られそうなモデルです。
ハンドルは2本で挟むタイプよりもこちらのタイプが好み。このハンドルを採用してほしかった。
Φ18cm、125gと一回り大きいチタンフライパンで表面加工無しモデルも出ています。
ソロでもたくさん食べるよ、って人はこのサイズもいいですね。
でも、サイズ違いもセラミックコーティングモデルを出して欲しい。
Φ18.5cm、324gのチタン+セラミック加工の浅いグリルパン。
これがアルミやステンならパンや卵、肉、魚と何でも焼けて便利に思えます。が、チタン。
高さ8~18mmで汁物には向かず、製品ページを見る限りグリル的な肉焼き用途のよう。
熱伝導率の低さで使い勝手はすごい悪そうですが気になってしまうグリルパンだったりします。
まとめ
軽く強いチタンのクッカー。
表面をセラミック加工しても万能ではなく、尖ったクッカーであると認識することで活躍の場を理解できる道具です。
ぼくは完全にパスタ及びラーメン専用クッカーとしてしか使わなくなりました。
万能な道具も良いですが、限定的な道具が活躍してくれるシーンを考えるのも楽しいです。
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