こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
数あるスノーシューの中でもMSRに次いで人気なアトラスのスノーシュー。
2019-2020年の冬モデルはフラグシップの山岳モデルががらりとモデルチェンジし、去年までと雰囲気が大きく異なります。
去年はサイズ違いも含め13モデルで紹介しましたが、種類のみなら9モデルでした。今年は種類のみで6モデルとなりかなり数が減っています。
それでは、どのモデルが減って、現行はどんな性能のモデルがあるのか、どう選べばいいのか、を紹介していきます。
※ランニングモデル、キッズモデルは今回ここには入れていません。悪しからず。
2021-22年の新しいスノーシュー紹介ページもどうぞ。
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アトラスのスノーシュー
アトラスは北米のスノーシューメーカーです。
積雪の多い北米で培われたスノーシューの知識がふんだんに使われています。
日本ではモンベルが輸入代理店になっているため初心者から上級者まで幅広く使われていて、山でのスノーシューレンタルでもアトラスなことが多いです。
山で良く見るスノーシューはMSRが1番、次いでアトラスでしょう。
MSRやほかのメーカーのスノーシューと比較した時のアトラスのスノーシューの特徴は浮力の高さ、バインディングのつけやすさ、そしてサスペンションシステムの動きやすさでしょう。
それぞれ説明していきます。
浮力
今年のアトラスのスノーシューはすべて25インチが基本サイズです。
製品名のあとにあるMTN25やランデブー30などの数字がサイズでインチのことです。1インチは「2.54cm」です。2.54×25=63.5ですが25インチモデルは64cmと表記されています。
去年は22インチという小さいモデルもありましたが今年は女性用のみ22インチと23インチがあります。
スノーシューの浮力はサイズとほぼイコールで大きいほど沈まないです。つまり高い浮力となります。そして大きいほど取り回しがしにくくなるというデメリットもついてきます。
登山界隈はウルトラライトブームですが、反対にスノーシューが巨大化していく傾向があり不思議な気持ちになります。
ただ深雪を歩くのが楽しいスノーシューと思えば浮力高いほうが楽しいのは必然。浮力の小さいスノーシューではワカンとの使い分けも難しいため差別化もしやすくなっています。
重量よりも楽しさや移動性能を重視しているということでしょう。
バインディング
バインディングは靴とスノーシューを固定する金具です。
求められる機能は「装着の容易さ」と「固定力の高さ」でしょう。
頻繁につけ外しをするわけではないですが、寒い雪の中でグローブを履いた手でつけるので容易なほど嬉しいです。MSRはバンド4本で固定でとてもめんどくさいです。履く前に手も足も冷えてしまいます。ただ固定力は抜群でどんな靴でも合ってくれます。
アトラスはBoaシステムと言われるダイヤルを回すだけで固定できるバインディングが使われているモデルとZ字に伸びたバンドを1カ所で固定できるバンド式、同時に2本を引っ張って簡単に締めたり緩めたりできるバインディングの大きく3種類があります。
Boaシステムは靴との相性が出やすいですが、冬靴なら合わないことはあまりないです。
バンド式は比較的どんな靴でも合わせやすいです。
サスペンションシステム
アトラスのサスペンションシステムは山岳用モデルに使われるスプリングローデッドサスペンション(SLS)と平坦な地形向きなライトライドサスペンション(LRS)の2種類があります。
山岳モデルはフレームが斜面に沿うように可動域が狭くなっています。サスペンションベルトが反発してくれるため歩行のサポートもしてくれるのが山岳用。
平地モデルはフレームが平坦な地面に合うように可動域が広くなっていて歩くときにスノーシューを持ち上げずに歩くことができます。サスペンションの反発は弱めになっているため平坦な地形をまったり歩きやすい作りです。
そしてどちらのモデルも左右にも曲がるためトラバースするような斜面でも足首に負担をかけずに歩けるのが特徴です。
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去年から減ったモデル
2019年のモデルが発表され、去年から5つのモデルが廃盤となっています。
しかも去年の山岳用モデル3つとも廃盤でフラグシップもチェンジという確変。それ以外にも2つのモデルが廃盤となっています。
製品名としては、
フラグシップのスピンドリフト。
浮力重視なアスペクト。
コスパ重視の山岳用モデルのエンデバー。
傾斜地向きのBoaシステム搭載のストラタス。
平地向きのアクセス。
この5モデルが廃盤となっています。ただ冷静に見ると納得も行くような気がします。去年まではモデルが多すぎた感じがありましたので。
スピンドリフトはほぼ同じモデルが出てきてます。
アスペクトは24インチで幅が広く25インチ相当の浮力がありましたが、今年は25インチのみなのでいらなくなり。
エンデバーは良かったと思うんですが、廃盤。
ストラタスはBoaでしたが、似たグレードのセレートがバンド式ですがつけやすくクランポンが強力で上位互換感がありました。
アクセスはヒールリフトがついた平地向きで、ただこれで斜面登ろうとは思えないクランポンでした。
とまあエンデバー以外は今となってはあってもなくても大して困らない製品だった感じがしてしまいます。ただデザインとしては同じものはないのでデザイン買いしていれば唯一無二。古いモデルのデザインが好きで買うなら在庫のあるうちに!
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現行6モデル
アトラスのスノーシューにはフラグシップな山岳用、登山でも使えるがエントリーモデルなスノーハイキング傾斜地向きモデル、登山で使わないスノーハイキング平地向きの3種類があり、その中にさらに2モデルずつあって計6モデルです。
細かくいうと30インチや女性用もあって増えるのですが、6モデルからの派生ですね。
一覧表
これが現行6モデル。用途に合わせ2種類ずつのラインナップで選びやすいです。
ではさらに個別に説明していきます。
山岳用
昨年のフラグシップのスピンドリフトの構造も引き継ぎ、バインディングの種類で登坂モデルとバックカントリーモデルで2種類になりました。
山岳用らしくトラバース性能に強いフレームに沿った歯がついています。
またデッキの下に一文字の横向きの刃があるのも直登性能に直結しています。
クランポンはMTN25が優れていますが、どちらにもメリットがあり、明確な上下はないでしょう。バインディングの種類、重量、金額でどちらにするか悩むことになります。
エイペックスMTN25
MTNはマウンテンという意味でしょう。山岳用の中のさらに滑らない人向けモデル。
ちなみにエイペックスは英語で「頂点」「先端」「頂上」を意味する言葉です。登山っぽいですね。
構造としては去年のスピンドリフトとほぼ同じですが、Boaシステム搭載で着脱が容易になっています。これは嬉しい!
そしてクランポンが強力でX-TRACというアトラス最強のクランポンが搭載されています。急な登坂シーンでもしっかりと雪面をグリップしてくれるであろうことです。
重量は25インチで1.83kgですが、MSRライトニングアッセントと比較するとあちらは22インチで1.81kg、25インチでは1.88kgです。それでいて重くなりやすいBoaシステムでこの重量です。重さだけで見ればMSR以上といっていいでしょう。
MSRはフレーム全面を覆うように歯があるためトラバース性能に優れているのが特徴です。
エイペックスBC25
BCはバックカントリーの略。スノーボード向きなモデルです。
構造としてはMTNモデルとほぼ同じですが、クランポンが去年のフラグシップのスピンドリフトと同じもので一ランク下のようです。カタログ上は重量も含めスピンドリフトとの違いが見つけれませんでした。カラーチェンジしたスピンドリフトという立ち位置で間違いないでしょう。そのため山岳用として十分な性能があります。
そしてBCモデルはバンド式です。Boaシステムほどではないですが、アトラスのバンドはつけやすいです。そしてBCモデルがBoaの理由は携行性です。Boaではできないバンド式の利点は2枚を重ねてコンパクトに収納できることです。
バックカントリーでは登りはスノーシューですが、下りはザックにつけて滑るため携行性が重視されます。Boaでもできなくはないですが、膨らんしまい滑りに影響してしまいます。
バックカントリーする人には第一に選んでほしいモデルですが、ほぼ去年のスピンドリフトなので、山岳用として使えます。MTN25に比べ値段も安くコスパがいいためしっかり登山で使いたいけど安めがいいな、という方にはオススメです。
また重量も1.7㎏とかなり軽量です。
スノーハイキング傾斜地向き
山でも使えるが山岳用ほどクランポンがガリガリついてないですが、その分滑り落ちる楽しみは味わいやすいです。
標高の高い厳しい山に使うなら山岳用がオススメですが、標高の低い里山や低山ハイキングという山のスタイルならむしろこの傾斜地向きモデルのほうが楽しめます。
ヒールリフトやつま先のクランポン横滑り防止のレールもそれなりについているので低山なら困ることはないはず。
セレート25
山岳モデルではないが、山でも十分使える性能なモデル。
クランポンもそれなりでつま先だけでなく、トラバース用の歯もしっかりついています。
バインディングはしなやかで低温化でも硬化しないゴム素材のバンドで、片手で締めたり緩めたりできるモデルです。Boaとは違う便利差で着脱スピードも同じ位です。
リアクティヴィフレームという楕円形のフレームで強度としなやかさを両立しているのもこのモデルの特徴。
モンテイン25・30
バインディングはセレート同様の片手で操作できるものですが、バンドがナイロン素材のものになり、フレームがパイプでクランポンも少し弱めとセレートと比べると一段性能は落ちているモデル。
ただその分値段はだいぶ安くなるので初めてのスノーシューには購入しやすい金額なのが魅力。
ただ長く使うことを考えて冬山もしっかりやろうと思うと不満が出てくると思うグレードなのも事実。
自分がどの程度山で使うのか考える必要があります、低山や里山程度なら十分な性能ではあります。
スノーハイキング平地向き
平地向きと書いてますが、サスペンションシステムがライトライドサスペンションで可動域が大きく、そこが平地向きというモデル。登山でも使うことはもちろん可能です。ただ山で使うならあえてこのグレードのモデルを選ぶ必要はないです。
キャンプや高原などのスノーシューイングとして楽しむ用のモデルです。
ツリーライン25
Boaシステムで着脱が容易なため、スノーシューで歩いたり、靴で歩いたり、着脱多い場合には便利です。
またセレート同様のリアクティヴィフレームで剛性もそれなり。平地歩きなら十分すぎる性能でしょう。
多少の山も想定しているのかヒールリフトもついているため坂道もきちんと歩けます。ただクランポンが弱いため里山程度が適切です。
ランデブー25・30
もっともリーズナブルなエントリーモデル。
軽くバインディングの着脱も用意で使い勝手はいいでしょう。キャンプとスノーシュー、森を少しスノーシューで散策、なんて用途に最適でしょう。
アトラスのスノーシューで唯一ヒールリフトが付いていないモデルでもあるので山を想定してる方にはオススメできないモデルです。
とりあえず使ってみたい方で安く済ませたい方向けですね。
女性用
全6モデルに女性用モデルのエレクトラがあります。なので女性も同じ選び方で大丈夫でしょう。
ちなみにアトラスはギリシャ神話では巨人のことですが、その娘の名前がエレクトラです。アトラスとエレクトラ、そういうことでしょう。
女性用モデルは山岳用で22インチ、スノーハイキング用で23インチと少し小さ目になって伸長の低い女性が取り回ししやすいようになっています。また体重も男性に比べ軽いため浮力が低めでいいということです。
そしてエレクトラはフレームがくびれるような構造になっていて小股で歩きやすくなっています。スノーシューで歩くときはフレームがぶつからないようにガニ股で歩くのですが、身長の低く骨格の違う女性だと股が痛くなりやすいと聞きます。それの対策でしょう。
よほど身長の高い女性や浮力重視など特別な理由のある女性以外の女性はエレクトラがオススメですよ!デザインもかわいらしいですし!
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選び方
昨年に比べ大幅に種類が減ったおかげでいいのか悪いのか選択肢が減り、選びやすくなっています。
用途で選ぶ
スノーシューは雪の上を歩くために使うわけですが、使う環境で選び方は変わります。そしてどんなアクティビティで使うのかというのが一番大事です。
2000~3000m級の冬山登山なのか、1000m前後の低山登山なのか、森やキャンプ場でのハイキングなのか、とスノーシューを使うといっても用途は様々。
用途別のオススメを書いていきます。
登山
登山で使うなら山岳用の2種類、エイペックスMTN25かBC25がオススメです。
デザインなどでこだわりがあるならセレートもありですが、BC25とほぼ値段も変わらない登山ならセレートでなくていいかなと思います。
ただ滑落の危険が低い低山メインならセレートかモンテインも有りです。登りは山岳用ほどガツガツ登れませんが、下りはクランポンが弱いので滑り落ちるのに向いています。下りなら適度に滑ったほうが楽しいのがスノーシューです。
平地で時々低山
メインはアップダウンの少ない森の中を歩いたりキャンプで使って、時々登山も行こうかな、という人。
そんな人にはセレートやモンテイン、ツリーラインがオススメです。
セレートとモンテインは傾斜地向きですが、平地ももちろん問題ないです。山で使う頻度が増えそうな人なら傾斜地向きがオススメです。
逆に山ではほぼ使わない、平地で楽しく歩きたい、という人はツリーラインがオススメ。
Boaシステムで着脱が容易でライトライドサスペンションは平地を歩きやすいサスペンションです。
平地のみ
山は行かないよ、平地を歩くんだ!という人。そんな人はツリーラインかランデブーがオススメです。
ヒールリフトというカカトを乗せる台が付いていないので山を登るのに向いてませんが平地なら歩きやすく、軽量で値段も安いランデブーは最も手の出しやすいエントリーモデル。
平地仕様がメインですが、たまの公園の山や斜面などでヒールリフト使いたい方やBoaシステムが使いたい方はツリーラインがオススメです!
見た目は大事
スノーシューを選ぶ上で忘れてはいけないことがあります。それはカッコよさ!
スノーシューは登山道具では数少ないデザイン性の高いギアです。カラーリングだけでなく、凝ったデザインやロゴなど選ぶ人の個性が出てくるギアであります。
アイゼンほどガチガチに地面をグリップする事が必要なシーンもあまり多くはなく、それでいて大事な浮力はサイズが同じなら性能は僅差です。
ならば、見た目は大事でしょう!見た目で選んでも後悔は少ないギアです。
もちろん山岳用でガチガチ登るならMTN25やBC25、他社ならMSRライトニングアッセンで決まりですが、もっと緩い感じで登る方ならデザイン性で選ぶのも重要だと思いますよ!
ぼくも赤いスノーシューがほしくてMSRのライトニングアッセントではなく、REVOアッセントにしました。
まとめ
大きくモデルチェンジして選びやすくなったアトラスのスノーシュー紹介でした。
最近はスノーシューは登山だけではなく、冬のアクティビティとして幅広く浸透してきてる感があります。
雪の上を自由に歩ける、行けなかったところに行けるという体験は新しいです!
まだやったことのない人はレンタルから始めてみることをオススメしますよ!
2021-22年のアトラス新スノーシューを紹介もどうぞ。
フルモデルチェンジし、エイペックス→レンジ、新軽量モデル ヘリウムの2種類になりわかりやすくなりました。



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