こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
北海道最高峰のある大雪山。その主峰旭岳から十勝連峰の南部富良野岳まで約70kmの縦走路があります。
以前より狙っていたコースですが、タイミングのあった友人と2人で歩いてきました。
今回は4泊5日テント泊で旭岳~富良野岳まで歩いてきた話、最後に注意点と装備紹介をしていきます。
2年前に短縮で途中までのコースを歩いてきた記事もどうぞ!
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縦走コース
歩いたGPSログによると67kmという距離でした。
42時間歩き続け、山頂20個を踏み、15000キロカロリー燃やしてます。
5日間のコースとしては以下の通りです。
1日目 | 旭岳ロープウェイ→旭岳→白雲小屋キャンプ場 |
2日目 | 白雲→忠別岳→トムラウシ山→南沼キャンプ場 |
3日目 | 南沼→双子池キャンプ場 |
4日目 | 双子池→オプタテシケ山→美瑛岳
→十勝岳→上ホロカメットクキャンプ場 |
5日目 | 上ホロ→富良野岳→十勝岳温泉登山口 |
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1日目 旭岳ロープウェイ~白雲小屋
前日に吹上温泉の白銀荘前キャンプ場で友人と合流。
翌日に下山口に車1台をデポし、もう一台で旭岳へ向かいました。
このコースは登山口、下山口が離れているため交通機関で戻るのも大変な距離なため、自家用車を使ってソロというのは厳しめです。旭川から入って、富良野から離脱とかならいいですが。にしても面倒。と思ってソロで登ってないコースだったりもしました。しかし2台あれば一気に楽になります。
ザックはマムートのトリオンプロ50+7L。
カメラ系をがっつり削りG9proと12-40mmf2.8の標準ズームレンズ1本で行くことにしました。
これでカメラ込み食料や水も込みのパックウェイトが約14kg。
下山後に水と食料がゼロになった状態で測ったベースウェイトが約10kgでした。
旭岳のロープウェイから望む旭岳。
展望はありますが、雲があって青空は見えない悪くはないけど良くもない天気です。
いざスタート。
コースの予定からいって時間には余裕があり、難所も少ないため体力を温存しながらいかに歩き続けれるかがキモとなる山行です。
特に登りはいつも以上にゆっくり、着実にです。
はいどーん旭岳(2291m)!
ロープウェイで標高を稼げ、3時間登れば着く北海道最高峰です。
何度もきてるので感動は薄いですが、縦走が始まるなぁ、と気持ちは上がっていきます。
旭岳裏側のお鉢部分です。
予報だと気温は10度前後で、風が吹くと肌寒いです。
北海岳。
今回はひたすら山頂を踏んでいく縦走なので、山頂ハンターな気持ちになります。
今季改修中の白雲避難小屋です。1泊目はここに泊まります。
そして中央上部の王冠型の山がトムラウシ山です。
2日目のテン場がその麓のキャンプ場まで行きます。遠いなあ。
改修工事をしているため、小屋横に張らせていただきます。
混雑しやすい土日祝は使用を避けたい場所です。
テントはMOBIGARDENのLIGHT WINGS DAC UL1。グラウンドシート込みで1.3kgと軽量な自立ダブルウォールテントで、アウトポールタイプで設営が爆速です。疲れたあとに設営しなければならない今回の登山には最適でした。
テン場の近くに水場があります。
しかし北海道はエキノコックスのリスクがあるため生水は飲めず、煮沸か、浄水が必要となります。
最近は浄水器の数が増え、手軽に手に入るようになり、煮沸よりも容易です。
ぼくはMSRのトレイルショット、友人はソーヤーミニを持ってきました。
丈が短いので軽量、サイドにジッパーが無いので出入りが楽なモデルです。
テントが小さいこともあり、珍しくタイベックのシュラフカバーも持ってきました。
日没し、空が染まっていくのに合わせて眠りにつきました。
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2日目 白雲小屋~南沼キャンプ場
2日目。
忠別岳までは比較的平坦ながら距離があります。
途中の雪渓にヒグマが歩いているのを見つけました。
やや小さい個体に見えますが、子熊でしょうか?
藪の中に隠れて見えなくなりましたが、今から上のコースを歩くのにとドキドキしながら通過しました。
普段はもっぱらソロ登山ですが、人といく山も魅力的です。
特に長期な縦走ほど会話ができるだけで疲れてきても、歩き続けることができます。
前を歩く人がいると歩き方で悩むこともなくなり、はるかに体力を使わないんだなということもわかってきます。
池があったので浄水器で直飲み。
トレイルショットはホースが長いのでソーヤーミニよりも楽に直飲みができます。でも直飲みの出はソーヤーミニのほうがいいです。
煮沸と違い冷たいまま飲めるのが、浄水器の魅力です。
そして天然の水を飲むとより自然に近づける気がして嬉しいです。
そして忠別岳。
白雲から平坦メインながら地味に登りもあり遠く感じる山でした。
今年はクチャンベツ沼ノ原登山口が開いてるのでこの辺りの山にきてる人が多いです。
1ヶ月前にはキレイに咲いていたコマクサも枯れてしまい、すでに大雪山は秋へと移り変わっていってますね。
五色岳から振りむいて中央が旭岳、右の丘っぽいのが忠別岳。
2日目でずいぶん歩いてきました。
なにより天気が良くなってきてテンションと気温があがっていきます。
てか、わたし、ミレーのアミアミのラベルはみ出してて恥ずかしいやーつ。
左上トムラウシが一気に近くなってきました。
五色~化雲の間はハイマツ多め。
そして化雲岳へ。
てっぺんにおおきな岩があるんですが、その岩が遠くからでも見えて意外に目立つ山です。
にしても人がいるだけで風景写真の雰囲気が変わって楽しいですね。
今回の行動食はカロリーメイトと塩飴。
1日2~3箱ペースで食べていきます。
ちなみに、美味しかった味は
〇カロリーメイト美味しいランキング
1位 チーズ味
2位 メープル
3位 チョコ
4位 プレーン
という感じでした。
カロリーメイトを食べるとのどが渇くという人が多いですが、ぼくは全く気になりません。が、後半になるほど砕けてぼろぼろになるのは微妙ですね。
値段的にも味的にもトップバリュのライトミールブロックのほうが好みです。
あと余談ですが、行動食は美味しすぎないほうが食べ過ぎず優秀だと思ってます。
要所要所に看板がありますが、距離を見ると絶望します。美瑛岳の遠さよな。19kmって。
天沼。
トムラウシ周辺は水が豊富で、担ぐ水を削りやすいのが魅力です。
出しやすい位置に浄水器をいれておくとちゅっぱちゅっぱしやすくて楽しいです。
荷を下ろして休憩にもなりますし、いい道具。
ロックガーデン。
いたるところから「ピツィ」というナキウサギの声が聞こえます。が、姿は余り見せないかわいいやつ。
ようやく撮影でき、めいっぱいトリミングしました。
トムラウシの取りつき。
1ヶ月前の北沼は雪がたくさんありましたが、すっかり溶けています。
何度目かのトムラウシですが、晴れたのは初めてで感無量です。
登り始めた旭岳から、後半のオプタテシケ、十勝岳まで見えます。
普段ソロでは自撮りはほぼしないんですが、2人いると気軽に自分を写すことができます。
これはこれで面白い。
南沼のテン場はテント多め。
これもクチャンベツ沼ノ原登山口開通による部分も大きそうです。
トムラウシへのアクセスが容易になるのはいいこと。
隙間を見つけて設営。
トムラウシを一望できるサイコーのテン場です。
でも、なんで、テントの入口を、トムラウシ川に向けなかったのか。悔やまれる。
今回は4泊5日で朝晩食事を食べる計算で8食。
食事は全てパスタで1食150gにしました。
で、150gを計算するために自作した半分に折ったパスタを150g測るアイテム。想像以上に活躍して上機嫌です。
あと最近購入したSOTOアミカスが調子良いです。
五徳が小さいながらフライパンも乗せられ、圧倒的にコンパクト。耐風性、火力も上々で満足のいくバーナーです。
早めに寝て、星空を楽しみます。
すでに秋、冬の星座になってきていて、天の川を楽しめるのはもう少しです。
北海道の山奥と光の影響が少なすぎてカメラの性能不足を痛感します。星を撮るたびフルサイズに気持ちが動きます。
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3日目 南沼~双子池
夜は震えるほど寒く、朝は霜柱が立ってました。
マイナス気温はないと思いますが、風もあると夜間の体感温度はゼロ度以下でしょう。
防寒着を削ってきたのも毎晩後悔しました。グローブやバラクラバも持ってくるべきでした。
葉にも霜が降りてます。
来月末には初雪の降る大雪山。短い夏に大縦走のロマンを感じるのです。
個人的に核心となるのはこの3日目です。
トムラウシ~オプタテシケ間はエスケープもしにくく、入る人も少なく、クマも多い。
さらにハイマツや笹が生い茂るコースです。2年前にこのルート歩いたときは天気も悪く、かなりきつかったです。
数時間こんな場所がメインのコースです。
ただ少し前に笹を刈ってくれた方がいたようで、だいぶ歩きやすかったです。ほんとありがたい。
天気が良く、展望があるのも救いでした。
生い茂ってても十分やる気が出ます。
案の定、遠目でクマがいました。
子熊2匹と親熊でしょうか?走る2頭を1頭が追いかけて藪に消えていきました。
これまたコース近くてびびりながらの通過です。
あのキレイな山がオプタテシケ山。
トムラウシ以上にアクセスが悪く、日帰りで行くのは相当健脚でないと厳しい山です。
初めての鎖場。
後にも先にもここだけでした。危険ヶ所ではなく、急登です。
この時期の大雪山は残雪が少なくなり、水の確保しにくさがコースの難易度をあげます。
どこで、どれだけの水を確保するか考えながら歩くのはメンタル的に疲労します。多く持てば安心ですが、それだけ重くなり体力を削ります。いくなら残雪の多い7月がベストなコースだなと思う理由の一番がこれです。
今日のテン場は双子池で、名前の通り池があるため水が確保できますが、最終日の水場情報が得られなかったためここで3日目4日目5日目の水を確保することにしました。
MSRトレイルショットは1分1リットルペースで浄水でき、ソーヤーと違って水に手をいれることなく浄水できるため便利です。
というわけで4.5Lほど確保。
今回の縦走でザックが一番重い瞬間でした。
今日もいい天気でテン場。
予想以上に到着時間が早くてまったりする時間が多いのも楽しいです。
結局すべてのテン場で電波が無い状況でしたが、天気のいい山で暇はしませんね。
普段、テン泊登山にはキンドルで電子書籍を持ってくるのですが、ツイッターのフォロワーさんにオススメされた本を紙で買ったのでそれを持ってきました。
沢木耕太郎の「凍」です。
最強のクライマーとも呼ばれる山野井泰史と妻・妙子がヒマラヤのギャチュンカン北壁から生還したノンフィクションの物語です。
知るほどに人間性に惹かれてしまう山野井夫婦。以前の登山では山野井さん本人の「垂直の記憶」を読みましたが、第三者視点で読むとまた違う印象を受けます。
しかし、この二人だから、生きて下山できたんだなと思えます。人として生き方に憧れる人物です。
と気持ちよく本を読んでいたらクライミットのXピローがパンクしました。
ウェアは全部着込んで残ってませんが、スタッフバックに小物色々入れて枕の代わりにしました。ごつごつしてましたけどね。
アクセスが悪いテン場ですが、ほかに2張りグループがいました。
熊が怖いテン場なだけに人が多いと安心します。
薄暗くなってきて、今日も早めにおやすみです。
今回は全日で19~20時に寝て、1時に起きて星を見て撮って、2時過ぎからテントでうつらうつらして、3時過ぎに起きてご飯を食べながら日の出待ち、5時に撤収を始め、5時半~6時に出発というタイムラインでした。
日の長い夏は寝る時間を考えないと大変です。
4日目 双子池~カミホロカメットク
1時に起きたら東の空にオリオン座と明るいのは金星があがっていました。
地上には雲海が広がってるので光害が減ってます。が、ISO感度とシャッター速度を遅くしないといけなく星がブレてノイズが増えてしまいます。フルサイズ落ちてないかしらね。
だんだんと空が明るんできたなか、流れ星をとらえることができました。縦走を完遂して無事に下山したいものです。
染まる空と雲海にそびえたつのはたぶんきっとまちがいなくニペソツ様。
今日も日の出とともに出発。
朝からオプタテシケを600mほど登っていくので気温が上がる前に登っちゃいたい作戦です。
まあまあサクッと登ってしまうわけですが。
山頂手前の偽ピークから旭岳~オプタテシケ山頂のパノラマ写真。
超広角レンズを持ってきていなくてもサクッとパノラマ写真にしてしまうと便利ですね。
不自然さも少なく、180度以上の画角も確保できるため山では積極的に取り入れたいと思ってます。ただ横長な写真はブログとの相性はすごい悪いんですよね。
オプタテシケ山!
景色や感動はここが一番でした。もう動きたくないここに住むって思ったのも今回はここだけでしたし。
でもまあ先に進むわけです。
手前からベベツ岳、石垣山、美瑛富士、美瑛岳、十勝岳まで見えています。
これから十勝岳の奥まで歩いていくわけです。
少し雲が上がってきました。
涼しくなるのはいいんですが、やはり青空晴天が大好きです。晴れてくれえ。
何度も登っては下って、登っては下って。
なんでそんなことするのかなという気持ちがなくもないわけですが、ぼくは登りのほうが好きなので仕方ないです。
ナナカマドがだんだんと色づき始めてました。
紅葉の時期にもまた来たいです。
美瑛岳!
正面のぽりっと尖った山が十勝岳です。
みどりみどりしてたこれまでと雰囲気が一気に変わり、火山っぽい山域に入りました。
コースも同様にジャリっぽい道に。
見た目でも足裏でも飽きさせない、さすが北海道屈指の縦走路です。
看板の雰囲気も少し変わりました。
もうひったすらに歩きにくい、3歩進んだら1歩分落ちてるような砂場。
舞った砂埃がカメラや体にもついていって汚い体がさらに汚くなっていきます。
そして十勝岳。
疲れ切って力尽きとる。
たくさん歩いたもん。
ここからもうちょっと下ったらテン場。ラストスパート。
十勝岳っぽい、火山っぽい雰囲気の崩れやすそうな荒々しい崖です。
あそこがテン場。カミホロカメットク避難小屋。
先客が一人います。遠目でわかる、アライのエアライズだなと。
今回の縦走、最後のテン場です。
体力的に余裕はあると感じてますが、それでも座ってしまうとずっしりと体が沈む感覚があります。
十勝岳が見える展望で、今回はテントの向きを意識しました。
まだいい天気ですが、雲が多め。さらに悲しいことに日没前にガスに飲まれて夕日はなしでした。
パスタを食べて寝ることにします。
5日目 カミホロ~十勝岳温泉へ下山
晴れることに期待して起きたら雲が晴れて星空が広がってました。
毎晩こんなに天気が良いのもすごいです。
月齢も良いし、流れ星も多いですし、至れり尽くせりです。
低い位置に雲がかかって、さらに雲海も広がってます。
金星が明るく光り輝いて、オリオン座が地味に見えてしまうほどです。
ちょっと歩いて上富良野の灯りと天の川。
以前買った中華カーボン三脚に付属のミニ三脚を持ってきましたが、剛性が高く、縦構図でもばっちり決まってくれます。
縦構図はパソコンで見ると微妙ですが、スマホやタブレットではカッコよく見えるんですよね。
あまり縦構図で撮影することはないのですが、奥行きを演出することもできて使いこなしていきたいとこ。
そして日の出前のアワー。
このモビガーデンのLIGHT WINGS DAC UL1はアウトポールがシルエットになって本当にカッコイイ。
このスラっと上に上がってから二股に分かれるポール構造。
そのポールに伸びるフライのフックと生地。カッコよすぎでしょ。
そして、8食目となる最後のパスタ。
ぼくの長所の一つに同じものを食べ続けても飽きないというのがあるんですが、5日間パスタ食べ続けても下山後にパスタ屋さん行きたいって言える程度には飽きないですね。
うどんとか、ラーメンとか麺類なら比較的食べ続けれるようです。
Twitterではパスタだけだと、米が食べたくなると言われましたが全くないですね。
パスタ8食(1200g)、カロリーメイト10箱、塩飴、水がなくなりザックがぺっちゃんこです。
出発時から4kgほど軽くなっているようです。
少し物足りなさもありますが、泣いても笑っても最終日、るんるんで歩ききります。
テン場近くにあまり逃げないシマリスがいました。
35mm換算80mmを少しトリミングしてますが、かなり近づけました。可愛い。
最終日は山頂ラッシュ。
左奥が最終ピークの富良野岳です。
日帰り登山なら遠く感じる距離ですが、ここまで歩いてきたことを思えば近く感じます。
かみふらの岳。
奥にカミホロカメットク、十勝岳が見えてる構図です。
三峰山。
看板がかっこいい。
登りにくそうな段差の高い階段がラスボス。
歩幅のペースを整えて登っていきます。
長かった。最後の山、富良野岳。
中央奥にうっすら見えるのが旭岳で、あそこから歩いてきたわけです。
富良野岳山頂からのパノラマ。
旭岳とかもうほとんど見えない。前日の美瑛十勝岳はくっきりですが、ほんと遠い。いっぱい歩いたなあ。
あとは下るだけ。
でも下るまでが登山。いや、家に帰るまでか。
すぱーんと下って、十勝岳温泉へ。
標高を下げると気温が上がってきて下界に戻ってきたのを感じます。
下山口まで到着。
4泊5日約67kmの道のりでした。お疲れさまでした。
下山後は旭岳ロープウェイの駐車場に戻る途中に美瑛の山頭火で辛みそラーメンを食べていきました。
久しぶりのパスタ以外の食事。
味濃いっておいしいなというよくわからない感想でした。
注意点
“北海道の“、”大雪山と十勝連峰を“、”数日で縦走“と考えた時の注意点です。
基本無人小屋
まずテン場に併設して避難小屋がいくつかある場所もあります。
が、白雲小屋と黒岳石室を除くと管理人のいない無人小屋であり、避難小屋です。
また有人小屋でも売店でモノを売ってるのは黒岳石室のみです。(※ただし2020年はコロナの影響で管理人非常駐で避難小屋扱い)
そのため基本はテント泊で、飲食物は全て自分で担いでくる必要があります。
北アルプスになれていると小屋があれば安心という感覚になりがちですが、北海道の小屋はあってないようなモノだったりします。
そのため負担は登山者にすべてかかります。
トイレのないテン場もあるため、携帯トイレの必要性があがるのも北海道の山です。
水場の確保と浄水
北海道の生水にはキタキツネの媒介とするエキノコックスという寄生虫がいるリスクがあるため、そのまま飲むことは避けるべきで、煮沸が浄水をする必要があります。
夏ならば冷たいまま確保できる浄水器がベストです。
また、8月末の大雪山では残雪が少なくなり、南沼や美瑛富士避難小屋など枯れる水場が出てきます。
そのため事前にどこで水を確保できるか、自分はどの程度の水を消費するのか、どこでどれだけ確保すればいいのかを計算しながら歩く必要が出てきます。
このルートを歩く上で常に水を意識しなければ行けない難しいところです。
特に8~9月は水場が少なくなりやすいため悩みが増えます。
逆に6~7月なら残雪が多く残り、比較的どこでも水を確保することができるでしょう。
そのためベストシーズンは7月ですが、天気や休暇との都合次第となります。
ヒグマ対策
今回ぼくも2度目撃しましたが、山の奥地に行くほどヒグマの恐怖との戦いでもあります。
過剰におびえる必要もありませんが「出るかもしれない」を意識し、人間の存在をアピールする熊鈴やラジオ。
いざ出くわしたときのための熊スプレーがあると安心度が上がります。
忠別~五色岳辺りやトムラウシ~オプタテシケ間は特にクマが多いのでいるかもしれないという意識をもって、目前に出てきても慌てない対処が求められます。
装備
登山雑誌ピークス風な持ち物紹介画像を作ってみました。
実際にはさらにいくつか追加していて。
衣にウィンドシェル、替えの靴下。
食に2Lソフトボトル2つと500mlボトル1つ。
その他にミニ三脚を追加した装備となっています。
衣
ウェアはモンベルのウェアが多めでシンプルな装備。
靴はサレワのクロウGTX。だいぶへたってきてますが、足首周りの調子が良く歩きやすくて夏のテン泊では欠かせない相棒です。
アンダーウェアはミレーノドライナミックメッシュのタンクトップ。
上下のレインウェアと化繊中綿ジャケットで防寒と気温気象に対応します。
下山して後悔しているのは防寒着として化繊ではなく、ダウンに。さらにウールの薄手アンダーを追加しておけばよかったと思ってます。それほど寒かったんです。
住
泊まる系装備。
テントはモビガーデンのLIGHT WINGS DAC UL1。グラウンドシートペグ込みで1.3kgほどと軽量ながらソロサイズの小さめです。設営爆速なのは縦走ほど真価を発揮するのを今回強く感じました。
そしてモンベルのダウンハガー800ハーフレングス#3。439gでリミット-2度とややオーバースペックながら上半身がないこと、星撮影後に冷えた体を温めなおせることを考えるとこれ以上削るのは夏の大雪では厳しいなという感想です。
あとは穴の開いたクライミットXピロー。エバニューの90g99cmのEXPマット、中華製のタイベックシュラフカバーです。
テントサイズが小さいので横と足元の濡れ対策で持ってきたシュラフカバーですが、天気が良かったこともあり必要ないものでした。
“住”装備は割と快適性と軽量化で両立が成功している気がして改善の余地もない感じに思います。
食
塩飴は2袋、カロリーメイト10箱(20袋)、パスタ1.2kg(150×8食分)、パスタソースとカフェオレ、クッカーバーナー系、浄水器です。
このコースを歩く上で総カロリーは足りない気がしますが、経験的に歩くには十分な食事量です。
昼は行動食のみで、朝晩パスタを食べ、カフェオレを飲みます。食事にバリエーションを作らないのは何をいつ食べると考えるのが大変だからです。正直何食べてもそこまで変わんないです。
そして食事に合わせたクッカーで、パスタはフライパン、直接火にかけれるカップでチタン400FD、ライターとフォーク、8食で110缶だとギリギリなので余裕をもって250缶。そして浄水器です。
食事は削りやすいですが、楽しみでもあるので、お好みで豪華にするのがいいです。
その他
ザック、電子機器と紙類、エマージェンシーポーチです。
今回マムートの50+7Lザックでしたが、40L程度でも入る荷物量でした。
40L程度はあると便利で追加してもいいサイズのザックですが、ソロならカメラ機材を増やすので夏に1泊2日でも50L程度がベストだったりしてます。
あったらいいけど、なくてもいいなら要らないか。というのが最近の思考で、ザックが重くなるのはむしろウェルカムな部分もあって50Lを使い倒してます。なんだかんだ背負い心地や使い勝手もいいザックです。
軽量化と撮影に手間をかけないために12-40mmF2.8(35mm換算24-80mm)の標準ズーム1本でしたが、やはり超広角は持っておくべきだったなと反省してます。
モバイルバッテリーはスマホ、スマートウォッチ、カメラ、ヘッドライトに使うため余裕を持って20000mAhにしました。友人がモバイルバッテリーを忘れたため2人で使いましたがそれでも半分ちょっとしか使わず余裕がありました。
ランタンが単4×3本で、これも充電式にしたいのですが良いモノないなーというのと要らないからいらないかーとなってます。
エマージェンシーポーチにはナイフ、細引き、トイレットペーパー、ごみ袋、ライター、携帯トイレ、歯ブラシ、テーピング、絆創膏、とげ抜き、ポイズンリムーバー、マムシ取るやつなんかが入ってます。コンパクトな爪切りを追加したいなぁと思ってます。
まとめ
ずっと歩きたかったコースを毎日晴天の中で歩けて大満足の縦走でした。
日本にはまだたくさん歩いてみたい縦走路があります。
次はどの山に行きましょうね!
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コメント
記事読ませていただきました。
大変参考になります。
GPSログはどの端末で取ったのでしょうか?
大縦走でのログの取り方について、いろいろ調べているので。参考にさせてください
コメントありがとうございます。ぜつえんです。
GPSログはプロトレックのスマートウォッチWSD-F30を使用していました。が、今は開発とサポートも終了しています。
GPSログを取るにはスマートフォンが一番楽で、次いでスマートウォッチ、GPSハンディ端末だと思います。