こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
パナソニックのミラーレス一眼 LUMIX DC-G9 PRO。
以前愛用していたカメラで、すでに手放してニコンZマウントに乗り換えてます。
5年前に発売したマイクロフォーサーズのハイエンドモデルでした。
近頃「LUMIX G9 星空」のようなワードでのアクセスがあって、直接聞かれることもあったため取り上げることにしました。
今回は話題のノイズ除去ソフトDxO PureRAW3と、Adobe Lightroomの新機能AIノイズ除去を使うとマイクロフォーサーズでの星空撮影はどうなのかを比べていきます。
※細部を見やすいように圧縮率の低い写真を使ってます。ページが遅かったり重かったりしたらごめんなさい。
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LUMIX G9PRO
マウント | マイクロフォーサーズ |
撮像素子 | 4/3型Live MOS センサー |
有効画素数/総画素数 | 2033/2177万画素 |
記録画素数 | 5184×3888 |
手ブレ補正効果 | 6.5段 |
静止画撮影可能枚数 |
モニター時:約380枚
ファインダー時:約360枚 省電力設定:約890枚 |
外形寸法 | 136.9×97.3×91.6mm |
重量 | 本体のみ:約586g 付属品含:約658g |
発売日 | 2017/11/16 |
ぼくが以前使ってたカメラです。5年半くらいも経ってるんですね。
「DC-G9 PRO」はプロの名を冠するパナソニックがマイクロフォーサーズマウントで展開するスチル撮影のフラグシップモデルでした。
パナソニックのカメラはGが静止画、GHが動画撮影機の立ち位置です。
Gシリーズでは未だG9が最上級グレードの様子。
変化の多いカメラで5年以上も最上位モデルなのは完成度の高さ、マイクロフォーサーズが見放されているのか。
2023年5月現在、新品でも10万ちょいから手に入るお手頃価格になっています。
マウントを含めたG9 PROの特徴をいくつか。
フルサイズマウントの1/4サイズしかないマイクロフォーサーズマウントは本体やレンズが小型軽量で比較的安価。
12-100mm(35mm換算24-200mm)F4のような神レンズも多くある。
6.5段という超強力な手振れ補正、望遠域のレンズの重量と値段の手軽さ、被写体に寄れるレンズの多さと抜群に使い勝手の良いカメラ、レンズ群が魅力です。
防塵・防滴と-10℃でも安定する耐低温性能もあり、軽さも含めてアウトドアに向くカメラでした。
ただセンサーサイズの小ささによる高感度耐性の低さは避けようがない問題です。
それもノイズ除去ソフトを使えば実用範囲になると思ってます。というのも検証していきましょう。
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ノイズ除去ソフト
高感度(ISO1600-6400程度)撮影時のノイズを除去できる高性能なソフトが出てます。
紹介比較するのは定番2つで、AIが撮影したRAW画像をノイズフリーに変換してくれます。
有料に抵抗のある人も多いかもしれませんが、高価な明るいレンズを買うよりも先にノイズ除去ソフトを導入したほうが良い星の写真が撮れると思ってます。
DxO PureRAW3
DxO(ディクソー)は、Adobe Lightroom等と連携できるRAW画像処理ソフトを作っている会社です。
PureRAW3(ピュアロースリー)は、RAWデータをより質の高い状態に変換するソフトです。
人工知能、つまりはAIがノイズ低減や周辺歪曲、減光、色収差補正などの光学補正をしてくれます。
実際使うと想像以上にノイズが消え、それでいてのっぺりせずシャープな写真に変換できます。
短期間で1→2→3とバージョンアップし、Lightroomとの連携もしやすく使用者も多いであろうソフトでしょう。
14,900円とやや高めですが、買い切りで使い続けられ、2→3のようなアップグレードは8,900円と割引で購入出来るため長期的にサブスクよりも経済的です。
有難いことに30日間の無料体験で試すこともできます。
Lightroom
もはや説明の必要なAdobe Lightroom。
撮影写真の管理からRAW現像までを行えるソフトです。
買い切りから月1000円程度のサブスクになってしまいましたが、写真を撮り続けるなら持っておくべきソフトでしょう。
2023年に新機能「AIノイズ除去」が導入され、PureRAWには劣りますが高性能なノイズ除去でLightroomを使っているならPureRAW要らずと言えるほどです。
PureRAWはRAWデータの光学全般を補正してくれますが、LightroomのAIノイズ除去はノイズ除去のみである点は覚えておきましょう。
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ノイズ比較
いくつかの作例を元にG9PROのノイズ量とノイズ除去ソフトを比較していきます。
同一写真を別方法で現像し、四分割に配置した比較画像を用意しました。
簡単に説明。
現像無し:RAWデータをLightroomで初期化して書き出したもの
RAW現像:Lightroomで適度に現像したもの
LightroomAIノイズ除去:AIノイズ除去適用率50で、RAW現像と同じ設定で現像をしたもの
DxO PureRAW3 DeepPRIME XD:PureRAW3のDeepPRIME XDを適用し、RAW現像と同じ設定で現像をしたもの
この4つ。
現像無し以外の3つは全て同じRAW現像設定をしています。
下部にはレンズと撮影の設定を記載しています。
①
レンズはLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0を使用。パナの広角大三元の立ち位置にあるレンズです。
8mm(35mm換算16mm)、ISO1600で撮影。
テントはMOBIGARDENのLIGHT WINGS DAC UL1。
マイクロフォーサーズあるあるで高感度への恐れから暗めに撮るしかなく、現像で明るくしがち。
そのため現像無しは暗め。
RAW現像後は暗所を持ち上げて明るさを調整しています。
テントのロゴ部に寄ったもの。
現像無しは暗いのでわかりにくいですが、RAW現像では暗部のざらついたノイズが目立ちます。
それがAIノイズ除去とPureRAWではざらついた質感がキレイに消えてます。
これが今流行りのノイズ除去ソフトの性能ですね。
ノイズ除去ソフトを比較して初めて気付いたのはPureRAWの性能の高さ。
ちまたではAIノイズ除去もPureRAWも同程度と言われてますが、文字やテントのシワを見るとPureRAWはかなりくっきりして明らかにシャープに仕上がってます。
LightroomのAIノイズ除去はノイズ除去のみ、PureRAWは画像の色んな部分を補正してくれていることがわかります。
右上のオリオン座部分。
超広角な8mmでもシャッタースピード30秒では星が伸びてしまいます。15~20秒くらいにしてISOを上げれば良かったのでしょう。
先ほどのPureRAWのシャープさは健在ですが、星空限定で言えばLightroomのAIノイズ除去のようなソフトな質感のほうが星空的には好み。
左にLightroomAIノイズ除去、右にDxO PureRAW3 DeepPRIME XDです。
やはりAIノイズ除去は元画像のノイズを除去しただけ。
PureRAWは周辺歪曲や減光、全体の光量など全体がより良いものに自動で補正されています。そのため写真全体の形が元と変わってます。
LightroomAIノイズ除去も手間をかければ同じように補正していくこともできますが、明らかに手間がかかりますし、1枚の写真現像に掛かる時間が跳ね上がります。
購入済みの現状な自分が使うならPureRAW一択だなと思えます。
テントのロゴ部。
PureRAWが明らかにシャープに仕上がっていて細部がくっきりしてます。
ノイズの除去量もPureRAWが上でしょう。
比べてしまえば、Lightroom内で無課金で使えることだけのがAIノイズ除去のメリットと言えます。
②
先ほどと同じく8-18mmF2.8-4.0の8mmですが、ISO5000の高感度。
マイクロフォーサーズ的には出来れば使いたくない限界を超えたラインだと思ってます。
ノイズ除去ソフトの無い時代では星空を撮るにもISO3200が上限と感じてました。
テント左端。
高感度なこともあって全体がのっぺりした質感になってしまってます。
AIノイズ除去はノイズ除去量不足に感じますが、それでも元に比べれば大満足な結果。
PureRAWもやや限界を感じる質感がポリゴンじみた怪しい仕上がり。
テントや建造物のような大物なら何とかなっても、暗所のでこぼこした雪面ではマイクロフォーサーズでISO5000は限界ラインですね。
それでもスマホで見る程度なら全く問題ないでしょう。
天の川部分。
星は残しつつもノイズをしっかり除去できてるのに驚きます。
寄ってみないとわかりませんが、やはりPureRAWはシャープで星が小さくなります。
AIノイズ除去はぼやっとしてますが、星空的には悪くない印象ですね。
PureRAWは周辺減光が補正されてて明るすぎるほど。
RAW現像設定が同じなため明るすぎになってて、写真的にはコントラストの強いAIノイズ除去が好みですが、現像を変えてコントラストを上げればいいため実用性はPurerawですね。
AIノイズ除去はノイズが残ってますが、写真自体に補正は掛かっておらず自然。
PureRAWはノイズがしっかり消えてますが、元の画像とは違うシャープな感じがやや不自然です。
高感度になってくると写真全体の好みで、AIノイズ除去かPureRAWか使い分けても良いのでしょう。
③
オリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROで天の川を撮影。
マイナーチェンジしたOM SYSTEMになったM.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO IIが現行モデル。
12mm(35mm換算24mm)で、F2.8、ISO3200、シャッタースピード25秒です。
暗い山の上で撮っているため光量的にかなり厳しく、F2.8なこともあって元画像はかなり暗め。
それでもISO3200やシャッタースピード25秒と限界ギリギリラインです。
やはり星撮りでもISO3200が上限に感じる高感度性能の低さがマイクロフォーサーズの弱点なのは間違いありません。
積極的に星を撮るならノイズ除去ソフトと単焦点レンズでブーストするのが一番ですね。
天の川の一番濃い部分に木星が輝いてます。
現像することで木星が少し大きくなります。
くっきり映したい天の川なのでPureRAWがとても良いです。
PureRAWはシャープさが増し、黒が引き締まって好みの仕上がりです。
ソフトフィルターを使わないような星空、天の川ならPureRAWが強いようですね。
逆にもわっとさせたい星空ならAIノイズ除去も有、という使い分けでしょう。
AIノイズ除去のピントが少しずれてる?と感じるもわっと感がPureRAWでは補正されています。
AIノイズ除去とPureRAWを比べると、ノイズ除去以外の補正がキモと言えそうです。
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Lightroom AIノイズ除去とDxO PureRAW3の総評
最後にノイズ除去ソフトを比較した総評。
Lightroom AIノイズ除去
- Lightroom使用者なら無料で使用可能
- 優秀なノイズ除去力
- ノイズ除去しかできない
- ノイズ除去に時間がかかる
AIノイズ除去はLightroom使用者なら無料で使えるのが最大の強みです。
ただでさえお金のかかるサブスクソフトなので追加で費用が掛からないのは大きなメリットです。
スマホで見たり、SNSでしか写真を使わないならLightroomのAIノイズ除去で必要十二分でしょう。
それでもマイクロフォーサーズの高感度性能を大きく補ってくれます。
記事中では触れませんでしたが、AIノイズ除去はPureRAWに比べて少し時間がかかります。パソコンの性能に依存しますが、数分程度は掛かります。
DxO PureRAW3
- 非常に優秀なノイズ除去力
- 非常にシャープに仕上がる
- 周辺歪曲や減光なども補正
- PureRAW3ならLightroom内で完結し使用可能
- 購入が必要(14,900円)
- アップデートで買い増しが必要(8,900円)
ソフト的な性能で言えば、間違いなくPureRAWが上。
ノイズ除去性能はAIノイズ除去よりも上で、シャープさや減光などの補正をしてくれるのも大きいです。
PureRAW3になってLightroom内で完結して使えるようになっているのも便利と、性能的には不満はありません。
ただ別途購入が必要なのが最大の欠点。
買い切りながら1→2→3とアップデートの度に自動アップデートはされず、購入より安いですがアップデート費用が必要で実質サブスクみたいなモノだったりします。
PureRAW3で完成された性能な気もしてますが、それでもアップデートされれば「PureRAW4最高!」とか言ってるのが人間です。
比べると少しでもシャープで質の高いを求めるならDxO PureRAW3を。
Lightroom使用者で適度なノイズ除去で良ければAIノイズ除去を、という住み分けです。
ノイズ除去ソフトを使うようになって高価なF2.8やF1.8レンズを買うよりノイズ除去ソフトを導入したほうが安く質の高い写真が撮れると感じています。
LUMIX G9PROのノイズ
パナソニックのフラグシップスチルカメラLUMIX G9PROで、F2.8以下のレンズでノイズ除去ソフトを使えば星空撮影は十分可能でしょう。
星空撮影で出るノイズの許容範囲なんて個人差が大きすぎて「各自で判断してねー」としか言えます。
それでも昨今のノイズ除去ソフトの性能を持ってすればF値1段以上のクオリティが上がりますし、マイクロフォーサーズ中最高クラスなノイズ耐性を持ったG9PROなら満足できない人も少ないはず。
この記事の写真を見てこれじゃダメだなと思うならフルサイズに行けばいいし、星空はこの程度で十分でマイクロフォーサーズマウントに星以外の魅力を見出してるなら不満はないでしょう。
RAWデータ
約452MBのZIPフォルダ
この記事で使った①②③の写真RAWデータをダウンロードできるようにしました。
・元RAW
・DxO PureRAW3 DeepPRIME XD
・Lightroom AIノイズ除去
3枚の写真で、上記の3種類を入れてるので9枚入ってます。
G9PROの高感度耐性やノイズ除去ソフトの性能確認の個人的利用の範囲内でお使いください。
まとめ
NikonのフルサイズミラーレスZ6に乗り換えてから登場したAIノイズ除去ソフトです。
乗り換え当時にPureRAWがあればZ6買ってなかっただろうなと思うほどです。
昨今のAI市場で写真も変わっていくことでしょう、と言えるほどに強力で優秀なソフト達でした。
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