こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
最近中華系ブランドやクラウドファンディングなどで見かけることが増えた“卓上薪ストーブ”というアイテム。
どれも似た形状やサイズの中に個性を持たせていますがシンプルなSoomloomが最安。
気にはなるけど在庫も無いし買わないなーって思ってましたが在庫が復活してたのでついポチっちゃいました。
今回は最近見かける卓上薪ストーブの使用感ってどうなの?→料理保温用の密閉型卓上焚き火台でした!というレビューをしていきます。
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見た目と中身
Soomloomの卓上薪ストーブ。
長らく在庫切れでしたが、最近在庫が安定してきました。
250缶と並べて。
本体サイズぴったりな収納ポーチで使い勝手が良い。
薪ストーブ本体・煙突・ゴトク・灰かき棒・収納ポーチがセット内容。
薪ストーブの中に煙突やゴトクが収納できます。
見た目は小ぶりで焚き火台ですが、かなり肉厚ステンレス材で重量感はずっしり(約2.3kg)。
よく言えばしっかり作られてる、悪く言えば重いです。
サイズは公式の画像がわかりやすいですね。
床面積は21×12.5cmでA4用紙の上に2個並べて置ける程度のサイズ感。
焚き火台にしても小さめで、B6君(21.5×12.2×16.5cm)に煙突を付けたようなサイズです。
正面の扉。
無骨というか、ワイルドなツマミと下には通気口も付いてます。
裏はこんな感じで、写真では上が引っかかり部分で締めて引っ掛ければ固定できる仕組み。
締めるとどこで引っかかるのか分からなくなるのがやや不便。
開閉するツマミに特徴を付けて外からわかるように改造したら使いやすくなりそうです。
内部。
下にロストルがあって空気が循環しやすくなってます。
一段挟むおかげでストーブの下が暖かくなりにくく、卓上に置きやすいのもこれが理由ですね。
手前底にも空気穴が外部と繋がって吸気できます。
わかりにくいんですが、奥には裏面とは違う壁が一枚あります。
ガラスを外して、内側奥を見た様子。
低い壁が一枚あり、下の穴と上から空気が入る仕組みです。
ロマンを感じてしまうガラスの側面。
かなり分厚い耐熱ガラスです。
写真からもわかるように、六角レンチで取り外しが可能でスス汚れした時など簡単にメンテナンスができます。
底面。左が扉です。
先ほど見た通り、左底は吸気口。
ガラス同様に足も六角レンチで取り外せます。
裏側と反対側面。
裏側にも吸気口が付いてます。
内部構造と燃焼を図解するとこんな感じ。
一般的な薪ストーブと同じように燃料投入口周辺から入る一次空気による一次燃焼がメインで行われます。
そして火は煙突のある上部へ上がる途中に、裏面の給気口から入る二次空気が温められて二次燃焼を起こします。
薪ストーブや燃焼に詳しくありませんがこんな感じでしょう。
同じ状態を写真で図解。
水色で囲った部分が奥の壁です。その上部から二次空気として入ってきます。
重量サイズ
重量 | 2350g |
素材 | 本体:ステレンス鋼 ガラス:微結晶耐熱ガラス |
収納サイズ (長×幅×高) |
38×12.5×16㎝ |
展開サイズ (長×幅×高) |
21×12.5×30㎝ |
扉サイズ | 10.5×7.5㎝ |
スペック。
本体は全面肉厚なステンレス。
微結晶耐熱ガラスはガラスを再熱処理することで微結晶体化したもの。
耐熱温度は700-850度で、赤外線透過率が高く、ヒートショック(急激な冷え)に強く、強度の高いガラスなんだそうです。
実測 | |
本体 | 2242g |
煙突 | 151g |
ロストル | 127g(63.5g×2) |
灰かき棒 | 40g |
収納ポーチ | 132g |
総重量 | 2692g |
パーツ単位で実測しました。
総重量2692gとカタログ値(2350g)よりも重め。2350gは本体重量のことでしょうかね。
灰かき棒は代用できるので削っても良さそう。
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使ってみて
実際に使って燃焼してみた感想。キャンプや日帰りで数回使ってみました。
展開
上にループがあるので持ちやすい。
ほとんど分解が出来ないので本体サイズそのままなのがネックですが、角型でおさまりやすい形。
25Lのバックパックにもすっぽり入って持ち歩けます。
片手で持てるサイズ感。見た目に反して重量感はそれなり。
配送時に煙突がぷちぷちで梱包されて本体に入ってました。
煙突をそのまま本体に入れると転がって傷つきそうですし、音も鳴るので捨てずに使うと便利です。
さらに煙突の中に着火材やライターなど仕込んでおくこともできました。
煙突はさせる方向が決まってて、丸まったほうが差し込み側。
ゴトクはクロスさせて乗せるだけと組み立ては一瞬です。
薪ストーブを出した後のポーチは小物をまとめておくのに便利。
灰が溜まりやすいので払っておかないと小物が灰まみれになるのは注意。
燃焼
拾った薪と着火材を投入。
着火材は手前過ぎても付きにくいので、少し奥に入れたほうが良かったです。
着火用の小枝多め+本燃焼用のちょっと太めの薪を入れたら着火。
薪は入れすぎも良くないですが、写真よりは多めに入れたほうが楽。
個人さありますが、太すぎる薪は使いにくかったので指でつかめる程度がメインにしやすいサイズでした。
入る薪は長さMAX15cm程度なので、薪割りが大変です。
市販の薪を使うにしても斧だけでなくノコギリが必要になるはず。
それでいて小さい薪をたくさん作らないといけないので大きな焚き火台よりもずっと手間です。
この程度の太さになると折るのも大変なので小さいノコギリが活躍してくれます。
おもちゃみたいな質感と刃ですが、ウッドストーブなら十分なアルスコーポレーション 花小町は持ち歩いて困らない47gという軽さがお気に入り。
もっと薪を切っていくなら高儀125mmを使ってます。
いざ着火。
拾った薪で乾燥していないためガラスにススがついていきます。しってた(笑)
着火にやや癖があり、焚き火台以上に着火がしにくい印象を受けました。
投入口が狭く上手に組めないのも一つの理由です。
着火用の細い薪多め+燃焼時間の長い着火剤を使うと容易になります。
ロゴスファイヤライターが相棒です。
燃焼の三原則は「燃料(薪)・酸素(空気)・温度(ストーブ内)」です。
着火後は空気を送りたい気持ちとストーブ内の温度を上げたいので、扉は半開け位が丁度良い気がします。
扉の取り付けは甘く全開になりやすいので枝を挟んでちょい開けを作ると空気量の調整がしやすくなります。がかなり空気穴が多いので最初以外は閉め切ってて放置でOK。
あとは定期的に薪を追加してあげましょう。
薪ストーブ形状で扉を閉めることで空気量が調整できるので、燃焼速度を抑えることができます。
おかげで燃焼力は低いですが燃焼持続性は高め。普通の焚き火台で使う薪量の半分以下で済みます。
しっかり燃焼してますがすでにススまみれでガラスから炎はほとんど見えませんね。
拾った薪を使う人には向いてませんわガラス薪ストーブ。
一度ススを洗い落として夜に使ったら、ススが多少ついていても日中よりもキレイに見えました。
それでも長くは続かず、2-3時間後にはススで真っ黒でした。
良く乾燥した薪が良さそうですね。
鍋を置けるのは煙突の上と、ストーブの天板上の2ヶ所。
沸騰させるような火力を求めるなら煙突の上です。
煙突上と言えど、常時高火力を維持することも出来ないので細い薪でブーストしないとお湯すら沸きませんでした。
ある程度燃焼させると煙突効果で煙突から炎が出てきて沸騰や調理がしやすくなります。
炎も出ない状態だと沸騰はしにくく保温程度の火力でした。
本体サイズが小さい、煙突が短い、(多分)煙突の位置的になんちゃって煙突効果な印象でした。
天板はもっと温度が低く、沸騰は難しいため保温専用です。
お湯や汁物は煙突上で調理→天板上で保温or煮込みという使い方が良さそう。
風に影響されにくいので風防も必要無く、ススもあまり飛び散らないのも卓上で使いやすいとこです。
温度
非接触の温度計で燃焼時の各部位を測ってみました。
よくわからないけどめっちゃ面白い。まるで鉄砲。みんなこの非接触温度計持っておいた方がいいですよ。人を測るのに使っちゃダメらしいです。
温度 | |
天板 | 80-150度 |
ガラス面 | 50-130度 |
薪ストーブ下の地面 | 10-20度 |
ざっくりこんな感じ。
天板は150度いけば高いほうで、燃焼が落ち着くと100度前後でした。
煙突の根元は天板よりも少し暖かい程度。
煙突側面は燃焼時は高温ですが、火が収まってると天板よりも低温。そのため煙突上は保温にも向きません。
底が二重になってることもあってストーブの下はほとんど熱が届きません。
“卓上”の製品名通り木のテーブルの上でも使い続けられます。ただ穴が空いてるので多少ススが落ちます。
足もほとんど加熱されないので燃焼中に素手で移動もできます。
けど危ないから移動はしないほうが良いです。もし移動するでも手袋履いて。
ガラスや本体ステンレスが肉厚なのでそれなりに蓄熱してくれます。
ただガンガン燃焼中に、ここまで手を近づけてやや暖かい程度の温度です。
つまりはこの卓上薪ストーブどれだけ燃やしても暖房効果はほぼゼロ。
普通の焚き火台はおろか、小さいウッドストーブのほうがはるかに暖房効果は高いです。
製品名に騙されて暖房効果を期待すると★1レビューをすることになります。と思ってるんだけどAmazonにその手のレビューが無くて驚いてます。
たぶん薪ストーブ内の温度が高く安定することが燃焼維持に繋がると思うんですが。
拾った薪だとやや燃焼維持が大変で、貰った備長炭を1本入れたら維持がしやすくなった気がします。
ただ炭は炎が出ないので薪に着火しにくく小さいのを1個だけ入れる程度にしておくのが良さそうでした。
使い方の循環
ぼく的使い方。
着火時:着火材+細い薪+中太薪→着火
煙突調理(高火力にしたい時):細い薪多めに入れて炎を出して調理
保温(放置プレイ時):中太薪2~3本+細い薪を入れ扉を閉める
調理するのか、保温するのかで燃焼させ方を変えてあげるのが適切です。
こう見ると使い方は焚き火台と同じで調理時は薪を入れて高火力に、基本は太めの薪で熾火を作って放置です。
焚き火台のように太く長い薪を使えないので、薪量が少なく熾火では調理に向きません。特に煙突上では。
そのため調理時は細い薪で火力を上げる薪ストーブとは・・・な使い方が便利だと思ってそうしてます。
片付け
放置でも上手に燃えてくれるので燃え残りは少なめ。
使い勝手は全く良くないんですが、付属の灰かき棒で灰を引っ張り出せます。
棒が使いにくいってよりは、ストーブ形状的に段差と穴で灰が落ちまくるんですよ。
灰入れはNakedLaboのAsh sack(SS)。以前使ってたSに穴が空いたのでSSにしましたが小さすぎたのでSが良いです。
結局最後はストーブを持って逆さまにして灰を出しました。棒じゃどうにもなりません。
それでいて消火後も本体がそれなりに熱いのですぐに手で持てないのは蓄熱性の高いメリットですが、すぐに帰りたいときはやや面倒。
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ガラスのスス落とし
ガラスのススを落とします。
六角ボルト4本で固定されています。
外枠+フレーム(L字×2)+ガラスが外れます。
ガビガビである。
長所全殺しな使い方でしたね。ススの出にくい乾燥した薪を使いましょう。
ちなみにガラスの肉厚は約3.8mmでした。
お湯と激落ち君で擦って半分程度は落ちましたが、頑固なススは落とせません。
クッカーなら金たわしで擦るんですが、傷つくのが嫌なので別の方法で落とします。
鍋にお湯を沸かし、重曹やクエン酸を入れたとこにガラスも入れて放置。
少し置いてから激落ち君で擦れば傷つかずにススを落とせます。ちょっと残ってますが、次もすぐにススが付くので十分でしょう。
ガラスを外して初めて気付きましたがオレンジっぽい色味なんですね。
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使い方のヒント
使って気付いた「こう使うのが良いだろう」というヒントをいくつか。
・市販の燃えやすい薪を使うべき
拾った薪ではススが出過ぎてガラスの意味がない。
火持ちの良さを活かすにも湿った薪では維持しにくいから。
・保温メインに考えるべき
薪ストーブの名前で売られているけど、暖房効果はゼロ。
調理もできるがあまり向かないため、保温メインに考えた用途を想定したい。保温が活きる料理に向く(鍋とかおでんとか)。
・炭を一つ入れると火力維持がしやすくなる
市販の薪なら違うかもしれないが、拾った薪なら小さい炭を一つ入れると高温度を維持しやすく、燃焼も維持しやすい。
卓上薪ストーブの真実
「卓上薪ストーブ」として類似品が日々出てきている今アツイであろうキャンプギアだと思います。
ただ使ってみて「相当癖の強いマニアックな製品で極一部の人にしか向かないでしょ」と言う感想。
第一に薪ストーブの名称で騙されますが、人間用の保温アイテムではないので冬用ではありません。
卓上という人に近い位置で使えるのに暖かくはないので、暑い夏でも使いやすい焚き火台です。
ただ各社卓上薪ストーブを調べると「人間が暖かくなる」と書いてる製品はほぼありませんでした。
が、Soomloomは寒い冬キャンプ場でも暖かく過ごせると書いちゃってますね。どうかと思う。
そして火力。
燃えやすい薪ならまだ高火力を維持しやすいのかもしれませんが、にしても火力維持しつつ調理をするのは結構大変。
お湯沸かすだけならウッドストーブで良いし、長く調理をするならピコグリル398程度の焚き火台やバーナーが便利。
得意な低温長時間火力で向くのは保温です。
何が言いたいかと言うと。
製品名が良くないという話で、ぼくが売り手なら「保温用耐風密閉型卓上薪ストーブ型焚き火台」で売るよって話です。
漢字いっぱいでわかりにくいですが分解すると
保温用:上に置いたクッカーを暖かすぎない温度で保温しやすい
耐風密閉型:六面が囲まれていて風の影響を受けにくい
卓上:底が二重で下に熱が届かないから木のテーブルの上でも使える
薪ストーブ型:形状が薪ストーブを模してる
焚き火台:焚き火台だろうこれは
という意味。
薪ストーブ型焚き火台です。
この認識が出来ると他のミニ焚き火台と同じように用途で向き不向きが見えやすくなるはず。
ただそれでもニッチな焚き火台です。
もしこんな人になら勧めれるを書くと
・焚き火台はすでに何個も持ってて使い分けれる
・焚き火が好き
・移動が車orバイクで軽量性は重要じゃない
・変わり種ギアが好き
みたいな人ですね。
ぼくも焚き火台を何個も持ってて、焚き火好きで、バックパックキャンプが多いけど多少重くても気にしないので向いてたなと思ってます。
実際使って楽しいですし、便利でも実用性もないけど面白いし、焚き火ってそういうモノだと思ってるから良い焚き火台だなと思ってます。
それでももし焚き火台を複数個揃えるならこの薪ストーブ型焚き火台を買うのは5個6個目くらいかなと思うレベルの優先順位。
その位持ってる人なら買って楽しめるし面白いと思います。使用頻度はきっと多くないけどね。
という製品だと思います。
延長煙突
使っていても思いましたが、煙突が短すぎて意味がない。
Soomloomが作る薪ストーブはΦ63mmとΦ60mmの煙突ですが、MECAはなぜかΦ76mmで適合せず。
そのため異径煙突を改造して付けてる人もいます。
既製品でフィットするのがワークタフギアのΦ76mm煙突のようです。
類似品
Soomloom同等の安さで、ワンサイズ小さくそれだけ軽量。
100均レベルな底プレート付き。
付属品多め、扉がした開きで可愛い、Soomloomよりちょっと小さくて、煙突短め、特に天板がせまめで軽く約1900g。
ヨーラーの新作、ガラスに鹿がいて可愛い、パーツはSoomloomと同じっぽい、サイズは上と同程度ながらさらに軽い1700g。
Soomloomの薪ストーブ
現在6種類。
卓上用2種と地上用4種というラインナップ。
卓上2種はサイズ違いで煙突が短くそのままでは幕内使用できません。TOPONは変換アダプター有無で高くなります。
地上で使う4種は超軽量WintourUL、組立タイプのIdeal、両面ガラスで大きいDECO。ペレット併用可能なサイズ煙突ともに大型KK-STOVEアップグレード版。
1つの薪ストーブでも煙突径が混ざる物が多くやっかいなとこ。
薪ストーブ関連のオプションも色々出ています。
まとめ
誤解しないで欲しいんですが、名前と売り文句に少し不満があるだけで製品が悪いと言ってるわけではありません。
焚き火台としてはすごい面白くて、色んな使い方を考えてしまいます。
暖房にはオススメしませんが、ネタ焚き火台としてはオススメですよ!
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