こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
新しい遊び方を知るとがっつり遊びたい性分です。
始めたばかりの初心者が短期間に遊びこむことで一気に知識、経験、技術が身に付き、まるでゲームのような目に見えたレベルアップを感じるのが癖になってるのかもしれません。
先月購入したばかりのパックラフトですが、自分でも驚くほどハマってしまいました。
今回は約1ヶ月間で15回位出艇したグリフォンラフト ストレウスをレビューしていきます。
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グリフォンラフト ストレウス
元気商會が設計開発を行う国産パックラフトブランドのグリフォンラフト。
オープンデッキタイプながらホワイトウォーターにも対応した幅広く使えるモデルです。
現役探検家の店主が開発しただけあって、使うほどに細部の使い勝手の良さに感動します。
以前書いた記事はレビューではなく、「パックラフトを買ったぞいいぞぉ」みたいな内容でした。
もう少し踏み込んだ実際に使いこんだうえでの気付いたポイントと使用感を書いていきます。
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ストレウスの良いところ
まずは良いところから。
ロッカー形状で波に強い
パックラフトには静水用と流水用があります。
オープンデッキや簡易スプレーデッキには静水用が多く、セルフベイラーやスプレーデッキは流水用が多い傾向があります。
その4種類で選ばれがちですが、意外と重要なのがロッカーの存在。
ロッカーとは船首の反り上がり部分のことで、ロッカーが入ってるや付いてるという言い方をします。
ロッカーが付いてると波を受け流しやすくなる役割があります。
そのためロッカーが付いてる=流水用であり、ロッカーが付いてるのはセルフベイラーやスプレーデッキタイプがほとんどです。
購入前にホワイトウォーターや流水と言われるような厳しいとこに行くつもりはないんだけど・・・と思ってても買えばそれなりに川下りは行くことになるわけです。
でも「少しでも安くできればシンプルなパックラフトが欲しい」というのが初心者の本音。
そんなときに安いオープンデッキだけどロッカーが付いててホワイトウォーターも対応できるストレウスはまさに初心者向きだと思うんですよね。
実際この程度の瀬や
この程度の瀬なら難なく突破できますし、ロッカーがあるからか艇内への浸水も少なくちょっとやそっとの瀬じゃひっくり返して水抜きをする必要はありません。
ぼくが経験したことのないような激流の川下りになってくるとセルフベイラーに軍配が上がるのでしょうけど、そんなストレウスでは物足りない川下りをするならパックラフトじゃなくて一体型のホワイトウォーターカヤックを買ったほうがいいのでは?と思うほどです。
スケグで直進安定性アップ
そんなホワイトウォーターに強いロッカーが入ってる欠点は直進性が落ちることです。
水に接する面積が少なくなって回転しやすくなっちゃいます。
でも大丈夫。ストレウスには静水で乗る時のためにスケグ(フィン)が付属しているからです。
SUPなどでは必須なスケグですが、パックラフトで付いてるのはストレウスとMRS位。
こんな小さなものを付けただけで変わるのかと思ってましたが、付ければパックラフト初乗りの初心者でも体感でわかる変化があります。
個人的には直進性が上がるってよりは、回転しにくくなると感じます。結果、直進性の向上につながっているのでしょう。
具体的にはパドルで漕いだときに左右への傾きが激減します。
弱い流れがあるとこで放っておいた時にもあまり回転がしなくなります。
逆に言えば小回りが必要な川下りでは無いほうが操作しやすいスケグ。湖や海で使う時には必ずつけてます。
ステンレスDリングのグラブループが20個付き
艇の周囲に付いたロープや荷物を付ける時に使えるグラブループ。
多くのパックラフトではナイロンバンドのグラブループが採用されていますが、探検家が考えたストレウスには強度の高いステンレス製Dリングのグラブループが付けられています。
他ブランドでは外側に8個(多くて10個)が一般的ですが、外側12個(前8・後4)、内側8個で計20個も付いてます。
前方8個あると道具の外付け位置を調整することもできますし、改造パーツを作る時にも重宝します。
ナイロンに比べカラビナを付けやすく、タイタンストラップも入るけど金属部は抜けない絶妙なサイズのDリングでめちゃくちゃ便利。
ただし、Dリングだから高負荷を掛けれるのと、艇が高負荷に耐えられるのは別なので過信は注意が必要です。ナイロンなら先にベルトが切れるかもしれませんが、ステンDリングでは艇が引きちぎられる可能性があるからです。
バイクラフティングもしやすい2気室モデル
自転車を乗せて川下りをするバイクラフティング。
適切に取り付ければ当たることはありませんが、スプロケットなどの尖った穴の開く危険のあるパーツが多いので必要以上に心配になってしまいます。
陸から離れた場所で穴が開くと実際どうなるのかなんて想像もしたくないです。
ストレウスはパックラフトの中でも珍しく前後で2気室になっています。
船首と船尾の2箇所から空気を入れる構造で中で気室も分かれているため、最悪穴が開いても片方の空気は抜けずに浮き輪のような役割を果たしてくれます。
沈まないだけで絶望的な状態に変わりありませんが、その後の安全度は格段に上がるでしょう。バイクラフティング中ならなおさら。
広くて安定性が高く釣りもできる
全長240cm×幅93cmとやや広めのサイズ。
内側も広く内長122cm×幅39cmあります。
足を延ばしても先端に尽きませんし、足元に荷物を置く余裕もできます。
川下りなら少し広すぎるくらいですが、その分安定性は高く、荷物を積んだり釣りをするなら快適です。
パックラフトで釣りはバイクラフティング以上に気を付けなければ行けませんがそこでも2気室の安心感があります。
バウバックはめちゃくちゃ便利
艇ではありませんが、グリフォンラフトと一緒に元気商會が販売しているオリジナルバウ(船首)バッグ。
アルパカラフト、MRS、フロンティアと有名パックラフトブランドは出してるバッグですが非常に便利なので代替品が無いなら買っておくと活躍します。
止水ジッパーはやや硬く完全防水ではありませんが、水没してもすぐに浸水することも無いので必要十二分。かなり大きく小物からビルジポンプ(長さ53cm)程度のモノまで入れることができるサイズがあります。
他ブランドは防水ジッパー(TIZIP)を使ってるため2万円近いモノが多いですが、完全防水の必要性は感じないので安く防水性が低いほうがありがたいです。
ナイロンベルト4ヶ所に通して取り付けるのがやや手間ですが、付けたまま収納することもできるため基本的につけっぱなしで問題ありません。
2~3時間程度の川下りならバウバッグのみで事足りるため防水バッグがごちゃつかないのも良い所です。
各社値段がややお高めですがそれでも購入をおすすめしたいアイテムです。
拡張性
新しく登場したストレウス専用着脱式デッキ。
川下りでは水の侵入を防ぎ、寒い時期は防寒になるオプションです。
簡易スプレーデッキのパックラフトはあっても後付けデッキは他に知りません。
用途の広さが売りのパックラフトで、その中でも特に幅広い遊びに適応したストレウスらしい商品です。すっごいほしい。
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ストレウスの気になるところ
ちょっと微妙なとこ。
中央のテープに爪がひっかかる
これはぼくのパドリングがヘタなのか、身長や手の長さとかの相性が悪いのかわからないもしかすると僕以外困ってないかもしれない不満点。
この中央横のテープ部に爪が引っかかって何度か血を見るトラブルが起こってます。
爪を短く切ってても起こるのでぶつからないように意識しながらパドリングして避けてますが、慌てたときや激漕ぎするときなどにはついつい引っかかってしまいます。
テープ位置が悪いのか、なんなのかわかりませんが不満度は高いです。
-追記-
テープが中央に来るのは二気質の弊害のようで、他ブランドパックラフトにはほぼ存在しません。
写真では赤い元気商会ラルガが二気質です。
また複数ブランドのパックラフトに乗って気付きましたが、元気商会とフロンティアのパックラフトはテープが分厚く爪が引っかかりやすいです。フロンティアは爪のかかる位置にテープはありませんが。
MRSやアルパカラフトはテープが細く薄いため爪が引っかかりにくいです。
対策としては、グローブを付けるのが一番手軽で確実です。
グローブが嫌なら引っかかりやすい指に絆創膏やテーピングを張るのもアリです。
短時間しか乗らないなら意識的にテープを下げるように漕いだり、やや前傾or後傾ポジションで座れば爪が引っかかりにくくなります。
2気室は準備と片付けが手間
一見あれば嬉しいメリットしかないように見える2気室構造ですが使ってみるとまあ割と手間に感じることも多い。
まずは膨らませて準備をするときに2ヶ所から空気を入れなければいけないこと。
FLEXTAILGEARを良い感じにバルブに付けて放置プレイで膨らませてるんですが、2ヶ所から入れなきゃいけないので付け替えがとても面倒です。
そして撤収時も2ヶ所から抜かなきゃいけないので空気を抜ききって上手に畳むのがちょっと大変。結果雑に畳むことが増えます。
電動ポンプに軽量小型のTINYはオススメしません。入れる速度が遅いからです。
いまはMAX PUMP 2 PROを使ってます。パックラフトに使うなら他のモデルでも空気量300L/分のやつがおすすめ。
シートバルブが本体と近い
インフレータブルシートのバルブ位置が本体と背もたれの近くにあって。
本体をパンパンに膨らませてからシートを口で膨らますときに頭が当たってしまって、膨らませにくいです。
シート→本体の順で膨らませばいいんですが、つい本体を先に膨らますとちょっと面倒なことになります。
幅広でパドリングしにくい
色んなパックラフトを乗り比べた中でストレウスは断トツで漕ぎにくいモデルでした。
広すぎるほどの横幅、爪が引っかかるテープを気にする、おそらくチューブ径の太さの3点が影響して漕ぐ快適さが少ないです。
慣れればあまり気になりませんが、他と乗り比べればかなり漕ぎにくかったことに気付きます。
Anfibioのパドルは微妙
元気商會の扱うパドルはパックラフト専門パドルを作るAnfibio(アンフィビオ)のモノ。
ぼくはパックラフトと一緒にVertex ツアー(210-225cm/4P/890g)を購入しました。
他のパドルを知らなかったので値段での性能とか使い勝手もわかりませんが、購入早々にパドルに付いてるキャップ?みたいのが2つともロスト。全く固定されてないようなものでした。
たぶん無くても問題無いモノですが気持ちの良い事ではありませんね。
やや径が細く手で持つと滑りやすくて手が疲れやすい気がするのもBAD。
あとから買ったブルーナイルギアのカーボン/グラスパドル(195-205cm(現行200-210cm)/4P/810g)と比べるとがたつきがかなり気になることに気付きました。
店頭で触った1万円前後のパドルと同程度にがたついてて、気になってしまいます。
ブルーナイルギアカーボングラスパドルは万能ですが、どちらかというとホワイトウォーターのような川下り向きでやや高額です。
静水ならAnfibio Vertexツアー(210-225cm)が頑張らず漕げて楽です。890gの軽く多くの人にマッチするはず。スペックは良いけど実用感はまあまあという話。
210cm前後の安めな4Pパドルを買うくらいなら断然Vertex ツアーをおすすめします。
瀬の多い川下りが多めでオープンデッキではなくセルフベイラーやスプレーデッキ艇ならブルーナイルギアのカーボン/グラスパドル(200-210cm/890g)が万能でオススメ。
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ストレウスはパックラフトデビューにおすすめの万能艇
ストレウスはパックラフト初心者が選びやすい乗艇スペースの広いオープンデッキタイプながら、静水から流水までオールマイティに対応できる万能艇です。
それはスケグが付いてるからであり、ロッカーが入ってるからです。
逆に言えばとても中途半端な艇とも言えます。
幅広で誰でも乗れる安定性、瀬のある川下りでも、静水でも、釣りでも、バイクラフティングでも、山に担ぎ上げることもできますが、どれにも特化していません。
それでいて漕ぎにくい、爪が引っかかる、二気質の手間など他にない欠点もあります。
どんな用途にも使えるけど、用途が明確なら快適とは言い難いのです。
とは言ってもパックラフト自体、人力艇の中では性能的にも用途的にも中途半端ですし、幅広く使える万能なパックラフトという認識が正しい気がします。
さらに言うならややアドベンチャーよりである用途で、ライトなレクリエーションならもっと快適なモデルが出てくるのかなと感じてます。
逆に用途のわからない初心者が選ぶ初めての1艇においては間違いのないパックラフトと言えます。
自分で選んでおいて言うのもあれですが、初めての一艇としてベストバイだったなと思ってます。
まとめ
15回程度出艇したと言っても1ヶ月程度しか使ってなくて、もっと使いこんでからレビューしたかったのです。
がちょっとストレウスの使用頻度が減りそうな理由が出来たので熱が入ってるうちに書くことにしました。
にしても色んな体験を共にするであろう長い付き合いになりそうな舟です。
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コメント
つい最近ストレウスを購入した者です。
おっしゃる通り自分も中央のテープに爪が引っ掛かります。
自分の漕ぎ方が悪いのかとネットで調べていたらこちらにたどり着きました。
ブログ主さんはその後、何かしらの対策をして改善されたのでしょうか?
あきたいぬ様
コメントありがとうございます。ぜつえんです。
ストレウス購入おめでとうございます。
グローブを付けて漕ぐのが一番楽な対策でした。
付けたくない時は絆創膏やテーピングを張って対策をしています(ぼくは薬指)。
短時間乗る時や湖のような頑張らない場所では意識的にテープを避けて漕ぐようにすることもあります。
参考になれば幸いです。