こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
本記事はEcoFlow様からの貸し出し品でのレビューです。
いくつかの製品を使ってきて使用感や選ぶべきポイントなどがわかってきたポータブル電源。
ずっと使ってみたかったのが高出力ができるポータブル電源です。
具体的には、レンジやIHなどの熱を発する家電が使える1000w以上の出力ができるモデル。
そんな点で都合が良かったのでお借りしてキャンプや車中泊で遊んできました。
今回は電子レンジも使えてしまう高出力ポータブル電源のEcoFlow DELTA miniをレビューしていきます。
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EcoFlow(エコフロー)
2017年に設立したEcoFlow Technology社。
元DJI社員など4人によって設立し成長してきました。
2019年にEcoFlow Japanも設立し、今では700人の従業員が携わっているようです。
ぼくが思ってるポータブル電源の選び方の大前提が「出来るだけ信頼できる大手ブランドの中から選ぶ」なのでそういう意味ではエコフローはかなり信頼性の高いブランドと言えるでしょう。
製品保証期間はポータブル電源で24ヶ月と長く安心感があります。
EcoFlowのポータブル電源
そんなエコフローのポータブル電源には用途の違いで2種類のラインナップがあります。
RIVERシリーズとDELTAシリーズです。
・RIVERシリーズ
持ち運びやすいサイズと重量ながら大容量バッテリー搭載のポータブル電源
・DELTAシリーズ
高出力対応でさらに大容量バッテリーを搭載した家電を使うのに向くポータブル電源
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DELTA mini
今回お借りしたのは高出力対応なDELTAシリーズの中でも最軽量コンパクトなDELTA mini(デルタミニ)。
DELTAシリーズの中では一番容量も少ないモデルですが一般的なポータブル電源の中では大容量に属するモデルです。
スペック
EcoFlow/DELTA mini | |
定格出力 | 1400W |
瞬間出力 | 2100W |
容量 | 882Wh |
値段 | ¥115,500 |
重量 | 約11kg(実測10.75kg) |
寸法 | 37.8×18.4×24㎝ |
出力 | |
ACポート | 5口 純正弦波1400W(瞬間2100W) |
X-Boost機能 | 1800W |
USB-A | 2口(各12W) |
USB-A(急速充電) | 1口(18W) |
USB-C | 1口(100W) |
シガーソケット | 1口(126W) |
DC | 2口 |
入力 | |
X-Stream | 最大900W |
ソーラー充電 | 最大300W |
シガーソケット | 96W |
バッテリー | |
セル種類 | 三元素リチウムイオン |
サイクル寿命 | 800サイクルで80%容量 |
最大出力1400Wあると電子レンジでもドライヤーでもコーヒーメーカーでもIHでも使えてしまいます。
バッテリーの種類は三元素リチウムイオン。
ニッケル、マンガン、コバルト(三元素)を使ったバッテリーで発熱力が少なく安全性に優れています。
ポータブル電源や車載サブバッテリーとしても使われるリン酸鉄に比べ、エネルギー密度が高いのが特徴で高速充電がしやすいですが、サイクル寿命はやや短め。(リン酸鉄2000~4000サイクル)
詳しくないですが高速充電かサイクル寿命かといった用途での適材適所があるのでしょう。
付属品
ミニという名前とはアンマッチな大型ポータブル電源です。あくまでデルタの中でのミニ。
万人受けしそうなシンプルなデザイン。
写真を見直して気付きましたがマットな質感のブラックで少し指紋が気になりますね。
付属品はケーブルがいくつか入ってますが常用するのはAC充電ケーブル位です。
シガーソケットとソーラーパネル用の充電ケーブルも付いてくるのでマルチに充電ができます。
・本体(DELTA mini)
・AC充電ケーブル
・シガーソケット充電ケーブル
・ソーラーパネル充電ケーブル
・DCtoDCケーブル
・ユーザーマニュアル・保証書
見た目
正面。
液晶画面、アプリ接続(IOT)ボタン、電源ボタン、USB-A×3とUSB-Cがあるだけのシンプルな見た目。
裏面。
AC、DC、シガーソケット口が配置されています。
上部カバーで守られた部分には充電ケーブルの差し口が隠されています。
側面。
製品名と上にはファンが付いてます。
充電や出力時に鳴るファンの音は結構大きめ。
逆側面。
小さく製品名とこちらにもファン。
上部。
中央に謎の斜め線が入ってるんですがこれはデザインじゃなくて、何か問題が起こってる気がするんですがどうなんでしょう。
そんな上面はすり鉢状に凹んでてモノを乗せやすくなってます。コップとかお皿とかスマホとかですね。車内積み込みでも重ねやすいです。
頑丈な持ち手があり、両手で持ち運ぶのに適してます。
11kgとかなり重たくて片手で持つのは大変なので有難い持ち手です。
それでも女性や子供だと結構大変な重さです。
底面にはスペックラベル。
滑り止めのゴムシートが付いてるので車内に積んだときやテーブルに置いたときに安定してくれます。
BLUEETI EB55と比べると一回り大きいサイズ感。高さがあると大きく見えます。
左から100ahリン酸鉄リチウムイオンバッテリー、デルタミニ、BLUEETI EB55です。
背が高めでスリムですが持ち手の分だけ幅が広くなってます。ギチギチの車内に積むときには持ち手が邪魔になりやすいのが欠点ですね。
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特徴
EcoFlowのポータブル電源の特徴。
高出力
エコフローのDELTAにするか、RIVERにするかの最大の違いが出力です。
RIVERシリーズは定格出力600W程度ですが、DELTAシリーズは1400W以上の出力ができます。
もちろん高出力できるに越したことはありませんが、内蔵インバーターが変わってくるため値段も大きく変わります。
デルタミニの1400Wがあれば自宅で使う家電で使えないモノはほぼ無いレベルでしょう。
X-Boost機能
さらにX-Boost機能は家電を動かすのに必要な消費電力を抑えることで定格1800Wまでの家電を動かすことが可能な機能が付いています。
その分家電のパワーは落ちるのかもしれませんが出力で困ることはまずありません。
1800Wあると出力を調整すれば電子レンジとドライヤーを同時使える程度ですから。
高速充電(X-Stream)
デルタミニはエコフローが独自に開発したX-Stream充電テクノロジーにより高速充電ができます。
三元素リチウムイオンを使っているのも関係してるんでしょうかね。
液晶の無い裏面のカバーをあけると左からソーラー+DC充電・急速低速切り替え・AC充電・リセットボタンが付いています。
カバーの中にあるスイッチで高速・低速を切り替えでき、高速充電では最大900Wで882Whのバッテリーを1.6時間で満充電することが可能です。
充電し忘れてしまったキャンプの朝や、車での旅行中に立ち寄った場所でも短時間で充電が完了するメリットがあります。
ただし高速充電はバッテリー寿命を短くすると言われているため、必要のないときは低速充電をするのが良いでしょう。
アプリ
デルタミニはスマホアプリで制御することもできます。
・Google Play→EcoFlowアプリ
・App store→EcoFlowアプリ
BluetoothかWi-Fiで本体とスマホを接続できます。
使い方は簡単で本体の電源上のIOTボタンを押して接続→使ってるポータブル電源を選択するだけ。
接続すると残量や入力出力のW数などの使用状況を細かく見ることができます。
USBケーブルのそれぞれの口毎の出力がわかるのは驚きでした。
設定から名前を付けて出力量を制限したり待機時間を調整することもできます。
正直ハイテク過ぎて驚いてしまいますね。
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実際に使ってみて
キャンプや車中泊をしながらポータブル電源を使ってきました。
電子レンジでマフィン
これがしたくて借りたと言っても過言ではないというか、これがしたくて借りました。
自宅で使ってるシャープの電子レンジ「RE-SS10X(31L)」。
珍しくもない普通のレンジですが定格1400Wの消費電力で使えるかギリギリ。
家電は付けた瞬間など定格出力以上が必要でポータブル電源殺しだからです。
心配しつつ使ってみたところ、最大1500W程度まで行きましたが問題無く動いてくれました。
たぶんX-Boostが働いてるんだろうって思ってます。
それにしても液晶が見やすいのが素晴らしい。
BLUEETI EB55ではできなかった1%単位での残量表記はもちろん、今の消費電力であと何時間何分使えるかの表記はかなり助かります。数字が大きいのも見やすくて良い所。
ちょうど2月13-14日でのバレンタインキャンプだったのでチョコ菓子を焼くことにしました。
現地で混ぜる必要のないレシピを考えてきたのでホットケーキミックスを使った簡単チョコマフィンを焼きます。中に板チョコを入れる嬉しい豪華仕様です。
レシピ的には180度に加熱したオーブンで15分程度。
ですが余熱する時間がもったいないので最初から入れて180度で25分焼きます。
キャンプで、しかも雪上の冬キャンプで電子レンジを使うなんて初めてでちゃんと焼けるか心配でついつい覗いてしまいます。
でもまあそんな心配も必要無いのが文明の利器ってやつだ。
25分では少し加熱不足だったので数分追加で焼いてチョコマフィンの出来上がりです。
ほんとは冷やしたほうがしっとりするんですが、我慢できずにアツアツのまま美味しく頂きました!
2人で4個作ったので1個づつ食べて残りは冷まして夜に食べることに。
ちなみに満充電からオーブンで180度30分弱使って残り25%くらいまで使いきりました。レンジを常用するのは中々ハードなのがわかりますね。
電子レンジでクッキーとボルシチ
マフィンを焼いた後にBLUETTI EB55と車載サブバッテリーを使って充電し直して夜に備えます。
冬は使いにくいですが、夏ならソーラーパネルで充電するのも実用的です。
続いて、晩御飯のボルシチをチタンカップに入れてパイシートで蓋をしたパイ包みとクッキーを焼きます。
パイは190度20分位、クッキーは180度15分位なので少し加熱時間が違います。
なので190度30分でやって途中でクッキーを抜いてパイを焼き続ける作戦で行くことに。
外から覗いて焼け具合を確認。
パイが膨らんできてワクワクしてしまいます。
まずはクッキーを取り出し。しっかりとサクサクに焼けてます。
ちなみにこれ、自宅で仕込んできてキャンプ場でカットしただけのお手軽クッキー。
自分の女子力の高さに震えが止まりません。
ボルシチも良い感じのパイ包みになってくれました。
サクサクのパイを割れば中は暖かいボルシチです。冬キャンサイコーだぜえ!
コーヒーメーカー
車で長時間の運転で疲れた時にサッとコーヒーが飲みたくてコンビニに入ることありますよね。
それも高出力ポータブル電源とコーヒーメーカーがあればコンビニに寄る必要が無くなります。
車中泊の朝や出勤の時など車でコーヒーを抽出できる便利さは想像以上ですよ。
実際使える時間
定格1400Wの家電を使ったときなど、使用できる時間をざっくり計算できます。
大体AC出力の変換率が80~90%と言われているため実際に使えるのはその程度です。
容量882Whのデルタミニで1400Wの電子レンジを使うことを考えて変換率85%で計算すると。
約32分(0.53時間)使えることがわかります。
ただし家電の出力も一定ではなく、実際には電子レンジを40分ちょっと使うことができました。
しかし満充電でも電子レンジやIH、ドライヤーといった1000W越えの家電は1時間も使えないわけです。
高出力は魅力ですが、高出力になるほど使用時間は短くなっていくので使い方は考えないといけません。
特に余熱の必要なオーブンは向いてないなと思いました。冷凍食品をレンジで温めるような使い方のほうが良さそうですね。
ここが気になる
気になるポイント。
液晶が前後の配置
個人的に一番微妙だなと思ったのが液晶画面とAC入力や充電刺し口が前後逆の面に配置されてること。
使う時には電源を付ける→AC側電源を使える、という手順で使うため片面で完結できませんし中々に不便。
特に狭い車内で使う時に不便に感じました。バックドアにポータブル電源を置いて作業する際にACを刺したりボタンを押したりという動作が非常にしにくいからです。
背面に線を差しつつ前面も見えるようにするしかなく、車内での配置も難しいのも欠点。実用的には延長コードを使うのが良さそうです。
それに何を使うにも液晶画面は見たいわけですよ。
せめて液晶面にAC口を1つは付けて欲しかったと思う形状でした。
USB口が少ない
USB-AとCを合わせて前面4口のみです。
高出力で家電を意識したポータブル電源を意識してるのはわかりますがちょっと少ないなと思ってしまうシーンがあります。
ただAC口にUSB充電機を差し込めば完結する話なので書くほど不満は無かったりします。
が、なら前面に1つはAC口が欲しかった。デルタミニへの不満はそれに尽きます。
Wi-Fi接続中にネットワークに接続できない
便利なアプリですが、Wi-Fiで接続してる間はネットワークに接続できません。
そう考えると一気にアプリの常用はしなくなって設定をする程度になってしまいました。
屋外使用の対策はされてない
多くのポータブル電源がそうですが、防水や防塵と言ったアウトドア仕様にはなっていません。
使い方次第ですがアウトドアを想定するならもっと環境への耐久力を上げたらいいのにと思ってしまいます。
DELTA miniはこんな人におすすめ
DELTA miniがおすすめなのは、高出力が出来るけど、容量はほどほどで良くてサイズは少しでも小さいほうがいい人。
というややマニアックな層です。
高出力なポータブル電源をタフに使っていくならより長い時間を使えるEFDELTAやDELTA 1000が便利です。容量が多いですからね。
それに比べDELTAは少し小さく持ち運びやすいことです。
逆に高出力が必要無いならRIVERシリーズのほうが相性が良いでしょう。
そのためDELTA miniは高出力が欲しいけど、少しでも小さいポータブル電源が欲しい人におすすめです。
まとめ
ポータブル電源自体がアウトドアに革命を起こしてますが、高出力なポータブル電源はさらに別次元ですね。
“便利になる道具”ではなく“遊び方が変わる道具”といっても差し支えありません。
加熱家電を使えてしまうと焚き火もバーナーも必要無いキャンプが現実味を帯びてくるからです。
そんなキャンプが楽しいかどうかは別として、それが出来るようになるのは幅が広がりますし、客層も広がります。ぶっちゃけ車中泊で言えばぼくは火器を使わない車中泊がしたいと思ってます。
ソーラーパネルと合わせて高出力ポータブル電源があれば実現しそうで妄想が広がってしまいます。
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