こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
“テン泊”をしたことはありますか?
登山ではテント泊をテン泊と、キャンプ場をテン場(テント場)と言います。
夏になると人気のテン場はすっごい混雑します。
似たような色のテントしかなくなって、自分のテントがどれかもわからなくなります。
と思いきや、何故かわかっちゃうんですよね。
ふと、SNSで見かけるテン場の混雑した写真でも、色や形だけで大体どのブランドの、どのテントかわかってしまうことに気付きました。
今回は山のテン場で見かける山岳テントが色で分かってしまうの面白いよねっていうオチの無い話です。
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山のテン場
北アルプスの入り口である涸沢(からさわ)のテン場は紅葉のハイシーズンには500張りだか、1000張りを記録したこともあるのだという。
下界の生活では考えられないような鮮やかな原色カラーのソロテントが隙間なく敷き詰められる写真に憧れを感じてしまうのは僕だけじゃないだろう。
平日アウトドアマンのぼくにはあまり関係の無い話だが、土日祝やお盆などには山のテン場も人が溢れ返る。事実、本当にあふれる。
ツイッターで見かけた北アルプスの写真では「え、そこもテン場だったの?」と思うような小屋周りや登山道近くまでテントが広がってることもある。
3密、ソーシャルディスタンスという言葉が流行ってるこのご時世でも普通にギチギチになってるんだからほんと、すげえなって思う。
で、ツイッターで流れてくるテン場の写真を見てて思ったわけだ。
「ロゴも見えない遠目なのに色と形だけでテントの種類わかってしまうぞ、ワイ!」ってね。
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テントカラーイメージ
ぼくに関わらず、夏山でテント泊登山をする人や、テント好きなら同じ「色からテントを判断する能力」があるのではと思います。
それだけ似たテントを使う人が多くて、それだけ定番のテントが決まってるという理由でもあります。
同系列のカラーのテントでわからなそうで、わかってしまう図を作ってみました。
イエロー系
数年前のテン場で最も多かったイエロー系、黄色とオレンジカラーのテント。
国産山岳テントの4社が揃いもそろって採用しているカラーです。
自然の中でも目立つ色で、遭難などを想定した際に都合がいいのでしょう。
10-20Dほどしかない薄いフライシートに太陽光を遮る力はなく、室内をフライ色に染めてしまうのを色被りと言います。イエロー系は色被りも少なく万人向きな色味でもあります。
欠点は、テン場に黄色いテントが多すぎて冗談抜きで自分のテントが分からなくなること。そして虫が寄りやすいこと。
今のモンベル ステラリッジは4色(黄・緑・青・白)のフライから選択できます。
買い替えの少ない高額な山岳テントで、旧モデルのイエローステラリッジを使ってる人もまだまだ多いのでしょう。
山で最も使用者の多いであろうステラリッジなだけに、フライシートを変えたことでテン場の風景すら変わってしまいました。
他にない販売方法でもあり、最大手モンベル以外では真似できない試みで唯一無二の強さです。
少し古いプロモンテVLシリーズの〇5番台が黄色でした。
ぼくが200泊以上使い続けてきてるVL25のことです。
左手前のステラリッジよりも薄い黄色で遠目でも区別ができます。が、そう思ってるのはVL25使用者だけなのかもしれませんね。
後継モデルのVL〇6,VL〇7系は水色に変わり、マイナーチェンジでVL〇7系がグリーンとオレンジになりました。段々と見かけることが減ってくるイエローVL。
垢ぬけない切り返しの2色なファイントラック カミナドーム。
後ろから見るとオレンジ一色です。
後出ゆえに堅牢性、軽量性、素材、冬への応用まで他の国産ブランドよりも一段上な国産山岳テントと言えます。
値段が高いこと、裁縫クオリティの評判の悪さが欠点ですが、現状オールシーズンダブルウォールテントを選ぶなら最も万人向けモデルと言えます。
特に冬山もがっつり宿泊しながら登っていきたいような人で、テントを複数持ちしないならベストバイでしょう。
2021年に新色グリーンが登場。
大きなモデルチェンジも無いのに使用者が居続ける定番アライテント エアライズ。
グリーンとオレンジの2色です。限定カラーのピンクなんかもありますがレア種。
太陽が当たる日中はオレンジが黄色に近い色に見えて、見慣れてない人にはステラリッジと区別がつかないことでしょう。
今となっては特段軽いわけでも、優れた構造でもありませんが、明確に強く、日本の4シーズン山岳使用に耐えうる完成されたテントだったということでしょう。
エアライズはポールから用途が見えてきます。
モンベルやファイントラックはスタンダードなDAC NSLΦ8.5mm、プロモンテはNSLΦ8.5mm→NFLΦ9.3mmに強度を下げて軽量性を取りました。
そんな中、エアライズはDAC NSLΦ9.0mm。
爆風の3000m級夏山稜線~厳冬期を明確に意識してるんだよなーという質実剛健さに感動を覚えます。誤解を恐れずに言うならUL全盛期に時代錯誤感すらあります。それがアライだ。
個人的には公式サイトの写真とかもっと増やせばいいのに、と思ってしまいます。
2023年に軽量自立ダブルウォールSLドームが登場。
新しいテントでは、ノースフェイスのマウンテンショットが気になっています。
細部まで作り込まれたとても魅力的な山岳テントです。
グリーン系
数年前までは黄色が最も多い印象で、緑のテント=エスパースだったのはすでに過去。
ここ数年確実に増えてるのがグリーン系のテント。
グリーンといっても、色味や色の濃さが違うので遠目でわかってしまう自分が恐ろしい。
自然界に溶け込みやすい目立たない緑は主張の少ない日本人向きな色で、時代を反映したような色だなあと思ってます。
キャンプ場でアースカラーのワンポールテントが増え続けてるように、山では森と同化したグリーンのテントが増えている。そんな感じです。
グリーン系の中でも最も人気で勢力の強いであろうニーモ タニ。
最小1060gという軽さで自立式ダブルウォールで非メッシュインナーのスペックを見れば購入者が多い理由もわかります。
日本限定モデルで爆発的な人気がありました。北アルプスであったテント盗難事件の被害もニーモ タニでした。
ホーネットストームやアトム、旧アンディなどニーモはグリーン系好きなようです。
他社テントよりも少し薄いグリーンを使ってるのが特徴です。
2023年よりリサイクル生地ながら湿潤時の低伸縮性、加水分解耐性に優れたオズモにマイナーチェンジ。
色味もくすんだイエローグリーンで、近くで見るとリップストップ調の格子模様があります。
長野県安曇野で小規模ながらテントを作り続けるヘリテイジの山岳テントであるエスパースシリーズ。グリーンテントの代名詞です。
最近は軽量化の流れでクロスオーバードームやHI-REVOの人気が強いですが、それでも一定数山で見かけるエスパースのテント。
偏見ですが、山岳会や大学の山岳部などちょっと年季の入ったベテランさんたちが好んで使う印象です。
なんていうかニーモとは違う、垢ぬけないグリーンです。
個人的に色が好きじゃないので候補にあがったこともありませんが、会社的には好きです。
ブルー系
一定数の人気があり、何故だかブランドも出してくる青いテント。
日中の色被りが強く、食べ物の色味が悪くなりやすく、特に肉が美味しく無さそうに見えると言われる青です。
ただ最も虫が寄りにくいと言われる色でもあります。
本来目立たない色だと思うんですが、自然界に少ない色だからか、テントとして珍しいからか、目立つ色。
ステラリッジで青が出てきたことから急激にテン場の青味が増したと思ってます。
ステラ率すげえなを事実として感じるのがテン場の風景です。
緑もですがモンベルらしからぬオシャレな色味で、色名はピーコック。青いテントは好きじゃないけど、青ステラは良い色だなと思ってしまう自分がいます。
図にはありませんが、モンベルのクロスドームも山で見かける青系テントでした。
山岳テントというやや重い2kg前後ながら圧倒的居住性と広い前室でツーリングバイカーに人気。バイカーがテントを買い替えず山デビューした時に使ってる人が結構います。
登山口から近いテン場で使う人も多い気がします。
立山の雷鳥沢キャンプ場や大雪山黒岳石室のテン場など。
プロモンテのVL〇6、〇7シリーズは薄い水色。透けそうな、そんな色。
旧ダンロップVS20も濃い青+オレンジインナーのテントでした。
新モデルの前室付きシングルウォールテントのVB-22ZもVL同様の水色ですね。
ブラックダイヤモンドのディスタンスシェルターもたまに見かける水色。
シングルウォールのハイライト2Pも同じ水色なので、色味でBDだなーってわかる色です。
プロモンテVLよりは少し色が濃いビビットな水色ですね。
ホワイト系
おまけの白系。
本当はここにのせるべきはパイネのGライトだと思ってたんですが、型落ちしてたのでやめました。
旬なテントで言えば、環境への影響を意識したBIG AGNESのソリューションダイシリーズが白ですね。
ステラリッジは白ってよりもアイボリーに近い白ですが、お外で見るとホワイトです。
個人的にステラリッジは白>緑>黄>青で好き。白いステラは可愛いです。
ただ雪上で使うには絶望的な色ですよね。白。吹雪の夜に帰れなくなりそうですし、遭難したら春まで出てきません。
今っぽいなーって思う山岳テントでもないけど、山岳使用されることの多いテント。
中国発の格安なネイチャーハイクのクラウドアップとモビガーデンのライトナイト。
色がたくさんあるんですが、最もよく見かけるのが白です。
ハバ系だけじゃなく、MSRのテントと言えばこの色!というカラーです。少し前までは前室も白でしたが、モデルチェンジして前室のみ赤になりました。
製品画像ではシルバーっぽいですが、実物はモンベルよりも寒色系のホワイトです。
イメージ的には白ってよりも赤なんですよね。MSRは。
そういえばヨーロッパ限定カラーだったグリーンも日本で登場しました。
超軽量超高額なDCF(ダイニーマ)テントも白系ですね。
軽量化ブームで使用者が増えたように思います。
とはいえ時代遅れな北海道のテント場では超希少。
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希少カラー
山のテン場における超希少カラーと言えばピンクでしょう。
知る限りPre Tentsの限定カラーLightrockか。
アライテントが2015年に50周年で数量限定で生産したエアライズ鴇色(トキイロ)くらいでしょう。
どちらも簡単に手に入るものではないこともあり、テン場写真でピンクを見ると舞い上がってしまいます。
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赤いテントが好き
黄色オレンジといった暖色系カラーのテントは多いですが、赤いテントはレア。
でもね、ぼくは赤が、赤いテントが好きなんですよ。
定番山岳用と呼ばれる赤いテントは無いと思うんですよ。
だから人と被りにくくて良いわけでもありますが、作り込みや軽量性に不満も無くはないんですよ。
もっと赤い山岳テント増えたらいいのにーと思ってますよ。わたしはね。
まとめ
ざっくり4系統のカラーでまとめてみました。
気付いた人もいるかもしれませんが、全てのカラーにモンベルのステラリッジが入っていました。
そう、彼らは、山のテン場を自分たちのテントで染めようとしているのかもしれない・・・。
地味だが確実なテン場侵略戦争はもう始まっているのだ・・・。おわり。
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