こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
使い始めてこれまでのアウトドアライフが一変した道具「浄水器」
ソーヤーミニやビーフリー、グレイルなど携帯性に優れながら浄水しやすい製品がたくさん出てきてます。
2021年プラティパスの新商品であるクイックドローマイクロフィルターは浄水器の新定番となり得るだろうと期待して発売後、即買い。
今回はプラティパスの浄水器クイックドローマイクロフィルターをレビューしていきます。
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ハズレが多い話
「プラティパスの浄水器、爆速と聞いて買ったら全然出ないんだけど・・・」
と、周りでもよく耳にします。
Amazonレビューやネットを見ても「ハズレを引いた」等の話が多かったので「やってしまった」のかと思いましたが、一度乾燥させたソーヤーミニを再度使う時に『浄水とバックフラッシュを交互に繰り返すと復活』した事を思い出しやってみると勢い良く出るようになりました。
もしチョロチョロだった時はやってみる価値ありです。流す水の量ではなく回数で浄水とバックフラッシュ浄水とバックフラッシュ浄水とバックフラッシュ浄水とバックフラッシュ浄水とバックフラッシュ浄水とバックフラッシュみたいな感じで繰り返すほど水量が増えました。
引用元:自転車とアウトドアライフ(遊び)|プラティパスの浄水器『クイックドローマイクロフィルター』紹介とバックフラッシュで通りを良くする
森勝氏が、浄水とバックラッシュ(逆向き噴射でフィルター洗浄)を繰り返すと良くなるかもと言ってます。ダメだった人はまずはお試しを。
それでもだめなら代理店のモチヅキに問い合わせましょう。
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platypus(プラティパス)
platypus(プラティパス)はアメリカで20年以上、ソフトボトルやハイドレーションを製造し続けているブランドです。
最も有名なソフトボトルであり、最も信頼性の高いソフトボトルとも言っても過言ではないでしょう。
MSRやサーマレストを扱うカスケードデザイン社の取り扱いで、日本ではモチヅキが代理店をしています。
例に漏れずぼくもプラティ2Lをヘビーユースしており、数年使って破けたらまた同じものを買うを数度繰り返しています。最近はエバニューのソフトボトルに浮気気味ですが。
プラティパスの製品は全て“水”に関連するモノであり、屋外で水を確保する上でプラティパスの信頼性は他よりも一段上です。
そのプラティパスが作った浄水器。もうそれだけで水が飲みたくなる気持ちですよぼくは。
以前から吊るして浄水するグラビティワークスフィルターシステムは出していましたが、ベース型の浄水器で個人規模ではありませんでした。
今回はソロで使いやすい軽量小型浄水器が発売されました。
ところで最近知ったことです。プラティパスのボトルに書いてあるロゴがカモノハシだってこと、知ってましたか?
そもそも「platypus=カモノハシ」という意味だそうですよ。
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クイックドローマイクロフィルター&リザーバーシステム 1.0L
浄水器のみ、浄水器+1Lリザーバーセットの2種類で販売されています。
広口の恩恵を得るためにもリザーバーセットがオススメ。浄水器の寿命で買い替えとして浄水器単品もアリ、という感じです。
スペック
重量(浄水器) | 61g |
重量(浄水器+リザーバー) | 101g |
フィルター | 中空糸膜(0.2ミクロン) |
流量 | 3L/分 |
フィルター寿命 | 1000L |
値段(浄水器のみ) | ¥7,040 |
値段(リザーバーセット) | ¥8,800 |
値段は割と安めという印象で、プラティパスにしては手の出しやすい値段かなと思えます。ソーヤーミニよりは少し高い程度。
フィルター寿命1000Lはやや短めで、ビーフリーと同じですね。ソーヤーミニの36万Lは一体なんなのか。
分間3Lの流量はかなり驚異的。実際どうなのか楽しみです。
実測重量
実測重量 | |
浄水器総重量 | 64.6g |
飲み側キャップ | 13.5g |
浄水側キャップ | 4.8g |
リザーバー(1L) | 33.8g |
リザーバーのみ | 26.1g |
リザーバーキャップ | 7.7g |
浄水器+リザーバーのセット重量 | 98.4g |
浄水器・リザーバーの実測重量。
未使用で一度も水を入れてない重量です。
本体はカタログ値61gより重い64.6gでした。1Lリザーバーは33.8g。
セット重量はカタログ値101gのとこを、98.4gと少し軽め。
海外公式ではセット重量95gになってました。
見た目
アメリカからやってきた感じのある英語の一杯書かれたパッケージでした。
今回買ったのは浄水器と1Lリザーバーセットのモノ。
おそらく、クイックドローマイクロフィルター単体と、リザーバーセットでは箱が違うと思われます。
説明書が英語・フランス語・ドイツ語・日本語・日本語の5冊入ってました。
日本語2冊は全く同じものだったので、モチヅキさんの検品ミスでしょうか。
小話。公式ページの下部から日本語説明書をPDFでダウンロード閲覧可能です。
この説明書が他の浄水器にも共通する部分が多く、浄水器の基礎知識として非常に優秀でした。持ってない人も読んでおくと浄水器に詳しくなれておすすめ。
凍結禁止とか、長期保管の消毒とか、0.2mmでろ過できるモノとか知らない人多いでしょう。
浄水器本体(クイックドローマイクロフィルター)。
本体はマットな質感の樹脂素材。オシャレともカッコイイとも言えない青い本体とグレーのキャップがプラティパスっぽい。
飲み口である上にCLEAN(キレイ)、ロゴを挟んだ下にはDIRTY(汚れた)の文字が書いてあります。
丸い筒状ではありますが、突起やデコボコが多く濡れてもグリップしやすいデザイン。
飲み口はキャップが付いていて、ワンタッチで開閉ができます。
底はねじ込み式のキャップが付いています。こちらも衛生的。
底キャップに使われているスクリュー形状はプラティパス特有の「DuoLockシステム」という少ない回転数(約180度)で開け閉めできる広口径のモノです。
ちなみに純正リザーバー以外に互換性が一切ありません。
外側にはプラティパスの広口ボトルに対応したスクリュー。
内側にはペットボトルやエバニューソフトボトルなど一般的な28mm径のボトルに合わせられるようになっています。
広口と狭口の2WAYに合わせられる仕様はかなり革命的。さすがのプラティパスだなと思ってしまいました。
飲み口は広く口を付けて飲むのも有り。
キャップをすると浄水した水が出なくなるのでロックをしておくときにも使えます。
飲み口側もキャップになっていて取り外しが可能。
開けるとフィルターが露出していますが、他の浄水器同様透明の素材で固められています。
飲み口もソーヤーミニに比べ広くなっています。ペットボトルよりも少し狭い程度の飲み口です。
ソーヤーミニと並べて
ソーヤーミニSP128(55g)と並べて。
プラティパスが太く、やや長く、がっちりした印象。
重量的には大差無く6gプラティパスが重いだけ。
似た種類の浄水器と言うことで手持ちのソーヤーミニを比較対象にしてはいますが、ぶっちゃけ比べるのも失礼なほどに使用感は別格。浄水速度が違いすぎるから。
飲み口。
プラティパスが格段に広口。
飲みやすさ、浄水速度に直結してる部分です。
浄水する側。
プラティパスは中空糸膜のフィルターが見えてますが、ソーヤーミニは細いストロー状のチューブが伸びてて中は見せません。しかし同じ中空糸膜のフィルターを採用しています。
プラティパスのほうが中に水を取り込みやすい構造なのが浄水スピードの速さに繋がっているのでしょう。
思うに穴を大きくして流量を増やしたぶん浄水速度は速いけど、フィルター寿命も短くなってるのかなと感じます。フィルター寿命だけが気がかりです。
1Lリザーバー
ぼくが買った時点では浄水器単品がまだ発売してなかったこともあり、リザーバーセットで購入。
クイックドローマイクロフィルターと合わせることで想像以上に使いやすかったので、ソフトボトルあまり持ってないとか、単品かセットで迷うならセット購入がオススメ。
ゴムっぽい手にまとわりつく質感で、他のボトルとは違う感じ。
シリコン?みたいな質感とも言えるかも。良い悪いは現状何とも言えないボトルの質感。強度は通常のソフトボトルよりも高そう。
ちなみにこのリザーバー、RF溶着(高周波溶着)という方法で加工されており、3層構造になっているそうな。シアトルスポーツのソフトクーラーなんかと同じ加工なんだそうで。なるほどふーん。
グレーのキャップが先だけ取れるかと思いきや全部とれます。
非常に広口で、ボトル缶コーヒーくらい広い。
濡れても握りやすいようにキャップに細かく水が付いてるのが便利です。
ただこのリザーバーから直接水を飲むのには向かないので、浄水前の汚水を入れる専用です。
エバニュー ウォーターキャリーと口径を比べると差は歴然。めちゃくちゃ広い。
取っ手が付いているので、つかんで水を入れるのが便利です。
底にマチが無いので浅いと入れにくいですが、取っ手を持って水中を動かせば水を入れやすいです。
あとはソーヤーミニのボトルなんかと同じ口で空気を入れて膨らましてから一気に入れると速いです。
赤いゴムバンドはぼくが付けたモノです。
付けてる赤いバンドはモビロンバンドの6mm幅、90mm折径の赤。
丁度持ってて目立つようにモビロンバンドを使いましたが、ゴム紐を付けてあげれば巻いて使いやすくなります。
浄水器も一緒に挟んでおけます。
ゴム紐は100均の髪留めコーナーでも手に入りますし、何でも良いでしょう。
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特徴
他の浄水器と比べても目立つクイックドローマイクロフィルターの特徴。
2種のボトル径に対応
広口(プラティパス径ボトルに対応)と、狭口(28mm径の一般的なペットボトルやソフトボトルに対応)した2WAY仕様は革命的。
なのに、なのにだ。
最大の売りポイントであるはずのに、日本公式サイトには一切その記載が無いという「おいおいモチヅキさんは売る気あるのかい?」と思ってしまうほど。
海外公式を見ると「I/O dual-thread design(I/Oデュアルスレッドデザイン)」がおそらく2WAY対応部分の名前だと思います。
広口ボトルは浄水時の水を汲みやすいのがメリット。
1Lじゃ足りないなーってときは別にエバニューやプラティパスのソフトボトルを合わせればOKです。
ペットボトルしかない場合や別のボトルとも合わせられるのがマルチに使えて便利です。
前後のキャップ
前後にしっかりしたキャップがあるのはすごい嬉しい。
非常に衛生的だし、安っぽくないキャップなのが嬉しい。
もうこのキャップだけでソーヤーミニからクイックドローマイクロフィルターに乗り換えようってカタログで見た時から決めてました。
後々気付きましたが、浄水器のキャップとリザーバーのキャップを上下で繋げておくことができます。
これでロスト率が一気に減ります。スタイリッシュな仕組みでプラティパス好きだなと思ってしまいました。
浄水速度
次で実際に浄水していきますが、浄水速度は圧倒的。クイックの名に嘘偽りの無い速さでした。
口が広いからなのかドバドバ出るって感覚を味わいました。
押さなくても傾けたら出始めるし、出始めが早すぎる。
浄水速度以外も魅力的なのに浄水速度もすごいっていうんだから、もうソーヤーミニの時代は終わったなと感じてしまいました。
浄水
では本題。
動画
爆速である。逆さまにしただけで出てくる。
ソーヤーミニは比較対象にもならず、ビーフリーよりちょい遅い位かなと思うけどビーフリー持ってない。 pic.twitter.com/rhBzMeokas— ぜつえん (@zetuenonly) July 7, 2021
浄水するだけ。
ちょっと長いやつ pic.twitter.com/DE353BkZLt
— ぜつえん (@zetuenonly) July 7, 2021
接続から浄水するまで。
そして思います、ソーヤーミニの時代が終わったなと。
僕は持ってませんが、ビーフリー使用者の方にビーフリーよりも速いと思うと教えてもらいました。
浄水してみる
浄水手順は
①リザーバーのキャップを外す
②リザーバーに水を汲む
③浄水器の底キャップを外す
④浄水器をリザーバーと接続する
⑤リザーバーを押して浄水する
1L以上の水が必要で繰り返す時は、①がキャップじゃなくて接続した浄水器になり、③を省いて4手順です。
①リザーバーのキャップを外す
プラティパス独自の方式で180度ほど回転させることで外せるキャップです。
回転数は少ないですが、普通のペットボトルよりもはるかにキツイ。付ける時もやや押し気味に付けるのが慣れるまでやや不便。
②リザーバーに水を汲む
広口なので組みやすい。口元に付いたループをつかむことで浅い所でも組みやすいのが良いとこ。
③浄水器の底キャップを外す
リザーバーと同じ180度回転で取れる保護キャップ。
④浄水器をリザーバーと接続する
接続も180度回転で付けられるプラティパス方式。
リザーバーの口元をつかんで上から押し込むように付けるのがコツです。
⑤リザーバーを押して浄水する
傾けるだけでちょろちょろ出てきますが、押したほうが断然速い。つまりは爆速。
両手で持って逆さまにするのが一番早いです。
スペックでは3L/分ですが、動画では1L浄水するのに30秒程度かかってるので実際には2L/分くらいでした。
ソフトボトルを連結する構造上、握り直して形を整えて出していく必要があるので一定の速度で出し続けるのは難しいです。
「1Lを30秒で浄水」程度でイメージしておくと良いと思います。
水筒飲み
リザーバーを繋いだ浄水器から直接口へ行く水筒飲みスタイル。
ソーヤーミニは浄水速度の遅さから出来るけど、あまりやらない飲み方でした。
カタダイン ビーフリーがこの飲み方に特化した製品です。
ただクイックドローマイクロフィルターも速度が速いので問題無く水筒飲みできて便利。
登山中に見つけた沢の水を飲む、なんて憧れの浄水器活用ができるわけです。
直飲み
ネタ度の高いがやって楽しい川から直飲みスタイル。
ソーヤーミニはストローが付属してるので、ここまで顔を近づける必要が無く飲みやすい直飲み。
これがクイックドローマイクロフィルターでは非常に飲みにくかった。
浄水する側の口径が広いので、吸い上げるのにかなり力が必要なんだろうという理由です。
そう考えるとクイックドローマイクロフィルターは下から上よりも、上から下に浄水するのに向いてることがわかりました。
吊り下げ
上から下に向くということは吊り下げスタイルが向いているということ。
命名「クイックドローマイクロフィルターwithグラビティシステム」です。
その場ですぐ水を使うシーンではなく、テン場やキャンプ場ですでに宿泊の準備ができてから自動で浄水するときに使えるのがメリット。
圧力をかけず自重に任せた浄水のため速度は遅め。
写真にすると途切れますが、肉眼ではほぼ途切れず出続けます。
ソーヤーミニで2L以上なら吊り下げ化できますが、最後に少し余ってしまうの吊り下げでの速度が全然違います。
逆さまにすると出続けてしまいますが、キャップで止めておくことができます。
そのため吊るして浄水→使う時だけキャップを開けて浄水、と都度小出しもできます。
浄水後の水を入れておくタンクが必要無くなるので宿泊地で使いたいグラビティシステム(吊り下げスタイル)です。
吊るす用途が多いなら後ろがガバっと空いて水を入れやすい大容量、そして吊るせるループの付いたクノックのウォーターコンテナみたいなものを用意するのもいいでしょう。
セルフクリーニング
ぼくが思うアウトドア用の浄水器の選び方は3つ。
「クリーニングのしやすさ」「浄水器の種類」「浄水速度」です。
浄水速度はすでに動画でわかったようにビーフリーレベルでした。浄水器の種類は後述します。
実際に使わないとわからない浄水器のセルフクリーニングのやり方を説明しています。
公式サイト下部からクリーニングの仕方が書いてあるPDFの説明書が見られます。
クリーニングの必要性
浄水器においてセルフクリーニングは「浄水フィルターの目詰まり洗浄」のことです。
ソーヤーミニ、ビーフリー、クイックドローマイクロフィルターでは同じ中空糸膜(ホローファイバー)のフィルターを使っています。
汚れが溜まると浄水速度が一気に落ちるので、定期的にクリーニングしてあげる必要があるのです。
クイックドローマイクロフィルターの説明書には8Lの水を浄水する毎クリーニングすることを推奨されています。(海外サイトでは6L毎とのこと)
ただ水のキレイさも場所によって違うため、泥などを舞い上げてる場合には詰まりやすく、もっと早くクリーニングする必要があります。
クリーニングには2種類、簡単にできるシェイク(振る)としっかり洗浄できるバックフラッシュ(逆噴射)があります。
浄水速度が落ちたと思ったらシェイクして、それでも改善されなければバックフラッシュをするといいでしょう。
フィルター詰まり防止として、タオルや手ぬぐいを噛ませて水を汲むと大きな固形物を先にろ過できるのでフィルター詰まりしにくくなります。
常にやる必要もないと思いますが、浅瀬で泥を巻き上げやすい場所や虫や葉っぱが浮いてる場所ではアリです。
シェイク
①リザーバーに浄水前の水を1L入れる。
②3/4L(750ml)程度を浄水し、1/4L(250ml)程度をリザーバーに残す。
③フィルターとリザーバーを水平にして左右に約15秒間強く振る。縦向きにして上下に約15秒間強く振る。
これだけ。
浄水する側のフィルターの汚れを振って落とすからシェイクです。
凄い簡単なので使うたびにしてもいいんじゃないかなと思います。
シェイクをしても浄水速度が改善されなければバックフラッシュを行います。
バックフラッシュ
①ペットボトル径(28mm径)のタンクにキレイな水を入れる。
②浄水器の底キャップを外し、飲み口キャップも開ける。
③飲み口とタンクの口を隙間なく合わせて抑え、タンクに圧力をかけて、浄水器の底側から水を出す。
④最低でも500ml以上の水を通すか、逆から出てくる水がキレイになるまで続ける。
言葉にするとわかりにくいですが、飲み口側にキレイな水を入れたペットボトル径のタンクをピッタリ押し付けて、逆向き浄水するのがバックフラッシュ(逆噴射)。
実際やってみるまでよくわかりませんでしたが、飲み口の立ち上がりの斜めになった部分にペットボトル口がフィットして押し付けたら漏れなくなります。
片手で浄水器と接続部と抑えて、もう片手でタンクを押す持ち方が良さそう。
ソーヤーミニではバックフラッシュ用の注射器が付属してて、他の浄水器でも使われる一番キレイになるセルフクリーニングです。
ペットボトル径のタンクがあればいいので現地でもしやすいのが楽でいいですね。
現地でもしやすい、バックフラッシュも手軽、クリーニング効果も高い、ということでセルフクリーニングのしやすさも大満足でした。
欠点
べた褒めですが、長期使用での耐久力や詰まりはわかりません。
あと思いつく欠点もいくつか。
広口ボトルの選択肢が無い
広口径とペットボトル径の2WAY仕様!すごい!とは言っても広口径に互換性が一切ありません。
絶対使えると思っていたデュオロックソフトボトルに互換が無いからです。
そのことをツイッターでフォロワーさんに教えて頂きました。
見づらいけど、ネジ山部分が完全にはみ出るサイズやし、キャップ同士も全然合ってない
先に教えてくれ… pic.twitter.com/6S7RM9TzOv— toru443 (@toru4431) September 6, 2021
そのためリザーバーセットで買わなかった人は広口の恩恵を得ることができません。
そして問い合わせたところリザーバーのパーツ販売も無いとのこと。
もし浄水器単体買いしてたらクノックウォーターコンテナ的なのと合わせて使うので広口径に対応してる必要は無くなります。結局リザーバーセットありきの広口と言えます。
圧倒的に普通のソフトボトルを持ってる方が多いため、ソフトボトルの口に合うように設定した結果となります。
デュオロックは、直接水を飲みやすい蓋を設定した飲料水専用の水筒となります。
デュオロックに汚水を入れて、浄水するという使い方は設計上ありません。
この理由につづきます。— MSR日本総代理店モチヅキ (@Mochizuki_Gear) September 8, 2021
お客様のご意見を本国へフィードバックさせていただきます。
なお、本国の考えとしては、リザーバー付きが基本商品で、単品は交換フィルターの位置付けとなります。
ただ、ULハイカーはリザーバー無しを選択したいという意見もあり、単品販売も行い選択できるようにしています。— MSR日本総代理店モチヅキ (@Mochizuki_Gear) September 8, 2021
ツイッターで話してたらモチヅキさんが教えてくれました。
在庫切れの関係で単品を手に入れた人が多そうですが、あえて単品販売してる交換フィルターな立ち位置のようです。
しかし、結局リザーバーの販売はされず。
リザーバーをすでにパンクさせてしまったぼくはエバニュー2Lタンクで使ってますが、狭口タンクではやはり組みにくく不便。
そして底キャップも案の定ロストしています。数百円で単品してくれれば買うかもですが、それも無し。
仕入れて売るだけなら、と代理店の魅力を感じなくなってしまいます。
汚水用タンクと清水用タンクが必要
ソーヤーミニもそうなんですが、このタンクに取り付けて浄水する浄水器は、汚水用タンクと清水用タンクが最低2つ必要です。
ああでも付属リザーバーは汚水専用か。と考えると割と便利に思えてきた。欠点では無かったかもしれない。
これセット購入が正解じゃろ。
当たり外れがある
ベストバイだろと人にも勧めてましたが、嫌な話も聞こえてきました。
「全く水が出ないんだけどどうやって使うの?」
「ちょろちょろしか出ないんだけど」
というレビューしてきた爆速さのかけらもない話です。
どうやらこの浄水器、当たり外れがあるようです。
ぼくの個体は当たりでした。
しかし外れを引かない方法もありませんし、購入しておかしければ代理店のモチヅキに問い合わせるのがベストだと思います。
浄水器の話
浄水器デビューしてない人のために、なんで浄水器が必要なのかって話とアウトドア用の浄水器ってどんな種類があるの?って話をします。
必要性
そもそもなぜ浄水器が必要なのか。
アウトドアでは主に川や湖などの水を飲むときに浄水器を使いますが、キレイに見える水でも目に見えない寄生虫や細菌やウィルスが混ざっているからです。
どんな天然の湧き水やキレイな沢の水でも動物のフンや虫の死骸などが混じっているようで、自然の水(生水)に100%安全はありません。
それを飲めるようにろ過するための道具が浄水器なのです。
特に北海道ではキツネを媒介に感染する寄生虫の「エキノコックス」への対策で浄水器の使用者が多いです。
エキノコックスはキツネに住み着いており、沢の水などを通して中間宿主として人間に感染することがあります。人間に感染すると「エキノコックス症」になり、10~20年の潜伏期間から肝臓などに病気をもたらす発見と治療の難しい感染症です。
今でも毎年20人前後の人がエキノコックス症で亡くなっているようです。
そのため北海道は特に生水への危険度が高く、浄水器が重要性が増すフィールドと言えます。
安全に生水を飲むことを考えれば浄水器よりも煮沸がベストですが、燃料と手間が必要で、冷たい水を飲めないのが欠点です。
反面、浄水器なら手軽に冷たい水を飲むことができるのが魅力です。
「ちゃんと浄水されてるか心配」という人も多いですが、最低限キレイな沢で使い、道民的には水中の異物とエキノコックスを除ければ満足程度で、浄水器に高すぎる要求をしなければ必要十分と考えています。
浄水器を持つことで変わるアウトドアスタイル
浄水器って少し特殊な道具で、浄水器が無くても出来るんです。
言葉が少し変ですが、必須な道具では無いんですね。たとえ北海道でも。
沢があれば煮沸(熱消毒)すれば安全に生水を飲めるようにできますし、1~2泊程度のキャンプや山行なら自宅でいれば水を持って行けばいいんです。3~5L程度でしょう。
ではなぜ浄水器を持つのか。
・水を軽量化できる
・冷たい水を飲める
・現地調達の喜び
個人的にはこの3つが大きいと感じます。
まずどれだけULパッキングな装備の人でも1泊2日で2~3Lの水を持つことで、2~3kg重くなってしまいます。ギアの軽量化では抜け出せない水の軽量化を簡単に出来るのが浄水器なのです。
たった数千円と約100gで数キロの軽量化ができる道具は浄水器以外にあり得ません。軽量化を考えた時のコスパが抜群に良い道具なのです。
1泊2日なら浄水器を買ったり使う手間よりも担ぐほうが楽な場合もありますが、2泊3泊と増えるごとに浄水器をメリットが増していきます。
そして、真夏でも川の水はとても冷たいです。山間部を流れる沢なら尚更。
水筒に入れた水では時間経過でぬるく不味くなっていきますが、浄水器を使えば新鮮な冷たい水を飲むことができます。そんな砂漠のオアシスを感じられる道具です。
最後に現地調達することに多くのアウトドアマン喜びを感じることでしょう。
山菜を取って食べたり、魚を釣って食べるような現地調達を感じられるのが浄水器です。
必須ではない、必要は無いけどあることで今までのアウトドアスタイルが一変するほどの感動できる浄水器は宿泊用途のアウトドアシーンなら持っていて損はないはずです。
中空糸膜
浄水するためのフィルターには活性炭やセラミックなどが使われますが、小型化しやすいメリットから人気商品には中空糸膜(ホローファイバー)が使われます。
中空糸を膜で閉じ込めたモノで、水は通すけど0.1~0.2μm以上のモノは通さないよという防水透湿素材みたいなものです。
MSRの浄水力の高いガーディアンでは0.02μmの中空糸膜+セラミックなど合わせているモデルもありますが、浄水器が大きくなりがちでソロには向きません。
中空糸膜の特徴としては
・約0.1~0.2μm(ミクロン)までろ過可能
・軽量コンパクト化しやすい
・比較的フィルター寿命が長い
・メンテナンスしやすい
ソロで使う、使うかもしれない非常用程度の浄水器としてはマッチした特徴でしょう。
逆に欠点は、フィルターが凍結すると破損する恐れがある、クリーニングをしないと目が詰まりやすいこと、長期保管時は漂白して乾燥してから、です。
どこまでろ過できるか
「中空糸膜のフィルター(0.1~0.2μm)って結局どの程度までろ過できるのさ?」
0.2ミクロンだとインフルエンザ(約0.1ミクロン)、コロナウィルス(約0.1ミクロン)ウィルス、ノロウィルス(約0.03ミクロン)といったウィルスは除去できません。
表にはありませんが、重金属、化学薬品、農薬なども除去できません。
コレラ菌(約0.3×2ミクロン)、ボツリヌス菌(約5ミクロン)などのバクテリア(細菌)はおおよそ除去できるようです。
原虫やエキノコックスの卵はさらに大きいのでかなり余裕をもって除去出来ると言えるのでしょう。
ソーヤーミニ的な言い方をすれば99.9999%除去可能です。
道民が恐怖するエキノコックスの卵は30ミクロン(0.03mm)であり、中空糸膜のろ過できる0.2ミクロンの150倍の大きさです。地球と太陽の比較みたいですね。
エキノコックスはすごい大きいから浄水器を使えば余裕で除去できると覚えておきましょう。
北海道のアウトドアショップで浄水器を買う方はエキノコックスを意識している人が多くて、説明するためによく言っていたのでこれは調べる前から知ってた知識でした。
種類
最後に浄水器の種類を簡単に説明。
といってもぼくが独自に分類したもので、人によって分け方が違うと思います。参考程度に。
今回購入したプラティパス クイックドローマイクロフィルターやソーヤーミニはタンク取付式とぼくが呼ぶ方式の浄水器。
汚水用タンク、清水用タンクの2つが必要で取り付け取り外しが手間ですが、吊り下げ式としてやハイドレーション式としても使うことができるモデルもある万能なタイプです。
浄水器の使い方が明確で無いならタンク取付式をオススメ。
「1泊2日のときにテン場についてから2L水を浄水したい」や「沢の水を汲んでその場で飲みたい」や「ちょっと改造して吊り下げ式として使いたい」から「災害時の備えに」まで幅広く対応してくれるのでどんな用途でも使いやすい。
ソーヤーミニから流通しだして使用者も最も多いであろう浄水器タイプです。
水筒として使うのに特化したボトル式。定番はカタダイン。
ちょっと変わった710mlを8秒でろ過できるモンベル取り扱いのグレイルや、別売りフィルターを合わせることで浄水ボトルに変わるプラティパス メタボトルも似たボトルタイプ。
「2Lを一気に浄水したい」にも使えますが、最適なのはその場で汲んでその場で飲んでそのまま水筒として持ち歩くという用途。浄水スピードの速いモノが多いので気軽に浄水器を使いやすいです。
少し用途の異なるポンプ式。
タンクを必要とせず、水源からホースで直接吸い上げることができるのが特徴です。
水源からタンク、水源からクッカー、水源から水筒、水源から口と使い方は様々。
「テン場に近くの水場で2L」みたいな一気に1泊用を用意するのに適してると思って昨年購入して使ってましたが、外れ個体なのか詰まりやすくてうーん。となってます。
浄水器のタイプ的には水に手を付けずに浄水できるのが便利でした。
感覚的には井戸ですね。使ったことありませんが。
何がオススメと言えるほど浄水器を使ってませんし、どれを買っても外れるほどヘビーユースする人も珍しいと思ってるので好きなのを買えば良いと思います。
1個使って不満が出てきて追加するのがベストであり、楽しめます。
クイックドローマイクロフィルターかソーヤーミニかビーフリーか
ぼくはビーフリーは持ってないので何とも言えませんが、ツイッターではビーフリーよりも速いと言われたのでそういうこと。最速の浄水器といっても過言ではありません。
ビーフリーに関して言えば、ボトル式に最適化してるので差別化できるでしょう。
ただ浄水器の定番であったソーヤーミニの出番はもう無くなったなと思ってしまいました。
ソーヤーミニの上位種ソーヤー マイクロスクィーズフィルター SP2129もありますが、構造上浄水速度ではプラティパスには及ばず、あくまでソーヤーミニの上位種止まり。
ソーヤーミニと比べると、圧倒的浄水速度、2種の口径対応、前後にあるキャップ、グリップしやすい形状、飲みやすい口元、セリフクリーニングのしやすさの点でクイックドローマイクロフィルターの圧勝です。
ソーヤーミニのメリットと言えば、小さい見た目、直のみしやすい、少し安くタンクもついてくることです。
長期使用で印象が変わるかもしれませんが、今後浄水器を買うなら現状はプラティパス クイックドローマイクロフィルターが浄水器のベストバイだと思います。
個人的に単品売りがされてなく、使い勝手が良いためよほどの理由が無ければ広口ボトルセットがおすすめですよ。
気になる浄水器
2023年に登場したハイドラパックの浄水器は対抗馬となるであろう注目の携帯浄水器です。
まとめ
アウトドアマンでも日常的に浄水器を多用している人はあまり多くないと思っています。
だからこそ浄水速度や使い勝手に優れる程度なプラティパスのクイックドローマイクロフィルターが出たところで、あまり話題にはならない気がしてます。
が、浄水器の使用頻度が高い人ほど細かいストレスが解消された魅力的な製品に見えたはず。
個人的に2021年ベストバイギアの筆頭だと感じてます。それほどです。
浄水器を積極的に使えるようになると登山やキャンプへ持っていく水を削ったり、水場を拠点にしやすくなり今までと違ったルートも見えてきます。
まだ使ったことのない人は是非プラティパスのクイックドローマイクロフィルターから浄水器デビューしてみてはどうでしょう。
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