こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
ヒルバーグのソロテント アクトをなかちんさんにお借りしました。
以前ヒルバーグ ソウロを貸して頂き、AEGISMAXウルトラのレビュー記事を書いていただいた方です。
アクトを何度か使用したのでレビューをしていきます。
先に書いておくと、かなり辛口レビューで酷評です。借り物でここまで書くのはどうかと思うレベルで「酷評になるんですが、それでもレビュー書いちゃっていいんですか?」と確認したほど。
OKを頂いたので書いてますが、実際にアクトを使ってる人が読むと辛い思いをするかもしれないことだけは先に断っておきますね。
今回はヒルバーグ アクトをレビューと称して酷評していきます。
※先に結論を言うと「オーバースペックな非自立式で重め。すごい良いテントなのは感じるけど用途が思いつかないから微妙」という内容です。
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ヒルバーグ(HILLEBERG)
ヒルバーグ(HILLEBERG)は1973年にヒルバーグ夫婦によってスウェーデンで設立したテントブランド。
現在は娘ペトラがCEOとなった、親子経営で何とも微笑ましい会社です。
しかし微笑ましさとは別格な厳しい北欧の地で開発されるテントは“エクスペディション”の文字が似合う堅牢性が売りのテントです。
日本の代理店はA&F。ブランドストーリーと使ってみたいものを輸入してる辺りA&Fとマッチしたブランドだなと思えます。
テントは独自のレーベルによってランク分けされているのも特徴の一つ。
ブラック:快適性と使いやすさ、全て季節に対応した耐久力を持つ
レッド:軽量性を重視しながら、全ての季節に対応した耐久力を持つ
イエロー:軽量性を最重視した、無積雪に対応
ブルー:大型テントに採用される、ブラックレッドイエローを複合した性能
ソロテントではレッドとイエローレーベルのみです。
レッドなら国内で年間通じて問題の起こらないような耐風性、耐久性を持ったテント。
イエローなら無積雪をうたってはいるモノの国産山岳テントよりも少し強いか同等程度の強さを持ったテントという印象です。
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ヒルバーグ アクト
アクトはソロサイズのレッドレーベルで、4シーズン対応のダブルウォール構造な非自立式テント。
アクト(AKTO)は、スカンジナビア北部に住むサーミ人の言葉で「単独」という意味を持っています。
スペック
カラーリングはレッド・グリーン・サンドのヒルバーグ定番の3色。
軽量性が売りなテントなだけに最小重量1300gと一見軽く見えますが、ガイラインやペグなどを含んだ総重量は1700gと重め。
非自立、自立式を含めた山岳ソロテントの中では重めで、非自立式の中では最重量クラスと言えます。
それでも同重量のテントで比べると非自立、自立問わず最強の対候性を持っています。
インナーテントは五角形。テントに沿った奥側に広くなっています。
また四辺にはサブポールがあることで立ち上がりができ、通常のワンポールテントよりも周辺が広く感じられます。
それでも室内幅62cmは狭めでしょう。
軽さ
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自立+一人用+総重量1700g前後だとこの辺りのテントが同重量のテントとなります。非自立式だと比べられるテントがありません。
比べてみてわかりますが、この重量帯に超軽量なテントはなく、居住性や耐久性を求めたテントの印象です。
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設営
上から収納袋、ポール、フットプリント、スマホ(Blackview BV6300pro)です。
収納袋はかなり大きめに作られていて、出し入れしやすいですが生地も厚く重め。
持って重いとは感じにくいテントですが、収納サイズは同重量帯のテントに比べ大きめです。
正直このスタッフバッグだけで盛り上がってしまう。カッコよさ。
「Made in Estonia」なんて他で見たことがない。ヒルバーグ大好き!
アクトの良いとこの一つが前室部まで広がるフットプリント。
インナーテントだけでなく、前室まで覆ってくれる六角形。
フットプリントに合わせて、テントを広げます。
入口は片側にしかないので、設営時に注意です。実際ぼくが入口の向き間違えて設営してしまったので。
ペグを刺す部分が金属リングでした。
絶対壊れないであろう強度を求めた結果なんでしょうが、ペグによっては抜けやすく改造必須。短い紐を付けるか、調整具も付けるかですね。
写真のチタンピンペグは相性最悪でした。
長いポールを中央に差し込んで立ち上げます。
ポールはもちろん韓国DAC社のアルミポール。
DAC NSLΦ9.0mmが使われおり、アライテントのエアライズが同じポールを使ってますね。
モンベルのステラリッジはΦ8.5mmでもっと細い径を採用しています。
一般的にΦ8.5mmなら冬もOK、Φ9.0mmなら明確に冬や厳しい環境を想定していると言えます。
ポールはスリーブ式。
通していけば逆側の末端に自然とハマってくれます。いちいち固定する必要がないので楽に設営できます。
しかもポールエンドはモノスゴイしっかり補強されてるので破ける気がしない安心設計がヒルバーグがヒルバーグと言われるゆえんでしょう。僕の使ってるプロモンテVL25はこのポールエンド生地がビリビリに破けまくってます。
差し込み側は樹脂製のキャップ+調整バンド。
別のシーンですが、ポール差し込みのイメージ。
よく見るとわかりますが、ポールの中心が曲がってます。
DACの大きく曲がる箇所に使うポールは最初から曲げ加工がされているのです。
四辺にペグを打って、ポールを刺せば半自立状態になります。
あとはガイラインを固定すれば自立してくれます。
左右短辺側にちょっと変わった仕様のガイラインが付いています。
本体には3ヶ所のガイラインポイントがあり、2本のガイラインがついていて、それぞれ2ヶ所で調整ができる自在金具がついています。
つまりペグ2本で固定して、4ヶ所で張りを調整できるわけです。
ただ何度やってもそれなりにはなりますが、イマイチびしっと決まらない。そんな印象のガイラインシステムです。
ポール延長線上のガイラインも上下2点で調整できるヒルバーグらしい耐風性を上げるガイラインです。
これで設営完了。
本体固定にペグ6本とガイラインに6本で、12本のペグが必要です。
設営はまあまあ楽。風が無ければポールを刺す→ペグで固定にすればより素早い設営が可能でしょう。
積雪期も想定したヒルバーグのテントはフライシートが地面まで覆っていて、雨風雪が中に入りにくく、保温力も上がり、通気性が悪くなっています。
斜め上から見た様子。
上から見るとちょっと独特な形に見えますね。
さらに細部を見ていきます。
内装
テント内はスペックほどの狭さを感じない不思議。
室内長が220cmと長いからかもしれません。
室内幅の広くなっている部分は道具を置きやすく、室内長があるため、頭の上と足元にも道具をおくことができるのは嬉しいポイント。
ただテントの室内高が低いことで居住性を大幅に下げてます。
中央の一番高くなっている部分でも、8cm厚のニーモ テンサーインシュレーテッドに160cmのぼくがあぐらで座った状態で頭が天井にぶつかる低さで、テント内で座るには背中を丸めている必要があります。
ベンチレーション
短辺側のガイライン取付部の下に逆U字ジッパーのベンチレーションが左右についています。
室内からは操作できず、屋外からのみ。
斜めになってるため直接雨は入らなそうですが、開け閉めは面倒ですしなくても良かったかなと思ってしまいます。
インナーテントが非メッシュで寒い時期を想定してるテントですし。でも通気性の悪いテントだから必要かぁ。みたいな印象です。
あけっぱか、しめっぱで操作しなくなる未来しか見えません。
前室
アクトを語るうえで欠かせないのが前室の広さとフットプリントの便利さです。
前室部までフットプリントが広がってるため、道具を気軽に置くことができます。
室内が狭めなので、ザックや大物を置くのに非常に便利です。
そして前室の中央にポールが通ってるため、床面積だけでなく高さもある立体的な前室になっています。
そのため閉め切った前室で調理もしやすく、出入りもしやすいです。
インナーテントの入り口を全開にすると前室と室内の境目がなくなり、広いテントのような錯覚を覚えることもできます。
フライシートが地面まで来てるので、天気が良ければこのまま過ごして寝てもいいでしょう。
欠点があるとすればフットプリントは別売りで8800円することくらいです。
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アクトの良いとこ
アクトの良い所。
ヒルバーグなとこ
ヒルバーグのテントをソウロ、アクトと使ってみてわかりましたが、ヒルバーグのテントの良い所ってヒルバーグなところなんですよ。
値段の高さからくる所有欲が満たされる感じ。
生地を触れば、設営後に揺らせばわかる圧倒的剛性による屋外での家感。
細部までしっかりと裁縫、作り込まれた安心感。
グリーンというカラーひとつをとっても自然の中に溶け込むプレミアム感。
使ってみるとそういうところが唯一無二なヒルバーグだと思えてきます。
加水分解のリスクも無く、「良いものを長く」という思考の人と相性の良いテントだと思います。
軽量性と対候性の両立
総重量1700gで軽いとは言えませんが、この耐風性を持ったテントが1700g。と思えば軽い気がしてきます。
積雪期の稜線だろうが、張ってしまえば無敵と言える耐風性を持ったテントだからです。
そこにどれだけの価値を見出すかがアクトの評価点だと思いますが、「この重量で、この耐風性」を持ったテントはあまり思いつきません。
同じレッドレーベルで一人用な自立式のソウロでも同じような安心感は得られますが、総重量2400gはさすがに重く、夏には出番が無いなと思います。
そう考えると重量と対候性のバランスをそれなりに両立できてるアクトだと言えるでしょう。
前室の広さ
先ほども書きましたが前室の広さ。これが大きい。
室内が狭い分、この前室に助けられてるテントだと思います。
夏ならフットプリントを使いましたが、冬なら必要ないですね。
掘っても良いし、アイゼンピッケルも置きやすいです。
あと、なかちんさんにご当地イトメンのチャンポンめんも頂きました。
あっさりで食べやすく、1袋100g入りで大容量なインスタント麺でした。ごちそうさまです。
フライの小窓
ソウロにもあったので、ヒルバーグあるあるだと思いますが、フライシートがダブルジッパーになってる+逆V字に開くジッパーがついていて、写真のように上部だけ開けることができます。
悪天候の中で外をのぞくときにもいいですし、寝起きに外の様子を観察したり、ベンチレーションとしても使えます。
これが使えば使うほどに便利。他ブランドも真似すればいいのにって思ってます。
全長の長さ
ソロサイズで室内長220cmあるテントって多くないのですよ。
特に身長の低い日本人向けには作られません。
だから使う経験も少ないですし、必要性もないと思っていますが、長ければ長いだけ快適だなと感じます。
頭や足がテント生地に触れることもありませんし、寝袋が濡れるリスクも低くなります。
なにより小物を置けるのが便利。
グリーンのカッコよさ
「ヒルバーグのサンドならまだしもグリーンなんて誰が使うんじゃい?レッド一択じゃろう!」
そう思ってた時期がぼくにもありました。アクトを張るまではね。
張ればわかりますが、緑がすごい渋くて自然に溶け込む色味ですごい良いグリーンです。カッコイイ。
個人的には雪上よりも緑の中が良く似合う。
それも樹林帯じゃなく、高山っぽい高くない緑の中。
めちゃくちゃかっこいいと思うグリーンです。さすがヒルバーグということなのでしょう。
ヒルバーグあるあるなんですが、インナーテントが黄色なので、光らせて夜景を撮影すると色が変わります。
グリーン×イエローでイエローということでしょうかね。
ちなみに赤いフライのソウロはレッド×イエロー=オレンジっぽくなりました。
撤収の速さ
ポールの少ない非自立式のメリットですが、撤収がめちゃくちゃ早い。
ポールを抜く→ペグを抜く→テントを畳む、で終わりです。
これが悪天候の中や寒い雪山の朝なら大きなメリットです。
アクトの微妙なとこ
ここまでは有り体な特徴を羅列した内容でした。
良いところやメリットは点で上げてけば良いモノに見えてきますが、繋がった時に何が良いのかわからなくなることもあります。
つまりはここからがこの記事の本題。
一言で言うとぼくには合わないテントでした。
室内高の低さ
個人的にこれは使えねぇと思ったアクトの一番の短所が、室内高の低さです。
カタログ値93cmですが、中央部分のことで少しずれれば一気に低くなります。
身長160cmのぼくが8cm厚のマットに座って狭いと感じるんだから、アクトを快適に使える人は少ないのでは?と思います。
頭がぶつかると何が不便って、水を飲むような頭を後ろに下げる動作が非常にし辛くなります。ラーメンの汁をカップに口を付けてそそるようなシーンも同じです。
ぼくがギリギリできる程度なので、160cm以上の人なら不便しかない高さだと思います。
ただ寝るだけ、室内で食事はあまりしない、なら不便さも減るかもしれません。
室内で食事がし辛いと言っても、無積雪期で雨が降ってないなら外で食事をすれば事足りるわけです。非自立テントやULテントなら同じような室内の低いテントもたくさんありますよ。
でもね、アクトが想定してるのは4シーズンで、この対候性が必要になるシーンは冬位なモノです。
しかし雪山では外で食事できるシーンは少なく、必然的に室内で食事をすることになります。食事がしにくいのは冬において致命的であるというわけです。
この「1700gという軽量ではない重さ」「冬を想定した対候性」「食事のしにくい室内高の低さ」がぼくがアクトを合わないと感じる要因です。
どれか1つでも2つでも問題はないのですが、3つ合わさったからダメでした。ぼくはね。
軽くはないし軽量性は売りではない
総重量1700gですよ。
ヒルバーグ的には軽量性が売りな非自立ソロテントです。
その「ヒルバーグ的」が問題で、全てのテントがオーバースペックなヒルバーグがオーバースペックに軽量性を掛け合わせたらアクトになりましたってことなんですね。
そもそも必要のないオーバースペックであり、その中で軽量性求めても居住性が落ちたら強くて重くて住み心地の悪いテントになるわけです。
ほんとに用途がわからない。
サブポールがある収納サイズの大きさ
四辺を立ち上げるためにサブポールが入ってるんですね。
これが居住性を上げる役割も果たしてて少しでも快適にしてくれてます。
でもね、これが重さの原因でもあり、なにより収納時に邪魔過ぎる。
1700gと重い事もそうですが、収納サイズの大きさも欠点です。
20年ほど前に開発されたアクト。とてもヒルバーグらしいテントですし、当時は軽量×高対候性と呼べたのでしょう。
ULブーム真っただ中の現代の日本でアクトを軽量テントとは口が裂けても言えません。言えないのです。
使わないベンチレーション
先ほども書きましたが、このベンチレーション位置はぼくならほぼ使わない。
暖かい時期にも使えるようにー、みたいなことなのでしょうか。それでも要らない。なら軽くしてほしい。
便利そうで不便なガイライン
ぼくの使い方がヘタだと言われればそれまでですが、このM型?W型?のガイラインシステムは便利そうに見えてそうでもない。
調整幅は広いですし、シワが無いように張るために必要なのかもしれませんが、ぼくが使うとシワにしかなりません。
自分のアクトだったなら1回使ってすぐに違うガイラインに変えます。
ジッパーのカーブ
インナーテントのジッパーはひらがなの“つ”みたいなジッパーです。
大きく開いて、前室の広さを活かせるわけですが、ジッパーが長すぎるしカーブ付きは使いにくい。
ダブルジッパーにはなってますが、それでも長すぎて開け閉めが面倒。
フライの小窓を使うにもインナーテント半空け状態に出来ないので、アンマッチさを感じます。
ソウロがそうでしたが、直線ジッパー3つの組み合わせのほうが好みです。
フライジッパーが黒い部分に引っかかる
ヒルバーグのジッパータブは嘘みたいに使いやすい大きな輪っかが付いててサイコーです。冬でもグローブでも夏でも快適です。
ただ、ただそのジッパータブとジッパーフラップが開き始めで毎回ぶつかるのがストレスです。
手で押さえてる黒いやつです。
中からでも外からでも毎回ぶつかって、ちょっとずらしてジッパーをスライドというのが手間でした。なんだこれ。
ペグ穴の使いにくさ
ペグを差し込む金属リングの使いにくさ。
改造必須で、改造すれば便利になりそうですが、そのまま使いにくいのは欠点でしょう。
借り物に何か付けるのも嫌で、雪上ではひも付きスノーペグで対応しました。
必要な設営スペースの広さ
非自立=ガイラインが必要であり、自立式以上に設営するときに広いスペースが必要です。
特にアクトはガイラインを長めに張ることで耐風性を得られるようになっているみたいで、非自立式の中でもさらに広いスペースが必要です。
夏のテン場は土日なら人があふれかえりますし、スペースが限られていれば場所を取るソロテントはデメリットです。
写真のような残雪期の雪上なら困ることはありませんが、厳冬期ならスペースが必要なだけスコップで整地するのに手間がかかります。適してるのはそんな寒い冬の時期のはずですが、ぼくは雪の深い厳冬期にアクトを使う気は起きないです。
でも北海道の雪が深い山では使いたくありませんが、厳冬期でもテン場があったり、積雪量の多くない本州の冬山ならありかなとは思います。
入手しにくさと値段の高さ
とここまでがぼくが思うアクトの短所であり、合わないと思う理由でした。
そしてとどめがこれ。手に入らないということです。
モデルチェンジの多くないヒルバーグ。アクトも古いテントです。
A&F公式は在庫切れ、Amazonは3年前から在庫切れ、楽天は無し、メルカリも無し、ヤフオクならサンドカラーが1個だけ、という在庫状況です。
見た限り新品は入手不可です。
今後の入荷するかの見通しも無いと、致命的な欠点でしょう。
ぼくがニッピンのメスナーテント欲しいけど、欠点も理解したうえで欲しいけど、売られて無いから手に入らない。みたいなもんです。
手に入らない上に合わないとなればもうどうにもならない。
あとヒルバーグにしては安いですが、税込み81400円です。高すぎるし、手に入らないし、手に入っても合わない。トリプルコンボです。
良いテントながら用途の想像できないテント
アクトの話をまとめていきます。
良いテントではある
一行で良い所を書くと「圧倒的対候性を持った非自立式で広い前室があるヒルバーグにしては軽めなテント」です。
悪いとこは「重く嵩張り設営にスペースは必要で室内が低いテント」です。
製品としてのクオリティはヒルバーグなだけあって、裁縫もキレイで耐久力の高い素材を使っていて、シーム処理無しに防水性を持ってるため10年以上長く使い続けることができるでしょう。
見れば見るほどすごい良いテントだとは思います。
ただぼくには合わない。
ぼくはアクトに価値を見いだせなかったと。そういうことなのです。
でも良いテントだからこそ、まともな人がレビューをかけばいい部分を切り取って「良いテントでおすすめですよ!」と書くこともできるはず。
でもスペックバランスの悪さによる用途の分からなさを書き出すと良いテントとは言えなくなると思ってます。
どんな用途なのか
対候性(雨風雪)に強い特徴を持つテントなので、向くのは雪上か、雨風の強い稜線のテン場でしょう。日本なら2000~3000mにある山のテン場ですね。
無積雪期(3シーズン)の稜線に張るなら設営スペースの大きさがまず欠点になります。そして3シーズンに使うには1700gは重すぎる。ならステラリッジクラスで必要十二分です。
重いうえに居住性も微妙って意味がわからない。堅牢な構造的にも夏に使うメリットは薄いです。
そのため、夏なら軽さ>対候性となることが多いでしょう。
それでも対候性を求めるのは長期縦走時でしょうか。北アルプス1週間とか、大雪山5日間とかです。
長期で山に入る人が天気やコースによって信頼性>重さになるならアクトを選ぶのは有りかなとは思います。でもニュアンス的には無しではないかな、が近いです。
じゃあ冬に使えばいいじゃない!そういうテントでしょう?と私もそう思ってます。
冬山用のテントでは対候性の高さの優先順位が跳ね上がります。ただ雪上で非自立式を避ける人は僕を含めて多いです。
冬にアクトを使う上での欠点は「室内の低さ」「設営スペースによる整地の手間」です。
そこを許容できる人やシーンならアクトは使えるテントでしょう。
さらには整地の手間が減り、テント外で食事できる残雪期なら使いやすいテントかもしれません。
ぼくがアクトを持ってたら「4~5月の残雪の雪山でなら使ってもいいかなあ、重いし室内広いけど。」と思ってます。
でも「〇〇で使いたいから買う」という用途を見いだせないテントなのです。ぼくにとってはね。
アクトとエナン
ところでヒルバーグのソロテントの中にはアクトのグレードを落としたイエローレーベル(3シーズン用)のエナンというモデルがあります。
生地グレードが大幅に落ちてますが、総重量で500g軽い、1200gの非自立式テントです。
エナンは入口のみメッシュ、ベンチレーション部も構造が変わったりと積雪期を想定しない作りで軽量性に優れるモデルです。
それでもオーバースペック過ぎるアクトだったので無積雪期似使うならエナンですら十二分でしょう。
アクト使った印象が冬使うには快適性が低く微妙で夏使うには重すぎるでした。
そのアクトを改良し夏向きの軽量版にしたエナンならいいなと思いました。思ってしまいました。
もちろんエナンも在庫切れでほぼ買えない状態なのはヒルバーグあるあるですよ。
そして貸してもらっといて似た違うテントが良いって書いちゃうとこに申し訳なさはあるんですが、思ったことそのまま書いただけなので本音です。ごめんなさい。
まとめ
炎上で話題性を狙うような酷評レビューになってしまって歯がゆい気持ちになります。ましてや借り物を良いと書けない自分が嫌になりそうです。
思えば良かったモノをレビューすることはあっても悪いモノをあえてレビューすることは避けがちです。
使用者の率直なレビューとしてはそれも大事なのかなと思いますが、道具を悪く書くのは何とも気が引けますね。
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コメント
ためになった!ありがとうございます