スペック比較とメーカー間の製品比較で道具を選んでいくギア選択論!

道具

こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!

同じ種類で揃えてスペックで比較して選ぶ、というギア選び記事が多いこのブログ。

買ってもない道具の比較記事に賛否はあるかもしれません。

それでも、レビューとは違う見えてくるモノがあり、メーカーに忖度する必要のない個人ブロガーだからこそ書ける内容だと思ってます。

道具を比較するときにその人の好みも出てきますが、ぼくが比較するときに重要視していることを比較の理論を話していきます。

今回はスペック比較とメーカー間比較で道具を考えることでわかることについて話していきます。

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ぜつえん的ギア選択論

比較に関しては大きく3つの要素を重要視しています。

・製品ジャンルを揃える

・スペック比較

・メーカー間比較

それぞれ実例を交えながら説明していきます。

製品ジャンルを揃える

比較する上で大前提なのが、製品のジャンル(種類)を揃えること。

それは記事のテーマで使い分けるものです。

幅広い層に刺さる用にするなら広く浅く、軽量系キャンパー~登山者のようにターゲットを絞って書くときは同列でできるだけ絞って比較します。

 

アウトドアバーナー

例えば、“バーナー”というカテゴリで比べるときにどこまで絞り込んでいくか、ということです。

「アウトドア用バーナーの種類と選び方とおすすめ〇選!」なら、OD缶バーナーもガソリンストーブもアルコールストーブも全部同列にしていいでしょう。

さらに絞って限定的にするなら「登山やソロキャンプで使いたい軽量OD缶一体型シングルバーナー〇選」です。

ぼく的にはバーナーというカテゴリの中での、OD缶シングルバーナー、CB缶シングルバーナーというジャンルへの絞りこみという意味です。

 

アウトドア用バーナー分布図

まだまだ絞り込めますが、ある程度。

“アウトドア用バーナー”ならこの表全てが対象になるため広く浅くなりやすいです。

“軽量OD缶一体型シングルバーナー”にすると赤い“軽量モデル”まで絞り込んでから比較できます。

どちらが良いではなく、自分の中で明確に線引きをできて比較できていることが重要という話です。

ブロガー的にはそのカテゴリをどこまで絞り込んだジャンルで記事にするかが重要ですが、個人レベルで言えば自分の遊び方に合った道具を明確化するために重要な絞り込み方です。

人にオススメを聞くにも「オススメのシングルバーナー教えて」ではなく「OD缶の一体型や分離式の軽量なバーナーのオススメを教えて」くらい絞ってみてはどうだろう?ってこと。

ただ道具への知識量が少ない人などはその絞り込みを自分でできません。勉強不足でこれから学んでいくしかありませんが、上の図のように可視化することで自分の知識として確立はできるでしょう。

 

OD缶シングルバーナー

ギリギリまで絞り込んだらあとは軽量OD缶一体型シングルバーナー13個をピックアップし、その中で種類分けして選んでいくという記事になり、表が出来てきます。

自分自身のニーズに合う道具での絞り込みではありますが、同じ遊び方の人ならおそらく同じような絞り込みでピックアップするであろう軽量バーナーでしょう。

人に勧める、よりも自分が欲しいモノを絞り込んでいくという思考が結果的に自分のためにも、人のためにもなる気がします。

それを表にして、比較して、選び方を記事にすれば需要はあるだろうし、自分用のバーナーを選ぶ考えをまとめることもできます。

 

これが製品ジャンルを揃える、ということで、スペックで比較していく前の最低ライン。

手順的にはジャンルを揃える→スペック比較やメーカー間比較をしないと同基準で比較できないということです。

ガソリンストーブとOD缶シングルバーナー比べても意味ないですからね。

無意識に同ジャンルで絞れてはいる人が多いと思いますが、意識することでより明確になると思います。

スペック比較

同ジャンルで揃えたあとにするのがスペック(性能)での比較

シングルバーナーなら五徳の数や重量、火力、炎の出方などです。

炎の出方はやや不明確ですが、いちおう拡散型と直噴型で分けることはできます。

スペックを見る時にも同じ目線、できれば数値化できるモノで比べられるのがベストです。

 

シートゥサミット ALTO TELOS テント一覧表

画像出典:SEA TO SUMMIT

同メーカーでのスペック比較はやりやすいです。項目がそろってますからね。

結局スペックはスペックでしかなく、実際に使った印象とは異なります。だからあくまで参考にするにとどめたいモノだったりもします。

が、数値は絶対なので軽いテントは軽く、広いテントは広いのも事実。

そういう意味で製品スペックから得られる情報は絶対的な情報ながら過信しすぎたくないモノであると思います。

というのもスペックに出ないその製品の特徴が多くあるからです。

特にテントで言えば、ジッパーの滑らかさや噛みにくさ。出入りのしにくさ。生地の乾きやすさや張り付きにくさなど実際使う中でしか見えてこないモノが多いのです。

だからスペックは参考程度だけど、それでも絶対知っておくべき情報です。

メーカー間比較

先ほどのシートゥサミットのテント用にそのメーカー内の製品で比べるときは細かい違いやそのメーカーの製品をすべて知るのに向いています。

そして個人的に製品の比較で、個人ブロガーの特権だと思ってるのがメーカー間比較(会社と会社での比較)ができることです。ブランド間比較というほうが正しいのかもですが、メーカー間比較で認識してます。

メーカー公式は自社製品を売り込むために自社の強みをアピールします。そのときに他者を名指しで比較なんてできないわけです。あってもA社D社S社という表現になってしまいます。

各社持ち前のメリット(安い、軽い、濡れに強いなど)がありますが、「実際に他のメーカーと比較したらどうなの?」をできるのが個人ブロガーであると、そういうわけです。

メーカー間で比較することで指摘されたくない急所や浮かび上がる魅力があり、その製品カテゴリにおける軽い重い、安い高いなど業界単位での常識がわかってきます。

僕はそれが好きでブログ書いてるみたいなとこもある気がします。

OD缶の場合

OD缶 ガス配分 各社比較表

【OD缶の全て】9社16缶の充填ガスの比率と比較、OD缶の小話あれこれ

例えばこれ。

OD缶のガス充填量(スペック)を9メーカー間で比較してます。

ガス缶はメーカー間で比較しやすいモノでした。ブタン、イソブタン、プロパンくらいですからね。

OD缶をメーカー間で比較することで見えてくるのは製品ラインナップ。

その種類数で用途は全く同じで

・1種類(寒冷地寄りオールシーズン用)

→JETBOIL・MSR・SOTO・Fire-Maple

・2種類(夏用、寒冷地用)

→SnowPeak・CAPTAINSTAG・Coleman

・3種類(夏用、寒冷地用、極寒冷地用)

→PRIMUS・EPIgas

となってます。

ここまで考えるとなんとなく見えてくるモノがあります。

OD缶が1種類→山岳用途なバーナーを出していて、標高が高いとこで使うことを想定しているため夏用を出していない。(JETBOIL・MSR・SOTO・Fire-Maple)

2種類→平地キャンプ用途がメインだけど、寒い時期も使えるように寒冷地ガスも出している。(SnowPeak・CAPTAINSTAG・Coleman)

3種類はバーナー界大手でバーナーの種類も多く、日本の厳冬期登山を想定しているメーカー。(PRIMUS・EPIgas)

同ジャンルの製品をメーカー間でスペック比較することで、個別に調べてもわからないことが見えてきます。これがメーカー間比較のメリット。

また、充填元会社も調べたのですが、JETBOILとMSRは同じ韓国の会社です。

そこからガス漏れのしやすさに繋がっていることに気付けるのもメーカー間比較。

テントの場合

2人用テントの重量と居住性

最近比べたちょっと変わったテントの比較。

2人用+ダブルウォール+自立の軽量そうなテントをメーカー間でピックアップし、重量とインナーサイズによる居住性を比べました。

これで見ると山で使える2人用ダブルウォール自立テントの重量がおおよそ1100~1600gに収まってることがわかります。平均を出すと1362g。

もっと同ジャンルのテントはありますが、おおよそ似た数値に収まるのでしょう。

2人用で1100~1200gなら軽め1500~1600gなら重めなことがわかり、1kgを切ったBIGAGNESのタイガーウォールUL2(992g)がめちゃくちゃ軽いと言えるわけです。この表を見た人がどう思うかはわかりませんが、自分なりの選ぶ目安はできるでしょう。

ここに非自立式とかシングルウォール1人用テントを入れればもっと軽いんですが、同ジャンルとは言えないため、比較の意味が薄れてきます。。

同様にインナーテントの長辺が205cmなら狭め、210~215cmが一般的、220~230cmなら広めということもわかってきます。室内幅や室内高、床面積も同じように見ていけます。

ということが同ジャンル+メーカー間で製品で比べることで見えてくるのです。

それでもメーカー間で、ジャンルを揃えて、スペック比較してもわからないこともあります。

 

リッジポールのあるテントの断面

それが実際の居住性です。

先ほどの表でも合ったりなかったりしてますが、リッジポールの有無は居住性を左右する大きな要素です。

リッジポールがあると同じ床面積でも上部が広くなり、居住性はあがります。

この場合の居住性は面積ではなく、容積(インナーテント内の体積を表したモノ)になります。

MSRは公式で容積を記載してますが、他メーカーはほぼ記載していません。個人で測れなくもないのですが、実際に使わないと測ることもできないので難しくずれもあるでしょう。

この辺りがある程度想定はできてもスペックではわからないレビューに頼りたくなる部分。

寝袋の場合

ダウンシュラフ300個以上をメーカー間で比較できるシートを公開しています。

300個以上を1個1個調べて表を作ってみると色々と見えてくるわけです。

例えばFP(フィルパワー)の目安。

ダウン フィルパワー とは」で検索すると未だにアウトドア系のダウンウェアや寝袋記事で6~700FP以上は良質、7~800FPが高品質、800FP~超高品質。みたいな雑な内容しか出てきません。

でも寝袋300個以上調べて思うのは

・650~700FPは最低ランク

・700~750FPはコスパ優先モデル

・750~800FPは無難に選べるスタンダードモデル

・850FPが軽量で高品質

・900FP~超高品質のハイエンドモデル、みたいな認識になります。

ダウン業界的には800FPが超高品質なのかもしれませんが、アウトドア業界から見ればすでに1000FPジャケットもありますし、800FPにそこまで高品質さはあまり感じられません。

というのもあらゆる寝袋を比べた上での感想で、メーカー間比較をせずには得られない感想です。

 

ダウンシュラフ一覧表からの特徴

大きな画像で見る

画像小さくて数値まで見えないかもしれませんが雰囲気がわかれば大丈夫。

リミット温度-1から2度までの寝袋を抽出し、軽い順に並び替えた表です。

寒い時期も使える幅広い3シーズン用モデルでナンガ280、イスカ280、モンベル#3程度のグレードと言えばわかるでしょうか。

300~499g→850~930FPのみ、ハイエンドで高価な質と軽量性を重視したモデルのみ。

500~599g→イスカ280モンベル800#3がここ。800FP前後の値段がやや落ち着いた登山やバックパックキャンプ用途で選ばれやすいゾーンで、各メーカーが力を入れてるホットなグレード。

600~799g→AEGISMAXやタケモなどコスパに優れるモデル。イスカ タトパニシートゥサミット トレックTKIなど一段グレードを落として寝心地とコスパを重視したモデルも多い、ただ少し重いというグレード。

800g~→650~700FPのコスパ重視のローグレード、スノーピーク バクー350ニーモ ディスコ30などダウンを落としてる+防水透湿生地を使った結果極端に重くなってるモデルが多い。登山ではなくキャンプ用途。

メーカー間の製品を全て比較することで“寝袋”というカテゴリの知識が深まります。

これが1ブランドしか知らないのでは、寝袋を総合的に見てほんとに軽いかどうかわかりません。

あとは重い寝袋はその分、防水生地を使っていることなどイスカモンベルしか見てないと気付けないことにも気づけます。

そして中間重量の少し重いけど値段は安い、コスパ重視モデルという存在も知れます。

それが分かってくると値段を見たらダウンの寝袋の中で安いかどうかがわかり、そこからコスパの良し悪しがわかります。安い≠コスパがいいではなく、そのカテゴリ(寝袋)の中で質と値段で見た時に安いからコスパが良いという認識になるんですね。

つまりはこの比較の中でもっとも重いsoomloomのダウン寝袋は安いけど、コスパが良いではなく安いだけ、という認識になってきます。

もちろんぼくの主観ではです。自分での主観で道具への理解度を深めることが重要です。

主観で道具の種類を知り、スペックを知るほどに重量、値段、FPやダウン量が知識として蓄えられてきて、新製品が出た時に鵜呑みじゃなく、自分の認識ですごさを理解できるようになります。

実際にフィールドに出て製品を使わないとわからないことはもちろん多くありますし、それが本分ではありますが、業界全体の道具の知識を知っておくことも同じ位に大事だと思います。

それの知識を蓄えるためにしたいのがメーカー間比較ということです。

メーカー差を知れるカタログはオススメ

「でも一体メーカー間で何の製品を比較して、どうやって知識を蓄えればいいかわからないし、そんな勉強みたいなことしたくない。」

と、ぼくもそう思います。

 

アウトドアカタログ まとめ

そんな方々に、いや、アウトドアをする全ての人にオススメしたいのがアウトドアカタログです。

各社新作や全製品をわかりやすくまとめてカタログを出してくれています。

値段や重量はもちろん、自社製品の売りを大きく書いてくれてることが多いです。

そんなカタログを数十冊毎年何周も読んでたらこのテントは〇円。大体〇グラム。このブランドはここが強み。みたいなことが自然とわかってきます。

ネットで調べてると自分の好きなモノしか調べず偏った知識になりやすいですが、本(カタログ)なら興味を持って調べることのない製品を知るきっかけにもなります。

製品やブランドへの知識が深まるのがカタログ。しかも好きなジャンルのカタログなわけで読んでるのが楽しくて仕方ないですし、気づけば何周もしてるし、家にカタログタワーが出来るわけです。

というのがアウトドアカタログをお勧めする理由です。そう楽しいからです!

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スペック比較は最低ライン

でもまあ先ほども言ったようにジャンルを揃えて、メーカー間でスペック比較してもわかるのは数値だけ。

スペックに表れない実用したときの細部はわからないわけです。でもそれを理解してればスペック比較、メーカー間比較を有効に使えるはず。

レビューじゃないとわからないこと

シングルバーナーに扇風機で風を当てる

スペックだけではわからない、だからブログやYouTubeのレビューに価値があるわけです。

逆に言えば調べてわかるスペックはわかってることなので、レビューとして取り上げる価値はあまり無いと思ってます。

「このテントは〇gでポールはー」とかいうよりも早く張って、公式画像で見えない部分を撮って、あなたの感想を教えてくれ。とそういうこと。

調べてわかるその製品のスペック、メーカー間で比較したその製品の立ち位置まで知って、いくつかレビューを見れば購入しやすくなるでしょう。

どっちも大事です。

スペック比較は最低ライン

モンベルカタログ

ぼくはそうなんですが、テントや寝袋を買う前にはきっと公式サイトは毎日のように眺めてスペックなんて暗記しているでしょう。

だからか、最近のアウトドアをするお客さんは事前にしっかり調べてから来店することが多いです。

店員側としてはスペックを知って、ある程度の違いをわかってるお客さんならスペック説明なんてする必要もないので実際にフィールドで使う上での向き不向きや注意点というレビューに近い具体的な話ができます。

しかし欲しい製品のことも知らなければ、他メーカーと比べた立ち位置も知らないとカタログや公式サイトから得られるような当たり前の話しかできません。

せっかくブログやYouTubeで気軽に情報が入手できるのだから、店に買いに行く前にある程度スペック比較で得られる知識は最低ラインにしておきたいものです。

レビューを見る時も事前に予備知識があれば理解度は跳ね上がります。

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まとめ

いつも通り書いてる間に迷走してきましたので少しまとめておくと。

意識的に条件とジャンルを揃えて、スペックをメーカー間で比較することで道具選びの最低ラインとなる総合的な知識が身に付く。そこに自分の経験を追加して考えることで道具を選ぶ力上がっていく。カタログはいいぞ。

ということです。

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