こんにちわ、ぜつえん(@zetuenonly)です!
重量、値段、入手性、使いやすさ、全てのバランスが良いベストバイウーピースリングと言える製品に出会えました。
それがCocoon(コクーン)の2021年の新商品“Hammock Strap UL”です。
目立ってすごい部分があるわけでは無いんですが「バランスが良い」。これからウーピースリングを買う全ての人にオススメできる、そんなアイテム。
今回はCocoonのHammock Strap ULをeno Helios Suspension Systemと比べたりしながらレビューしていきます。
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Cocoon(コクーン)
1989年にオーストラリアで創業したCocoon(コクーン)。
「Cocoon=カイコなどの繭(まゆ)」、というブランド名の通り体を包み込むインナーシーツが主要製品です。
シルクのシーツが有名ですが、化繊やコットンやウール、さらにそのハイブリッドのシーツなど素材のバリエーションで驚くほど種類が豊富です。ほんとに驚きますよ。
日本での取り扱いはA&F。
そのコクーンが昨年ごろから手を出しているのがハンモック。
ハンモックといえば包まれる感じが繭っぽいですし、コクーンらしいギアだったりしますよね。
昨年発売の蚊帳付き、リッジライン付きながらシンプルで軽量なハンモックで一部のハンモッカーは盛り上がってた気がします。
同時に出たツリーストラップは良くも悪くも普通なデイジーチェーンタイプで普通でした。
そして、今年の新商品が軽量なウーピースリングであると、それを待ってたんだよコクーンさんと、そういう話です。
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ウーピースリングのススメ
ところで知ってますか、ウーピースリング?
ハンモックと木を繋ぐツリーストラップ(サスペンション)の一つで、デイジーチェーンと違い、無段階調整ができるのが特徴です。
ハンモックと繋いだまま使うのに適し、素早い設営ができるのも魅力です。
どちらかと言うと蚊帳無しハンモックとの相性が良いように思います。
そんなウーピースリングとはなんなのじゃ、ウーピースリングの使い方、ダイニーマって?、ウーピースリングの自作方法。
をこの記事の冒頭に入れようと思ったら脱線しすぎるなと思ってウーピースリングで単体記事になりました。
ウーピースリングを知らない方はそちらをどうぞ。
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Cocoon Hammock Strap UL
レビュー。
製品名の話
製品名は英語表記だと「Hammock Strap Ultralight」
日本語にすると「ハンモックストラップウルトラライト」
・・・名前がシンプル過ぎない?
そういえば、コクーンが出してるデイジーチェーンとのツリーストラップの名前も「ハンモックストラップ」でしたし、わかりやすいけど、わかりやすいけど!
ブランド名とセットで言わないと認識されないのはどうなんだろうと思ってしまいますよ。
でもハンモックの製品では他社でもあるあるで、名前がひたすらにシンプルなことが多いです。
スペック
耐荷重 | 140kg (70kg / 1本) |
長さ | 250cm |
重量 | 70g (35g / 1本) |
収納サイズ | 10×4cm |
素材 | UHMWPE |
気を取り直してスペック。
耐荷重140kgなのはよくあるスペックですが、1本70kgと表記してるのは珍しい。
体重70kg以上の人が見ると不安になってしまいそうですが、ハンモックに使うならセットの140kgだけで見て問題ないでしょう。
長さはバンド部分とウーピースリング部分合わせて250cm。
実測でバンド部が145cm、ウーピースリング部が最長105cm、最短23cm。
ウーピーの可動域は約82cm。それが両側で約164cmの可動域がある計算。
バンドを雑に計算をすると145(バンド長) / 3.14(円周率)=46cm(直径)で、直径46cmまでの木なら巻き付けられることがわかります。
全面がバンドなデイジーチェーンに比べ、限界があるのがウーピーの弱点。
ぼくは太い木に巻き付けることも多くて、たまに長さが足りないと感じる時もあるバンド長です。
ちなみにコクーンのストラップULはウーピー部だけでなく、バンドもUHMWPE(ダイニーマ系の素材)で作られているのが軽量に仕上がってる理由です。
カタログ値は35gが2つで70gですが、実測は36.5gと37.3gで合計73.8gと気持ち重め。
スタッフバッグは3.2gでした。それも入れると77g。
実用シーンではハンモックにつけっぱなしで、ハンモックと同じスタッフバッグにいれるので73.8gが実用値ですね。
見た目
ダイニーマコードは新品だと硬めですが、数回使ってもあまり柔らかくならなくて硬いダイニーマ使ってんな、という印象があります。
この全体的な硬さが使いやすく感じます。
ただダイニーマの特性として、使い込めば確実に柔らかく、ふにゃふにゃになっていきます。
ハンモックを取り付けるエンドアイ部分が、抜けるの防止か縫い付けて固定されています。
自作じゃできないクオリティの高さを感じさせられます。
末端の部分は結んだ後に黒いゴムチューブ?でほどけ防止になっています。
無難ではあるのだけど、ちょっとダサいなと思ってしまいます。
バンドにはスペックの説明が書いてます。
「ハンモックを30cm以上の位置に張らないでね、ストラップは1本70㎏までだよ。使う前にはストラップにダメージが無いか点検してね。もちろん自己責任だよ。100%UHMWPEでできてるよ。メイドインチャイナ」
とみたいなことが書いてます。注意書きですね。
変にひらひらしたタグじゃなくてバンドのサイズを変えないようにしてるのは好印象です。
KAMMOKのパイソン10ULとかタグの位置が最悪ですし。
使い方
バランスの良いウーピースリングとは言っても、特段に変わった点のない「シンプルなウーピースリング」です。
ウーピースリングを使ったことがある人なら迷わず使うことができるでしょう。
エンドアイ部分は直径2cm弱。
よほどごついカラビナでなければ通すことができます。
トグル式ももちろんばっちりです。
KAMMOK RoosingleUL、eno sub6のトグルどちらもフィットしました。
あとウーピースリングのハンモックから外さずに設営できるメリットを活かすため、バンドの末端にはカラビナやダッチクリップ、ソフトカラビナはつけよう。
ぜつえんとの約束だぞ。
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eno Helios Suspension Systemと比較
シンプルなウーピースリングだからこそ、他製品と比較しないとよくわからないわけです。
長く使い続けてきたeno(イノー)のヘリオスストラップと比べて見て行きます。
重量を除けばほぼ同じようなスペックです。
enoヘリオスはマイナーチェンジしててぼくの使ってるのはカタログ値162gでしたが、現行はヘリオス122g。実測で見ればそちらに近く、袋無しなら実測で118g(約58g/本)でした。
同時にそれよりも軽いcocoonストラップの73g(約36.5g/本)は驚異的なこともわかります。実測で約45g軽いわけですから。
重量差
実測内訳で見るとダイニーマロープ部分はcocoon 18.7gとeno 20.9gで誤差程度の重量差。
使ってるダイニーマはどちらも同じ径で、おそらく3.5mmのモノ。
enoの素材の記載はSilverlite Cordですがダイニーマ。
ウーピースリングとして使えるロープの長さはcocoonが最長105cmに対して、enoは最長115cmと10cm長く、往復分で約20cm長い計算。
金具とか中に隠してる部分とかもあるのだろうけど、長いenoが少し重いってことかなと思います。
差があるのはバンド。太さは同じ25.4mm。中途半端だなーと思ってしまいますが、海外品で規格が1インチ(25.4mm)だからです。
実測でcocoonが145cm18g、enoは130cm38gでした。
cocoonはUHMWPE素材(超高分子量ポリエチレン)ですが、enoは1000Dのポリ素材を使用したバンドです。
素材の差ではありますが、短い重いのがenoの欠点であり、cocoonがベストバイな理由です。
濃いグレーがcocoon、V字のあみあみがeno。
触った感じだとcocoonは少し硬め、enoは柔め。
enoは曲がり癖が付くことは少ないですが、cocoonは収納後にバンドが捻じれやすい気がします。
でもこの軽さの差は驚きで、もうenoヘリオスには戻れないなと感じてます。
細部の違い
enoはエンドアイの輪が小さくて、直径1cmも無い位。
引っ張って入れれるようにテープが付いていますがあまり使ったことはありません。
ただエンドアイが小さすぎて、太いカラビナは使えませんし、KAMMOK RoosingleULのトグルを通すのもかなり大変。通すことは可能。
それでも、eno sub6に付いてるトグルとは相性抜群で同ブランドこそですね。
cocoonのエンドアイは直径2cm弱もあるのでごついカラビナでも通せます。
使い勝手と汎用性で考えればcocoonが一歩上です。
引っ張る側の末端は処理が微妙なcocoonでしたが、enoはオリジナル金属パーツでrelax…(リラックス)と書いてるのが素敵だし、大好き。
ウーピー重なり部分
ウーピースリングの中空内を通して無段階調整を可能にする部分。
各社10cm前後の距離を通していますが、enoは約7cmと短め。cocoonは約10cmでした。
数年enoヘリオスを使って固定力の弱さを感じることはありませんが、それよりもcocoonのストラップは固定力が高いと体感でもわかるほど。
価格
cocoonストラップULはAmazonに在庫が無く、楽天で約4620円。
enoヘリオスはAmazon、楽天共に約4950円。
数百円の違いではありますが、cocoonがやや安い値段設定です。
強いて言うならコクーンがまだAmazonに無いのが痛い。
今から買うならCocoon Hammock Strap UL
重量以外は使い勝手でも劇的に変わることのない二つのウーピースリング。
コクーンハンモックストラップULのメリットは
・少し軽い
・少し安い
この二つ。
細部は一長一短でどちらが明確に優れてるとは言いにくいですが、重量と値段でコクーンに軍配が上がります。
もしあなたが既にeno Helios Suspension Systemを持っていて使っているなら、買い替えてまでCocoon Hammock Strap ULを手に入れるメリットは薄いでしょう。ハンモック二つ持ちとかならありですが。
4680円かけて、50g位軽くなるだけなのだから。
そのため、ウーピースリングをこれから買うのであればCocoon Hammock Strap ULがオススメですということ。
他のウーピースリング
おまけで、コクーンとイノー以外のウーピースリングも紹介比較。
画像が販売ページへのリンクで、表は横にスライドできます。
最軽量の代名詞ハミングバードのツリーストラップは元祖ウーピースリングらしい。ハンモック界隈に軽量化、ULの波を運んできた渡り鳥であるとかなんとか。→Hikar’s Depot
他のウーピースリングと違い、エンドアイがバンドに接続されていて、稼働するループ部分にハンモックを取り付けるタイプなのがハミングバード。軽さ極ぶりで使い勝手はやや下。
日本代理店がいない状態で、色んなショップが輸入してますがやや高価。
ブッシュメンとDDハンモックはバンド(ツリーハガー)+ウーピースリング+カラビナのセット。
個人的にバンドとウーピーを分離するのはデメリットだと思ってて、そもそもコクーンの倍以上の重さで値段も高くて論外。
つまりは、ウーピースリングを選ぶならコクーンかハミングバードになるわけですが、ハミングバードは高い+入手性の低さ+使い勝手の悪さから良くて2番手。
70gから44gへの26g程度の軽量化にそれ以上の価値を見出せる人ならハミングバードが良いでしょう。
でも多くの人にとっては26g軽いことよりも、少し安くて比較的軽めで手に入れやすく使い勝手も良い、そんなCocoonのHammock Strap ULがマッチするのではないでしょうか。
少なくともぼくはその考え方で選んでいてコクーン登場前はenoヘリオスストラップを選び、今回はCocoonのストラップULを選んでいます。2021年にウーピースリングを選ぶ思考のモデルケースという感じ。
これがウーピースリングのツリーストラップを買うならコクーンのハンモックストラップULがベストバイとぼくが言う理由です。
コクーンのハンモックギア
おまけのおまけ。ツリーストラップと合わせて使いたいコクーンのハンモックと周辺ギアも紹介。
ハンモック
ハンモックは2種類。
同じサイズ、同じ生地で蚊帳があるかどうかの違いです。
どちらもダイニーマリッジラインが付いてて設営が一定になっていつも同じ幅で張れて寝れるのがいいとこ。蚊帳無しハンモックでリッジライン付属してる形状はややレアです。
全長325cmとかなり長めで、幅も148cmとソロなら相当広いサイズ。
それだけのサイズ感ながらもカラビナ無しで、蚊帳無し200gと蚊帳有り355gという軽さにびっくり。ただ20DナイロンのUL系ハンモックであり、強度はやや心配で気を付けて使いたいとこ。
コクーンのすごいとこは値段の安さ。
蚊帳無しモデルはそこまでですが、蚊帳有りモデルで1万円ちょっとの値段はお買い得。
同じ形状で40Dのモデルとか追加してくれたらうれしいのにと思ってます。
バグネット
ハンモック用の蚊帳も今年の新商品。
名前もシンプルで「モスキートネットウルトラライト」
190gとかなり軽く、両側にジッパー付きで出入り自由。
両側ジッパーを開いて上部で固定したり、ジッパー部分に張り縄を付けて広げることもできる仕様。
ぱっと調べた限り最軽量モデルであり、ジッパー付きで200gを切った蚊帳は他に見当たりませんでした。
この記事を書くまでノーマークだった蚊帳でしたが、すごい良さそう。良さそうだなぁ。
まとめ
道具の基礎から入って、レビューとすると長すぎるので分割して2記事になるパターンが度々あります。
そんな細かく説明する必要もないのかもしれませんが、小学生にも伝えられるようなブログを目指してるってぜつえん氏も言ってたので、そういうことなのでしょう。
カモックだったりコクーンだったりのあるあるで、記事中の表記を英語にするかにカタカナにするか悩みがち。結局ミックスというどっちつかずなんですけどね。読みにくかったらごめんなさい。
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コメント
ハンモック側のロープをパラコードに交換するのは危険ですか?
コクーンのウーピースリングをddハンモックフロントラインに使用しようとしているのですが、ddのロープが重いため、パラコードに変更しようと考えています。
試しにdd製のパラコードを調べてみると、ハンモックのサスペンションとしての使用は適さないと書かれております。
ぜつえんさんの記事を見てハンモック購入を決意しました!
初めてでよくわからないことが多いので、教えていただけると嬉しいです。
tom様
記事を読んでのハンモック購入とコメント頂きありがとうございます。
そしてハンモックデビューおめでとうございます!
DDのフロントラインを使用したことがありませんが、おそらくハンモック生地とウーピースリングの接続ロープの変更かと思います。
短期的な使用の耐久力で言えば5mm以上のパラコードなら人の体重を支えることは可能です。ただパラコードは雨風日光での劣化が早く、使用するほどに消耗して新品時の耐久力を保てないため使用に適さないのでしょう。
そのためぼくとしてもオススメしにくいです。ただ余裕をかなり持たせた太いパラコード(6~8mm位)での使用で、傷んできたら交換するなら問題は無いかと思います。
ぼくも接続部の代用品についての知識が無く申し訳ないのですが、長期的にハンモックを使用することを考えて
軽量性重視ならダイニーマ素材のロープ(径2.5~3mm)で自作するのが一番好みのモノを作れ、応用が利くでしょう。
https://www.amazon.co.jp/dp/B06X9N9HT6/
既製品ならクライミング用のダイニーマスリング(30cm)やソフトシャックル(ソフトカラビナ)を使うと良いかと思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07P68S9QG/
https://www.amazon.co.jp/dp/B07M7F1BHB/
Amazonでは少ないソフトシャックルはメルカリなどで探すのもありです。
https://www.mercari.com/jp/search/?sort_order=&keyword=%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%A2%E3%83%83%E3%82%AF+%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AB&category_root=&brand_name=&brand_id=&size_group=&price_min=&price_max=&status_on_sale=1
知識不足で申し訳ありません。
長くなってしまいましたが、参考になれば幸いです。
他にも不明な点があればお気軽に質問下さい。
ご返信ありがとうございます!
8mmのパラコードを取り付けてみました!
まだ試し張りできてませんが、見るからに強そです!
ハンモックはバックパックも軽くなっていいですね!
今後とも参考にさせていただきます
ありがとうございました!
tom様
8mmはかなり強いですね!
問題も少ないと思いますが、濡れ等で劣化しやすいので設営の時に擦れなど確認するようにすれば安心かと思います。
ハンモックは軽くて寝心地も良くて良いギアですね!
今後ともよろしくお願いします。